法令・告示・通達

国立公園の公園計画等の見直し実務要領について

  • 公布日:平成15年5月29日
  • 環自国発030529004号

(各地区自然保護事務所長・各都道府県自然公園主管部 局長あて 環境省自然環境局国立公園課長通知)

    国立公園の公園計画等の見直し実務要領

 国立公園の公園区域及び公園計画(以下「公園計画等」という。)の見直しに係る実務は以下によることとする。なお、本要領において「国立公園の公園計画作成要領」、「国立公園の指定書及び公園計画書作成要領」及び「国立公園の区域図及び公園計画図等作成要領」(昭和54年4月1日付け環自計第250号自然保護局長通知)は、それぞれ「計画要領」、「計画書等要領」及び「計画図等要領」というものとする。

1 公園計画等の見直しの目的

  国立公園をとりまく自然的・社会的条件の変化に現公園計画が対応できない状況にある場合、「計画要領」第5に示す作業区分の定義に従い、逐次公園計画等の見直しを行い、所要の改訂を行うこととする。

2 点検作業の開始時期について

  「計画要領」第5に基づき、「再検討」又は「点検」の終了後、概ね5年ごとに点検を実施することとしている。
  このため、再検討又は点検の終了した年度(官報告示日の属する年度)の翌年度から起算して4年度目から、情報収集、整理を行うなど、検討作業を開始し、調査等の状況に応じて点検作業の開始を環境省自然環境局国立公園課(以下「当課」とする。)に申し出るものとする。

3 事務の進め方

 ・ 作業の優先事項

   作業に当たっては、再検討が終了していない、以下の項目を含む公園を、優先的に実施するものとする。

  ア 特別地域の地種区分が未決定のもの

  イ 特別保護地区が未決定のもの

  ウ 利用計画が部分的にしか決定されていないもの
   なお、再検討が終了した公園については、公園区域内外の自然的・社会的条件の変化が著しい公園、地域又は事項について、優先的に実施することとする。

 ・ 作業主体

  1.   ア 検討作業の取りまとめは、当課において行うが、資料の収集、解析、素案作成等の各段階毎に各地区自然保護事務所が担当自然保護官事務所と連携し、関係都道府県等と緊密な連絡のもとにその協力を得て作業を進めるものとする。
  2.   イ この作業に当たっては、国の関係行政機関、関係都道府県及び市町村とも事前に十分連絡調整を図ることとする。特に特別地域の地種区分等保護詳細計画の策定に当たっては、必要に応じて地元関係者に説明を行うなど納得協力を得るものとする。

 ・ 作業順序

   作業の順序は別紙1のとおりとする。
   なお、作業の実施に当たっては、以下の点に留意されたい。

  1.   ア 基本方針及び作業スケジュール(案)について
        各地区自然保護事務所長(以下「所長」という。)は、公園計画等の見直しを行う対象、見直しの考え方等を明らかにした点検等の基本方針及び作業スケジュール(案)を作成し、当課に提出するとともに、その指示に従うこととする。その際、公園区域、規制計画、施設計画の変更に係る試案を添付することが望ましい。
  2.   イ 意見聴取について
        所長は、関係都道府県及び市町村等(以下「関係機関等」という。)に対し、当該作業の趣旨及び検討範囲について説明し、十分な理解を得るよう努めるとともに、基本方針及び作業スケジュールに従い、当該スケジュールにおいて指定した期間において意見の聴取等を行うこと。意見聴取後は、速やかに文書をもって当課に報告することとする。
        なお、この段階で向こう5年間を見通したうえで、公園区域及び公園計画に変更すべき箇所がないと判断された場合には、関係機関に文書を持って照会し、その回答を当課に報告をしたうえ、国立公園課長からの点検等の終了の通知をもって当該作業を終了することとする。
  3.   ウ 素案について
        所長は、基本方針及び作業スケジュールに対する関係機関等の意見を聴取した後、当課と調整の上、速やかに素案を作成し、当課に提出するとともに、関係機関等への意見照会を行うこととする。
        なお、この際、土地利用基本計画の変更に係る都道府県の関係部局との調整を開始することとする。
  4.   エ 事務所案について
        所長は、素案に対する関係機関等の同意の意思が確認され次第、当課と調整の上、事務所案を作成し、当課あてに提出することとする。
        なお、事務所案の作成に当たっては、素案段階より関係機関等との調整により変更が生じた部分について、その理由及び今後の点検等に当たっての取扱方針について当課に報告を行うこととする。
  5.   オ 環境省原案に対するパブリック・コメントの募集及び意見の取りまとめは当課において行うものとする。この間に関係機関等に対する公文照会等の準備作業を進め、パブリック・コメント終了後は、速やかに意見を集約・反映し、関係機関に協議を実施することとする。
        また、公文照会に対する関係機関等からの回答文書については、速やかにその写しを当課に提出することとする。
  6.   カ 必要な図書等
        作業途上における各段階の案については、必要に応じて「計画書等要領」の様式1―2及び様式2―2並びに「計画図等要領」の「区域変更図」、「保護規制計画変更図」及び「変更施設図」により関係図書を作成し、添付すること。

