法令・告示・通達

自然保護行政と天然記念物保護行政との調整について

  • 公布日:昭和50年3月27日
  • 環自企172号

(各都道府県知事あて環境庁自然保護局長通達)
 自然保護行政と天然記念物保護行政との調整を行い、天然記念物である一定の動植物等の保護の一層の強化を図るため、今般、左記の措置をとることについて、文化庁との間で了解に達したので、貴職におかれても、その目的の達成が期せられるよう特段の御配慮をお願いする。
 なお、本通知の内容について、文化庁とも合意済みであることを念の為申し添える。
 (別添「自然保護行政と天然記念物保護行政との調整について」(文化庁次長から各都道府県教育委員会教育長あて通知)参照)

一 今回の調整措置の趣旨及び内容
  今回の措置は、天然記念物である動植物等の保護を周辺環境の保護と一体として行うことが適当であるものについては、それらの保護増殖の事業は、今後、環境庁が文化庁と協議して実施していくこととするものである。
  これにより、環境庁が保護増殖の事業を実施することとなつた天然記念物である動植物等の範囲は、昭和五〇年一月一三日付環境事務次官と文化庁長官との間で取りかわされた別紙覚書のA及びBに掲げるものである。
  このように、今回の措置は、関係法律の改正は行わず、現行法制下で実際の運用面での自然保護行政と天然記念物保護行政との調整を図ろうとするものであるので、天然記念物としての指定、現状変更の規制等文化財保護法に基づく施行事務とされるものは従来どおり文化庁が行うものであり、環境庁は一定範囲の天然記念物に関し実際の保護増殖の事業を行うものである。
  また、別紙覚書のA及びBに該当しない動植物等については、従来どおり自然保護行政又は文化財保護行政においてそれぞれ担当されることには変更がないものである。
  なお、タンチヨウについては、現在、人工増殖センターが建設中であるので、これが完成し、環境庁の受け入れの体制が整うまでの間は、文化庁が保護増殖事業を引き続き実施することとされ、また、コウノトリについては従来どおり文化庁が現在の保護増殖の事業を実施することとして、例外的な取扱いをすることとしている。
  この他、天然記念物である畜養動物についても、今回の措置の対象外とされ、従来どおり文化庁が行うこととなつているので留意されたい。
二 昭和五〇年度予算について
  今回の措置により、環境庁が保護増殖の事業を行うこととされたものについて、都道府県等が予算措置による保護増殖の事業を行う場合には、環境庁において従前より文化庁が行つていたものとほぼ同様の補助事業を行うこととし、現在、参議院で審議中である昭和五〇年度予算においてはそのための経費(予算額一九、七七〇千円)を計上しているので、予算の成立をまつて関係県と協議のうえ、当該予算の執行を行うこととしている。
三 各都道府県における体制の整備
  今回の措置により、別紙覚書のA及びBに該当する天然記念物である動植物等に係る保護増殖の事業は環境庁が行うこととなつたので、各都道府県におかれても当該天然記念物に係る保護増殖の事業は、自然保護・鳥獣保護担当部局が行うことを原則として、各都道府県教育委員会とも協議のうえ、予算、執行体制等について必要な措置を講じることとされたい。
  なお、別紙覚書Aに掲げる区域に係る地方公共団体指定の天然記念物並びに都道府県立自然公園及び都道府県自然環境保全地域の一定の区域に係る地方公共団体指定の天然記念物についても、今回の調整措置の趣旨に基づき、教育委員会とも協議のうえ、同様の措置を講じるよう努められたい。
  また、この機会に、国におけると同様(別紙覚書C参照)貴都道府県内においても、自然保護行政と天然記念物保護行政との緊密な協力について、一層の強化を図られたい。


別表
  覚書
環自企第一三号
庁保記第一三の一号
昭和五〇年一月一三日
環境事務次官 船後正道
文化庁長官 安達健二
  自然保護行政と天然記念物保護行政との調整について
 環境庁と文化庁は、左記のとおり了解する。

A 次に掲げる天然記念物に係る保護増殖の事業については、環境庁が文化庁と協議して実施するものとする。
 (一) 次の何れかの地域に生息している鳥獣等の動物
  ① 鳥獣特別保護地区
  ② 原生自然環境保全地域、自然環境保全地域の海中特別地区、野生動植物保護地区
  ③ 国立・国定公園の特別保護地区、海中公園地区
 (二) 次の何れかの地域に生育している植物
  ① 原生自然環境保全地域、自然環境保全地域の特別地区、海中特別地区
  ② 国立・国定公園の特別保護地区、特別地域、海中公園地区
 (三) 次の何れかに指定されているときの天然保護区域
  ① 原生自然環境保全地域、自然環境保全地域の特別地区
  ② 国立・国定公園の特別保護地区、特別地域、海中公園地区
B 天然記念物に指定されている鳥獣のうち、特殊鳥類及びイリオモテヤマネコ、カワウソなど絶滅のおそれのある獣類で環境庁と文化庁の協議が整つたものの保護増殖の事業については、環境庁が文化庁と協議して実施するものとする。
C 右記の天然記念物たる動植物等の保護の一層の強化を図るため、両庁の常設の協議機関を設け、必要に応じ関係省庁を加え、密接な協力に努めるものとする。

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