法令・告示・通達

国立公園事業取扱要領について

公布日:平成22年04月01日
環自国100401016号

(各地方環境事務所長、釧路・長野・那覇自然環境事務所長、高松事務所長あて国立公園課長通知)

 標記については、平成22年4月1日付け環自国発第100401003号をもって自然環境局長より通知されたところであるが、当該要領の運用に当たっては、下記の事項に留意されたい。なお、これに伴い、「国立公園事業取扱要領について」(平成12年3月31日付け環自国第186号国立公園課長通知)は廃止する。

  1. 1 国立公園事業取扱要領(以下「取扱要領」という。)第7の「別に定める記載事項」は別添1によること。
  2. 2 取扱要領第10の「国立公園管理計画に定める基準」は、「国立公園管理計画作成要領について」(平成18年4月20日付け環自国発第060420001号自然環境局長通知)別添第4(5)「公園事業及び行為許可等の取扱いに関する事項」において定める事項をいうものとし、当該事項については、備え付けその他適当な方法により公にすること。
  3. 3 取扱要領第33の「環境大臣以外の国の機関が行う国立公園事業の執行」については、別添2によること。
  4. 4 国立公園事業に係る申請等に関する事務処理のうち、特殊な事例については別添3によること。

(別添1)

施設の規模及び構造にかかる記載事項

 国立公園事業執行同意(認可)申請書(様式第1)又は国立公園事業の内容の変更の同意(認可)申請書(様式第2)の「公園施設の規模・構造」にかかる別記載事項は下記のとおりとする。

(1) 宿舎、避難小屋、休憩所、案内所、車庫等の建築物

 敷地面積、建築物(用途別棟数、各棟の主要構造、各棟の建築面積及び延べ面積、階数、階数別床面積、間取り、各室の用途の別、各室の収容人員、最高部の高さ、屋根の形状及び材料並びに色彩、外壁の構造及び材料並びに色彩、暖冷房の種類、便所の様式、避難階段及び消火栓等の防災施設の概要)、その他付帯施設(給排水施設、屑籠、ごみ焼却炉等の汚物処理施設、案内板及び標識並びに広告物等の表示施設、取付道路及び駐車場、卓及びベンチ、造園及び修景工等)の概要

(2) 道路及び橋

 延長、幅員(全幅員、有効幅員)、舗装の種類、最大縦断勾配、曲線部の最小半径、切取盛土土量、残土がある場合はその土量及び処理方法の概要、切取盛土法面の最大の長さ、法面の保護及び修景の概要、路傍駐車場、トンネル(延長、幅員、高さ、巻立工の概要)、橋(形式、延長、幅員、桁及び橋脚等の構造及び主要材料並びに主要部分の色彩)、防護施設の概要、その他付帯建築物及び施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(3) 広場、園地、展望施設

 敷地面積、土工面積、園路工(延長、幅員、舗装の種類)、修景工(植栽面積、植栽樹種、芝生面積)、付帯建築物及び施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(4) 野営場

 敷地面積、収容力、施設の種類及び数(テントサイト、野外炉、便所、炊事場、セントラルロッジ、ケビン、テント、休憩所、キャンプファイヤーサークル等、また、このうち建築物については(1)に準じて記載のこと。)給排水施設((19)及び(20)に準じて記載すること。)、その他付帯施設の概要((1)に準じて記載すること。)

(5) 運動場

 敷地面積、土工面積、運動施設(種類、数量、規模)、修景工(植栽面積、植栽樹種、芝生面積)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(6) 水泳場

 利用水面の種類と範囲、敷地面積、付帯建築物(休憩所、更衣所、シャワー室、便所、監視所、飛込台、救急施設等)及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(7) 舟遊場

 利用水面の種類と範囲、敷地面積、舟艇(種類、大きさ、隻数)、付帯建築物(桟橋、休憩所、切符売場、艇庫等)及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(8) スキー場

