環境省お知らせ国会提出法律案


「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による
生物の多様性の確保に関する法律案」について

 
  1. 背景
      
    遺伝子組換え生物の使用による生物多様性への悪影響を防止することを目的とした「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」が2000年1月に採択。
    議定書は50カ国締結の90日後に発効。2003年3月4日現在44カ国及び欧州共同体が締結。
     
  2. 法案の主な概要
     
    (1) 法の目的
    国際的に協力して、生物の多様性の確保を図るため、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることにより、議定書の的確かつ円滑な実施を確保し、もって人類の福祉に貢献するとともに現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
    (2) 基本的事項の公表
    主務大臣は、遺伝子組換え生物等の使用等について、議定書の的確かつ円滑な実施を図るため、基本的事項を公表。
    (3) 第一種使用等(環境中への拡散を防止しないで行う使用等)に関する手続
    遺伝子組換え生物等の作成又は輸入をして第一種使用等する者その他の第一種使用等をしようとする者は、その第一種使用等に先立ち、第一種使用規程を提出して主務大臣の承認を受ける義務。ただし、承認がなされた第一種使用規程に従って第一種使用等をしようとする場合その他の場合は対象外。
    承認申請に当たっては生物多様性影響評価書の添付が必要。
    承認がなされた第一種使用規程については、主務大臣が公表。
    外国から本邦へ輸出しようとする者その他の遺伝子組換え生物等の第一種使用等をさせようとする者も第一種使用規程の承認を受けることができる。
    (4) 第二種使用等(環境中への拡散を防止しつつ行う使用等)に関する手続
    第二種使用等をしようとする者は、その第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置が主務省令で定められている場合には、当該拡散防止措置を執る義務。
    執るべき拡散防止措置が定められていない場合には、あらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置を執る義務。
    (5) 輸入する生物の検査
    生物多様性影響が生じるおそれがないとはいえない遺伝子組換え生物等(未承認の遺伝子組換え生物等)をこれに該当すると知らないで輸入するおそれが高い場合等であって主務大臣が指定する場合に、輸入をしようとする者は、主務大臣に届出義務。
    主務大臣は、上記届出者に対し、その者が輸入する生物について、主務大臣又は主務大臣の登録を受けた者の行う検査を受けることを命ずることができる。
    (6) 情報の提供
    承認した第一種使用規程に係る遺伝子組換え生物等について、その第一種使用等が適正に行われるよう、必要に応じ、譲受者等に伝えるべき「適正使用情報」を設定。
    遺伝子組換え生物等(上記の適正使用情報が定められていないもの等の場合を主務省令において除く。)を譲渡し、提供し、又は委託して使用等をさせるときは、必要な情報を提供。
    (7) 輸出に関する手続
    遺伝子組換え生物等(人用の医薬品のほか第二種使用等をするもの等の場合を主務省令において除く。)を輸出しようとする者は、輸入国に対し、通告をする義務。
    遺伝子組換え生物等は、その使用等の態様などを表示したものでなければ輸出してはならない旨規定。
    (8) その他
    主務大臣は、必要な報告聴取、立入検査、措置命令等を実施。
    必要な罰則、経過措置等に関し規定。
  3. 施行期日

     この法律は、議定書が日本国について効力を生ずる日から施行する。
     
  4. 参考
      
    小泉総理が、昨年夏の地球環境サミットに向けて発表した『小泉構想』において議定書の早期締結に努力することを表明。
    (参考)
    『小泉構想』 (「持続可能な開発」のための日本政府の具体的行動−地球規模の共有(Global Sharing)を目指して−)
    2.重点分野と具体的な取組
    (3)今日と明日(Today's complacency, Tomorrow's plight)−環境−
     (ニ)生物多様性
    生物多様性条約「生物の安全性に関するカルタヘナ議定書」の早期締結に努力
    昨年12月に決定されたバイオテクノロジー戦略大綱の基本行動計画において、カルタヘナ議定書の締結のためこの法律の整備を行うことを位置付け。
    (参考)
    バイオテクノロジー戦略大綱
    【環境・エネルギー分野(よりよく暮らす)】
    [1] 遺伝子改変生物の生物多様性の保全や環境への悪影響を防止します。
    <基本行動計画>
    遺伝子改変生物の利用等が生物多様性の保全及びその持続可能な利用に及ぼす悪影響を防止するための国際的な枠組みである「カルタヘナ議定書」を締結するため、所要の国内法を整備する。これに併せて、遺伝子改変生物の環境への意図的な導入に係る適正な規制を行うための、リスク管理・リスク評価の手法についての研究開発を行う。また、生物多様性についての影響を調査する。

 

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案要綱 [PDF 12KB]
同法律案 [PDF 55KB]
新旧対照表 [PDF 13KB]
参照条文 [PDF 18KB]