法令・告示・通達

自然公園法の一部を改正する法律の施行について

  • 公布日:平成15年4月1日
  • 環自国135号

(自然環境局長から各地区自然保護事務所長・都道府県知事あて)
 自然公園法の一部を改正する法律(平成14年法律第29号。以下「改正法」という。)については、平成14年4月24日付けで公布され、自然公園法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成15年政令第33号)によって、平成15年4月1日から施行されることとなった。
 また、自然公園法施行令の一部を改正する政令(平成15年政令第34号。以下「改正政令」という。)は平成15年2月5日付けで、自然公園法施行規則の一部を改正する省令(平成15年環境省令第6号。以下「改正省令」という。)は平成15年3月25日付けで公布され、それぞれ平成15年4月1日から施行されることとなった。
 これらの内容等は次のとおりであるので、了知の上、その適切な施行に努められたい。

第1 改正の趣旨
  今回の改正は、我が国の貴重な自然環境の多くの部分が指定されている自然公園において、生物の多様性の確保を図ることに対する要請が、近年、高まってきていることを受けて行われたものである。
  このため、(1)利用者の増大等に伴う自然生態系への悪影響、特定の野生動物の採取圧の増大等に対応するため、利用調整地区制度の創設及び特別地域等における規制行為の追加による生態系保全対策の充実を図り、(2)社会・経済状況の変化に伴い、里地・里山、草原等の手入れが行き届かないことにより二次的自然が質的に変化していること、及び、登山道、トイレ等の管理の改善などきめ細かな公園管理の必要性に対応するため、風景地保護協定制度及び公園管理団体制度を創設し、(3)国及び地方公共団体の責務の追加、特別地域等の行為規制に違反した者に対する中止命令等、都道府県立自然公園に関する規定の拡充及び違反行為に対する罰則の強化などの措置を講ずることとしたものである。
第2 国及び地方公共団体の責務の追加(改正法第3条第2項関係)
 (1) 国及び地方公共団体の責務として、「自然公園における生物の多様性の確保を旨として、自然公園の風景の保護に関する施策を講ずること」を追加し、風景の保護に関する施策に、生物の多様性の確保の観点が含まれることを明示したものである。これは、これまでも実質的に寄与していた自然公園における生物の多様性の確保について、法律上明確に位置付けたものである。
 (2) なお、「自然公園の風景の保護に関する施策」は、自然公園法(昭和32年法律第161号に基づく施策を意味するものであり、自然公園の区域内において実施される施策及び自然公園の区域外において実施される施策であって自然公園の風景の保護に影響を及ぼす可能性のある施策の全般を指すものではない。
第3 特別地域(特別保護地区を除く。以下第3及び第8において同じ。)及び特別保護地区における規制の追加(改正法第13条第3項及び第14条第3項関係)
  特別地域及び特別保護地区においては、各種行為が許可を受けなければしてはならない行為とされているところである。しかし、近年、規制がなされていないことにより特に問題になっている行為について、新たに許可を受けなければしてはならない行為としたものである。
1 特別地域における土石などの環境大臣が指定する物の集積等の規制(改正法第13条第3項第7号関係)
 (1) 国立公園又は国定公園の特別地域において、廃車や廃タイヤの集積などにより風致の保護に支障がある事例がみられるため、環境大臣が指定する物の集積等を新たに許可を受けなければしてはならない行為としたものである。
   環境大臣が指定する物と限定した理由は、特別地域においては農林業を始めとした各種産業が行われているため、特別保護地区のようにすべての物を対象とすることが不合理であるためである。
 (2) 物の集積等の許可は、風致の維持上支障がない場合に行うものとし、許可基準を改正省令第11条第19項に規定した。
   物の集積等は、一時的に行われる行為であることから、期限を限って許可をすることが適当である。ただし、物の集積等が一定の期間に継続して行われる場合、適正な規模及び期間の範囲内においては、包括的に許可を与えることも差し支えない。
