法令・告示・通達

狩猟法の一部を改正する法律の施行について

  • 公布日:昭和38年7月22日
  • 38林野造1353号

[改定]
昭和40年7月7日 四〇林野造522号
昭和41年8月6日 四一同1093号
昭和46年6月28日 四三同702号

(各都道府県知事あて農林事務次官通達)
 さきに第四三国会で成立した狩猟法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が三月二二日に法律第二三号として公布されるとともに、これに基づき狩猟法施行令の一部を改正する政令(以下「改正令」という。)が六月一〇日政令第一九四号として、狩猟法施行規則の一部を改正する省令(以下「改正規則」という。)が六月一四日農林省令第四一号として公布され、いずれも六月一五日から施行されたが、その運用に当たっては、左記事項に御留意のうえ、遺憾のないよう特段の御配慮を煩わしたく、命により通達する。

第一 狩猟獣の追加指定について
  鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三二号。以下「法」という。)第一条ノ四第二項の規定による狩猟鳥獣の指定は、鳥獣の生息数、農林水産業に対する益害関係、鳥獣の利用価値等を考慮してなされているが、今回あらたに狩猟獣に指定されたヌートリアは、南米原産のネズミに近似する獣類で、繁殖力は旺盛であり、一部地方においては農作物に被害を与えるにいたっており、そのつど申請により有害獣として駆除してきたが、これを狩猟獣以外の獣類としてとくに保護すべき理由もないため、今回狩猟獣に指定されたものである。
  したがって、このような事情を狩猟関係者に周知させるとともに、今後における鳥獣の生息状況調査事項の進ちょくに伴い、とくに減少していると認められる鳥獣、たとえばマガン、ヒシクイ、キツネ等の種類については、近い将来狩猟鳥獣の指定が解除されることも考えられるので、講習会等に際して、その旨を狩猟関係者に徹底させ、理解を深めるよう努めること。
第二 狩猟期間および捕獲数量の制限について
  狩猟鳥獣の生息数の減少傾向にかんがみ、法第四条第六項の規定により、北海道の区域以外の区域内における狩猟鳥獣の期間を一カ月短縮し、毎年一一月一日から翌年二月一五日までとするとともに従来、キジ、コウライキジおよびヤマドリの狩猟の期間、オスイタチ等毛皮獣の狩猟の期間ならびにその他の狩猟鳥獣の狩猟の期間がそれぞれ異なっていたため取締りの徹底が困難であった実情にかんがみ、狩猟の期間を一本にしてその終期を二月一五日に統一することとされたものである。
  この改正によって、キジ、コウライキジおよびヤマドリの狩猟の期間は一か月延長され、毛皮獣の狩猟の期間は一五日繰り上げられることとなるが、前者については、一日当たりの捕獲数量を減じて合計二羽以内とすることによつて調整を図ることとし、また、後者については、換毛期等調査の結果毛皮資源として利用する面においても狩猟の期間を繰り上げることに支障がないことが明らかとなつたため、これを改めたものであるから、その趣旨を狩猟関係者に周知せしめるとともに、取締りの徹底を図るよう配慮すること。
第三 猟法の制限について
  装薬銃たるライフル銃は、散弾銃に比して一般に一〇倍以上の遠距離にわたつて有効に着弾する性能をもつているので、これを乱用されると鳥獣の生息環境に悪影響を及ぼすのみならず、これを使用する者に猟場を独占されるおそれもあり、また、危険予防の面からも好ましくないので、これを禁止したものであるから、その趣旨を狩猟関係者に周知徹底させ違反防止に万全を期すること。
  なお、最近わなの使用によつて種々の事故が発生しているので、これを防止するため、わなについて一個ごとに使用者の住所および氏名を明記した標識をつけさせ、責任の所在を明確にし、狩猟の適正化を図るよう指導につとめること。
第四 狩猟免許について
 一 狩猟免許事務の処理について
