法令・告示・通達

自然公園法の行為の許可基準の細部解釈及び運用方法について

  • 公布日:平成12年8月7日
  • 環自国448-3

(各自然保護事務所長あて自然保護局長通知)
 自然公園法(昭和三二年法律第一六一号)第一七条第四項、第一八条第四項及び第一八条の二第四項に規定する行為の許可基準については、平成一二年三月二四日に公布された自然公園法施行規則の一部を改正する総理府令(平成一二年総理府令第二三号)により、自然公園法施行規則(昭和三二年厚生省令第四一号)第一一条として規定したところである。
 ついては、別添のとおり「自然公園法の行為の許可基準の細部解釈及び運用方法」を定めたので、当該通知に基づき行為許可に関する事務を適切に実施願いたい。
 なお、都道府県が自然公園法施行令(昭和三二年政令第二九八号)附則第三項第一号及び第二号に規定する事務を行う場合にあっては、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二四五条の九第一項に規定する法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準として取り扱うこととし、都道府県に通知したので、了知願いたい。
 「自然公園法の行為の許可基準の細部解釈及び運用方法」
  自然公園法施行規則(昭和三二年厚生省令第四一号)第一一条に規定する自然公園法(昭和三二年法律第一六一号)第一七条第四項、第一八条第四項及び第一八条の二第四項に規定する基準の細部解釈及び運用方法を以下のとおり定める。
  本基準は、平成一二年四月一日以降に許可を行う場合に適用する。ただし、地種区分が未定の特別地域に係る行為については、自然公園法施行規則附則第三項及び第四項の規定を適用する。
 一 「災害により滅失した建築物の復旧のため」(第一項)
   災害復旧の場合であって、防災上の観点から、災害前に建築物が位置していた場所における新築が不合理である場合を除き、既存の建築物が位置していた場所における建替えの場合に限るものとする。(以下同じ。)
 二 「学術研究その他公益上必要と認められる」(第一項)
  イ 学術研究のため必要な行為とは、その行為の主たる目的が学術研究のためになされるものをいい、単に学術研究が付随的な目的となっている行為は学術研究のため必要な行為とは認めないので、この観点から申請行為に関し、その申請主体、申請の趣旨、内容効果等を十分審査する必要がある。
  ロ 公益上必要な行為とは、その行為が直接的に公益に資するものに限定して考えるべきであり、たとえば、土地収用法第三条各号に掲げるような行為及び自然環境の保全を目的とした行為等が考えられる。
    また、公益上必要と認められるか否かは、当該行為を当該地で行うことの公益性と当該地を当該行為から保護することの公益性を比較衡量の上、審査する必要がある。(以下同じ。)
 三 「申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる」(第一項)
   申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められるものとは、①当該行為の目的、内容からみて必然的にその行為地が限定されるもの、又は②当該行為の目的、内容からみてその行為地が一定の範囲の地域内に限定され、かつ当該範囲の地域外で行うことが、経済的観点その他の観点から見て著しく不合理であるものをいう。①の例としては、現に地すべりが起きている土地又はそのおそれが顕著な土地における地すべり防止工事に関連してなされる行為、②の例としては、ある一定の区域を避けて設置するとその設置の意味がなくなってしまう航路標識の新築が考えられる。(六三を除き、以下同じ。)
 四 「植生の復元が困難な地域等」(第一項第二号ロ)
   その地域の自然的価値が、特別保護地区又は第一種特別地域と同じ程度に高い地域であって、その地域が狭小であり、又はその自然の実態からみて、線引きにより特別保護地区又は第一種特別地域に指定することが技術的に困難であるものについて、特に貴重な自然を有する特定地域の保護のため、特別な配慮を行うものとする趣旨である。