   なお、物の集積等を主たる行為の関連行為として行う場合は、従来の運用と同じく、主たる行為と一括して審査するものである。
   また、特別地域にはかなりの集落地、農地等が存在し、日常の人間活動が営まれていること等にかんがみ、軽易な行為等を、許可を要しない行為として改正省令第12条第26号の3から同条第26号の12までに規定した。なお、同条第26号の5に規定する「森林内」には、林道脇及び土場についても含まれるものである。また、同条各号に規定する行為に付帯するものについては、同様に許可を要しない行為として取り扱うものである。
 (3) 改正法施行時又は新たな物の指定時に、国立公園又は国定公園において指定された物の集積等を既に行っている場合は、改正法第13条第3項ただし書の規定により、許可を受けることなくその物の集積等を継続できることとなる。ただし、改正法施行又は新たな物の指定の後、物の集積等の量が著しく増加等した場合には、新たに許可を要するものとなるので、改正法第13条第6項の規定に基づき、既に着手している集積等の内容を届け出させ、その現況について十分に把握しておく必要がある。
 (4) 特に廃棄物に関する物の集積等については、関係地方公共団体の廃棄物担当部局と密接な連携をとって事務を行うことが望ましい。
2 特別地域における環境大臣が指定する植物の採取等に関する規定の改正(改正法第13条第3項第10号関係)
  改正法第13条第3項第10号に係る今回の改正は、法技術的な修正によるものであり、指定する植物の範囲を拡大することを意図したものではない。また、「高山植物その他の植物」は改正前の「高山植物その他これに類する植物」と実質的に同義であって、これにより指定要件が変更されるものではない。
3 特別地域における環境大臣が指定する動物の捕獲等の規制(改正法第13条第3項第11号関係)
 (1) 特別地域において、高山に生息する蝶など動物の捕獲により風致の保護に支障が生じる事例が見られるため、環境大臣が指定する動物の捕獲等を、新たに許可を受けなければしてはならない行為としたものである。なお、「山岳に生息する動物」は、特定の環境下において生息する動物の例示であり、山岳以外に生息する動物を対象としないという意味ではない。
 (2) 動物の指定については、植物の指定と同様、学識経験者や有識者等の意見を聴取し、公園ごとに行うものとする。
 (3) 指定動物の捕獲等の許可は、指定植物の採取と同様、学術研究その他公益上必要な場合に行うこととし、許可基準を改正省令第11条第22項に規定した。
   また、特別保護地区における同様の規制による許可を要しない行為にかんがみ、軽易な行為等を許可を要しない行為として改正省令第12条第27号の2から第27号の6までに規定した。
   なお、農林漁業や鉱物の掘採等に伴って生じる動物の捕獲若しくは殺傷又は動物の卵の採取若しくは損傷であって故意によらないもの及び動物の死体又は死体の部位に係る同等の行為については、規制の対象となるものではない。
4 特別地域又は特別保護地区における湿原などの環境大臣が指定する区域(以下「立入り規制地区」という。)への立入りの規制(改正法第13条第3項第13号及び第14条第3項第1号関係)
 (1) 湿原など、人の立入りにより破壊されやすい脆弱な自然について、立ち入る者によってその貴重な自然が壊されることを防ぐため、環境大臣が指定する区域への人の立入りを新たに許可を受けなければしてはならない行為としたものである。
 (2) 立入り規制地区の指定等
  ① 立入り規制地区の指定は、脆弱な湿原、特異な微地形、重要な野生動植物の生息地又は生育地などにおいて、人の立入り(保護の対象となるものを踏みつける行為。第3.4(2)において以下同じ。)による影響が顕著な場合又は人の立入りによる影響が生じることが十分に予想される場合であって、法に基づく規制以外に保護対策がない場合に行うものである。
    立入り規制地区については、特別の事由がない限り、特別保護地区あるいは第1種特別地域に指定されている地域であって、次のいずれかに該当するものを指定するものである。
   (a) 自然植生物(高山・亜高山植物群落、風衝地、重要湿地等)
