環境省環境統計・調査結果等環境基準地下水環境基準

別表

項目 基準値 測定方法
カドミウム 0.003mg/l 以下 日本工業規格K0102(以下「規格」という。)55.2、55.3又は55.4に定める方法(準備操作は規格55に定める方法によるほか、昭和46年12月環境庁告示第59号付表8に掲げる方法によることができる。)
全シアン 検出されないこと。 規格38.1.2及び38.2に定める方法又は規格38.1.2及び38.3に定める方法
0.01mg/l 以下 規格54に定める方法
六価クロム 0.05mg/l 以下 規格65.2に定める方法
砒素 0.01mg/l 以下 規格61.2、61.3又は61.4に定める方法
総水銀 0.0005mg/l 以下 昭和46年12月環境庁告示第59号(水質汚濁に係る基準について)(以下「公共用水域告示」という。)付表1に掲げる方法
アルキル水銀 検出されないこと。 公共用水域告示付表2に掲げる方法
PCB 検出されないこと。 公共用水域告示付表3に掲げる方法
ジクロロメタン 0.02mg/l以下 規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
四塩化炭素 0.002mg/l以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
塩化ビニルモノマー 0.002mg/l以下 付表に掲げる方法
1,2-ジクロロエタン 0.004mg/l以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1又は5.3.2に定める方法
1,1-ジクロロエチレン 0.1mg/l 以下 規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/l 以下 シス体にあっては規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法、トランス体にあっては、規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法
1,1,1-トリクロロエタン 1mg/l 以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
1,1,2-トリクロロエタン 0.006mg/l以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
トリクロロエチレン 0.03mg/l 以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
テトラクロロエチレン 0.01mg/l 以下 規格K0125の5.1、5.2、5.3.1、5.4.1又は5.5に定める方法
1,3-ジクロロプロペン 0.002mg/l以下 規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1に定める方法
チウラム 0.006mg/l以下 公共用水域告示付表4に掲げる方法
シマジン 0.003mg/l以下 公共用水域告示付表5の第1又は第2に掲げる方法
チオベンカルブ 0.02mg/l 以下 公共用水域告示付表5の第1又は第2に掲げる方法
ベンゼン 0.01mg/l 以下 規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2に定める方法
セレン 0.01mg/l 以下 規格67.2、67.3又は67.4に定める方法
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/l 以下 硝酸性窒素にあっては規格43.2.1、43.2.3又は43.2.5に定める方法、亜硝酸性窒素にあっては規格43.1に定める方法
ふっ素 0.8mg/l 以下 規格34.1に定める方法又は規格34.1(c)(注(6)第三文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び公共用水域告示付表6に掲げる方法
ほう素 1mg/l 以下 規格47.1、 47.3又は47.4に定める方法
1,4-ジオキサン 0.05mg/l 以下 公共用水域告示付表7に掲げる方法
備考

1 基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については 、最高値とする。

2 「検出されないこと」とは、測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。

3 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度は、規格43.2.1、43.2.3又は43.2.5により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数0.2259を乗じたものと規格43.1により測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数0.3045を乗じたものの和とする。

4 1,2―ジクロロエチレンの濃度は、規格K0125の5.1、5.2又は5.3.2により測定されたシス体の濃度と規格K0125の5.1、5.2又は5.3.1により測定されたトランス体の濃度の和とする。

付表

塩化ビニルモノマーの測定方法

1 試薬

(1) 水
 規格K0557に規定するA3又はA4のもの(A4の水の方が望ましい)(注1)
(2) メタノール
 規格K8891に定めるもの(注2)
(3) 塩化ビニル標準ガス
 純度99%以上の塩化ビニルモノマーを含むもの
(4) 塩化ビニル標準原液(100μg/ml)
 5,000μgの塩化ビニルを含む塩化ビニル標準ガスをガスタイトシリンジに採り、バイアル中のメタノール(あらかじめ65mlバイアル中にメタノール50mlを入れ、四ふっ化エテン樹脂フィルム、シリコーンゴム栓及びアルミシールで栓をし、ドライアイスにメタノール等を混合した冷媒を用いて冷却したもの)に溶解したもの(注3)(注4)
(5) 塩化ビニル標準液(1μg/ml)
 メタノールを50〜90ml程度入れた100ml全量フラスコに、塩化ビニル標準原液1mlを採り、メタノールで100mlとしたもの
(6) 内標準原液(100μg/ml)
 5,000μgの塩化ビニル―d3を含む塩化ビニル―d3標準ガスをガスタイトシリンジに採り、バイアル中のメタノール(あらかじめ65mlバイアル中にメタノール50mlを入れ、四ふっ化エテン樹脂フィルム、シリコーンゴム栓及びアルミシールで栓をし、ドライアイスにメタノール等を混合した冷媒を用いて冷却したもの)に溶解したもの(注3)(注4)(注5)
(7) 内標準液(1μg/ml)
 メタノールを50〜90ml程度入れた100ml全量フラスコに、内標準原液1mlを採り、メタノールで100mlとしたもの

