法令・告示・通達

第五次鳥獣保護事業計画の作成要領について

  • 公布日:昭和56年8月20日
  • 環自鳥187号

(各県知事あて環境庁自然保護局長通達)
 昭和五六年八月二〇日付け環自鳥第一八六号をもつて第五次鳥獣保護事業計画の基準が示されたが、この計画を樹立するに当たつては、別冊第五次鳥獣保護事業計画の作成要領を参考とされたい。
 なお、環境庁長官への報告は、追つて通知する様式により昭和五七年三月一〇日までに提出されたい。


別表
   第五次鳥獣保護事業計画の作成要領
第一 基準第二について
 一 鳥獣保護区の設定
  (一) 鳥獣保護区の態様
   ① 森林鳥獣生息地の保護区
     森林鳥獣生息地の保護区は、一定の林野面積ごとに鳥獣保護区を設けることにより森林の全域における鳥獣の生息密度を高めようとするものであり、その形状はなるべく円形又は正方形に近い矩形とし、次の、ア、イのいずれかの場所に設定するものとする。
     この場合、自然環境保全法、自然公園法、文化財保護法、森林法等の法令によつて保護されている森林をできるだけ含むよう考慮するものとする。
    ア 鳥獣の生息密度の高い地区
    イ 植生、地形等が鳥獣の生息環境に適している次のような地区
     (ア) 天然林があること。
     (イ) 林相地形が変化に富むこと。
     (ウ) 渓流又は沼沢があること。
     (エ) 食餌となる動植物の現存量が豊富であること。
   ② 大規模生息地の保護区
     大規模生息地の保護区は、広域にわたつて生態系を保護することにより、ワシタカ科の鳥類や大型獣類等行動圏が広域にわたる鳥獣をはじめ、当該地域に生息する多彩な鳥獣相を保護しようとするものであり、次の要件を満たす場所を選定し、低山帯から高山帯に及ぶように設定するものとする。
     この場合、自然環境保全法、自然公園法、文化財保護法、森林法等の法令によつて保護されている森林をできるだけ含むよう考慮するものとする。
    ア 鳥獣の種類及び固体数が多く、かつ、猛禽類、大型獣類又は学術上貴重な鳥獣が生息すること。
    イ 鳥獣の繁殖地、採餌場所、避難場所、休息場所等の鳥獣の行動圏を区域内に含むこと。
    ウ 暖帯林、温帯林、亜寒帯林等のそれぞれの特徴的な樹種、林相を有し、地形が変化に富み、できるだけ河川、湖沼を含むこと。
      なお、次の八か所については、国設鳥獣保護区の設定を行うものである。

現況 名称 対象鳥獣
大雪(北海道)
エゾミユビゲラ、キクイタダキ、ヒガラ、ルリビタキ、クマゲラ、ナキウサギ
国設
十和田(青森、秋田)
オオルリ、ミソサザイ、カワガラス、キセキレイ
国設
浅間(群馬、長野)
ホトトギス、サンシヨウクイ、ヤブサメ、クロツグミ
国設
白山(石川、岐阜)
コゲラ、シジユウカラ、イカル、メボソ
国設
大台山系(三重、奈良)
オオルリ、コルリ、コマドリ、キビタキ、コノハズク
国設
大山(鳥取)
ヤマガラ、ヒガラ、ツツドリ、サンコウチヨウ
国設
石鎚山系(高知、愛媛)
ホシガラス、カヤクグリ、コノハズク、トラツグミ
国設
霧島(鹿児島、宮崎)
ホオジロ、エナガ、コガラ、アオゲラ、コシジロヤマドリ


   ③ 集団渡来地の保護区
     集団渡来地の保護区は、干潟等に集団で渡来してくる水禽類の保護を図るものであり、シギ・チドリ類、ハクチヨウ・ガン・カモ類等の種類又は固体数の多い渡り鳥の渡来する干潟、河口、湖沼、湿地等(中継地を含む。)に設定するものとし、採餌又は休息のための後背地及び水面を含めるものとする。
     なお、次の一七か所については、国設鳥獣保護区の設定を行うものである。

