法令・告示・通達

自然公園法施行規則の一部を改正する総理府令の施行について

公布日:昭和49年06月10日
環自企316号

(各都道府県知事あて環境庁自然保護局長通達)
 自然公園法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和四十九年総理府令第十二号以下「改正規則」という。)が昭和四十九年四月一日に公布、施行されたが、その内容等は次のとおりであるので、その施行に遺憾のないようにされたく通達する。

第一 改正の趣旨
  国立公園又は国定公園に関する公園計画のうち、保護のための規制に関する計画を定めるに当たつては、原則として、特別地域を第一種特別地域、第二種特別地域又は第三種特別地域のいずれかの地域に区分して定めることとしており、この特別地域の区分については、「自然公園区域内における森林の施業について(昭和三十四年十一月九日国発第六四三号、各県知事宛国立公園部長通知)」において定められているところである。
  この特別地域の区分は、公園計画の定め方として現在まで定着しているものであるが、現在進めている公園計画の見直しの問題、交付公債による自然保護のための土地買上げの対象地域の問題、その他、自然公園法以外の他の各種の土地利用法制との調整等との関連において、その制度化の必要性が高まつてきていたところであるが、今般、昭和四十九年度の地方税法改正において特別保護地区及び特別地域の第一種特別地域内の土地に対して非課税措置が講じられたことに関連して、特別地域の区分について総理府令において明記し、制度化を図つたものである。
  また、第一種特別地域、第二種特別地域及び第三種特別地域の区分については、前記通知において定められているところであるが、改正規則第九条の二の規定はこの通知の趣旨を前提とし、各々の地域の特性について明記したものであり、したがつて、その地域区分の指定運用の実態を何ら変更するものではなく、当該通知はなお存続するものである。
第二 規定の内容
 一 改正規則第九条の二の規定は、環境庁長官が国立公園又は国定公園に関する公園計画のうち、特別地区に関する保護のための規制に関する計画を定めるに当たつては、特別地域を、原則として第一種特別地域、第二種特別地域及び第三種特別地域に区分して定めることを明らかにしたものである。
 二 改正規則第九条の二の規定は、自然公園法第十二条第一項及び第二項の規定に基づき環境庁長官が国立公園又は国定公園に関する公園計画の定め方について規定したものであり、自然公園法第十七条第三項の許可の判断基準を直接定めようとする趣旨のものではない。
   したがつて、改正規則第九条の二各号は、第一種特別地域、第二種特別地域及び第三種特別地域の地域の各々の特性を制度上正式に規定したものにとどまり、自然公園法第十七条第三項の許可基準まで定めているものではない。
 三 第二種特別地域及び第三種特別地域について農林漁業活動について特記しているのは、農林漁業活動の場は、生産活動の場としての機能のみならず、すぐれた自然景観の重要な構成要素をなしている面をも有していることにかんがみ特記したものであるが、第一種特別地域は特別保護地区に準ずる景観を有し、特別地域のうちでは風致を維持する必要性が最も高い地域であつて、現在の景観を極力保護することが必要な地域であるので、かかる農林漁業活動の特性を勘案したとしても、第一種特別地域においては農林漁業活動も他の行為と同様に考えるものとして、特記しなかつたものである。
 四 第三種特別地域は、「風致を維持する必要性が比較的低い地域」とされているが、これはあくまでも特別地域内における地域の特性の相対的な評価であつて、自然公園内における特別地域としての風致維持の客観的な必要性まで低めるものではないことは云うまでもない。