こどもホタレンジャーになろう

こどもホタレンジャーのみなさんへ

ホタレンジャー活動を行う際に注意していただきたいこと

1.地域のお年寄りやホタルに詳しい人にお話を聞こう!

ヘイケボタルは日本全国に、ゲンジボタルは以前は、北海道を除く全国に生息していました。ホタレンジャーの活動を始める際には、以前その場所で、ホタルを見たことのある人に、川の流れや周辺の環境について、詳しくお話しを聞きましょう。流れ、底、岸、土手、畔(あぜ)、水辺林などがどんな様子だったか、光(周辺の家や外灯の数)の状態など、ホタルが生きていくための状況がどう変わっているのかを調べて、どうしたらホタルが毎年飛ぶようになるか、みんなで考えてみてください。

2.ホタルの幼虫や成虫の移動と放流について

野生生物は、それぞれ住んでいる場所の環境と結びついて生きていますから、他の場所に移したり、持ち込んだりしてはいけません。
ゲンジボタルには、大きく分けて西日本型と東日本型がいます。同じゲンジボタルに見えても、発光間隔が異なるなど、生息する地域が異なると遺伝子レベルで異なっています。幼虫や成虫を購入して、移動、放流することは、地域の生態系や遺伝子レベルで種を乱すことになりますので、避けましょう。
以前ホタルが生息していたところで、ホタルを増やしたい場合は、同じ川の周辺で発生している場所や保護活動をしている人から分けてもらうようにしましょう。

3.カワニナの移動について

カワニナをその場所で増やすことを考え、他の場所から採ってくることは避けましょう。生態系には魚やヒルなどカワニナを食べる種類もいます。保護者や大人の方にも協力してもらい、生息地の昼と夜の様子を良く観察してみてください。ホタルだけをたくさん増やそうというのではなく、ヒルが多い地域では、夜間に駆除すればカワニナは増えていきます。少しずつ努力することで、バランスのとれた生態系を造ることができます。これがホタレンジャーの大切な役割です。

4.カワニナの購入について

日本には約10種類のカワニナがいますが、ホタルが食べるのは4種類位です。最近では外来種の巻貝が増えているので、幼虫が食べているカワニナをよく確かめて、その種類を増やすようにしてください。
ホタルの餌として販売されているカワニナの中には、カワニナの稚貝に似ているコモチカワツボ(外来種)が含まれている可能性があります。このコモチカワツボを、誤って放流してしまうと、カワニナに比べて成長速度が早く俊敏なため、やがてカワニナが生息できなくなります
カワニナは購入するのではなく、カワニナのすめる水辺づくりを考えましょう。なお、カワニナには寄生虫が入っている場合があります。カワニナを触ったら必ず手をよく洗ってください。

5.川への野菜、塩、微生物等の投入について

キャベツやイモを川に入れるとカワニナが集まってよく食べますが、たくさん入れると水質が悪くなります。また、ヒルを退治するために塩をまく活動がたまに見られます。このような活動は、ホタルの餌を増やすことだけを考えた活動で、水辺の生態系に大きな影響を与えてしまいます。
また、汚れた水をきれいにするために、細菌や酵母などの微生物を川や池に投入する活動も最近、盛んになっています。微生物培養液や製剤等の投入は、一時的にはよく見えますが、逆に水を汚す原因になる可能性もあり、次第にカワニナもホタルも少なくなってしまいます。
ゴミを拾ったり、周辺の環境を整えるなど、水をきれいにする活動を続ければ、ホタルは少しずつ増えて、必ず努力にこたえてくれますので、地道な活動を根気よく続けてください。

こどもホタレンジャー審査委員会こどもホタレンジャーの活動のようす