現況 名称 対象鳥類
道設
風蓮湖(北海道)
タンチヨウ、オオハクチヨウ、ヒシクイ
道設
浜頓別クツチヤロ湖(北海道)
コハクチヨウ
道設
ウトナイト(北海道)
マガン、オオハクチヨウ、コハクチヨウ
道設
サロベツ(北海道)
ミコアイサ、アカエリカイツブリ
野村半島(北海道)
アカアシシギ、オオジシギ、キアシシギ、イソシギ
国設
小湊(青森)
オオハクチヨウ
県設
仙台海浜(宮城)
コバシチドリ、オオキアシシギ、ソリハシセイタカシギ、ヒメハマシギ
県設
伊豆沼(宮城)
シジユカラガン、ハクガン、オオハクチヨウ、コハクチヨウ
国設
福島潟(新潟)
ヒシクイ、オオハクチヨウ、コハクチヨウ
国設
佐潟(新潟)
ヒシクイ、ハクチヨウ類
谷津(千葉)
ハマシギ、キアシシギ、ダイシヤクシギ、ホウロクシギ
汐川(愛知)
オオメダイチドリ、タカブシギ、ホウロクシギ、チユウシヤクシギ
国設
浜甲子園(兵庫)
カラフトアオアシシギ、ハマシギ、ツルシギ、キアシシギ
国設
中海(島根、鳥取)
コハクチヨウ
有明海(福岡、佐賀)
オオソリハシシギ、ダイシヤクシギ、ツバメチドリ、セイタカシギ
国設
屋我地(沖縄)
ハマシギ、シロチドリ、セイタカシギ、キアシシギ
国設
漫湖(沖縄)
セイタカシギ、ハマシギ、シロチドリ、トウネン


   ④ 集団繁殖地の保護区
     集団繁殖地の保護区は、集団で繁殖する鳥類(いわゆるコロニーを形成する鳥類)の保護を図るものであり、ウミスズメ類、ミズナギドリ類、アジサシ類、チヨウゲンボウ等が集団で繁殖する島しよ、砂地、断崖等又はオオジシギ、オオジユリン、オオヨシキリ、セツカ、サギ類等が多数繁殖する草原、湿地等に設定するものとし、採餌又は休息のための後背地又は水面を含めるものとする。
     これら鳥類の繁殖地は、開発により繁殖適地が失われることが多い現状にかんがみ、小面積の場所についても積極的に鳥獣保護区を設定するものとする。
     なお、次の一二か所については、国設鳥獣保護区の設定を行うものである。

現況 名称 対象鳥類
道設
天売島(北海道)
ウミガラス、ケイマフリ、ウミスズメ
道設
ユルリ・モユルリ(北海道)
チシマウガラス、オオセグロカモメ、ウミガラス、エトピリカ
国設
大黒島(北海道)
エトピリカ、ウトウ、コシジロウミツバメ、ケイマフリ
県設
日出島(岩手)
クロコシジロウミツバメ、オオミズナギドリ、ウミネコ
県設
三貫島(岩手)
ケイマフリ、ウミスズメ、オオミズナギドリ
県設
鵜ノ山(愛知)
カワウ
国設
紀伊長島(三重)
カンムリウミスズメ、ウトウ
国設
鹿久居島(岡山)
アオサギ
県設
沖ノ島(福岡)
クロコシジロウミツバメ、カンムリウミスズメ
国設
男女群島(長崎)
オオミズナギドリ、カンムリウミスズメ
国設
草垣島(鹿児島)
セグロアジサシ、カツオドリ
国設
仲の神島(沖縄)
エリグロアジサシ、クロアジサシ


