法令・告示・通達

廃棄物焼却炉に係るばいじんの排出規制の改定について

  • 公布日:昭和57年8月26日
  • 環整122号

(各都道府県廃棄物処理担当部(局)長あて厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長通知)
 廃棄物処理行政につきましては、かねてより御高配を賜っているところでありますが、このたび大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和五七年五月二八日総理府令第二四号)の施行に伴いばいじんの排出基準が改定されたのでその旨了知されるとともに、左記事項に留意のうえ排出規制強化に円滑に対応できるよう貴管下市町村に対し、指導方よろしくお取り計らい願います。

  1. 1 今回の大気汚染防止法施行規則の改正により、廃棄物焼却炉に適用されるばいじんの排出基準が次のように定められたこと。

     (1) 一般排出基準について

    1.   (ア) 連続炉のうち排出ガス量が 四〇、〇〇〇Nm3/h以上のもの...〇・一五g/Nm3
    2.   (イ) 連続炉のうち排出ガス量が 四〇、〇〇〇Nm3/h未満のもの...〇・五〇g/Nm3
    3.   (ウ) (ア)及び(イ)以外の焼却炉...〇・五〇g/Nm3

     (2) 特別排出基準について

    1.   (ア) 連続炉のうち排出ガス量が 四〇、〇〇〇Nm3/h以上のもの...〇・〇八g/Nm3
    2.   (イ) 連続炉のうち排出ガス量が 四〇、〇〇〇Nm3/h未満のもの...〇・一五g/Nm3
    3.   (ウ) (ア)及び(イ)以外の焼却炉...〇・二五g/Nm3
  2. 2 新たに標準酸素濃度補正方式が導入されたが、廃棄物焼却炉については、現時点におけるばいじんの排出実態及び対策の実情等にかんがみ、当分の間、標準酸素濃度補正方式の適用が猶予されたこと。
  3. 3 標準酸素濃度補正方式の導入に伴ってばい煙量等測定記録表の様式の改正が行われたこと。また、併せて従来より標準酸素濃度補正方式を採用してきた窒素酸化物及び塩化水素についてもその記録様式について所要の改正が行われたこと。
  4. 4 新増設施設に対する新基準の適用は、昭和五七年六月一日からとされたこと。また、既存施設に対する新基準の適用は、昭和五九年六月三〇日までは適用されず、なお従前の例によることとされたこと。
  5. 5 今回の排出基準の強化については、従前の設備によっておおむね対応することが可能と考えられるがごみ質等によっては一部に対応が困難となる場合も想定されるので、その場合にあっては維持管理の難易等に十分配慮し、適切な対策を講ずる必要があること。
      なお、当該対策を実施するごみ焼却施設につき、「ごみ焼却施設からの廃ガス及びプラスチックごみの収集、処理及び資源化の状況について」(昭和五七年二月四日厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課事務連絡)に基づいて行われたごみ焼却施設からの排ガス実態調査の結果を踏まえ、昭和五七年一一月末日までに当該施設名、設置市町村、設置年月日、処置能力、対策の概要を報告されたいこと。



別表
   大気汚染防止法に基づくばいじんの排出基準の改正について
(昭和五七年五月三一日環大規第一九一号)
(各都道府県知事・各政令市市長あて 環境庁大気保全局長通知)
 昭和五七年五月二八日付けをもって、大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和五七年総理府令第二四号。以下「改正府令」という。)が制定、公布された。
 改正府令の内容は、ばい煙発生施設から排出されるばいじんの排出規制の拡充等である。その考え方、改正府令の要点、留意すべき事項等は次のとおりであるので、法令の施行に遺憾なきを期されたい。

第一 今回の改正の背景と骨子

  ばい煙発生施設に対するばいじんに係る排出規制については、昭和四六年六月に強化を行って以来およそ一一年を経過している。
  今回のばいじんの排出基準の改正は、近年の石炭転換等のエネルギー情勢の変化への対応と大気中の粒子状の物質に対する対策の推進に資することをねらいとして、この間におけるばいじん対策に係る技術進歩とその実情を踏まえ、実施したものである。
  なお、今回の改正の骨子は次のとおりである。