  1 狩猟免許を申請しようとする者(以下「申請者」という。)は、別記様式第1号による申請書に、狩猟者講習修了証明書または狩猟者講習修了証明書を有することを証するに足る書面(以下「所持証」という。)、甲種または乙種狩猟免許を受ける者で当該年度の道府県民税の所得割額を納付することを要しないものにあつては、そのことを証する市町村長の証明書および郵送料に相当する郵便切手を添えて、狩猟免許を受けようとする都道府県知事に持参または郵送の方法により提出し、かつ、狩猟免許税および入猟税ならびに狩猟免許手数料についても狩猟免許を受ける際に納付するよう県の広報機関、狩猟者団体等を通じて周知徹底を図ること。
  2 申請書に添付する所持証は、申請者の申請により都道府県知事が狩猟者講習修了証明書の青写真を利用して原本に相違ない旨を証明した書面をもつてこれに充てることを原則とすること。ただし、次に掲げる資格をすべてみたす者について、都道府県知事が狩猟免許を受けようとする者が狩猟者講習修了証明書を有することを証しうる者として指定した場合にあつては、その者が証する書面をもつてこれにかえることができる。
    なお、この場合は、都道府県知事は、指定した法人の名称、事務所の位置および代表者の氏名を他の都道府県知事に通知するとともに、県の広報機関、狩猟者団体等を通じて周知徹底を図ること。
   イ農林大臣の許可に係る民法第三四条の公益法人であつて鳥獣保護または狩猟に関する事業をその業務内容とするもの。
   ロ 法第七条ノ二第一項の規定による、当該証明に係る講習が行なわれた講習会の開催に関する事務の相当部分の委託を受けたもの。
  3 都道府県知事は、狩猟免許をしたときは、狩猟免許者の住所、職業および氏名、狩猟免状の番号ならびに狩猟者講習修了証明書の番号を付記して、狩猟免許を受けた者の住所地を管轄する都道府県知事を通知するものとし、通知を受けた都道府県知事は、所要事項を第六の七による狩猟台帳に記載するものとすること。
 二 狩猟免許について
  1 領海内の海上の狩猟する場合は、当該領海を管轄する都道府県知事の狩猟免許を受けさせること。
  2 領海を含めて都道府県の境界附近で二以上の都道府県の区域にわたつて狩猟しようとする者については、それぞれの区域を管轄する都道府県知事の狩猟免許を受けさせるよう指導するとともに、狩猟者の最も立ち入る地域で県境が分明でない場所については、隣接する都道府県相互間で協議して標識を設け明認措置を講ずるほか、狩猟免許者各人に狩猟可能の地域を明示した地図等を配付して、越境等の違反の生じないよう万全を期すること。
  3 法第七条第一項の場合の狩猟免許について
   (1) 次に掲げる事項の一に該当する者は、法第七条ノ二第一項各号に掲げる事項に関し必要な知識を有するものと認めることができるものとする。
    イ 最近の三免許年度(一免許年度は、毎年四月一六日から翌年四月一五日までをいう。以下同じ。)にわたり、法第七条ノ二第一項の講習会の講師に委嘱された者であつて狩猟の経験があるもの。
    ロ 国または都道府県の鳥獣行政担当の専任職員として一〇年以上勤務したことのある者
    ハ 講習要目に準拠して口頭その他の方法で審査し、イまたはロに掲げる者と同等以上の知識および経験を有すると認められる者
   (2) (1)により法第七条ノ二第一項各号に掲げる事項に関し必要な知識を有するものと認める者に対して、その者の住所地を管轄する都道府県知事は、別記様式第2号による認定書を交付するものとすること。
  4 法第七条第二項前段の規定により、都道府県知事は、当該都道府県の区域内における鳥獣の生息状況その他の事情を勘案して狩猟免許をすることとなつているが、この規定の運用については、鳥獣の生息状況がとくに悪化しており、狩猟免許をすることが鳥獣保護上著しく悪影響を及ぼすおそれがある場合以外は、この規定による狩猟免許者数の制限は行なわないものとし、法第一条ノ四第三項の規定により狩猟者の一日当たりの鳥獣の捕獲数の制限等を行なうことによつて目的を達するようにすること。
  5 次に掲げる者は、法第七条第二項の規定により狩猟免許はしないこととする。