   ⑤ 誘致地区の保護区
     誘致地区の保護区は、都市住民が身近に親しく鳥獣に接する喜びを体得できるよう当該地域の鳥獣の保護を図るものであり、現に鳥獣が生息し、又は人工を加えることにより野生鳥獣の生息地となりうる都市部の既設公園、社寺有林等に設定するものとする。
   ⑥ 特定鳥獣生息地の保護区
     特定鳥獣生息地の保護区は、絶滅のおそれのある鳥獣又はそれに準ずる鳥獣の保護を図るものであり、特殊鳥類(特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律に基づいて指定された鳥類)及び生息数の少ない次の鳥獣等が生息するに十分な広さがある場所に設定するものとする。
   (鳥類)
     オジロワシ、オオワシ、カワウ、コクガン、クマタカ、ナベヅル、マナヅル、アマミヤマシギ、カンムリウミスズメ、シラコバト、キンバト、クマゲラ、ヤイロチヨウ、アカコツコ、コジユリン
   (獣類)
     カワウソ、イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、ツシマテン、エゾクロテン、ナキウサギ、ヤマネ、ケラマジカ
     なお、次の一七か所については、国設鳥獣保護区の設定を行うものである。

現況 名称 対象鳥獣
知床(北海道)
エゾシマフクロウ
国設
クツチヤロ太(北海道)
タンチヨウ
国設
脇野沢(青森)
サル
国設
大潟草原(秋田)
オオセツカ
国設
森吉山(秋田)
クマゲラ
国設
大鳥・朝日(山形、新潟)
ニホンイヌワシ
国設
新穂(新潟)
トキ
国設
鳥島(東京)
アホウドリ
国設
小笠原諸島(東京)
オガサワラノスリ、シマハヤブサ、アカガシラカラスバト、オガサワラカワラヒワ、ハハジマメグロ
国設
北アルプス(富山、長野、岐阜)
ニホンライチヨウ
県設
八代(山口)
ナベヅル
国設
西南(高知)
カワウソ
国設
湯湾岳(鹿児島)
オーストンオオアカゲラ、ナミアカゲラ、オオトラツグミ、ルリカケス、アマミノクロウサギ
県設
荒崎(鹿児島)
ナベヅル、マナヅル
県設
与那覇岳(沖縄)
ノグチゲラ、ホントウアカヒゲ
西表島(沖縄)
カンムリワシ、ヤマエヤマミロガシラ、ウスアカヒゲ、ヨナクニカラスバト、イリオモテヤマネコ
国設
与那国島(沖縄)
ヨナクニカラスバト