4 公園計画書案等の作成について

  国立公園又は国定公園の公園計画の変更等に係る公園計画書案等は、以下の手順等に従って作成することとする。

 ・ 全般事項

   公園計画等の見直しに当たっては、公園計画書への各記載事項について、既に記載されている保全若しくは整備の方針を再検討し、可能な限り具体的に記載することとする。

 ・ 公園区域について

  1.   ア 公園区域を拡張し、又は削除する必要性の有無を検討し、必要がある場合には、明確な区域線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  2.   イ 既指定区域の区域線全般について点検し、必要がある場合には明確な区域線を選定し直す。〔計画図等要領1の参照〕
  3.   ウ ア及びイにより変更する部分について、原則として関係市町村の字〈あざ〉まで(国有林にあっては林班まで)地名の抽出を行うとともに、再検討後の区域全域についても同様に地名の抽出を行う。なお、区域を変更しない場合であっても区域全域について同様に地名の確認を行うこととする。

 ・ 特別地域について

  1.   ア 特別地域又は特別保護地区の区域を拡張し、又は削除する必要性の有無を検討し、必要がある場合には、明確な区域線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  2.   イ 特別地域の地種区分を変更する必要性の有無を検討し、必要がある場合には、当該部分について明確な地種区分線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  3.   ウ 自然公園法施行規則第11条第31項(昭和32年厚生省令第41号)により、特定の行為について当該基準により難い特別の事由があると認められた特別地域については、緩和された指針の内容により、現行の地種区分を維持するか、地種区分の変更を行うか、又は特別地域の区域から削除するかを検討し、地種区分を変更し、又は特別地域の区域から削除する必要がある場合には、当該部分について明確な地種区分線又は区域線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  4.   エ 既指定区域の区域線及び地種区分線全般について点検し、必要がある場合には、明確な区域線又は地種区分線を選定し直す。〔計画図等要領1の参照〕
  5.   オ 地種区分を行っていない特別地域については、自然公園法施行規則第9条の2の規定により地種区分を行う。この場合、明確な地種区分線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  6.   カ アからエまでにより変更する部分について、のウと同様に特別地域、特別保護地区、第1種から第3種までの特別地域ごとに地名の抽出を行うとともに、変更後の特別地域、特別保護地区、第1種から第3種までの特別地域、普通地域のそれぞれ全域についても同様に地名の抽出を行う。ただし、変更箇所が著しく多い等、個々の部分の地名の抽出を行うことが困難であると判断される場合には、変更後の区域全般の地名の抽出を行うことで足りるものとする。また、オにより地種区分を行った場合には、それぞれの地域について、のウと同様に地名の抽出を行う。

 ・ 指定湖沼又は指定湿原について

   特別地域(特別保護地区を含む。)内の湖沼又は湿原について自然公園法第13条第3項第5号の規定に基づき指定すべき湖沼又は湿原であるか否かを検討する。

 ・ 立入り規制地区について

  1.   ア 特別地域内において、湿原その他これに類する地域のうち環境大臣が指定する区域(以下「立入り規制地区」という。)を指定し、追加し、区域を拡張し、若しくは削除し、又は指定を解除する必要性の有無を検討し、解除以外の場合には、立入り規制地区の選定理由との整合を図りつつ、極力明確な区域線を選定する。(計画図等作成要領1の参照)なお、立入り規制地区は特別の事由がない限り、特別保護地区若しくは第1種特別地域に指定されている地域であること。
  2.   イ 特別地域の区域のうち、次に掲げる区域については、立入り規制地区の趣旨になじまないものと考えられるので、当該地区に含まないよう配慮すること。
    •    ・ 利用者の数を制限しないことを前提に整備が行われている区域
    •    ・ 現に農林業が実施されている区域
  3.   ウ ア、イにより指定することとなった地域について、公園区域の場合と同様に立入り規制地区ごとに地名の抽出を行う。
  4.   エ 期間を設けて立入り規制地区を設定するのは、立入りによって影響を受ける自然環境要素が明らかに時期的に限られる場合のみとすること。
         (例:残雪期における植生等保護のため立入り規制地域を設定する場合等)
  5.   オ 立入り規制地区及び規制を行う期間の指定(区域の拡張及び期間の延長を含む。)に当たっては、関係都道府県及び関係市町村の意見を聴き、同意を得るとともに、その区域内の土地について所有権、地上権又は賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地所有者等」という。)の財産権を尊重し、原則として土地所有者等の同意を得るべきものとする。