   (b) 重要な野生動植物の生息地、生育地又は繁殖地として重要な地域
   (c) 地形、地質が特異である地域又は特異な自然現象が生じている地域
    また、規制を行う期間については、人の立入りによって回復困難な影響を受けるおそれがある期間を定めて指定するものである。
    なお、立入り規制地区の指定に当たっては、人の立入りによって保護の対象となるものが回復困難な影響を受けるおそれのある場合に、鑑賞の対象となる風景を保護する目的で、必要最小限の範囲を指定するものとする。
    このため、利用者の数を制限しないことを前提に整備が行われている区域又は現に農林業が実施されている区域は指定の対象とならないものである。
  ② 指定後において当該要件に適合しなくなった場合にあっては、指定を解除するものである。
 (3) 立入り規制地区の指定に当たっての手続き
  ① 立入り規制地区の指定は、公園計画に位置付けるとともに、官報に公示して行うこととしている。このため、区域を指定する際には、公園計画の変更として改正法第55条に基づき関係行政機関に協議するものとする。
  ② 立入り規制地区及び規制を行う期間の指定(区域の拡張及び期間の延長を含む。)に当たっては、関係都道府県及び関係市町村の意見を聴き、同意を得るとともに、その区域内の土地について所有権、地上権又は賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地所有者等」という。)の財産権を尊重し、原則として土地所有者等の同意を得るべきものである。
 (4) 立入り規制地区への立入りの許可に際しての取扱い
  ① 立入りの許可は、学術研究その他公益上必要な場合等に行うこととし、許可基準を改正省令第11条第24項に規定した。
    また、立入り規制地区における軽易な行為等について、許可を要しない行為として改正省令第12条第29号の2から第29号の17までに規定した。
  ② 国立公園における立入り規制地区への立入りに対する環境大臣の許可について、当該区域と重複する河川区域又は海岸保全区域若しくは一般公共海岸区域(以下「河川区域等」という。)に係る河川管理者及び海岸管理者(以下「河川管理者等」という。)と相互に連絡調整するものとする。
    また、国定公園における立入り規制地区への立入りに対する都道府県知事の許可について、当該区域と重複する河川区域等に係る河川管理者等と相互に連絡調整することが望ましい。
5 特別地域又は特別保護地区における政令で定める行為の規制(改正法第13条第3項第15号及び第14条第3項第10号関係)
  本号は、今後特別地域又は特別保護地区において、機動的に規制を追加する必要が生じたときに備え、行為の規制について政令で定めることができるよう規定したものであり、今回の改正政令において追加された行為はない。
第4 利用調整地区制度の創設(改正法第15条から第23条まで関係)
1 利用調整地区の制度の意義
  近年、国民の自然志向の変化等によって、人為的な影響を従来あまり受けていなかった原生的な自然環境を有する地域等を訪れる利用者が増加し、当該地域の原生的な雰囲気が失われたり、風致景観の維持及び生物の多様性の保全上の支障が生じている事例が見られる。これらの環境影響が生じている地域又は生じるおそれがある地域における公園利用については、一定のルールとコントロールの下で行うことにより、環境影響を低減して当該地域を持続的に利用していくとともに、より深い自然とのふれあいの体験が得られる場として誘導していくことが重要である。
  このため、国立公園又は国定公園の風致又は景観の維持とその適正な利用を図るため、公園利用者の立入人数等を調整することができる利用調整地区の制度を設けた。
  これにより、自然保護のための環境影響の低減を基本として、将来にわたって良好な自然環境を享受し、併せてより深い自然とのふれあいの体験を利用者に提供するために本制度を活用していくものである。
  なお、利用調整地区は、公園利用を前提として管理が行われる地区であり、利用者数や利用期間を調整することにより利用者を立入禁止とする運用は行われ得ないものであり、立入り規制地区とは異なる。
2 利用調整地区の指定等