(注1) 同等な品質に精製が必要な場合には、水1〜3Lを三角フラスコに採り、これを強く加熱して煮沸し、液量が約1/3になるまで続け、直ちに環境からの汚染がない場所に放置して冷却する(加熱が弱いと十分に揮発性有機化合物を除去することができない。)。また、市販の揮発性有機化合物試験用の水等を用いてもよい。その場合、使用前に空試験を行い、使用の適否を確認する。

(注2) 水質試験用、トリハロメタン測定用等を用いてもよい。その場合、使用前に空試験を行い、使用の適否を確認する。

(注3) 濃度保証された市販の分析用標準液等を用いてもよい。

(注4) 使用時に調整する。ただし、調製した標準品を直ちに冷却し、ドライアイスにメタノール等を混合した冷媒を用いた冷却条件下でアンプルに移し、溶封して冷暗所に保存すれば1〜3か月は保存できる。それ以上の期間を経過したものは純度を確認してから使用する。

(注5) 塩化ビニルは常温でガス状の物質であり、分析操作で揮散しやすく、測定上の妨害も受けやすいことから、安定同位体標識化合物(塩化ビニル―d3)を内標準物質として用いることとする。塩化ビニル―d3以外に適当な物質があれば内標準物質として用いてもよい。

2 器具及び装置

(1) 試料容器
 40〜250mlのガラス製容器でねじぶた付のもの(あらかじめ規格K0557に規定するA2又はA3の水で洗浄した後、105±2℃で約3時間加熱し、デシケーター中で放冷する。放冷後、キャップを堅く締め、汚染のない場所に保管する。ねじぶたは四ふっ化エテン樹脂フィルム又は同等の品質のもので内貼り(注6)したものを用いる。)
(2) パージ・トラップ装置(注7)(注8)
(a) パージ容器
 0.5〜25mlの試料を注入できるガラス容器又はそれに試料導入部をもつもの(あらかじめ規格K0557に規定するA2又はA3の水で洗浄した後、105±2℃で約3時間加熱し、デシケーター中で放冷する。)
(b) パージ容器恒温装置
 パージ容器を20〜40℃の一定温度に保持できるもの
(c) トラップ用管
 内径0.5〜5mm、長さ50〜300mmの石英ガラス管、ステンレス鋼製管又は内面を不活性処理したステンレス鋼製のもの
(d) トラップ管充てん剤
 2,6―ジフェニル―1,4-ジフェノキシドポリマー(粒径177〜250μm又は250〜500μm)を含み、かつ、シリカゲル(粒径250〜500μm)、活性炭(粒径250〜500μm)又はこれらと同等の性能を持つもの(注9)を含むもの
(e) トラップ管
 トラップ管充てん剤をトラップ用管に充てん(注10)したもの(使用に先立ってヘリウムを毎分20〜40mlで流しながら、トラップ管の再生温度で30〜60分間加熱する(注11)。)
(f) トラップ管加熱装置
 パージ時にトラップ管を20〜40℃に保ち、さらにトラップ管に捕集した揮発性有機化合物の加熱脱着のために1分間以内に約180〜280℃まで加熱でき、約4分間以上脱着温度を保つことができるもの
(g) パージガス
 ヘリウム(純度99.9999vol%以上)又は窒素(規格K1107に規定する高純度窒素1級)(注12)であって、流量を毎分20〜60mlの範囲で一定に調節したもの
(h) 冷却凝縮装置(注13)
 内径0.32〜0.53mmの石英ガラス管又はキャピラリーカラムで、凝縮時に−30℃以下に冷却ができ、かつ、脱着時には1分間以内にカラム槽の温度まで又は200℃程度に加熱できるもの
(3) ガスクロマトグラフ質量分析計(注14)
(a) ガスクロマトグラフ
(ア) キャピラリーカラム(注15)
 内径0.2〜0.32mm、長さ25m〜120mの石英ガラス製、硬質ガラス製又は内面を不活性処理したステンレス鋼製のものであって、内面にフェニルメチルポリシロキサン又はジメチルポリシロキサンを0.1〜3μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
(イ) キャリアーガス
 ヘリウム(純度99.9999vol%以上)(注12)であって、線速度を毎秒20〜40cmとしたもの
(ウ) カラム槽昇温プログラム
 35〜230℃で0.5℃以内の温度調節の精度があり、昇温が可能なもの(例えば、40℃に約1分間保ち、毎分2〜10℃で230℃まで昇温を行うことができるもの)
(エ) インターフェース部
 温度を150〜280℃に保つことができるもの
(b) 質量分析計
(ア) 検出器
 電子衝撃イオン化(EI法)が可能で、選択イオン検出法又はこれと同等の分析性能を有する方法でクロマトグラム測定が可能なもの
(イ) イオン源
 温度を150〜250℃に保つことができるもの