   このような取扱いをしうる場合は、地域地種区分制度が設けられている趣旨にかんがみ、明確かつ合理的な場合に限られるべきであり、当該具体的地域における自然的価値の高さについて明確な認識が可能であることが必要である。具体的には、文化財保護法(昭和二五年法律第二一四号)の規定に基づく史跡名勝天然記念物の指定又は仮指定がされている地域、学術調査の結果により当該地域の自然的価値が明らかにされている地域その他何らかの行政措置又は定着した地域的慣行が行われている地域が該当する。(以下同じ。)
 五 「主要な展望地」(第一項第三号)
   利用者の展望の用に供するための園地、広場、休憩所、展望施設のほか、公園事業たる道路(駐車場も含む。)のうち利用者の展望の用にも供せられている区間も含まれる。(以下同じ。)
 六 「屋根及び壁面の色彩並びに形態」(第一項第五号)
   屋根の形態については、陸屋根を避け、勾配屋根とする等固い印象を与えないものが望ましい。屋根及び壁面の色彩については、原色を避けることは勿論、公園利用者に必要以上の強い印象を与える色彩は用いないようにさせる必要がある。また、色彩数も必要最小限にとどめさせることが望ましい。(以下同じ。)
 七 「跡地の整理を適切に行う」(第一項第六号)
   当該地に建築物が存する以前の土地の状態に近い状態に復する行為をいう。(以下同じ。)
 八 「申請に係る場所に居住することが必要と認められる者」(第二項)
   申請に係る場所が位置する公園内において既に執行され、若しくは執行されようとしている公園事業に従事する者、当該公園内において農林漁業、鉱業、採石業等土地に定着した産業に従事する者、申請に係る場所の位置する特別地域内で現に行われている事業に従事する者又は都市計画法第三四条第九号に定める開発行為として特別地域内に住宅の新築、改築若しくは増築を行おうとする者であって、当該行為に係る都道府県知事への届出を基準日前に既に完了していたもの、又は基準日現在、申請に係る場所に居住していた者から相続を受けた者等が含まれる。
   なお、現居住環境が著しく悪化したために健康を害し、申請に係る場所に転居する必要があると認められる者(医師の診断書等により当該事情が立証される者に限る。)を含むものとする。
 九 「住宅」(第二項)
   もっぱら八に規定する者のみが居住するための建築物をいい、集合住宅を含むものとする。
 一〇 「住宅部分を含む建築物」(第二項)
   同一建築物内に当該建築物の所有者自らの居住する部分を有する建築物をいうものであり、店舗併用住宅(居住の用に供する部分が延べ面積の二分の一以上であるものに限る。)、民宿等がこれに含まれる。
 一一 「用途上不可分である建築物」(第二項)
   住宅に付随して設けられる物置、車庫等、主たる建築物の用途を補完するために付随して設けられる建築物をいう。
 一二 「分譲地等内における建築物の新築、改築又は増築」(第四項)
   集合別荘(分譲ホテルを含む。)、集合住宅又は保養所であって、分譲地等内に設けられるものは、「分譲地等内に設けられる建築物」に含まれる。
 一三 「用途上不可分である建築物」(第四項)
   研修所等における宿泊棟、研修棟、食堂棟、管理棟のようにいずれをとっても互いに補完しあう関係にある建築物のことをいう。したがって、貸別荘群と管理棟との関係はこれに含まれない。
 一四 「敷地」(第四項第四号)
   一つの建築物又は用途上不可分の関係にある二つ以上の建築物がある一区画の土地をいう。
   なお、建築物の敷地界が所有界と一致している場合は問題はないが、貸別荘群のように、一連の土地に同種の建築物を多数設けるような場合には、個々の建築物の敷地を区画させ図面等により明定させる必要がある。
   (以下同じ。)
 一五 「建築物の水平投影外周線で囲まれる土地」(第四項第七号)
   建築物の地下部を含むものとする。
 一六 「土地の勾配」(第四項第七号)
   建築物の水平投影外周線で囲まれる土地のうち最急部分の地形勾配を算定するものとするが、建築物の形態が複雑である場合等にあっては次の手順により算定する。