  1.  1 大気汚染防止法(以下「法」という。)第三条第一項の規定によるばいじんの排出基準(以下「一般排出基準」という。)及び同条第三項の規定によるばいじんの排出基準(以下「特別排出基準」という。)を強化した。
  2.  2 大気汚染防止法施行令(以下「令」という。)別表第一の二〇の項に掲げる電解炉、同表の二八の項に掲げるコークス炉等の七種類の施設について、新たにばいじんの排出基準を設定した。
  3.  3 標準酸素濃度によりばいじん濃度を補正する方式(以下「標準酸素濃度補正方式」という。)を導入した。

第二 改正の内容

 1 改正府令の要点

  (1) 一般排出基準及び特別排出基準の強化

    法第三条第一項及び第三項の規定に基づき、ばいじんの一般排出基準及び特別排出基準を強化した(大気汚染防止法施行規則(以下「規則」という。)別表第二の改正)。

  (2) ばい煙量等測定記録表の様式の改正

    標準酸素濃度補正方式の導入に伴って、法第一六条に基づきばい煙量等測定記録表の様式の改正を行った。
    なお、従来より標準酸素濃度補正方式を採用してきた窒素酸化物及び塩化水素の欄についても所要の改正を行った(規則様式第七の改正)。

  (3) 施行期日及び経過措置等

  1.    ア 改正府令は、昭和五七年六月一日から施行することとした(附則第一項)。
  2.    イ 昭和五七年六月一日において現に設置されている施設(設置の工事がされているものを含むこととし、以下「既設施設」という。)については、改正後の別表第二の規定は、昭和五九年六月三〇日までは適用せず、なお従前の例によることとした(附則第二項)。
  3.    ウ その他所要の経過措置等を設けることとした(附則第三項から附則第一一項まで)。

 2 規制対象施設の拡大等 略

 3 改正された排出基準による規制の水準

  1.   (1) 一般排出基準は、全国一律の施設単位の排出基準であることにかんがみ、全国の施設の種類ごとの排出実態、対策の状況等を踏まえ、原則として、現状の通常のばいじんの排出防除技術を採用すること等により達成される水準とした。
  2.   (2) 特別排出基準は、規則別表第五に掲げる区域に新たに設置されるばい煙発生施設に適用されるものであり、改正前の特別排出基準の適用を受けていた施設の排出実態、対策の状況等を踏まえ、原則として、現在の高度のレベルの対策技術を導入すること等により達成される水準とした。

 4 標準酸素濃度補正方式の導入について

  1.   (1) 標準酸素濃度補正方式は、ばい煙発生施設のばいじんの発生機構に照らして、排出ガスを希釈して基準適合を図ることを防止し、施設間の公平な規制を期するための方策として、適切であると認められる施設について導入した。
        なお、一部の施設については、ばいじんの排出実態及び対策技術の見通し等を踏まえ、適用猶予期間を設けた。
  2.   (2) 略

 5 ばいじん濃度及び残存酸素濃度の測定について

  1.   (1) ばいじん濃度の測定に際しての測定値の取扱い試料の採取方法等については、従前どおり「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」(昭和四六年八月二五日付け環大企第五号本職通達)の第三の2及び第四の1から4までによる。
        なお、今回の改正に伴い、低濃度領域におけるばいじん濃度の測定値の取扱いについては、特に慎重を期されたい。
  2.   (2) 残存酸素濃度の測定は、オルザットガス分析装置を用いる吸収法又はこれと同等の測定値が得られる酸素濃度分析装置を用いる。
        なお、残存酸素濃度の測定位置は、ばいじん濃度を測定するための試料採取口と同一位置又はこれに極めて近い位置とする。
  3.   (3) ばいじん濃度を測定するための試料に係る残存酸素濃度の測定に際しては、当該試料の採取時間における平均的な値を把握する。ただし、ばいじんに係る試料の採取中に残存酸素濃度に係る試料の採取が困難であると認められる場合には、残存酸素濃度に係る試料の採取は、ばいじんに係る各一回の測定の前後において行い、それらの平均値を当該残存酸素濃度とする。