(注6) 四ふっ化エテン樹脂フィルムは厚さ50μm程度のものを使用する。

(注7) あらかじめ装置の取扱説明書等に従って洗浄し、試験操作に支障がないことを確認する。

(注8) パージ・トラップ装置の最適条件は、吸着剤の種類や使用量等によって異なるので、十分な回収が得られる条件をあらかじめ求めておく。パージ条件はトラップ管の破過容量を超えないよう注意する。

(注9) 2,6―ジフェニル―1,4-ジフェノキシドポリマーは、TenaxGCやTenaxTA等の名称で市販されている。

(注10) 通常は2,6―ジフェニル―1,4-ジフェノキシドポリマーを単独で用いることもあるが、シリカゲル若しくは活性炭又はシリカゲル及び活性炭を併せて用いてもよい。この場合、あらかじめ対象とする揮発性有機化合物が定量的に吸着、脱着されることを確認しておく。シリカゲルを用いた場合には水分除去の操作を必ず行う。

(注11) トラップ管は、このほかに試料の測定毎に、再生温度(約180〜280℃)でヘリウムの流量を毎分20〜40mlとして、10分間程度通気する。

(注12) パージガスやキャリヤーガスから対象とする物質が検出された場合は、モレキュラーシーブ、活性炭、シリカゲル等を充てんした精製管で精製する必要がある。

(注13) クライオフォーカス装置ともいう。検出ピークを鋭くするためにトラップ管の後段に位置し、トラップ管で加熱脱着した揮発性有機化合物の吸着帯を狭める装置であるが、この装置を用いないで検出ピーク幅を狭める機能を備えているものもある。

(注14) 用いるガスクロマトグラフ質量分析計やカラムにより最適な条件を設定する。例えば、内標準物質又は揮発性有機化合物を用いて、4に準じて操作をし、0.5ngが検出できる感度に調節しておく。

(注15) 用いるカラムとしては、この他に内径0.53mm以上(例えば、内径が0.53〜0.75mm、長さ30〜120m)のものも使用できる。

3 試料の採取及び保存

 試料容器を採取試料で数回共洗いしてから、試料を泡立てないように静かに採取容器に移し入れ、気泡が残らないように満たして密栓する。試料を運搬する場合には、汚染のない運搬用容器を用いて遮光及び冷蔵する。試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には、4℃以下の暗所で凍結させないで保存し、できるだけ早く試験する(注16)。

(注16) 試料の採取及び保存において、揮発性有機化合物は、揮散、揮発等によって濃度が変化するので注意が必要である。揮発性有機化合物の安定性は物質によって異なるが、試料中の揮発性有機化合物の濃度が低い場合は、試料を暗所で保存する場合でも、物質によっては揮発性有機化合物の濃度が急激に低下するものもある。