  ① 申請書に添付された地形図その他の地形を記した図面において、土地の形状変更を行わずに建築物を設けたと仮定した場合の当該建築物に接する部分の標高の最高点と最低点を選定する。(該当する点が複数存する場合には、最高に該当する点と最低に該当する点とを相互に結ぶ直線が最短となる場合の両点とする。)
画像:建築物の形態が複雑である場合等における建築物にかかる土地の地形勾配の算定手順(1)
  ② 最低点と等しい標高の線上の最高点から建築物の設けられる方向に向かって最短距離にある点と、当該最高点とを直線で結ぶ。同様に、最高点と等しい標高の線上の、最低点から建築物の設けられる方向に向かって最短距離にある点と、当該最低点とを直線で結ぶ。
画像:建築物の形態が複雑である場合等における建築物にかかる土地の地形勾配の算定手順(2)
  ③ ②の直線のうち短い方の直線の勾配を算定する。
 一七 「前号に規定する土地及びその周辺の土地」(第四項第八号)
   建築物が四囲からさえぎられることなく望見されることとなる場合には、当該地の風致景観に与える支障が大きいので、当該要件を定めたものである。したがって、この場合の「周辺の土地」の範囲は上記の趣旨を考慮して、それぞれ具体的な事例に即して判断されるべきものである。
 一八 「低木林地」(第四項第八号)
   気象条件等により平屋建ての建築物が、四囲から容易に望見される程度の高さしか樹木が生育し得ない樹林地をいう。
 一九 「高木の生育が困難な地域」(第四項第八号)
   例えば、砂丘、溶岩原等の土地をいう。
 二〇 「公園事業に係る道路又はこれと同程度に当該公園の利用に資する道路」(第四項第九号)
   公園事業執行道路(自転車道、歩道を含む。以下同じ。)及び公園事業執行道路と同等の利用がなされ、当該公園の利用に資していると認められる公道に限るものとする。(以下同じ。)
 二一 「路肩」(第四項第九号)
   路肩が明確でない場合には、道路として認識され得る部分の両端を適宜路肩として選定する。(以下同じ。)
 二二 「車道」(第七項)
   車両の用に供しうる道路をいう。
 二三 「車道の新築」(第七項)
   新築とは、従来、車道の開設していない土地に新たに車道を設けることをいい、既設の車道を延長する行為を含む。
 二四 「地表に影響を及ぼさない方法」(第七項第一号イ)
   ずい道によるものを指すが、ずい道であっても、新築(改築又は増築)により、地下水脈が切断されること等により地表の植生等に影響を与えることが予想されるもの又は排気口が植生復元の困難な地域等の地表に露出することとなるものは除く。
 二五 「法の規定に適合する行為」(第七項第一号ロ(四)及び(五))
   法の規定による同意を得た行為、認可又は許可を受けた行為、届出がなされた行為及び許可又は届出を要しない行為(公園区域外で行われるものを含む。)をいう。
 二六 「法の規定に適合する行為に行われる場所に到達するために設けられる車道」(第七項第一号ロ(四))
   この例としては、治山工事用車道等であって、工事終了後は通れないような車道が該当する。
 二七 「法の規定に適合する行為により設けられた工作物又は造成された土地を利用するために必要と認められる車道」(第七項第一号ロ(五))
   この例としては、自然公園法による許可を受けて新築されようとしている休憩所等を利用するための車道が考えられる。なお、当該休憩所等の新築が自然公園法による許可を要しない場合も本要件に該当する。
 二八 「残土」(第七項第一号ハ)
   工事の施行に伴い生ずる土砂のうち不要となる土砂をいうが、自然公園法による許可を受けて行われる行為又は許可を要しない行為に流用されるものは、ここでは残土として取り扱わない。(以下同じ。)
 二九 「その風致の維持に支障を及ぼさない方法で処理することとされている場合」(第七項第一号ハ)
   特別地域の風致の維持に支障をきたすような残土の処理方法は認めないという趣旨であり、土砂の流出、崩壊防止措置及び捨土地の緑化措置が十分に講じられる計画になっているものをいう。(以下同じ。)
