法令・告示・通達

自然公園法運用上の疑義について

  • 公布日:昭和51年7月12日
  • 環自企162号

(各国立公園管理事務所長・各都道府県自然保護担当部局長あて環境庁自然保護局企画調整課長通知)
 標記の件について、吉野熊野国立公園管理事務所長から別添一のとおり照会があり、別添二のとおり回答したので貴職におかれても了知されたい。

別表
吉国管理第三〇一号
昭和五〇年八月八日
  企画調整課長 殿
吉野熊野国立公園管理事務所長

  自然公園法運用上の疑義について

 標記について疑義が生じたので、下記により照会します。

 自然公園法施行規則第一二条第六号の二、第六号の三、第七号、第七号の二および第八号に示される各行為の「改築し、又は増築すること」と、これらの「新築」行為との区分について、以下教示願いたい。

  1. 設問一 新たに設置する各施設の一端が、既存施設に接する場合はすべて改・増築行為として取扱うこと(法第二〇条第一項第一号( )内に準拠して)、または、既存施設の延長的拡大はすべて新築行為として取扱い、これらのかさ上げ・補強等の改修のみ改・増築行為として取扱うことの適否について。
  2. 設問二 設問一の前段を適とした場合であつても、これらの行為が特別地域外から特別地域内に及んだ場合、当該特別地域においては新築行為として取扱うことの適否について。
  3. 設問三 以上に関連して、これらの行為が土石の採取、土地の形状変更または水面の埋立を伴なう場合には、土石の採取、土地の形状変更または水面の埋立として取扱うことの適否について。

事務連絡
昭和五〇年一〇月一七日
  企画調整課 企画調整係長 殿
吉野熊野国立公園管理事務所長

  自然公園法運用上の疑義について

 さきに昭和五〇年八月八日吉国管第三〇一号で照会した標記について、具体例が欠けていたため問題点が不鮮明であることが考えられるので、下記のとおり補足します。

設問二について
  区域外または普通地域の海面に既存する防波堤等が新たに陸地側に延長され、特別地域に及ぶ内容で計画された場合、これを増築とみなし不要許可行為として取扱うことは、島しよ・岩礁景観の保護上支障があるものと思料されるので、設問一の後段を適とすることを望みたい。

設問三について
  土石の採取 既存の航路・泊地等の増改築に際して、岩礁の除去・岬角の切取等が計画された場合。
  土地の形状変更 既存の護岸を汀線に平行して延長し、その背後地の敷地造成が計画された場合。
  水面の埋立 既存の岸壁・物揚場等の増改築に際して水面の埋立が計画された場合。
  これらの各ケースについて、すべて増改築とみなし不要許可行為として取扱うことには、大いに問題があると思料する。
  一方、新築とみなし、工作物としての水平投影面積が一、〇〇〇m2以下であつた場合であつても、「国立公園及び国定公園の許可届出等の取扱要領」(昭和四九年二月一日環自企第五四号)第七、その他五(行為の主従の判断)後段「ただし工作物の新築のための敷地を造成するために.........」に準拠し、「土石の採取」「水面の埋立」を伴う場合には環境庁長官の許可を要する行為として把握することが望ましいと思料するので、設問を適とすることを望みたい。

環自企第一六二号
昭和五一年七月一二日
  吉野熊野国立公園管理事務所長 殿
環境庁自然保護局企画調整課長

  自然公園法運用上の疑義について(回答)

 昭和五〇年八月八日付け吉国管第三〇一号で照会のあつた標記については、下記により了知されたい。

設問一について

  1. ① 既存の施設の規模をこえない範囲の補強、改修等の行為を工作物の改築として把握し、新たに設置される施設の一端が既存の施設に物理的に接続し、かつ、新たに設置されるものが既存の施設と同一の機能を有するとともに、設置後において既存の施設と一体化すると見得る場合には、新たな施設の設置は、工作物の増築として把握する。したがつて、いわゆる「カサ上げ」又は「拡幅」については増築として把握する。
  2. ② 新たに設置される施設の一端が既存の施設に物理的に接続する場合であつても、たとえば道路、護岸又は堤防のように既存の工作物から無限に延長又は拡大され得るようなものにあつては、新たに延長され又は拡大される施設の設置は新築として把握する。
  3. ③ 例えば港湾施設である防波堤を設置する場合のように全体の計画が明らかにされており、かつ、設置される区域が法令に基づき明定されている場合には、同一施設を数年次にわたつて設置する場合であつても当該施設全体を一括して手続させることとする。この場合、詳細な設計図書は、当初年次に設置する部分に関するもので足りるものとし、その後の単年度ごとに設置される部分についての個別の手続は要しないこととする。

設問二について

  新たに特別地域内において設置される施設の一端が、既に特別地域外に設置されている施設に接続する場合の、新たに設置される部分の自然公園法第一七条第三項の適用については、特別地域内における工作物の新築として把握する。

設問三について

  1. ① 水面の埋立ての工作物の新(改・増)築との区別については以下によられたい。
    1.  ア たとえば駐車場、物揚場の造成を目的として水面の埋立てを行う場合のように、場としての広がりを造成することが目的であるような行為は水面の埋立てとして把握する。
    2.  イ たとえば道路、防波堤を新(改・増)築する場合のように、場としての広がりを造成することが直接の目的ではなく、当該工作物の新(改・増)築に際して結果として必然的に一定面積上の水を排除するに過ぎない場合は、自然公園法上は工作物の新(改・増)築として把握する。
  2. ② 自然公園法施行規則第一二条各号に不要許可行為として掲げられている工作物の新(改・増)築行為の範囲内には、当該工作物の新(改・増)築行為に不可避的に付随して行われる行為も含まれる。したがつて当該工作物の新(改・増)築行為が不要許可行為とされている場合は、この行為に不可避的に付随して行われる行為も不要許可行為として扱うものとする。不可避的に付随して行われる行為の例としては、防波堤の新改増築に伴つてなされる当該防波堤の真下及び周辺の土地の形状変更が考えられる。
  3. ③ 航路、泊地、物揚場等は自然公園法以外の個別法上の定義によれば、「施設」の概念で把えられているが、これらの施設の造成は自然公園法第一七条第三項においては、工作物の新(改・増)築の行為として把えるよりも土石の採取、土地形状変更又は水面の埋立て行為として把えるべき場合が多いと思われるので取扱いには留意が必要である。
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