   イ 最近二か年の期間内において他の都道府県で狩猟免許の取消しを受けている者
   ロ 極度の近視眼で眼鏡を使用しても調整がつかない者
   ハ 手足がきわめて不自由で危険防止について保証し得ないと認められる者
  6 都道府県知事は、狩猟免許をした場合は、狩猟免状および狩猟者記章とともに、当該都道府県の区域内における鳥獣保護区、休猟区、銃猟禁止区域および猟区の位置を示す図面を交付するものとすること。
第五 狩猟者記章について
  狩猟免許者に狩猟者記章を交付することとした理由は、山野等現場における狩猟取締りの徹底を図るためである。すなわち、今回の改正によつて狩猟免許は、都道府県ごとに受けることになるので、その取締りも従来に比較して、一段と複雑かつ困難となるので、効果的な取締りを行なうためには一見して当該都道府県知事の狩猟免許を受けた者であるかどうかが了知できるような措置を講ずることが必要であるからである。
第六 講習会について
  法第七条ノ二第一項の講習会(以下「講習会」という。)は、昭和三三年の法律改正により初めて設けられた制度であり、狩猟者の素資向上に相当の貢献をしたものと認められるが、この制度は、狩猟者の狩猟経験の有無についてはまつたく考慮せず、かつ、出席することによつてその目的を達したものとみなすものであつたこと等から講習効果の確保がかならずしも十分でなかつたので、これが改められ、狩猟者に必要最少限度の知識を修得せしめることを目的として講習に考査を含む課程を設け、これを修了することを必要条件とすることになつたので、その旨を受講者に徹底せしめるとともに真剣に受講するよう指導に万全を期すること。
 一 講習会開催の公表
   講習会を開催しようとするときは、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行令(昭和二八年政令第二五四号。以下「令」という。)の定めるところにより、開催予定日の二〇日前までに公表することになつているが、開催予定日を定めるに当たつては、受講者が最も受講しやすいような時期、たとえば受講者の大部分が農業者である場合は可及的に農繁期を避け、また勤労所得者である場合は、事情の許す限り休日も開催するような配慮のもとに決定し、その周知徹底方については、狩猟関係団体等の協力を求めるとともに、一般人に対しては、ポスター等を市町村役場の掲示板等の見やすい場所に掲出し、また、都道府県の広報機関を利用してその徹底を図るようにすること。
 二 受講申込み
   都道府県の区域内に住所を有する者で、狩猟免許を受けようとする者(在邦軍人、軍属、外交官等を含む。)は、自己の希望する年月日および場所を記載した別記様式第3号による受講申込書に、最近六カ月内に撮影した正面、上半身、無帽のライカ判の写真を貼付し、これに受講手数料を添付して申し込むよう指導すること。
   なお、令第一条第二項ただし書の規定により狩猟期間内に受講しようとする者は、その事由を証する書面(病気の場合にあつては医師の証明、長期の出張または旅行の場合にあつてはその者の所属長または市町村長の証明等)を添付して申し込むよう指導すること。
 三 受講場所
   講習会は、原則としてあらかじめ受講申込をした者を対象として開催するものであり、おおむね各郡単位に開催するものであるが、その場合においては、可及的に受講申込者の希望にしたがつて受講させるようにすること。
 四 講習会開催の時期および回数
   講習会開催の時期は、従来は狩猟期間の内外を問わず開催してきたが狩猟期間中の開催は、狩猟者の指導、狩猟取締り等狩猟行政運営上に支障を及ぼしていた実情にかんがみ、今回、これが改められ、原則として狩猟期間中は開催しないこととなつたから、その旨を狩猟免許を受けようとする者に周知徹底を図るとともに開催の回数についても狩猟期間前に必要な回数を開催するものとし、狩猟期間内においては、もつぱら現場における狩猟取締り等に主力を注ぐこと。また、令第一条第二項ただし書の規定により、狩猟期間内に講習会を開催する必要がある場合においても、申請のつど開催するというのではなく、ある程度受講申込者をまとめて開催するようにすること。