 三〇 「緑化が困難であると認められる場合」(第七項第二号ハ)
   緑化に用いるべき郷土種と同種の植物の入手が困難である場合等をいう。
 三一 「車道の改築及び増築」(第八項)
   改築とは、既存の車道の幅員を超えない範囲内の舗装、こう配の緩和、線形の改良又は前記の行為とあわせて行われるのり面の改良等をいう。増築とは、既存車道の幅員を拡大する行為をいう。
 三二 「勾配」(第九項第四号)
   申請書に添付された地形図上におとした三〇メートルメッシュごとに判断するものとし、メッシュの一辺又は対角線を基線として測定した勾配のいずれかひとつでも、三〇パーセントを超えるメッシュの区域内全域を三〇パーセントを超える土地とする。
   なお、この場合、地形勾配が三〇パーセントを超えるか否かの算定は、等高線が基線と交差する本数を数えることで足りるものとし、その本数(メッシュの頂点を通過するものは含めない。また同一標高であるものは一本と数える。)が、次の表に掲げる数以上の場合に、当該勾配は三〇パーセントを超えるというものとする。

基線\等高線一m間隔の等高線二m間隔の等高線
周辺の一辺
一〇
対角線
一五


 (例) 勾配が三〇パーセントを超えるものとする場合(一m間隔の等高線)
画像:勾配が30パーセントを超えるものとする場合における1メートル間隔の等高線の例1~3
 三三 「関連分譲地等の全面積の一〇パーセント以上の面積の土地を保存緑地とする」(第九項第五号)
   保存緑地の配置にあたっては、勾配が三〇パーセントを超える土地の周辺地域も必要に応じ保存緑地とするなど、風致の維持上不自然とならない配置にするよう指導する。
 三四 「保存緑地とされた土地において新築を行う」(第九項第六号)
   道路又は上下水道施設が新築され、分譲地等の造成が行われた後において、新たに保存緑地において道路又は上下水道の新築を行う場合をいう。
 三五 「次に掲げる基準に適合する方法で売買されるものである」(第九項第七号)
   イの図面及びロの書面文案を申請にあたって添付させ、本要件で要求されている内容になっていることを確認する必要がある。
 三六 「関連分譲地等の全面積が二〇ヘクタール以下である」(第九項第九号)
   二〇ヘクタールを超える分譲地等の造成に係る道路及び上下水道施設の新築は許可しないという趣旨である。二〇ヘクタールを超える分譲地等の造成がなされることが明らかな計画になっているものにあっては、その計画のうち二〇ヘクタール以下の分譲地等の造成に係る道路及び上下水道施設の新築のみを許可の判断の対象とし、さらに、この部分を許可した場合であっても、これに続く分譲地等の造成に係る道路及び上下水道施設の新築の許否の判断は、前に許可したものの分譲地等の造成が、本号に掲げるすべての要件に該当する方法で実際になされたことを確認したうえで行うものとする。
   なお、この場合、一回の許可に係る分譲地等の相互間には十分な緩衝緑地を設けさせることにより、各分譲地等が独立した形態とみなせることが必要である。
 三七 「屋外運動施設」(第一〇項)
   もっぱら屋外において運動を行うために設けられる施設をいい、テニスコート、プール、スケート場等をいう。なお、本区分は、当該屋外運動施設の表面がコンクリート、アスファルト、アンツーカー、クレイ、人工芝等によって被われることになっている場合に適用するものとし、単に地ならしする程度の場合は、土地の形状変更として取り扱う。
 三八 「総施設面積の敷地面積に対する割合」(第一〇項第二号)
   テニスコート等の屋外運動施設と管理棟等の建築物が併設される場合が考えられるが、こうした場合にあっても建築物については第一項から第六項までの要件が適用されるので、第一項から第六項までの各区分に掲げる建築物毎に定められている敷地面積に対する割合を超えた建築物は、当該要件に適合しない。
   なお、この場合、敷地面積として算定する土地には屋外運動施設の敷地面積として算定する土地を含むこととする。
 三九 「伐採が行われる森林の最小区分ごとに算定した択伐率が当該区分の現在蓄積の一〇パーセント以内であること」(第一三項第一号ロ)
