法令・告示・通達

かすみ網による密猟防止の推進について

公布日:昭和56年10月21日
環自鳥227号

(各県部長あて環境庁鳥獣保護課長通達)

 かすみ網による密漁防止の推進については、かねてより、啓蒙、取締りの実施等について格段の御配慮をお願いしているところであるが、いまだ違法捕獲が跡をたたない現状にある。
 かすみ網によるツグミ、アトリ、カシラダカ等の鳥類(以下「小鳥類」という。)の違法捕獲等の態様については、食用のための捕獲及び捕獲物の流通と飼養のための捕獲に大別されるが、特に前者については、巧妙化しつつあり、これに対応するため、啓蒙、取締りの一層の強化が要請されているところである。このため、今般、左記により密漁防止等の啓蒙及び取締りを一層強力に推進することとしたので、万全を期されるようよろしくお願いする。

第一 食用のための違反防止について

 一 予防対策

  1.   (一) 小鳥類の捕獲、売買、飲食等の行為を防止するため、新聞、テレビ、ラジオ、地方公共団体の広報誌等を活用しこれらの行為が、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に違反する行為であることを十分に周知させること。
  2.   (二) 違法に捕獲された小鳥類の流通の取締りに不可欠な流通の実態を正確には握するため次の措置を講ずること。
    1.    ア 小鳥類の輸入
           小鳥類の輸入を業とする者に対し、必要に応じ、輸入した数量、輸入先及び引渡先について報告を求め、その実態をは握すること。
    2.    イ 小鳥類の販売
           輸入した小鳥類の販売を業とする者に対し、必要に応じ、数量、入手方法及び販売先について報告を求め、その実態をは握すること。

 二 取締りの推進

  1.   (一) 過去の違反事例、最新の航空写真の解析による違反地域、違反の規模、違反者の挙動、捕獲物の流通経路等のは握、解析による違反状況のは握、林地借用者(鳥屋場として林地を借用するケースがあるため)の実態のは握、過去の違反者名簿及び過去のおとり使用者名簿の活用等によつて、取締りの重点地区、重点時期等を選定し、効率的な取締りを行うこと。
  2.   (二) 取締り推進会議の開催等に当たつては、警察当局に対し、情報を十分に提供し、本問題についての理解を十分に得て、その協力を求めること。
  3.   (三) 違反行為に関する情報を入手したときは、その事実を確認する等的確に対応することにより、迅速な取締りを行うこと。
  4.   (四) ヘリコプター等機動力の積極的活用を図ること。
  5.   (五) 密猟取締りの効果を高めるため隣接都府県との協議等情報交換を十分に行うとともに、一斉取締りについても関係都府県が協力する等遺漏のないようにすること。

第二 飼養のための違反防止について

  飼養のための鳥類捕獲の違反防止については、第一に比較し、単発的であり、また、小規模に各地で発生するものであるので、第一の(一)及び(二)に準じて対処すること。