   なお、改正令附則第一項ただし書の規定により、昭和三八免許年度においては、従来どおり狩猟期間内においても講習会を開催することとされているが、これは狩猟者等関係者に講習会開催の時期の制度について周知徹底方を図るための経過措置であることにかんがみ、その旨の周知徹底方に万全を期するとともに、この場合においても、一月以降における開催は可及的に避けること。
 五 (削除)
 六 狩猟者講習修了証明書
   狩猟者講習修了証明書の用紙は、青写真等作成の場合を考慮して、紙質の薄い用紙を用い、黒文字で正確に記載することとし講習課程修了者に対して、講習課程修了後遅滞なく交付すること。
   なお、狩猟についての適性を有しないと認められる者については、狩猟者講習修了証明書の備考欄にその旨を記載し、狩猟免許をするに際しての便に資せしめるよう配慮すること。
 七 狩猟者台帳
   都道府県知事は、受講者につき別記様式第4号による狩猟者台帳を作成することとし、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則(昭和二五年農林省令第一〇八号)第一一条第二項の規定により届け出があつたときは、届け出に係る事項の変更記載を行なうこと。この場合において、同項の規定により、住所が都道府県の区域をこえて変更された旨の届け出があつたときは、都道府県知事は、旧住所地の都道府県知事にその旨を通知することとし、通知を受けた旧住所地の都道府県知事は、その者についての狩猟者台帳を新住所地の都道府県知事に送付することとし、送付を受けた新住所地の都道府県知事は、それに基づいて、その者についての狩猟者台帳を作成するものとすること。
 八 講習事務の一部委託
   都道府県知事は講習会の開催に関する事務の一部を他の者に委託することができるが、都道府県知事が委託のできる相手方の範囲は、中央鳥獣審議会の意見を聞いて農林大臣が決定することとなつているので、おつて決定した場合は告示するから、その告示をまつて個々に委託するようにすること。
   委託できる事務の範囲は、次のとおりとし、講習内容の決定および狩猟者講習修了証明書の発行に関する事務は委託しないこと。
  イ 受講申込者の取りまとめ
  ロ 会場の準備
  ハ 会場における受講者の受付等
  ニ 教材の準備
  ホ 受講者の実施指導
   なお委託講習の場合にあつても、その責任はすべて都道府県知事にあるので、その実施については、つねに指導監督を厳にし、遺漏のないようにすること。
第七 狩猟免許の取消しについて
 一 取消し効果の徹底
   狩猟免許の取消しの目的は、違反者を隔離し、本人に反省の機会を与えるものであり、その取消しの効果は、従前に全国に及んでいたが、改正法では都道府県ごとの効力を有する狩猟免許と改められたことに伴い、行政罰としての狩猟免許欠格性の発生も当該取消しをうけた都道府県知事につき、その取消しに係る種類の狩猟免許のみと限定されることとなつたが、この狩猟免許の取消しは行政処分であり、法令違反に対する罰則の適用という司法処分とは無関係であるので、取消し後起訴され、それが無罪となつたような場合でも取消しの効果には変わりなく、取消し処分の通知を受けた時から効力を生じるものであるので、取消しはかならず証拠に基づいて行ない、いかなる場合でも違反事実の立証ができるように配慮し、慎重に行なうようにすること。
 二 取消し要領
  1 取消しに際しては、違反事実を十分に究明したうえで処分を行なうこと。
  2 違反を繰り返す者および悪質のものについては、迅速確実にその者が受けている全部の種類の狩猟免許の取消しを行なうようにすること。
  3 取消しは文書をもつて行なうこと。この場合、取消しについて異議のあるときは農林大臣に対し取消し処分について審査請求ができる旨を文書であわせて教示すること。
  4 取消した場合は、違反事実の詳細、取り消された者の狩猟経歴および取消し年月日を遅滞なく林野庁長官に報告するとともに、取り消された者の住所地を管轄する都道府県知事に通知すること。