   伐採予定森林が比較的大面積にわたる場合には、定められた択伐率内において伐採を平均化させる必要があるという趣旨である。
   この趣旨にかんがみ森林の最小区分内においても伐採が一部の地域に集中しないよう指導することが望ましい。
   なお、森林の最小区分としては、林班若しくは小班界又は土地所有界による区分を用いることが適当である。
 四〇 「第二種特別地域において行われるもの」(第一三項第二号)
   第二種特別地域において木竹の伐採を行おうとしている者から事前相談を受けた場合であって、皆伐法によれば風致の維持に支障が生ずる場合は、択伐法にするよう指導することが望ましい。
 四一 「当該区分の現在蓄積」(第一三項第二号イ(一))
   当該森林区分内に存する胸高直径三センチメートル以上の立木の材積の総和をいうものとする。
 四二 「標準伐期齢に見合う年齢」(第一三項第二号イ(二))
   森林法第一〇条の五第二項第二号の規定により定められた標準伐期齢をいうものとする。
 四三 「第三種特別地域内において行われるもの」(第一三項第三号)
   第三種特別地域においては、要件を定めないということである。
 四四 「地域住民の日常生活の維持のために必要と認められること」(第一三項第四号)
   この例としては、地域住民が自己の用に供する薪炭等を得るために行う木竹の伐採が考えられる。
 四五 「測量のために行われるもの」(第一三項第四号)
   測量のために行われる木竹の伐採であっても、当該測量の目的となる行為が自然公園法により許可される見込みのないものについては、第三一項第三号の規定により許可しないものとする。
 四六 「露天掘り」(第一四項)
   露出した鉱物若しくは土石又は表土を除いて露出させた鉱物若しくは土石を直接掘採し、又は採取することをいう。ただし、このようなものであって掘採又は採取の面積が一平方メートルを超えないものは露天掘り以外の方法によるものとして取扱う。
   なお、土石の採取を行うことにより敷地を造成し、工作物を新築し、改築し又は増築する行為については、工作物の新築及び土石の採取として取扱う。このような場合の土石の採取は、露天掘りであっても行為の主たる目的である工作物の新築、改築又は増築の許否の判断に従うこととする。ただし、この場合、土石の採取に係る面積及び量は必要最小限にとどめられていなければならない。(以下同じ。)
 四七 「自然的、社会経済的条件にかんがみ、掘採又は採取の期間及び規模が必要最小限と認められるものであること」(第一五項第一号ロ)
   地形そのものを改変させてしまう露天掘りによる鉱物の掘採又は土石の採取は、原則として許可しない。しかし、基準日現在生業として継続されてきた土石の採取行為が許可されなくなってしまうのは当該行為者の生活をおびやかすことになり適当でないため、生業の維持に係る場合の特例として本号を規定している。したがって本号で定める期間及び規模は、申請者等の生活を守るために必要な範囲に限定する。この場合、できるだけ早期に終掘させる方向で指導するのが適当である。
 四八 「現在の地形を大幅に改変するものでないこと」(第一五項第三号)
   この例としては、転石を採取するもの、又は田畑等の地下二メートル程度に存する土石を採取するもので、跡地に表土を埋め戻すとによりほぼ採取前と同様の状態に復することが可能であるものが考えられる。
 四九 「露天掘りでない方法によることが著しく困難と認められるもの」(第一五項第四号イ)
   鉱業権の対象となる鉱物が地表近くに存在する場合等であって、露天掘以外の方法で掘採することが露天掘で掘採する方法に比して技術的、経済的に著しく不合理と認められるものをいう。
 五〇 「地域住民の日常生活の維持のために必要と認められること」(第一六項第一号ロ)
   この例としては、地域住民が自己の用に供するため引水する行為等が考えられる。
 五一 「水位の変動についての計画が明らかなもの」(第一六項第二号)
   当該行為により水位又は水量が現状と異なることとなる時期及びその範囲並びに変動量に関する計画が明らかになっているものをいう。
