法令・告示・通達

国立公園等における自動車利用適正化のための交通規制の実施について

公布日:昭和49年05月17日
警察庁丙規発8号

(各管区警察局長・警視総監・各道府県警察本部長・各方面本部長あて警察庁交通局長通達)
 近年、行楽期における国立公園内の交通混雑と、それに起因する自然環境の汚染及び破壊が社会問題として取り上げられ、自然環境の保全と望ましい利用の方法が論議されている。
 環境庁においても、国立公園の自然環境の保全を図る立場から、別添の「国立公園内における自動車利用適正化要綱」をまとめ、関係省庁、自治体の協力を要請しているが、各都道府県警察においては、左記により、関係行政機関等との緊密な連絡を保ち、国立公園等における自動車利用の適正化対策としての有効適切な交通規制の方法を検討し、その実施に努められたい。

一 国立公園等における交通規制の基本方針

  1.  (一) 国立公園等において、道路交通に起因する各種障害が現に発生し、又は発生するおそれのある場合においては、その障害を防止するため、必要な交通規制を実施するものとすること。
  2.  (二) 国立公園等における自然環境の保全と自動車利用の適正化は、警察が行う交通規制のみによつて実現できるものではなく、基本的には、各国立公園等における自然環境の特性に適応した収容力を定め、これに対応した道路及び宿泊施設等の縮少・廃止を含む再整備を図ることが必要であり、それら施策の推進とあわせて、総合的、一体的に交通規制を実施するものとすること。

二 交通規制実施上の留意事項

  1.  (一) 交通規制の実施に当つては、当該地域における道路及び交通の実態、駐車場、宿泊施設等の整備状況、鉄道、バス等の代替交通手段の整備状況、観光客の利用実態及び道路交通に起因する障害の実態等の諸条件を考慮し、当該国立公園等を含む地域の道路交通を全体として管理する観点から、当該地域における交通規制計画を作成し、可能なものから実施するものとすること。
  2.  (二) 自動車交通量を削減するため、特定の車両の乗入れを禁止する場合には、当該車両を利用する観光客のため、自動車の一時預り場所、バス等の代替交通手段の整備等の関連して必要となる施策の促進について、他の行政機関及び団体に体し、強力に要請すること。
  3.  (三) 関係行政機関及び団体等で構成する連絡協議会等は、自動車利用適正化の措置を円滑に実施するための連絡及び調整の場であることに留意し、その活用を図ること。
  4.  (四) 国立公園等の県外からの自家用自動車による観光客に対し、交通規制の内容、代替交通手段の利用及び各種利用施設の整備状況等に関する情報の周知に努めること。
  5.  別添 〔前掲「国立公園内における自動車利用適正化について」の別紙(一)参照〕