法令・告示・通達

狩猟法の一部を改正する法律の施行について

公布日:昭和38年08月27日
38林野造1573号


第一 狩猟免許について
 一 狩猟免許事務の取扱について
  1 狩猟免許については、できるかぎり各都道府県の本庁の鳥獣行政を担当する部局の長または支庁、地方事務所(いわゆる東京事務所を含む。)等の出先機関の長に専決せしめる等の措置を講じ、免許申請者の便宜を図ること。
  2 狩猟免許申請書を受理したときは、狩猟者講習修了証明書の住所と、狩猟免許申請書記載の住所とを照合し、相違のあるときは、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則第十一条第二項の住所変更の手続をさせた後、狩猟免許をすること。
  3 狩猟免許をした場合は、当該都道府県居住の狩猟免許者については、昭和三十八年七月二十二日付け三八林野造第一、三五三号「狩猟法の一部を改正する法律の施行について」の農林事務次官通達(以下「通達」という。)の第六の七による狩猟者台帳に必要事項を記載し、当該都道府県以外の都道府県居住の狩猟免許者については、別添の様式を参考として、「当該都道府県以外に居住する狩猟免許者台帳」を作成し、これに記入し整理すること。
  4 狩猟免許を申請しようとする者の申請によつて、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則第七条の狩猟者講習修了証明書を有することを証するに足る書面を発行する場合は、通達第四の一の2により狩猟者講習修了証明書の青写真を利用して、原本に相違ないことを証明することになつているが、この場合の証明文は、「本書は、申請者が有する原本と相違ないことを証する」とすること。
 二 狩猟免許税等の事務について
   入猟税は、鳥獣保護および狩猟に関する行政の実施に要する費用にあてるための目的税であるが、狩猟免許税および入猟税は従来の狩猟者税と異なり、住所と関係なく行なわれる狩猟免許との関連において、狩猟の行なわれる都道府県の賦課徴収するものであることに注意し、その円滑かつ確実な賦課徴収について十分配慮すること。
第二 狩猟者記章について
  狩猟者記章は、山野等現場における狩猟取締りの徹底を図るために交付するものであるから、胸部の見易い場所につけさせることはもちろん、その作成にあたつては、図形等もできるだけ簡明にし、一見して当該都道府県知事の狩猟免許を受けた者であるか否かの識別ができるようなものとすること。
  なお、記章は、当該年度限りのものであることを考慮して選定すること。
第三 有害鳥獣駆除について
  過去における鳥獣の被害を分析し、各都道府県ごとに駆除についての許可基準を定めることとなるが、駆除については従来の被害経験に基づき駆除実施計画を樹立し、これによつて計画的な実施について指導を行ない、効果を挙げるように十分配慮すること。
  なお、駆除許可事務の取扱上の都合から出先機関の長の専決とする場合も、その種類は次に限ること。
   ゴイサギ、キジバト、ハシプトガラス、ハシボソガラス、ミヤマガラス、スズメ、ニユウナイスズメ、クマ、ヒグマ、イノシシ、ノウサギ、ノネコ、ノイヌ、ヌートリア
第四 猟区について
  鳥獣は、全国的に減少しているのであり、狩猟の維持の上からも猟区のもつ意義はいよいよ大きくなつてくると予想されるので、猟区の設置および管理の指導はこれを積極的に行なうこと。
  なお、猟区の設定および認可事項の変更承認申請等については、詳細な都道府県知事の意見を付するようにすること。
第五 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律第二十条ノ三の運用について
  鳥獣行政の適確な運営を図るためには、都道府県知事は、管内の鳥獣(鳥類の卵を含む。)の加工、販売、輸出、輸入等の正確には握することが必要であるので、それらを業としている者から定期または臨時にその取扱鳥獣の種類、数量および利用の目的について報告をもとめ、その実態をは握することにつとめること。
第六 都道府県鳥獣審議会について
  都道府県鳥獣審議会の委員は、地域的特殊性を十分参しやくして行なうものであり、中央鳥獣審議会委員が全国的な観点にたつてその職務を行なうのと多少その性格を異にするものであるから、中央鳥獣審議会の委員と都道府県鳥獣審議会の委員とをかねることは、これをさけることを原則とし、学識経験者のうちから任命する委員については、当該地方の鳥獣行政の推進について熱意のある者であり、かつ、時間的、職務的にも出席可能の者を選任し、また関係行政庁の職員のうちから任命する委員については、当該機関と緊密な連絡をとり、前記条件に適合する者を選任すること。
  なお、審議会の運営についての議事規則はおおむね次によること。
  県鳥獣審議会議事規則
第一条 鳥獣審議会(以下「審議会」という。)の会議は、日時及び場所を定めて会長が招集する。
第二条 会長は、会議の議長となり、その議事を整理する。
第三条 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第四条 審議会は、出席委員の過半数の同意により、会議を非公開とすることができる。
第五条 会長は必要に応じ、関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。
第七 鳥獣保護員について
  鳥獣保護員は、鳥獣保護事業の実施に関する事務を補助させるために任命される非常勤職員であり、その職務は、通達第十四の2のとおり、きわめて広範囲にわたるので、職務の執行の適正を期するため、鳥獣保護員服務規則を制定するとともに鳥獣保護員たることを表示する記章、職務執行状況を詳細に記録させるための手帳を交付し、職務執行ならびに監督に支障のないように配慮すること。
  なお、鳥獣保護員の給与及び配置数は、通達第十四の3のとおり基準を定められたが、給与年額四万三〇〇〇円は、狩猟期間中の十一月~一月は一万円、二月は五〇〇〇円、その他の月は一〇〇〇円として計算したものである。これを極度に減ずる場合は、保護員の意欲的な指導ならびに取締りに期待することが困難となるおそれもあるので、都道府県財政等の関係で給与額ならびに配置数が基準によりがたい場合は、交通の利便、狩猟免許者数の多寡等を考慮し、大なる支障をきたさない範囲においてその配置数を多少減ずることはやむを得ないが、給与額はつとめて減額しないようにすること。
第八 狩猟免許申請書に添付すべき書類について
  狩猟法の一部改正によつて狩猟免許は狩猟地域を管轄する都道府県知事の免許を受けることとなつたので、従来のように各都道府県ごとに免許申請書に添付する書類を異にするときは、免許申請事務の円滑化を妨げるおそれがあるので、特に必要があると認められる場合以外は、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行規則および通達で定められた書類以外は必要としないよう措置すること。
  もし、都道府県の特殊事情によつて前記の書類以外の書類の添付を求めることとしようとする場合は、添付する書類名および必要理由の詳細を事前に当庁に報告することとし、添付を必要とする旨決定した場合は、すみやかに各都道府県に連絡する等の措置をとること。