 五二 「野生動植物の生息又は生育上その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないもの」(第一六項第二号)
   本要件は、単にこの計画内容のみから判断しても、他に資料を参照するまでもなく、野生動植物の生育又は生息を含めて風致又は景観の維持上重大な支障が生ずることが明らかなものは許可しないという趣旨である。
 五三 「技術的に最良の機能を有すると認められるもの」(第一七項第一号)
   当該汚水又は廃水の排水量及び排水先水域の現況にかんがみ合理的である範囲内で、申請時において、わが国で実用化されている汚水処理施設のうち、当該地域の気象条件等からして最高水準の浄化機能を発揮しうるものをいう。
 五四 「環境庁長官が指定した湖沼又は湿原の水質の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないもの」(第一七項第二号)
   前号の要件を満たす汚水処理施設を用いた場合であっても、当該湖沼等の現況を保全しないと認められる排出は、これを許可しないものとし、他の方法により汚水等の処理を行わせるという趣旨である。
 五五 「表示面の面積」(第一八項第一号ロ)
   表示面の面積は以下の方法により算定する。
  イ 表示板の場合
    表示板の面積を算定する。表示板の形状により板面積の算定が困難な場合には、当該表示板を内包できる長方形または円の面積を算定する。
    なお、表示板が複数であり、かつ、それらが一連のものとなっている場合には、一連の表示板を内包できる長方形または円の面積を一表示面として算定する。また、表示面の両面に表示されている場合は、両面合わせて一表示面とする。表示面が複数であり、かつ、それらが一連のものとなっている場合であって、表示面の配列が同一平面上にない場合には、ハにより算定する。
画像:表示板の場合における面積の算定方法の例1~3
  ロ 壁面等に表示する場合
    表示する文字等を内包できる長方形または円の面積を算定する。
    なお、表示する文字等が複数であり、かつ、それらが一連のものとなっている場合には、一連の文字等を内包できる長方形または円の面積を一表示面として算定する。
画像:壁面等に表示する場合における面積の算定方法の例1~2
  ハ 立体的な広告物の場合
    広告物の側面積を算定する。広告物の形状により側面積の算定が困難な場合には当該広告物を内包できる円柱又は角柱の側面積を算定する。
    なお、広告物が複数であり、かつ、それらが一連のものとなっている場合には、一連の広告物を内包できる円柱または角柱の側面積を一表示面として算定する。
画像:立体的な広告物の場合における面積の算定方法の例1~6
  (以下同じ。)
 五六 「設置目的、地理的条件等に照らして必要と認められること」(第一八項第二号イ)
   第二号に規定する場所に誘導するという目的のため必要最小限のもののみ認めるという趣旨であり、設置場所は主要道路からの分岐点等に限られる。
 五七 「複数の内容を表示する広告物等にあっては、その表示面の面積の合計が一〇平方メートル以下であること」(第一八項第二号ハ)
   一定の地域に個々の広告物が無秩序に多数設置される場合よりも、一つの広告物に統合される方が風致景観の維持上望ましい場合には、表示面積が一平方メートルを超える統合広告物を認めるという趣旨である。
   ただし、この場合であってもその総合広告物の表示面積は一〇平方メートル以下であり、かつ個々の表示面積は一平方メートル以下でなければならない。
 五八 「広告物としての機能を有するベンチ、くず箱等の簡易な物を設置するもの」(第一八項第四号)
   広告が表示されたベンチ、クズ篭等の簡易施設を設置する場合に適用する。
 五九 「表示面積」(第一八項第四号イ)
   表示する文字等が複数である場合は、これらの文字等を内包できる長方形又は円の面積を表示面積として算定する。
 六〇 「集団的に建築物を建築する敷地を造成するためその他の土地を階段状に造成するために行われるものでないこと」(第二〇項第二号)