   ⑦ 愛護地区の保護区
     愛護地区の保護区は、小・中学校、その他の学校、公益法人、会社等が設ける野鳥保護地区等の鳥獣の保護を図るものであり、森林、草地、池沼等の場所に設定するものとする。
  (二) 鳥獣保護区の区画
    鳥獣保護区は、河川、海岸線、鉄道又は行政区界等の界線により区画して設定するものとする。ただし、国有林野にあっては、事業区界又は林班界を界線としても差し支えない。
  (三) 鳥獣保護区の設定期間
    鳥獣保護区の設定期間は、一〇年以上二〇年以内において、できるだけ長期間とするものとする。
 二 特別保護地区の指定
  (一) 特別保護地区の態様
    特別保護地区は、鳥獣保護区の区域内において、生息環境の保全を必要とする場所について指定するが、その場合においては次の事項に留意するものとする。
   ① 特定鳥獣の生息地の保護区については、当該鳥獣の繁殖、採餌、避難及び休息に必要な区域を保全するため、広範囲に特別保護地区を指定するものとする。
   ② 大規模生息地の保護区については、その区域内に生息する鳥獣のうち、猛禽類又は大型獣類等のうちから特に保護を要する鳥獣を定め、その鳥獣の保護繁殖のために環境の保全を図る必要のある繁殖区域、採餌区域等に特別保護地区を指定するものとする。
   ③ 集団渡来地の保護区については、主として採餌区域(繁殖する鳥類にあつては、繁殖区域を含む。)及び休息区域に特別保護地区を指定するものとする。
   ④ 集団繁殖地の保護区については、保護対象となる鳥類の繁殖区域に特別保護地区を指定するものとする。
   ⑤ 森林鳥獣生息地の保護区については、生息する鳥獣の種類が豊富でかつ個体数の特に多い地区に特別保護地区を指定するものとする。
   ⑥ 愛護地区の保護区及び誘致地区の保護区については、鳥獣の愛護又は誘致上特に必要と認められる地区に特別保護地区を指定するものとする。
  (二) 特別保護地区の指定期間
    特別保護地区の指定期間は、鳥獣保護区の設定の期間にあわせるものとする。
  (三) 特別保護指定区域
    特別保護指定区域は、特定鳥獣生息地の保護区、集団繁殖地の保護区等の区域内において釣り人の立入り、ジープ、オートバイ等の乗入れ等により、鳥獣の生息に悪影響が生じている場所及び鳥獣の繁殖期間について指定するものとする。
 三 休猟区の設定
  (一) 本計画期間中を通じて休猟区面積の合計が可猟地域の面積のおおむね三分の一になるよう毎年可猟地域の面積のおおむね九分の一の面積を存続期間三か年の休猟区として設定するものとする。
  (二) 休猟区は、狩猟鳥獣の減少の著しい地区から順次設定するものとするが、休猟区の期間満了後は、当該休猟区に隣接する地区を新たな休猟区に設定するよう努めるものとする。
  (三) 休猟区は、原則として行政区界の界線により区画するものとする。
 四 鳥獣保護区の整備
  (一) 標識等の整備
    鳥獣保護区及び特別保護地区については、その境界線が明らかになるよう、必要な標識を設けるほか、区域内にも必要に応じ標示板を設けるものとする。
    さらに、次の施設を整備するものとする。
   ア 案内板
     鳥獣保護区の区域を示す区域図及び区域内に生息する主な鳥獣の種類を図示する案内板を人目にふれ易い場所に建てるものとする。
   イ 給餌施設
     給餌は、冬期間において特に餌が不足する場合に行うものとし、それぞれの鳥獣保護区の保護対象とする鳥獣の種類、生息数に応じ、給餌量及び給餌場所を定め、そのために必要な給餌施設を設置するものとする。
   ウ 給水施設
    (ア) 給水施設は、湧水又は流水のない場所において、現地の実情に応じて設けるものとする。
    (イ) 給水施設は、雨水がたまるよう天然の岩石をくぼめるか、又は陶製若しくはコンクリート製の浅い水槽を設置するものとする。
   エ 食餌植物の植栽
     食餌植物は、区域内においてできる限り天然性の食餌植物の保存を図るほか、食餌植物の乏しい場所には周辺に自生する食餌植物の分布状況を考慮して植栽を行うものとする。
   オ 営巣材料の供与等
     営巣材料の供与等は、鳥類の営巣に適するよう地衣植物又は潅木類を群状に保存し、営巣樹の育成、空洞木の残置又は巣箱の架設を行うものとする。