 6 ばい煙量等の測定記録表の様式の改正について

   ばい煙量等の測定記録表の様式の改正により、ばいじん、塩化水素及び窒素酸化物については、それぞれの測定値に係る排出ガス中の酸素の濃度の測定データの平均値を記載することとした。

 7 経過措置等について

  1.   (1)~(3) 略
  2.   (4) 既設施設のうち改正前に特別排出基準の適用を受けていたものについては、原則として改正後の一般排出基準(以下「新一般排出基準」という。)が適用されるが、そうした場合、規制レベルが低下するおそれがあるものがあるため、これを是正すべく次のとおり取り扱うこととした。
    1.    ア 略
    2.    イ 標準酸素濃度補正方式を導入した施設であって、当該施設に係る旧特別排出基準の値が新一般排出基準の値よりも小さいか又は等しいものについては、当該施設に係る旧特別排出基準又は新一般排出基準のいずれか厳しい方の排出基準を適用することとする(附則第六項)。
           この場合において、いずれの排出基準の方が厳しいかの判断に当たっては、当該施設の残存酸素濃度が一定の値以上であるか又は未満であるかに応じてそれぞれ新一般排出基準又は旧特別排出基準の方が厳しくなるものであることに留意した上で、個々のばい煙発生施設についての法第六条等に基づく残存酸素濃度の届出値又は残存酸素濃度の測定値の実態をめやすとされたい。
           また、現に当該施設を設置している者がいずれか厳しい方の排出基準を遵守することを確保するためには、日頃から当該施設の残存酸素濃度の実情を把握しておくことが重要であるので、その旨指導されるとともに、あわせて、遵守すべき排出基準を把握した上で所要の対策を講ずるよう指導されたい。なお、実際上は、旧特別排出基準及び新一般排出基準の両者を遵守するよう指導されることも差し支えない。
  3.   (5) 略
  4.   (6) 別表第二の二の項のボイラー(排出ガス量が一万Nm3/h未満のものに限る。)六の項のボイラー、一八の項の加熱炉、二六の項の焼成炉、三〇の項の施設、三六の項の連続炉及び三七の項の廃棄物焼却炉については、現時点におけるばいじんの排出実態及び対策の実情等にかんがみ、標準酸素濃度補正方式の適用を猶予した(附則第八項)。
        なお、当庁としては、これらの施設については、今後ともその排出実態の把握を行う等所要の対策の推進に努めていくこととしている。

第三 留意すべき事項

  1.  1 改正後の排出基準は、新設施設については昭和五七年六月一日から適用されるものであることから、既に法第六条の規定に基づく設置の届出が行われ現在届出事項についての審査が行われている施設等、昭和五七年六月一日以降に設置の工事が行われる予定となっている施設については、審査に当たり慎重に検討を行い、改正後の排出基準の適用につき遺憾なきを期されたい。
  2.  2 既設施設のうち、今回、新たに規制対象とし、排出基準を設定したものについては、法第二六条に基づく報告を求めること等により、当該施設のばいじんの排出状況の把握に努められたい。
  3.  3 既設施設のうち標準酸素濃度補正方式を導入したものについては、法第二六条に基づく報告を求める等により、当該施設の排出ガス中の残存酸素濃度の状況の把握に努められたい。なお、残存酸素濃度の状況については、通常のばいじん濃度の測定のための位置におけるものを把握する必要があるものである。
  4.  4 法第四条第一項の規定に基づく排出基準については、今回の改正の趣旨を十分に踏まえ、適切なものとするよう配慮することとし、標準酸素濃度補正方式の導入については、ばいじん濃度及び残存酸素濃度の実情、ばい煙発生施設の種類ごとのばいじんの発生機構の差異等を適切に把握することが必要であり機械的に行うことがないよう配慮されたい。
  5.  5~9 略
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