  5 4により通知を受けた都道府県知事は、狩猟者台帳により、取り消された者が狩猟免許を受けている他の都道府県知事を調査し、当該知事に対し遅滞なく4に掲げる事項を通知すること。
  6 取消しの通知を受けた都道府県知事は、特別の事由のない限りその者が受けている狩猟免許の全部を取り消すこと。これは、違反はおおむね精神上の問題であり、いやしくも違反によつて狩猟免許を取り消されたような者になお狩猟を行なわせることは、狩猟秩序維持の観点からも好ましくないので、ある県において取り消された者に対しては、その者が狩猟免許を受けているすべての都道府県においても取り消しを行ない、都道府県間で取り消しについての不均衡が生ずることのないように措置しようとすることによるものであるから、その趣旨にそつて適正に措置すること。
  7 6により通知を受けた都道府県知事が狩猟免許を取り消した場合は、その旨を遅滞なく林野庁長官に報告するとともに、取り消された者の住所地を管轄する都道府県知事にその旨を通知することとし、取り消しをしなかつた場合は、その事由の詳細を遅滞なく林野庁長官に報告すること。
第八 鳥獣保護区について
 一 鳥獣保護区の設定について
  1 鳥獣保護区は、野生鳥獣の保護繁殖を図ることを目的として設定されるものであり、相当長期間にわたり設定されるのが普通であるので、設定に当たつては、土地所有者その他設定により利害関係を有する者に設定の必要性等について周知せしめ、協力を求めるようにすること。
    なお、設定の時期は、狩猟者の便宜にかんがみ狩猟期間以外の期間(講習会開催前が好ましい。)に行ない、狩猟期間中は避けるようにすること。
  2 鳥獣保護区の設定およびその区域内における施設の設置については、法第一条ノ二第一項の基準が定められしだい、おつて通達する予定であるが、それまでの間、設置については、おおむね管内の林野面積一万二五〇〇ヘクタールごとに三〇〇ヘクタール程度の面積の鳥獣保護区を設定するようにするとともに、区域内における施設については、三年間に鳥獣の生息密度が三倍以上となるよう、状況に応じ設置すること。
 二 特別保護区の指定について
  1 鳥獣保護区の区域内に、鳥獣の保護繁殖を図るためとくに必要があると認められるときは、特別保護地区を指定することができることとなつたがその指定を受けると、その区域内においては、立木竹の伐採制度、工作物の設置制限等の制限を課せられることとなるので、その指定に当たつては土地所有者等利害関係人に、その旨を周知させるとともに、その指定について協力を求めるようにすること。
  2 特別保護地区の指定については、法第一条ノ二第一項の基準が定められしだいおつて通達する予定であるが、それまでの間、面積についてはおおむね鳥獣保護区の区域の全面積の一〇%程度とし、存続期間については、鳥獣保護の目的達成上必要と認められる期間に限定して指定するようにすること。
 三 改正法施行前に設定された鳥獣保護区および禁猟区の取扱いについて
  1 鳥獣保護区
    改正法施行前の鳥獣保護区は、改正法附則第五条の規定により、改正後の鳥獣保護区とみなされるとともに特別保護地区とみなされることとなつたが、実態調査のうえ、鳥獣の保護繁殖上とくに必要と認められる地域以外の地域については、すみやかに特別保護地区の指定を解除し、土地所有者等に対する制限の軽減を図るようにすること。
  2 禁猟区
    改正法施行前の禁猟区については、改正法附則第六条の規定により、鳥獣保護区とみなされ、新たに施設設置等について受忍義務が課せられることとなつたが、これについて一定期間内に異議の申出をすることができることを周知させ、保護施設の設置が土地所有者等利害関係人に迷惑視されることのないよう指導に意を用いること。
  3 改正法施行前の鳥獣保護区および禁猟区に設置されている標識は、それぞれ改正規則附則第二項および第三項の規定により、改正規則施行後三年間は、それぞれ相当規定に基づき設置されたものとみなされることとなつたが、その建替えについては、早期に終了するよう配慮すること。