 (1) 利用調整地区の指定等
  ① 利用調整地区は、利用者圧による風致景観に及ぼす影響を回避する目的で、原生的な自然環境を構成する風景地であって、科学的知見に基づき得られた客観的な根拠により、植生等の荒廃が認められる又はそのおそれがある地域において指定するものである。
    このため、利用調整地区には原則として農地及び採草放牧地を含めないこととし、利用者の数を制限しないことを前提に整備が行われている区域、既設の都市公園及び特定地区公園(社会資本整備重点計画法施行令第2条第2号に規定する公園をいう。)の区域並びに臨港地区及び港湾法に規定する港湾計画において土地利用を計画している区域は指定の対象とならないものである。
  ② 環境大臣が定める利用を調整する期間については、例えば積雪によって立入りによる風致又は景観への影響が少ない時期などがある場合、当該期間を除いて定めるものである。
  ③ 利用調整地区の指定の理由、必要性がなくなった場合にあっては、指定を解除するものである。
 (2) 利用調整地区の指定に当たっての手続き
  ① 利用調整地区の指定に当たっては、土地所有者等の財産権を尊重し、原則として土地所有者等の同意を取るべきものである。
  ② 利用調整地区に史跡名勝天然記念物又は埋蔵文化財が含まれる場合については、文化財保護部局(教育委員会)と十分な調整を行うことが望ましい。
 (3) その他
   利用調整地区は、特別地域内に指定される地区であるため、当然のことながら、行為の規制については、改正法第13条の特別地域(特別保護地区を除く。)又は改正法第14条の特別保護地区の規制が適用される。
3 利用調整地区における利用の認定等
  利用調整地区の利用者数等を調整するため、環境大臣が指定する期間内に立ち入ろうとする者は、環境大臣又は都道府県知事(指定認定機関が指定されている場合は指定認定機関)による立入りの認定等を受けなければならないこととしている。
  認定の基準については改正省令第13条の4に規定されており、利用調整地区ごとの詳細な基準は、別途告示により利用調整地区の指定後に定めることとなる。
 (1) 国立公園又は国定公園の利用者(改正法第16条第1項)
   国立公園又は国定公園の利用者の立入りについては、環境大臣又は都道府県知事(指定認定機関)に申請を行い、認定の基準に適合している旨の認定を受けることが必要である。
   認定を受けた者が利用調整地区内に立ち入るときは、交付された立入認定証を携帯しなければならない。
 (2) 利用者以外の者
  ① 許可を受けることが必要でない者(改正法第15条第3項第1号から第5号まで)
    特別地域等において許可を受けた行為等を行うため、非常災害のためその他の理由により利用調整地区に立ち入る必要がある者は、認定や許可を受けずに立ち入ることができる。この立入りについては、当然、その目的を達成する範囲内に限られるものである。
    また、改正法第15条第3項第5号の規定による認定を要しない軽易な行為等については、改正省令第13条の3に規定した。なお、営農に必要な通作、農産物等輸送、農業用に栽培した木竹の伐採、牧野改良のためにいばら、かん木等の除去、農業用に栽培する木竹の植栽及び家畜を係留、放牧は、改正省令第13条の3第3号に規定する「農業を営むために通常行われる行為」に含まれる。
  ② 許可を受けることが必要な者(改正法第15条第3項第6号)
    ①に該当しない者がやむを得ず立ち入る場合は、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けることが必要である。
    このやむを得ない事由については、学術研究その他公益上必要と認められるものが該当する。
    なお、国立公園における利用調整地区への立入りに対する改正法第15条第3項第6号の規定による環境大臣の許可について、利用調整地区と重複する河川区域等に係る河川管理者等と相互に連絡調整するものとする。
    また、国定公園における利用調整地区への立入りに対する同号の規定による都道府県知事の許可について、利用調整地区と重複する河川区域等に係る河川管理者等と相互に連絡調整することが望ましい。
4 指定認定機関