   カ 鳥獣保護施設の設置は、鳥獣保護区設定後、おおむね三年間で完了させるものとする。
  (二) 巡視等管理の充実
    集団渡来地の保護区、集団繁殖地の保護区及び特定鳥獣生息地の保護区については、調査及び巡視を主体とした保護管理を充実するものとする。
  (三) 利用施設の整備
    鳥獣保護区の区域内であつて、野鳥の観察に適するものとして都道府県知事が指定した森林、湖沼等の場所(以下「野鳥の森等」という。)には、観察路、観察舎等利用施設を整備するものとする。
第二 基準第三について
 一 鳥獣の人工増殖
  (一) 生息分布が局限されている鳥獣等の人工増殖
    生息分布が局限されている鳥獣(エゾライチヨウ、ハハジマメグロ、ルリカケス等)又は都道府県内における生息数の少ない鳥獣のうち、保護繁殖を図る必要のあるものについて、動物園に委託する等の方法によつて人工増殖に着手するものとする。
  (二) 狩猟鳥獣の人工増殖
    狩猟鳥獣のうち必要のあるもの(キジ、ヤマドリ、コジユケイ、ウズラ等)については、人工増殖(移植のための捕獲技術の習得を含む。以下同じ。)についての技術等を指導するものとする。この場合、次の諸点に配慮するものとする。
   ア 都道府県内の放鳥獣計画に対応する生産量が確保できるよう、計画的な生産体制を整備すること。
   イ 優良種の確保のため、必要に応じ、血液の更新を図ること。
   ウ ヤマドリの人工増殖に際しては、亜種間の交雑を防ぐため、放鳥しようとする場所に生息する亜種と同亜種のもののみを飼育すること。
   エ 放鳥獣猟区において、放鳥獣する鳥獣についても人工増殖を行うよう指導すること。
 二 放鳥獣
  (一) 放鳥する鳥獣の種類及び数量
    放鳥する鳥獣の種類及び数量の決定に当たつては、放鳥できる鳥獣(キジ、ヤマドリ、ウズラ、コジユケイ、イタチ、キツネ等)の生息状況の推移を勘案して、それぞれの鳥獣のおおむね五年後の生息目標数を仮定し、これに基づき算定される増殖に必要な種鳥獣の数量を放鳥獣するものとする。
  (二) 放鳥獣に際しての留意事項
    放鳥又は放獣に当たつては、事前調査及び放鳥又は放鳥後の追跡調査を実施するものとする。その際、左記の点に留意するものとする。
   ア 放鳥獣する鳥獣が、生息地及び餌の競合、病原菌の伝播等により在来種に悪影響を及ぼすおそれのある場合は放鳥又は放獣しないこと。
   イ 鳥獣が人間の疾病の中間宿主であるおそれのある場合は当該鳥獣が生息する地域内から放鳥又は放獣用の鳥獣を捕獲しないこと。
   ウ 放鳥又は放獣しようとする場合は、亜種間の交雑を防止するため、放鳥又は放獣しようとする地域に生息する鳥獣の亜種と同一の亜種を放鳥又は放獣すること。
   エ 特有の生態系を有する島しよ等であつて、生態系保護上悪影響を及ぼすおそれのある場合には放鳥又は放獣しないこと。
   オ 放鳥場所には、必要に応じ、食餌となる植物等を植栽すること。
第三 基準の第四について
 一 鳥獣による被害発生予察表の作成
   鳥獣による被害発生予察表の作成に当たつては、被害発生のおそれのある地区ごとに、被害状況、農林作物の作付状況、養殖漁業の現状等の推移、鳥獣生息状況の推移を勘案して、加害鳥獣、被害農林水産物の種類、被害発生地域、被害発生時期を予察するものとする。
 二 鳥獣による被害の防除方法の検討等
   シラサギ類、ヒヨドリ等鳥獣保護と産業活動との調整を図る必要がある鳥獣について、その被害の防除方法を確立するため、学識経験者を含めて技術的検討を行うものとし、この検討結果に基づき、関係者を指導するものとする。
 三 有害鳥獣の駆除についての許可基準の設定
   有害鳥獣駆除の許可基準を設けるに当たつては、その種類ごとに許可すべき数量、時期、捕獲の方法等の基準を定めるものとする。
 四 駆除体制の整備
   駆除隊の編成指導に当たつては、駆除技術の秀れた者、駆除のための出動の可能な者等を隊員として編成するものとする。
   なお、イノシシ等農林作物に著しく被害を及ぼす鳥獣で、その生活圏の広域なものの駆除については、数市町村が駆除日を一斉にする等の駆除方法を検討し、これに基づき効果的な駆除が行われるよう、市町村等を指導するものとする。
第四 基準の第五について
 一 鳥獣保護対策調査
  (一) 鳥獣生息分布調査