 敷地面積、ゲレンデ及びコース(種類、延長、幅員、高低差、最大傾斜度、平均傾斜度、土工量及びその面積、立木の伐採量及び面積)、リフト(種類、延長、高低差、輸送力、支柱の規模及び数量)、付帯建築物(休憩所、ロッジ、救急施設、便所等)及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(9) スケート場

 敷地面積、リンク工事(天然人工氷の別、結氷装置の種類、滑走面積、舗装の種類)、付帯建築物(休憩所、更衣室、救急施設、便所等)及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(10)ゴルフ場

 敷地面積、ホール数、コースの延長、土工量及びその面積、付帯建築物(クラブハウス、休憩所、便所等)及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(11)乗馬施設

 敷地面積、馬場面積、乗馬道の概要、馬の頭数、厩舎、その他付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(12)駐車場

 敷地面積、駐車面積、収容台数、土工量及びその面積、舗装の種類、取付道路(延長、幅員、舗装の種類)、連絡歩道(延長、幅員、舗装の種類)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(13)給油施設

 敷地面積、燃料の種類、貯油の方法、油槽の形式及びその容量、計量器の種類、防火壁の規模構造及び色彩、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(14)昇降機

 敷地面積、高低差、搬器の規模構造(形式、数量、定員等)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(15)船舶又は水上飛行機による運送施設

 船舶又は水上飛行機の種類及び数量、航路、輸送能力、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(16)自動車による運送施設

 道路の規模構造((2)に準じて記載のこと。)、運行経路、自動車の種類及び台数、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(17)鉄道又は索道による運送施設

 敷地面積、鉄道又は索道の種類、延長、高低差、輸送力、搬器及び支柱の規模構造(形式、数量、定員、色彩等)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(18)係留施設

 敷地面積、施設の種類、形式、延長、幅員、主要部の構造及び材料、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(19)給水施設

 敷地面積、水源の種類、水質検査の結果、計画給水人口、計画給水量、取水施設、送水施設、浄化滅菌施設、配水池の規模構造、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(20)排水施設

 敷地面積、処理範囲、計画排水量、排水管の直径及び延長施設の種類、終末処理等の施設の規模構造及び処理能力、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(21)医療救急施設、公衆浴場、公衆便所

 (1)に準じて記載のこと。

(22)汚物処理施設

 敷地面積、処理範囲、処理物件、処理能力、処理方法、焼却炉の規模構造(形式、容量、炉材料、煙突の高さ及び直径)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(23)博物館、博物展示施設

 敷地面積、展示物の種類及び数量、建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(24)植物園、動物園

 敷地面積、動植物の種類及び数量、園路工(延長、幅員、舗装)、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(25)水族館

 敷地面積、魚族等の種類及び数量、水槽又は放魚池の規模及び数量、給排水及び濾過装置の概要、建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(26)野外劇場

 敷地面積、収容力、ステージ及び観覧席の規模構造、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(27)植生復元施設

 敷地面積、植物の種類及び数量並びに植栽面積(棚、給水施設等)の種類別規模及び数量、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(28)動物繁殖施設、砂防施設、防火施設、自然再生施設

 敷地面積、施設の種類別規模及び数量、付帯建築物及び付帯施設の概要((1)に準じて記載のこと。)

(別添2)

環境大臣以外の国の機関が行う国立公園事業の執行について

自然公園法(以下「法」という。)第67条第3項の規定に基づく、環境大臣以外の国の機関が行う国立公園事業の執行協議は、公共団体が環境大臣に対して行う、以下に掲げる協議等に準じて行うものとする。

  1. 1.法第10条第2項に基づく国立公園事業の執行
  2. 2.法第10条第6項に基づく国立公園事業の内容の変更
  3. 3.法第13条に基づく休廃止

(別添3)

