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廃棄物循環型社会基盤施設整備事業に係る事業計画の策定及び廃棄物循環型社会基盤施設整備事業実施要綱の取扱について

公布日:平成6年10月31日
衛環298号

(各都道府県一般廃棄物処理主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)
 廃棄物循環型社会基盤施設整備事業実施要綱については、平成六年一〇月三一日衛環第二九七号厚生省生活衛生局水道環境部長通知(以下「実施要綱」という。)により通知されたところであるが、今般、実施要綱の細部及び廃棄物循環型社会基盤施設整備事業に係る事業計画の策定について、別紙により行うこととしたので、貴管下市町村等に周知徹底されるようお願いする。
 なお、平成六年四月一日本職通知衛環第一三七号「廃棄物循環型社会基盤施設整備事業に係る事業計画(仮称:クリーンリサイクルタウン事業計画)の作成について」は廃止する。

別表
   廃棄物循環型社会基盤施設整備事業計画の策定及び廃棄物循環型社会基盤施設整備事業実施要綱の取扱について

Ⅰ 廃棄物循環型社会基盤施設整備事業計画の策定について

 一 総則

   廃棄物循環型社会基盤施設整備事業計画(以下、「事業計画」という。)は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和四五年法律第一三七号)(以下「廃棄物処理法」という。)の趣旨に則り、廃棄物処理事業を行う市町村(一部事務組合等を含む。以下同じ。)の立場から、当該地域全体の積極的な再生利用、余熱利用等が計画的に推進され、快適な生活環境の創造が図られるよう策定するものである。
   同計画の策定に当たっては、廃棄物処理法第六条に基づき市町村が定める一般廃棄物処理計画等の他、当該地域に係る諸計画との整合性に留意の上、施設整備のみでなく、啓発・普及活動を含め総合的かつ具体的に検討すること。

 二 事業計画

   廃棄物循環型社会基盤施設整備事業を実施しようとする市町村が、当該地域の実情を踏まえ、次に掲げる事項について定めること。なお、各事項に関し、運営・管理全般に係る事項を明らかにし、別紙様式を参考に作成すること。

  1.   (一) 廃棄物循環型社会基盤施設整備事業に関する基本方針及び計画目標年次等の基礎的事項
  2.   (二) ごみ処理の現状(再生利用・資源化、熱利用、処理施設状況等)
  3.   (三) ごみ排出量抑制方策
  4.   (四) 再生対象物とその方策及び熱エネルギー活用方策
  5.   (五) 整備予定の処理施設の規模、年次等

Ⅱ 事業計画策定に当たっての留意事項

 一 全体的事項

  (一) ごみ処理基本計画との関係

    ごみ処理基本計画は、市町村が長期的・総合的視点に立って、計画的なごみ処理の推進を図るための基本方針であり、事業計画は、それを踏まえて中間処理等に関する中長期の実施計画として作成し、個別の中間処理施設の整備計画の前提となるものである。

  (二) 基礎調査の実施

    事業計画作成に当たっての基礎調査は、必要に応じて次の各項について行うものとする。

  1.    ① 既存中間処理施設の状況
  2.    ② 集団回収等住民参加による資源化、減量化の取組状況
  3.    ③ 再生資源の利用用途に関する事項
  4.    ④ 中間処理施設の周辺整備等に関する住民の意向
  5.    ⑤ 地域開発の計画、環境保全に関する規制状況等
  (三) 計画目標年次

    計画策定時点から、一〇~一五年後程度を計画目標年次とする。

 二 計画ごみ量等に関する事項

  (一) 計画ごみ量

    計画ごみ量は、計画目標年次のごみ排出量とし、次項の排出抑制方策を勘案し、家庭系と事業系に区分して推計を行うこと。

  (二) 排出抑制方策

    ごみ排出抑制方策は、ごみ処理基本計画に定められているごみの排出抑制のための方策を必要に応じ見直しを行い、具体的に記述すること。

  (三) 資源ごみの回収

    びん、缶等の資源ごみについては、分別収集または住民の集団回収の支援等によりリサイクルを図ることを基本とすること。

  (四) 減量化等の目標

    計画中には、排出された廃棄物を中間処理過程等でどこまで再生、減量、減容するかの目標を記載すること。この場合、目標は排出抑制方策の実施程度によって、中間処理段階での再生等の対象となる量が異なってくるが、最終処分量ができるだけ少なくなるよう目標を設定すること。

 三 中間処理施設に関する事項

  (一) リサイクルプラザ、リサイクルセンター

    資源ごみの回収段階で、十分な再生、資源化が果たせる場合の外は、リサイクルプラザ、リサイクルセンター等の再生、資源化のための施設を必ず整備するものとする。これらのいずれによるかについては、地域の実情を踏まえて適切な方式を選定すること。
    選別設備の内容については、収集形態、資源化しようとする品目に対応して適切なものであること。また、資源ごみの需給バランスの調整に役立つストックヤードの整備についても積極的に取り組むこと。

  (二) 粗大ごみ処理施設

    粗大ごみ処理施設は、破砕、圧縮設備に加えて選別設備を設けることを基本とすること。また、再使用可能な粗大ごみについては、これを展示、提供するなど極力廃棄物とならないように努めること。

  (三) 可燃ごみの処理施設等

    極力リサイクルを図った後の可燃ごみについては、その全量を焼却施設、高速堆肥化施設、ごみ固形燃料化施設等により処理することを基本とすること。

  (四) ごみ焼却施設等

    ごみ焼却施設等の規模、立地場所周辺の状況等を踏まえて、焼却に伴い発生する熱エネルギーの活用を計画すること。

  (五) 運営・管理に関すること

    整備予定の施設ごとに、

  1.    ① 施設間の連絡調整等を含めた運営・管理体制
  2.    ② 故障時の対応

   等運営・管理に係る事項について十分な検討を行うこと。

  (六) 近隣市町村との連携

    近隣市町村との連携を緊密にして、広域処理による規模の適正化について検討するとともに、各市町村の施設点検時における処理の相互融通によるバックアップのための施設規模の適正化について検討すること。

  (七) 施設の周辺環境との調和

    中間処理施設の周辺環境との調和を図るため、ごみ運搬用パイプライン施設、熱エネルギー活用施設等の周辺環境との調和施設の設置を検討すること。

Ⅲ 廃棄物循環型社会基盤施設整備事業実施要綱の取扱い

  市町村の定める廃棄物循環型社会基盤施設整備事業計画に基づき実施される事業については、特に次の事項に留意すること。

 一 対象事業

   各施設の整備に当たっては、当該施設が循環型社会基盤施設としての機能を十分に発揮することにより、廃棄物の排出量の増大、質の多様化に対処し、ごみゼロ社会を目指した快適な街づくりの実現に資するものであること。

 二 運営・管理体制

   リサイクルプラザ等は、住民に活用されることによってその機能を発揮するものであることから、運営・管理のための体制について検討を行うこと。

 三 事業の普及・啓発

   事業の円滑な実施に当たっては、地域住民の理解を得るとともに、積極的な協力・参加が不可欠であることから、あらゆる広報媒体を通じて本事業の普及・啓発に努めること。

 四 その他

   廃棄物運搬用パイプライン施設に係る事業については、当分の間モデル事業であることから、実施を希望する市町村等は、具体的計画作成前の早い段階において厚生省に協議をすること。