   ア 鳥獣生息分布調査は、鳥獣の種類、分布、繁殖の有無、出現の季節等を調査することにより行うものとし、これに基づき市町村別の鳥獣生息台帳を整理するものとする。
   イ 調査の方法は、既存資料の活用、アンケート調査、聞き込み調査、現地調査等とするものとする。
   ウ 都道府県に生息する鳥獣(狩猟鳥獣を除く。)のうち、保護対策及び被害対策上重要な種(都道府県に生息する鳥獣の種の数の約半数を目標とする。)については、最近三か年の調査に基づいて5kmメツシユ(五万分の一の地形図の一六分の一の区域)による鳥獣生息分布図を作成するものとする。
   エ 鳥獣生息分布図を作成した後も継続して資料収集に努めるものとし、これに基づき毎年台帳の補充及び補充用鳥獣生息分布図の作成を行うものとする。
  (二) 指定鳥獣等保護調査
   ア 指定鳥獣等の生息状況の調査は、標準地数か所を選定して実地調査を行う等により生息数をは握し、(一)のウの鳥獣生息分布区域との関連から生息概数を算出することにより行うものとする。
   イ 保護対策を明らかにする調査は、生息環境の調査、増減の傾向のは握及びその原因の調査並びに開発による影響に関する調査を実施することにより行うものとする。
  (三) ガン・カモ・ハクチヨウ類一斉調査
   ア ガン・カモ・ハクチヨウ類一斉調査は、都道府県の全域に所在するこれら鳥類の渡来地について、種別に個体数を調査することにより行うものとする。
   イ 調査は、毎年一月中旬の別に定める日に実施する全国的な一斉調査及び主要な湖沼等について九月から翌年五月までの必要な月ごとに行う調査とするものとする。
   ウ ガン・カモ・ハクチヨウ類の渡来地の環境整備のため、主要な湖沼については保護対策を明らかにする調査を実施するものとする。
  (四) 鳥類標識調査
   ア 鳥類標識調査の対象は、次の鳥類とするが、これら対象鳥類を捕獲するに際して他の鳥類をも併せて捕獲した場合には、その鳥類についても標識を付すものとする。
     カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、コサギ、チユウサギ、オシドリ、カルガモ、トビ、エゾライチヨウ、ウズラ、コジユケイ、ヤマドリ、キジ、ヒクナイナ、バン、タマシギ、シロチドリ、コチドリ、イカルチドリ、イソシギ、ヤマシギ、タシギ、ウミネコ、カラスバト、キジバト、アオバト、フクロウ、カワセミ、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ、ヒバリ、セグロセキレイ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、イソヒヨドリ、ウグイス、セツカ、ヤマガラ、シジユウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ニユウナイスズメ、ムクドリ、カケス、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス等
   イ 標識、記録の方法、標識記録の整理、分析については、全国的に統一するものとし、別に定める実施要領に基づき行うものとする。
   ウ 本事業の円滑な実施のため、職員(委託先の職員等を含む。)の技術研修を計画的に実施するものとする。
  (五) 鳥獣保護区等の設定効果測定調査
   ア 本調査は、鳥獣保護区、休猟区及び捕獲禁止区域の設定効果を調査するため、鳥獣保護区及び休猟区についてはそれぞれの設定数の二割に相当する地区内に設けた調査地(捕獲禁止区域については当該区域内に設けた調査地)とこれに接する可猟地域に設けた調査地との鳥獣の生息数とを比較して行うものとする。
     調査地の選定は新たに設定された鳥獣保護区及び休猟区を中心に行うものとし、この場合には併せて設定前の鳥獣の生息数との比較をも行うものとする。
   イ 調査対象鳥獣は、鳥獣保護区にあつては当該鳥獣保護区において保護対象となる鳥獣、休猟区にあつては当該休猟区において増殖を図る狩猟鳥獣、捕獲禁止区域にあつては捕獲禁止の対象鳥獣について行うものとする。
 二 狩猟対策基礎調査
  (一) 狩猟鳥獣生息調査
   ア キジ、ヤマドリ、エゾライチヨウ、コジユケイ、ウズラ、ツキノワグマ、ヒグマ、イノシシ、オスジカ等について、標準地数か所を選定し、生息数をは握するとともに一の(一)のウに準じて狩猟鳥獣生息分布図を作成し、その分布区域との関連から生息概数を算出するものとする。