国立公園事業に係る申請等に関する特殊な事例について

1. 国立公園事業に係る申請等に関する事務のうち、次表の事例においては、同表で示す指導方針に従って処理すること。

 なお、次表において使用する記号は、次に掲げる者を示す。

  • A=国立公園事業者
  • B=Aの公園施設を譲り受け、又は借り受けている者

 また、「存在」とは、個人にあっては戸籍上死亡していないことをいい、法人にあっては登記簿上消滅していないことをいう。「所在」とは、個人にあっては公園事業者本人、法人にあっては代表者の住所又は居所をいう。

事例指導方針

1 BがAに代わって実質上公園事業に即した事業を行っている場合

 (1) Aが存在し、かつ、その所在が明らかな場合

 Aには始末書を添付して国立公園事業の廃止届出を行わせる。Bには、国立公園事業の執行の必要性に応じて、国立公園事業の執行の同意又は認可の申請を行わせる。

 (2) Aは存在するが、所在が不明の場合

ア Aの国立公園事業の執行に必要な他法令の規定による処分が取り消され、その他その効力が失われていること(以下「他法令の許可の取消等」という。)が確認できる場合

 自然公園法第14条第1項の規定によりAに対する同意又は認可の効力は失われているため、第27の規定によって失効の報告を行う。その上で、Bには、国立公園事業の執行の必要性に応じて、国立公園事業の執行の同意又は認可の申請を行わせる。

イ Aの国立公園事業の執行において他法令の許可の取消等を要しない場合、又は、Aの執行に必要な他法令の許可の取消等が確認できない場合

 Aの存在及び所在について調査の上、第28の規定によって認可の取消しを行う。その上で、Bには、国立公園事業の執行の必要性に応じて、国立公園事業の執行の同意又は認可の申請を行わせる。

 (3) Aが存在しない場合

 条理上、Aに対する同意又は認可の効力は失われているため、第27の規定によって失効の報告を行う。その上でBには、国立公園事業の執行の必要性に応じて、国立公園事業の執行の同意又は認可の申請を行わせる。

2 Bが公園施設を国立公園事業に即した用に供しない場合

(1) Aが存在し、かつ、その所在が明らかな場合

 Aより始末書を徴し、国立公園事業の廃止届出をさせる。

(2) Aは存在するが、所在が不明の場合

ア Aの国立公園事業の執行に必要な他法令の許可の取消等が確認できる場合

 自然公園法第14条第1項の規定によりAに対する同意又は認可の効力は失われているため、第27の規定によって失効の報告を行う。

イ Aの国立公園事業の執行において他法令の許可の取消等を要しない場合、又は、執行に必要な他法令の許可の取消等が確認できない場合

Aの存在及び所在について調査の上、第28の規定によって認可の取消しを行う。

 (3) Aが存在しない場合

 条理上、Aに対する同意又は認可の効力は失われているため、第727の規定によって失効の報告を行う。


2. 国立公園事業者の変更に関する事務については、次に掲げる事項に留意して処理すること。

  1. (1) 商法第113条に基づき合名会社を合資会社に組織変更する場合、商法第163条に基づき合資会社を合名会社に組織変更する場合、有限会社法第64条に基づき株式会社を有限会社に組織変更する場合及び有限会社法67条に基づき有限会社を株式会社に組織変更する場合は、いずれも人格に変更はないが、法人の名称の変更を伴うため、法第10条第9項の規定に基づき国立公園事業の内容の軽微な変更(法人の名称変更)届出をさせること。
  2. (2) 国立公園事業者を個人から、同人が代表を務める法人に変更する場合は、国立公園事業者の人格の変更を伴うため、現国立公園事業者(個人)には廃止届出をさせた上で、法第10条第2項の規定に基づき法人より国立公園事業の執行認可申請をさせること。
  3. (3) 国立公園事業を執行する合名会社又は合資会社が、有限会社又は株式会社に変更された場合は、合名会社又は合資会社は解散し、新たに有限会社又は株式会社が設立されることとなるため、現事業執行者には廃止届出をさせた上で、法第10条第2項の規定に基づき、新会社より国立公園事業の執行認可申請をさせること。