 ・ 乗入れ規制地区について

  1.   ア 特別地域(特別保護地区を除く。)の区域内において、車馬若しくは動力船の使用又は航空機の着陸を規制する区域(以下「乗入れ規制地区」という。)を指定し、追加し、区域を拡張し、若しくは削除し、又は指定を解除する必要性の有無を検討し、解除以外の場合には、乗入れ規制地区の選定理由との整合を図りつつ、極力明確な区域線を選定する。(計画図等作成要領1の参照)
  2.   イ 特別地域の区域のうち、道路、広場、田、畑、牧場及び宅地は、条文の規定により、乗入れ規制地区から除くこととなるが、この他次に掲げる区域については、乗入れ規制地区の趣旨になじまないものと考えられるので、当該地区に含まないよう配慮すること。
    •    ・ 自然を改変して造成された区域又は自然が改変されることが明らかな区域であって、その性格上車馬の使用等が頻繁に行われ、かつ境界が明らかにされている区域。
           (例:ゴルフ場、リゾートクラブ施設その他車馬の使用等が行われるスポーツ・レジャーのための施設や用地。防衛庁が権原を有する自衛隊の駐屯地、演習地、試験場等。)
    •    ・ 営造物として設置・管理されている面的広がりを持つ施設であって、維持管理上必要な車馬の使用等による自然環境への影響が軽微であると認められる施設の区域。
           (例:都市公園又は特定地区公園の区域)
           なお、スキー場については、当該スキー場敷地内の自然環境の現状及び車馬の使用等の実態からみて乗入れ規制地区に含める必要性の有無を個別に判断す
  3.   ウ ア、イにより指定することとなった地域について、公園区域の場合と同様に乗入れ規制地区ごとに地名の抽出を行う。
  4.   エ 期間を設けて乗入れ規制地区を設定するのは、車馬の使用等によって影響を受ける自然環境要素が明らかに時期的に限られる場合のみとすること。
         (例:冬期間飛来する水鳥の保護のため乗入れ規制地区を設定する場合等)

 ・ 海中公園地区について

  1.   ア 海中公園地区を指定し、追加し、区域を拡張し、若しくは削除し、又は指定を解除する必要性の有無を検討し、解除以外の場合には明確な区域線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  2.   イ 既指定区域の区域線全般について点検し、必要がある場合には、明確な区域線を選定し直す。〔計画図等要領1の参照〕
  3.  ・ 利用調整地区について
  4.   ア 特別地域の区域内において、利用調整地区を指定し、追加し、区域を拡張し、若しくは削除し、又は指定を解除する必要性の有無を検討し、解除以外の場合には、利用調整地区の選定理由との整合を図りつつ、極力明確な区域線を選定する。(計画図等作成要領1の参照)
  5.   イ 特別地域のうち、原則として次に掲げる区域については、利用調整地区の趣旨になじまないものと考えられるので、当該地区に含まないよう配慮すること。
    •    ・ 農地及び採草放牧地
    •    ・ 利用者の数を制限しないことを前提に整備が行われている区域
    •    ・ 既設の都市公園及び特定地区公園(社会資本整備重点計画法施行令第2条第2号に規定する公園をいう。)の区域
    •    ・ 臨港地区及び港湾法に規定する港湾計画において土地利用を計画している区域
  6.   ウ アにより指定することとなった地域について、公園区域の場合と同様に利用調整地区ごとに地名の抽出を行う。
  7.   エ 期間を設けて利用調整地区を設定するのは、積雪等により、立入りによる風致又は景観への影響が少ない時期などがある場合、当該期間を除いて定めるものとする。
  8.   オ 利用調整地区の指定に当たっては、土地所有者等の財産権を尊重し、原則として土地所有者等の同意を取るべきものとする。