   いわゆるヒナ段式敷地造成をいうものであって、道路又は上下水道施設の設置のみにとどまらず、建築物を新築するための用地を含めた土地の形状変更を伴う造成をいう。
   したがって、道路又は上下水道施設の設置のみを行う分譲地等の造成は、工作物の新築として把握し、第九項を適用する。
 六一 「絶滅のおそれ」(第二一項第二号)
   申請に係る特別地域内において、野生植物(又は動物)の種又は個体群について、当該種又は個体群の存続に支障を来す程度にその個体の数が著しく少ないこと、その個体の数が著しく減少しつつあること、その個体の主要な生育地(又は生息地)が消滅しつつあること、その個体の生育(又は生息)の環境が著しく悪化しつつあることその他当該野生植物(又は動物)の当該特別地域における存続に支障を来す事情があることをいう。
   なお、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七五号)第四条第三項に規定する国内希少野生動植物種及び同法第五条第一項に規定する緊急指定種は、本要件において絶滅のおそれがあるものとして取扱う。
   (以下同じ。)
 六二 「当該特別地域における当該植物(又は動物)の保存に資するもの」(第二一項第二号)
   保護増殖した個体の当該特別地域内への再導入、当該特別地域内における当該種の保存(保護増殖)に必要な知見を得るための調査研究、当該特別地域における当該種の遺伝子を保存するために必要な行為(いわゆるジーン・バンク)等がこれに当たり、専ら他地域へ当該種を移植することを目的とする行為、保護増殖した個体を販売する場合等はこれに含まない。
   (以下同じ。)
 六三 「申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる行為」(第二三項第一号)
   例えば、乗入れ規制地域の指定以前から生業として長期にわたり継続して行われていた行為であって、貨物、遊漁等の船舶運航業者が自ら行う動力船の使用、自然公園法による許可を得て行われる行為の遂行、自己所有地の管理のために行う車馬の使用等が考えられる。
 六四 「野生動植物の生息又は生育上その他の風致の維持上支障を及ぼすおそれがないもの」(第二三項第一号ロ)
   例えば、静ひつな雰囲気が保たれている場所において、静ひつさを著しく阻害するような爆音を発することや、野鳥等の生息を脅かしたり、林床植生を踏み荒らすようなこと等が含まれる。
 六五 「地域住民の日常生活の維持のために必要と認められるもの」(第二三項第二号)
   例えば、地域住民が行う物資の搬送を目的とする車馬の使用等が考えられる。
 六六 「その自然的、社会経済的条件から判断して前各項の規定による基準の全部又は一部を適用することが適当でないと、・・・(中略)・・・が認めて指定した区域」(第三〇項)
   これらの区域は、以下に掲げる要件に合致する地域について定めるものとする。
  イ 風致景観上の実態その他の自然的条件からみて、規則第一一条第一項から第二九項までに規定する行為のいずれかについて、基準を強化することに合理的な理由があり、かつ、基準を強化しても過度の受忍を強いることにはならないと認められる区域であること、又は風致景観上の実態その他の自然的条件からみて、規則第一一条第一項から第二九項までに規定する行為のいずれかにつき基準を緩和することに合理的な理由があり、かつ、緩和しなければ極端に社会的に不公平な取扱いとなることが明らかな区域であること。
  ロ 国立公園、国定公園の特別地域、特別保護地区又は海中公園地区内の一部の地域であり、かつ、一定の面的広がりを有するものであること。
   なお、森林の施業に係るこれらの区域の指定に当たっては、地域森林計画との整合性に留意する必要があることから、事前に関係部局間での調整が行われていることが望ましい。
 六七 「基準の特例」(第三〇項)
   基準の特例の内容は、以下に掲げる要件に適合するものとする。
  イ 基準の特例の内容は、当該行為に対して必要最小限の内容について定めるものであること。
  ロ 基準の特例を適用する区域の公園計画上の地種区分の変更を必要とする程度に至らないものであること。