第九 休猟区の設定について
 一 休猟区制度の趣旨の徹底
   休猟区は、狩猟鳥獣の保護繁殖を図るために可猟地域(乱場)のうち狩猟鳥獣の減少が著しい地域について一定期間狩猟を禁止し、狩猟鳥獣の生息状況の回復を図ろうとするものであり、もつぱら狩猟のための制度であることを講習会等の機会を通じて狩猟者に徹底し、一時的な不便による違反等の生ずることのないよう指導にとくに意を用いるとともに、休猟区の区域内において鳥獣による被害が生じた場合は、設定者は責任をもつてその駆除に当たることを土地所有者等利害関係人に周知させ、その設定についての一般の協力を得るように配慮すること。
 二 設定基準
   休猟区の設定については、法第一条ノ二第一項の基準が定められしだいおつて通達する予定であるが、それまでの間、面積については町村合併促進法(昭和二八年法律第二五八号)施行前の市町村程度を単位とし、都道府県の区域のうちの可猟地域の一五分の一程度の広さについて休猟区を設定することとするとともに、存続期間については三年程度とし、その更新は行なわないものとすること。
第一〇 有害鳥獣駆除許可権限の委譲について
  従来においては、駆除に藉口する弊害防止等の見地から、特定された種類以外の鳥獣の駆除はすべて農林大臣の許可権限となつていたが、今回の改正により鳥獣行政については都道府県知事が責任をもつて鳥獣保護事業計画を樹立し実施することとなつたことと関連して、一般に害性をあらわすと考えられる狩猟鳥獣およびヒヨドリについては、都道府県知事かぎりで迅速かつ適確に駆除ができる態勢に改められたものであるがその運用については遺漏のないよう万全を期すこと。
  なお、国有林野事業に従事する職員が国有林野事業遂行の一環として行なう有害鳥獣駆除については、年度当初等にあらかじめ国有林野の管理者と協議を行ない計画的に駆除を行ないうるよう適切な措置を講ずるようにすること。
第一一 猟区について
 一 猟区管理規程について
   改正法により入猟規程が猟区管理規程と改められたが、その作成に当たつては、別記様式第5号を参考にすること。
   なお、既設の猟区については、改正法附則第七条第二項の規定により、猟区管理規程を定め、昭和三八年一二月三一日までに農林大臣の認可の申請をしなければならないこととされていたが、その作成に当たつても別記様式第5号を参考にすること。
 二 猟区の維持管理に関する事務の委託について
  1 委託しうる事務の範囲
   (1) 狩猟鳥獣の生育および繁殖に必要な施設の設置に関する事務
   (2) 狩猟鳥獣の人工増殖または放鳥獣に関する事務
   (3) 狩猟鳥獣の飼育に関する事務
   (4) 入猟者の案内に関する事務
   (5) 猟区の区域内における監視に関する事務
  2 委託者
    委託者については、原則としては、狩猟の適正化または鳥獣保護を目的とする公益法人であることが望ましいが、営利会社についても受託しようとする目的等を検討し、ケース・バイ・ケースで処理するようにすること。
  3 今回の改正により、委託者が委託に係る事務を実施するための経費に充てるため、入猟者から料金を徴収し、自己の収入として自主的活動ができることとなつたが、その金額は、入猟承認料の範囲内において委託契約で定められることとするとともにその使用等については、設定者である地方公共団体において十分に指導監督を行なうこと。
    なお、入猟承認料の性格については、公物使用料の範ちゆうであると考えられるので、これについては条例で定めるものとすること。
第一二 違反捕獲物の引渡し等に関する罰則の改正について