   イ 増減傾向をは握するため、アンケート調査を実施するとともに、栄養状況、年齢構成をは握するための調査等を実施するものとする。
   ウ 狩猟鳥獣生息調査に基づき、主要な狩猟鳥獣の種類ごとに管理計画を樹立するよう努めるものとする。
  (二) 放鳥獣効果測定調査
    放鳥獣する狩猟鳥獣には、原則として標識を付するものとし、回収された標識から、放鳥獣した地域での定着割合、生息年齢、生息環境の嗜好性を明らかにする調査を行うものとする。
    なお、イタチには標識をつけず観察等を主体とした効果測定調査を実施するものとする。
  (三) 狩猟実態調査
   ア 狩猟実態調査は、主としてアンケート方式により実施し、可猟地域における狩猟者の狩猟実態及び捕獲鳥獣の流通状況をは握するものとする。
   イ アンケート調査の内容としては、狩猟期間中における狩猟日数、狩猟者一人一日当たり狩猟面積、狩猟回数、捕獲鳥獣の種類別数量、捕獲鳥獣の利用方法(販売、自己消費等の別)、販売される捕獲鳥獣の販売ルート、狩猟事故発生件数等とする。
 三 有害鳥獣対策調査
   有害鳥獣対策調査は、旬日を単位とする被害の発生状況、被害を及ぼす鳥獣の分布、密度、行動圏、食性、繁殖状況、被害防止技術の開発等について実施するものとする。
 四 調査精度の向上
  (一) 各種鳥獣調査の文献等の収集、食性調査等の標本の収集、整理等について十分配慮するものとする。
  (二) 各種調査の精度を高めるため、調査団体の育成指導を行うものとする。
第五 基準第六について
 一 鳥獣保護思想の普及
  (一) 鳥獣保護団体の育成指導は、愛鳥週間行事、鳥獣保護施設の整備、鳥獣調査、鳥獣保護思想の普及について、民間協力体制の整備を旨として行うものとする。
  (二) 鳥獣保護実績発表大会は、都道府県内の小・中学校、鳥獣保護団体又は個人(鳥獣保護員を含む。)が行つている鳥獣保護に関する実績を発表する機会を与えることを旨として都道府県教育委員会の協力のもとに行うものとする。なお、発表内容は、印刷して、愛鳥モデル校等に配付するものとする。
  (三) 都道府県が行う愛鳥週間の中心的行事は、年度ごとに開催地を変えて実施するものとし、広く都道府県民に鳥獣保護思想の普及を図るものとする。
 二 鳥獣保護センター等の設置
  (一) 鳥獣保護センターには、展示施設(ビジターハウス)、野生鳥獣の救護施設、各種鳥獣調査に関する資料室等を設置するものとする。
    なお、展示施設には、鳥獣保護に関する絵画、写真、映画フイルム、スライド、鳥獣に関する図書、各種の鳥獣調査報告書等を整備するものとする。
  (二) 野鳥の森等は、その設立趣旨にかんがみ、名称の公募、探鳥会の開催等によつて、保護思想の普及に活用するものとする。
    なお、野鳥の森等においては、鳥獣の生息環境の保全が必要であるので、野鳥の森等は原則として鳥獣保護区の特別保護地区内の都道府県有地(土地の購入、借受けを含む。)に設定するものとする。
 三 愛鳥モデル校
   愛鳥モデル校の指定は、都道府県教育委員会と協議して、指定予定校の意見を尊重し、三年程度の期間を定めて行うものとする。
   なお、愛鳥モデル校の指定に際しては、鳥獣に関する図書、掛図、スライド、展示品等を貸与するとともに、都道府県職員又は鳥獣保護員が指導助言を行うものとし、その巡回指導計画を樹てるものとする。
 四 法令の普及徹底
   法令の普及徹底については、年度及び月別に重点項目を定めて計画的に推進するものとする。
第六 基準第七、第八について
 一 鳥獣保護員については、職務に適格性を有する人材をあてることを旨とし、資質向上のための実地研修等を計画的に実施するものとする。
   なお、鳥獣保護員は、市町村ごとにその職務を担当させることを原則とし、なお、必要に応じ鳥獣生息状況調査、鳥獣保護思想の普及啓蒙等に関する専門的識見に応じて都道府県の全域について担当させるものとする。
 二 取締りについては、警視庁又は道府県警察本部と協議して計画を樹てるものとする。
 三 モデル放鳥獣猟区は、開猟日数、入猟者数を積極的に増加することを旨とするものとする。

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