   ただし、次に掲げる場合に該当するものにあっては、特に理由のない限り、あえて数値的基準を定めなくてもよい。
  (イ) 総建築面積の敷地面積に対する割合を五〇パーセントを超えるほどに緩和せざるを得ない場合。
  (ロ) 建築物の地上部に露出する水平投影外周線の道路等からの後退距離をその間に高木の生育が困難なほどに縮小せざるを得ない場合。
   なお、環境庁長官と農林水産大臣が協議して当該特別保護地区内の森林の施業に関する制限を定めた場合であって、第一三項第四号及び第二四項から第二六項までに規定する基準と異なることとなる場合について基準の特例を定める場合も上記取扱いによる。(都道府県においては、国定公園特別保護地区に係る森林の施業に関する制限がこれに当たるものとして環境庁から通知があった場合は、これを当該制限に係る基準の特例として定めることが望ましい。)
 六八 「基準の特例を定める」(第三〇項)
   基準の特例の内容については、告示又は公示するとともに、当該告示又は公示の内容を記載した書類(指定区域を示す図面がある場合は、当該図面を含む。)を申請窓口に備え付ける等の方法により公表することが適当である。
   また、森林の施業に係る基準の特例を定め、又は変更若しくは廃止する場合は、地域森林計画との整合性に留意する必要があることから、事前に関係部局間での調整が行われていることが望ましい。
 六九 「許可基準は、前各項に規定する基準のほか、次のとおりとする。」(第三一項)
   本項は、第一項から第三〇項までに定める個々の行為ごとの基準に加え、風致又は景観の維持を図るために必要となる共通の要件を規定したものである。
   なお、森林の施業に関する本項各号の規定の適用は、国有林野(公有林野等官行造林地を含む。)にあっては国有林の地域別の森林計画(公有林野等官行造林地施業計画を含む。)、民有林にあっては地域森林計画に基づき風致の維持を考慮して行わなければならない場合に限られる。
 七〇 「申請に係る地域の自然的、社会経済的条件から判断して、当該行為による風致又は景観の維持上の支障を軽減するため必要な措置が講じられていると認められるもの」(第三一項第一号)
   本号の適用は、申請に係る地域の自然的、社会経済的条件から、個々の申請ごとに個別に判断するものではあるが、同一の類型に該当する行為に共通の支障を軽減するための措置の実施を求める必要がある場合は、あらかじめ、これらの行為に係る許可の判断に共通してその基準となるべき事項を定め、これを公表しておくことが望ましい。
 七一 「申請に係る場所又はその周辺の風致又は景観に著しい支障を及ぼす特別な事由があると認められるものでないこと」(第三一項第二号)
   国立公園及び国定公園内において自然公園法による許可を要する行為については、各種行為の区分に応じ、本条に定める審査基準を適用して判断されるべきことは当然である。
   しかし、当該行為が本状各号に掲げるすべての要件に該当する場合であっても、射撃場、オートレース場、産業廃棄物処理施設、ある種の工場の設置等、その行為による騒音、悪臭、ふんじん等の発生により当該行為地周辺の風致又は景観に著しい支障を与えることが明らかな場合等においては風致の保護の全体的な立場からその行為を不許可とする必要があるという趣旨である。
 七二 「申請に係る行為の当然の帰結として予測され、かつ、その行為と密接不可分な関係にあることが明らかな行為」(第三一項第三号)
   ある行為の当然の帰結として予測され、かつ当該行為と密接不可分の関係にある行為が、自然公園法により不許可となることが確実な場合は、たとえその行為自体は前各項の要件すべてに合致するものであっても許可しないことができる。このような例としては、地質調査ボーリングが第一四項の要件にすべて合致していても、これと密接不可分の関係にある工作物の新築が不許可となることが確実である場合に地質調査ボーリングを不許可とする事例が考えられる。
◎自然公園法の行為許可の基準の細部解釈及び運用方法について(対照表) 略

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