  違反捕獲鳥獣については、従来においても、その加工品をも含めて、譲受けおよび譲渡しが禁止されていたが、鳥獣またはこれらの加工品を所持している販売業者、加工業者等が預り物であるとの口実のもとに脱法行為を行なつていたものが少なくないので、今回の改正により、販売加工または保管のためにする引渡しまたは引渡しを受けることが新たに禁止されることとされたので、その趣旨にそつて取締りの徹底を図ること。なお、従来加工品として指定されていたツグミ類、アトリ、カシラダカ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワおよびマヒワを調理した食料品については、その識別が困難であるため今回の規則の改正により、加工品の指定が解除されることとなつた。
  また、法第二〇条ノ三の規定により、鳥獣(その加工品を含む。)または鳥類の卵を加工しようとする者についても、法の実施のため必要な報告を徴取することができることとなつたが、その運用については、適正を期すること。
第一三 都道府県鳥獣審議会について
  都道府県鳥獣審議会の委員の構成については、おおむね次によること。
   学識経験者関係
  鳥獣保護関係者 二人
  狩猟関係者 二人
  林業関係者 一人
  農業関係者 一人
  大学関係者 一人
  市町村関係者 一人
  観光関係者 一人
    計 九人
   行政機関関係
  警察関係者 一人
  営林局署関係者 一人
  教育庁関係者 一人
  検察庁関係者 一人
  商工行政関係者 一人
  農林行政関係者 一人
    計 六人
第一四 鳥獣保護員について
  鳥獣保護員は都道府県の鳥獣保護事業の実施に関する事務を補助させるため任命される非常勤の職員であるが、その適否は直接鳥獣保護事業の効果に影響を及ぼすので、選定に当たつてはとくに意を用い遺憾のないようにすること。
 1 選定基準
   鳥獣保護員は、指定された地域内における鳥獣保護および狩猟の適正化に関する事務に従事するものである関係上(1)勤務地の市町村内に居住している者(2)鳥獣保護および狩猟に関し相当の知識を有し、鳥獣保護事業に熱意を有している者(3)地元住民の信望があり、かつ、身体強健で時間的および経済的にも制約の少ない者等から選定するようにすること。
 2 職務権限
   鳥獣保護員は、非常勤職員であるので、特別司法警察員の指名は受けられないが、法第一九条および第一九条ノ二の規定を適用して、狩猟免許者または鳥獣捕獲許可者が所持する狩猟免状または鳥獣捕獲許可証の呈示を求める権限および鳥獣保護区、休猟区、猟区、店舗等の場所に立ち入つて狩猟者その他の者が所持する鳥獣もしくはその加工品または鳥類の卵を検査する権限を適正に行使するように指導するとともに、通常業務として、(1)鳥獣保護区等の管理 (2)狩猟取締りの実施 (3)一般住民および狩猟者の指導 (4)鳥獣保護思想の普及啓蒙 (5)鳥獣に関する諸調査等に従事することをその職務内容とすることを徹底させ、鳥獣行政に係る秩序の確立に努めさせること。
 3 鳥獣保護員の給与および配置数
   鳥獣保護員の給与は、一人年額四万三〇〇〇円を基準とし、配置数は、市町村ごとに一人の割合で任命すること。
 4 勤務
   鳥獣保護員は、義務勤務として、狩猟期間中は週二回その他の期間中は月二回出勤するものとし、その他は任意勤務とし随時出勤すること。
   なお、勤務に従事している際は職務に専念することを旨とし、鳥獣保護員が狩猟免許者である場合であつても勤務中は狩猟を行なうがごときことのないよう指導するとともに、職務上のことについて緊急を要するものがある場合は、その都度関係職員に報告し、必要あるときはその指示を受けるよう指導すること。
第一五 鳥獣行政機構の拡充について
  都道府県において鳥獣行政を担当する職員は、(1)鳥獣と農林水産業との関係 (2)鳥獣と生態、習性、害益等の調査 (3)鳥獣保護事業計画の策定および実施 (4)有害鳥獣駆除の指導 (5)狩猟免許者等の指導 (6)鳥獣保護事業の啓蒙 (7)狩猟取締り等専門の知識および経験を必要とする分野について、今後一段と事務量が増加するので、現在の担当者のほか適任者を早急に選定するとともに鳥獣行政に専任する係を設置する等機構の整備拡充を図るように配慮すること。

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