  利用調整地区に関する認定関係事務については、当該地区に近接した場所で効率的に行われることが望ましいため、これを地元の団体等を指定して行わせることができることとしたものである。指定認定機関については、利用調整地区ごとに指定することとし、適正かつ確実な認定関係事務の執行を確保するため、指定認定機関の遵守事項及び秘密保持義務、環境大臣又は都道府県知事による監督命令、報告徴収及び立入検査等の規定を設けた。
5 認定のための手数料
  認定又は立入認定証の再交付のための手数料は、利用調整地区に立ち入る公園利用者の負担とし、それにより認定関係事務を行うこととしたものである。手数料の額については、国立公園においては、改正政令第18条に規定した額の範囲内で、利用調整地区ごとに環境大臣が定めることとしている。
第5 中止命令等違法行為に対する是正措置の強化(改正法第27条関係)
 (1) 違反行為を行っている者が、当該行為を継続した場合には、風致景観への支障が増大することから、違反した者に対して行為の中止を命令することができることとした。
 (2) 原状回復等の命令について、工作物を他の者に譲渡してしまう等悪質な案件等に対応できるよう、工作物等の権利の承継者への原状回復等の命令の規定を設けた。
 (3) また、原状回復等を命ずべき者を確知できない場合においても、環境大臣又は都道府県知事がその者の負担において原状回復等を行うことができることとし、行為者が確知できない風致景観の保護上支障のある工作物等に対応できるよう措置した。
第6 風景地保護協定制度の創設(改正法第2章第4節関係)
 (1) 風景地保護協定制度は、国立公園及び国定公園内の自然の風景地について土地所有者等による十分な管理を行うことが困難な場合等に、環境大臣又は地方公共団体若しくは公園管理団体が、土地所有者等との間で自然の風景地の保護のための協定(風景地保護協定)を締結し、当該土地所有者等に代わり自然の風景地の管理を行うことができることとしたものである。
   この制度は、これまで第一次産業等の営みにより保たれてきた草原や里地里山などの二次的な自然の風景地の保護のための管理活動を行う特定非営利活動法人(NPO法人)等が増えてきたことを踏まえて創設したもので、NPO法人等又は地方公共大臣の自発的な意思による自然の風景地の保護のための管理活動の推進を図るものである。なお、NPO法人等が風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理に関するものを行う場合は、改正法第37条第1項の規定による公園管理団体の指定を受ける必要がある。
 (2) 風景地保護協定に基づく管理活動を円滑に進めるため、改正法第13条第9項第2号等の規定により、風景地保護協定に基づいて行う行為に対する特別地域の許可を受けることが不要となる等の特例措置を設けた。
 (3) 風景地保護協定が締結された土地に係る税については、特別土地保有税を地方税法の改正により免除するとともに、相続税等の評価額を協定による制約に見合った適正な評価額とすることとされており、これらにより土地所有者の負担が軽減される。
 (4) また、風景地保護協定は、改正法第36条の規定により土地所有権が承継された場合にも効力が継続されるため、改正政令附則第6条の規定により宅地建物取引業法施行令(昭和39年政令第383号)第3条第1項第18号の規定が改正され、不動産取引の際の重要事項として説明することが求められることとなった。
 (5) 風景地保護協定の内容及び税負担の軽減のための手続き等については、別途「風景地保護協定取扱指針」を定め、通知する。
第7 公園管理団体制度の創設(改正法第2章第5節関係)
 (1) 公園管理団体制度は、民間団体や市民による自発的な活動を通して、自然の風景地の保護及びその適正な利用の一層の推進を図る観点から、一定の能力を有する公益法人、NPO法人等について、国立公園にあっては環境大臣が、国定公園にあっては都道府県知事が、その申請により公園管理団体として指定し、風景地保護協定に基づく自然の風景地及び公園内の利用に供する施設の管理主体等として位置付けるものである。つまり、この制度は、地域住民等を含めた民間の方々の公園管理への参画を促進することにより、自然の風景地の保護及びその適正な利用の推進を図るものであり、この趣旨を踏まえて公園管理団体の指定を行うこととする。