 ・ 集団施設地区について

  1.   ア 位置のみが定められている集団施設地区については、区域を指定し、かつ整備方針を定めることが可能かどうかを検討し、可能なものについては、計画要領第4のの2ののイ及びウにより区域を決定し、かつ、整備計画区ごとに整備方針を定めるものとする。土地所有状況等から判断して、実現性がないと認められる場合には、当該集団施設地区を計画から削除し、単独施設を必要に応じて追加する。
  2.   イ 区域指定のなされている集団施設地区について、区域を拡張し、若しくは削除し、又は指定を解除する必要性の有無を検討し、解除以外の場合には明確な区域線を選定する。〔計画図等要領1の参照〕
  3.   ウ 既指定区域の区域線全般について点検し、必要がある場合には、明確な区域線を選定し直す。〔計画図等要領1の参照〕
  4.   エ 複数の整備計画区が設定されている集団施設地区について、整備計画区を変更する必要性の有無を検討し、必要がある場合には可能な限り明確な地割線を選定する。
  5.   オ アにより指定する区域については、のウと同様に区域全域について地名の抽出を行い、イ及びウにより変更する区域については、変更する部分及び変更後の区域全域について同様に地名の抽出を行う。

 ・ 道路について

  1.   ア 事業執行状況を確認し、公園事業として執行中のものについては、公園計画として残すものとするが、事業執行者、道路体系等を勘案し、現計画が不合理であると認められる場合は、実態に合わせて公園計画を変更するものとする。
  2.   イ 未執行のものについては計画要領第4のの2ののアからウまでにより取捨選択する。
  3.   ウ 東海自然歩道、九州自然歩道等長距離自然歩道については既設の歩道を含めて自然歩道線として整理統合し、一本化する。(例えば、東海自然歩道線、九州自然歩道線等)

 ・ その他の利用施設について

  1.   ア 事業執行状況を確認し、公園事業として執行中のものについては原則として、そのまま公園計画として残す。
  2.   イ 未執行のものについては、計画要領第4のの2のにより取捨選択する。

 ・ 指定書案及び公園計画書案の作成について

  1.   ア 指定書案については、変更する区域に係る「公園区域変更表」及び再検討後の区域全域に係る「公園区域表」の両方を作成する。〔計画書等要領様式第1―1及び第1―2参照〕
  2.   イ 公園計画書案については、変更する部分に係るものと再検討後の公園計画の全体を掲げたもの(計画書等要領様式第2―2及び第2―1)の両方を作成する。ただし保護規制計画については変更内容が複雑多岐にわたる等、変更部分を個々に抽出することが困難であると認められる場合には、計画書等要領の様式第2―1のみをもって足りるものとする。

 ・ 関係機関との調整のための図面の作成について

   関係行政機関との調整を行うために、必要に応じて無彩色の「保護規制計画変更図」、「変更施設図」又は変更後の「施設計画図」及び変更後の「集団施設地区計画図」を作成する。〔計画図等要領2ののエ、2の、2の、2の参照〕

 ・ 告示用原図の下図作成について

   関係行政機関との調整が終了した段階で、官報用告示原図の下図として、彩色した再検討後の「区域図」、「保護規制計画図」、「施設計画図」、「特別地域区域図」、「特別保護地区区域図」、「海中公園地区区域図」、「集団施設地区計画図」及び「集団施設地区区域図」を必要に応じて作成する。〔計画図等要領1の、2の、2の、2の、3、4、7、9参照〕

5 関係行政機関との調整について

 ・ 公園計画書案等の作成に当たっては、「保護規制計画変更図」、「変更施設図」等の図面によりあらかじめ地元関係市町村及び都道府県庁内の次に掲げる関係部局と十分調整を図るものとする。

  1.   ア 林務(民有林に係る場合)
  2.   イ 農務(農地に係る場合)
  3.   ウ 水産(陸水域、海域、漁港に係る場合)
  4.   エ 土木(道路、河川、海岸、港湾、都市計画に係る場合)
  5.   オ 土地対策(区域の指定、変更、解除に係る場合)

 ・ 関係省庁と協議を必要とする場合については、別紙2のとおり実施することとなるので、事前に関係地方行政機関と十分調整を図るものとする。

(別紙1)  国立公園の公園区域及び公園計画の点検に関する作業手順

図:国立公園の公園区域及び公園計画の点検に関する作業手順

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