4 試験操作

(1) 測定用試料の調製
 試料の適量(0.5〜25mlの一定量、例えば5ml)を泡立てないようにパージ容器に全量ピペット等で静かに注入し、内標準液(塩化ビニル―d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにし、測定用試料とする(注17)。
(2) 空試験液の調製
 試料と同量の水を用いて、(1)と同様に操作して得られる液を空試験液とする(注17)(注18)
(3) 添加回収試験液の調製
 パージ容器中の試料に塩化ビニル標準液を加えて0.05〜5μg/Lとし、さらに内標準液(塩化ビニル―d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにして得られる液を添加回収試験液とする(注17)(注19)。
(4) 分析
(a) パージ容器をパージ容器恒温装置に入れ、試料の温度を一定(例えば、40℃以下)にする。トラップ管の温度が室温程度であることを確認して、パージガスを一定量通気して対象物質を気相中に移動させてトラップ管に捕集する。
(b) トラップ管を加熱し対象物質を脱着させ、冷却凝縮装置に吸着(注20)させる。次に、冷却凝縮装置を加熱(注20)し、対象物質をガスクロマトグラフ質量分析計に導入する。
(c) ガスクロマトグラフ質量分析では、あらかじめ設定した特有の質量数について選択イオン検出法又はこれと同様の方法によって測定を行い、そのクロマトグラムを記録する。特有の質量数の例として、塩化ビニルでは62、64、内標準(塩化ビニル―d3)では65、67がある(注21)。
(d) 保持時間並びに定量用質量数及び確認用質量数のイオン強度比を確認し、該当するピーク面積を測定する。
(e) 塩化ビニル及び内標準(塩化ビニル―d3)のピーク面積比並びに内標準(塩化ビニル―d3)の添加量から、あらかじめ5により作成した検量線を用いて、塩化ビニルの量を求め、次式によって試料中の塩化ビニル濃度を計算する(注22)。
 濃度(μg/L)=(検出量(μg)−空試験液の検出量(μg)/試料量(L))

(注17) 装置によっては、パージ容器の代わりバイアルを用いる。測定用試料をバイアル中で調製した場合は、バイアルをパージ・トラップ装置にセットし、パージ・トラップ装置の取扱説明書等に従って操作し、測定用試料の一部又は全量をパージ容器に移し入れる。

(注18) 空試験値については可能な限り低減化を図る。

(注19) 試料中の対象物質濃度や試験操作条件に応じて適切な濃度範囲を決める。実試料を分析する前に添加回収試験を行い、塩化ビニルの回収率が70〜120%であることを確認する。

(注20) 冷却凝縮装置を使用しない場合は、この操作は省略できる。

(注21) 特有の質量数はイオン強度が大きく、実試料で妨害のないものを設定する。ここで示した例を参考に、最適な質量数を2つ選定し、強度の大きいものを定量用、他方を確認用とする。

(注22) 塩化ビニルは、その保持時間が加えた内標準(塩化ビニル―d3)と一致し、検量線作成時の保持時間に対して±5秒以内に出現し、かつ、定量イオンと確認イオン強度比が検量線作成時の強度比の±20%以内であれば、測定試料中に存在しているとみなす。

5 検量線の作成

 塩化ビニル標準原液をメタノールで希釈し、0.25〜25μg/mlの塩化ビニル標準液を調製する。
 4の(1)に従って、試料と同量の水に塩化ビニル標準液を加えて0.05〜5μg/Lとし、さらに内標準液(塩化ビニル―d3)を加えて0.5μg/Lとなるようにする(注19)。
 これについて、試料と同様にパージ・トラップ−ガスクロマトグラフ質量分析計による測定を行い、塩化ビニル及び内標準(塩化ビニル―d3)の含有量比及びピーク面積比による検量線を作成する。

備考

1 この測定方法の対象項目は塩化ビニルモノマーである。一般に「塩化ビニル樹脂」が「塩化ビニル」と表記されることがあるため、これと明確に区分することとした。

2 本法は規格K0125の「5.1 パージ・トラップ−ガスクロマトグラフ質量分析法」に規定された方法に基づいており、ジクロロメタンやベンゼ ン等の揮発性有機化合物の標準物質及び必要な内標準物質(フルオロベンゼン、4―ブロモフルオロベンゼン等)を追加し、塩化ビニルの揮発性の高さに留意した試験操作を行うことで同時分析が可能である。

3 この測定方法の定量下限は0.2μg/Lである。

4 ここで示す商品は、この測定法使用者の便宜のために、一般に入手できるものとして例示したが、これらを推奨するものではない。これと同等以上の品質、性能のものを用いてもよい。

5 この測定方法における用語の定義その他でこの測定方法に定めのない事項については、規格に定めるところによる。