 (2) 公園管理団体は、風景地保護協定の締結主体として協定区域内の自然の風景地の管理を行うほか、協定区域外においても、植生の復元、登山道等公園施設の巡視及び補修、情報提供、利用実態調査など幅広い業務に携わることができる。
 (3) 公園管理団体の指定及び業務等については、別途「公園管理団体取扱指針」を定め、通知する。
第8 都道府県立自然公園(改正法第60条から第66条まで関係)
 (1) 改正法第60条から第62条までの規定により、都道府県立自然公園においても、条例で、特別地域等における行為規制の追加並びに利用調整地区、風景地保護協定及び公園管理団体の制度を定めることができることとなった。
   なお、都道府県立自然公園における利用調整地区の指定に当たっては、改正法第66条の規定により国の関係地方行政機関の長と協議しなければならない。
   さらに、都道府県立自然公園において立入り規制地区を指定しようとする場合にあっては、国立公園及び国定公園における運用と同様、改正法第66条に準じて国の関係地方行政機関の長と調整することが望ましい。
 (2) 特別地域における規制が追加されたことに伴い、改正法附則第7条の規定のとおり、改正法附則第6条の規定による改正後の租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第34条の2第2項第25号及び第65条の4第1項第25号の認定は失効する。このため、改正法施行日(平成15年4月1日)以降に当該条項の適用を受けるためには、自然公園法に基づく都道府県条例に規定する特別地域が国立公園及び国定公園の特別地域と同様の規制である旨の認定を再度受ける必要がある。
   また、地価税法(平成3年法律第69号)別表第1第1号イの適用を受けるための地価税法施行規則(平成3年大蔵省令第31号)第3条第2項の規定による指定についても同様に取り扱われる。
   なお、これらの手続きの詳細については、平成15年3月7日付け環自総第151号により、当職から都道府県知事宛て通知したところである。
第9 自然再生施設の公園事業となる施設への追加(改正政令第1条第12号及び第19条第12号関係)
 (1) 損なわれた自然環境について、当該自然環境を再生させる取り組みが各地で行われ始めており、関係府省等により自然再生に係る事業が推進されているところである。優れた自然の風景地を指定している国立公園及び国定公園においても、公園の保護の施策の一環として、損なわれた自然環境の再生を積極的に進めて行くべきであるため、公園事業となる施設の種類に追加したものである。
 (2) 公園事業となる自然再生施設は、政令に規定するとおり、過去に損なわれた自然環境について、複数の施設を一体的に整備することにより、当該地域の生態系の健全性を回復させることを目的とする施設である。なお、植生の復元のみを行う場合は、従前どおり植生復元施設として取り扱うものである。
 (3) また、自然再生施設を改正政令第19条に追加することにより、都道府県が国立公園又は国定公園において当該施設を整備する際に、補助金を支出できるように措置した。
 (4) 森林に関する自然再生施設について、都道府県の自然公園担当部局が改正法第44条の規定に基づく補助事業として実施しようとするときは、施策の効果的な実施を図る観点から、都道府県の自然公園担当部局はあらかじめ林務担当部局(民有林直轄治山事業に係るものについては森林管理(分)局を含む。)と十分に連絡調整することが望ましい。
第10 その他
  今回の改正前の自然公園法、自然公園法施行令及び自然公園法施行規則に基づく告示及び通知について、今回の改正により条項名のずれが生じるものが多数あるが、これらの告示及び通知については、改正法施行日(平成15年4月1日)以降も条項名を読み替えて適用することとする。
  なお、当該告示及び通知について改正を行う場合には、当該告示及び通知中の条項名を改正法、改正政令及び改正省令の条項名に、順次改正していくこととしている。

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