法令・告示・通達

国民環境基金(ナシヨナル・トラスト)活動に係る相続税の優遇措置について

公布日:昭和61年05月16日
環自企206号

環境庁自然保護局長から各都道府知事あて通知
 租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(昭和61年政令第81号)が昭和61年3月31日に公布、同年4月1日から施行され、これによりすぐれた自然環境の保全のためその自然環境の保存及び活用に関する業務を行うことを主たる目的とする公益法人(以下「自然環境保全法人」という。)に対して贈与された相続財産に係る相続税の非課税措置が講じられることとされた。
 自然環境保全法人は、既に、昭和60年度の税制改正において試験研究法人等(所得税法(昭和40年法律第33号)第78条第2項第3号の規定による寄付金控除又は法人税法(昭和40年法律第34号)第37条第3項第3号の規定による寄付金の損金算入の特例の対象となる公益法人等をいう。以下同じ。)に追加されており、自然環境保全法人の認定(所得税法施行令第217条第1項第2号又は法人税法施行令第77条第1項第2号に基づき行われる主務官庁の認定をいう。)を受けた法人に対する寄付金に係る所得税及び法人税の課税の特例が認められているほか、当該認定を受けた法人が保全のため取得・所有する土地等に係る不動産取得税及び固定資産税について「自然環境保全法人に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減について」(昭和60年4月1日付け自治府第29号自治省税務局長通知)により軽減措置を講ずることが適当であるとされているところである。
 今回の措置の内容は下記のとおりであるが、当該措置は、①相続の際にすぐれた自然環境を有する土地が自然環境保全法人に贈与されることを容易にすること、②相続の際に①の土地以外の相続財産の寄付が行われることも容易になるため、活動資金確保の円滑化に資すること等から、国民環境基金(ナシヨナル・トラスト)活動を推進する上で極めて有効な措置であるので、貴職におかれては、この趣旨を十分御理解の上、当該措置の運用に遺憾なきを期されたい。
 今回の措置により、国民環境基金(ナシヨナル・トラスト)活動に係る税制上の優遇措置はほぼ整備されたものと考えられるところであり、貴職におかれては、今後自然環境保全法人の育成を進めるに当たり、これらの措置の活用について十分指導上配意され、国民環境基金(ナシヨナル・トラスト)活動の発展に一層努められたい。また、貴管下市町村をはじめ関係各方面に対してこの旨周知徹底を図られたい。

 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第70条第1項の規定による相続財産を贈与した場合の相続税の非課税措置の対象となる科学又は教育の振興に寄与するところが著しい公益法人等に新たに自然環境保全法人が追加され、自然環境法人に対し相続財産を贈与した場合について、当該相続財産に係る相続税の非課税措置が講じられるとともに、当該措置の対象となるためには当該公益法人の業務に関し適正な運営がなされていることについて主務官庁の認定を要することとされたこと。