法令・告示・通達

特定家庭用機器再商品化法の運用に伴う留意事項について

  • 公布日:平成13年3月22日
  • 環廃企62・環廃対74・環廃産115

(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課・廃棄物対策課・産業廃棄物課長から各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長あて)

 特定家庭用機器再商品化法(平成一〇年法律第九七号。以下「法」という。)及び特定家庭用機器再商品化法施行令(平成一〇年政令第三七八号。以下「令」という。)の施行については、別途厚生省生活衛生局水道環境部長通知(平成一一年生衛発第九八三号)により通知しているところであるが、法の施行を控え、法、令及び特定家庭用機器再商品化法施行規則(平成一二年厚生省・通商産業省令第一号。以下「規則」という。)の運用に当たっては、なお、左記事項に留意の上、特定家庭用機器再商品化法の円滑な施行に努められたい。また、貴管下市町村(政令市を除く。)に対しては貴職から周知されたい。

1 特定家庭用機器の範囲等

 (1) 特定家庭用機器の範囲

   特定家庭用機器は、家庭用の機械器具のうち、a市町村等の廃棄物の処理設備及び技術では再商品化等が困難であり、b有用な資源を多く含み再商品化等の必要性が高く、c製造業者等の製品設計・原材料の選択により再商品化等を容易にすることができ、d小売業者による配達が相当数行われているもの、に該当するものであり、令においてユニット形エアコンディショナー、テレビジョン受信機(ブラウン管式のもの)、電気冷蔵庫及び電気洗濯機の四品目(以下単に「四品目」という。)が指定されている。
   このような指定の趣旨にかんがみ、特定家庭用機器の範囲については、以下の点に留意されたい。

  1.   ① 業務用の機械器具は、家庭で使用されている場合も含め、そもそも法の対象とはならないものであること。他方、特定家庭用機器であれば、事業所など家庭以外で使用されている場合(排出される場合は産業廃棄物)であっても、法の対象となるものであること。
  2.   ② 特定家庭用機器は、これに四品目としての機能以外の機能が付加されている場合であっても、一体的に特定家庭用機器として扱われるものであること(例えば、ビデオと一体型のテレビ、乾燥機付きの洗濯機)。
        他方、天井埋め込み型のエアコン等建築物と一体不可分のものとして設置される四品目は、家庭用の機械器具に該当するものもあるが、あくまで建築物の一部としての機器であり、単独の機械器具として観念されるものではないことから、特定家庭用機器には該当しないものであること。
  3.   ③ エアコンについては、室外機及び室内機(複数ある場合を含む。)で一つのエアコンとし、室外機又は室内機のみを排出する場合の再商品化等料金については、一つのエアコンとみなして算定されるものであること。
  4.   ④ 特定家庭用機器の附属品でないもの(テレビ台など)、取扱説明書等の印刷物は、製造業者等による引取りの対象外であること。
       なお、特定家庭用機器廃棄物に付着している泥等の汚れ、特定家庭用機器廃棄物の内部に放置されている衣類、食品等については、あらかじめ除去した上で排出するよう、消費者等に周知されたい。

 (2) 引取義務等に係る留意事項

   住宅等の販売の時点において既に設置されている特定家庭用機器については、当該住宅等を販売した事業者に対し、法に規定する小売業者としての引取義務が課されることとなる。
   また、指定引取場所においては、再商品化等料金の支払いを前提として、原則として全ての特定家庭用機器廃棄物は製造業者等により引き取られるものである。
   特定家庭用機器廃棄物は、破損・腐食している場合でも指定引取場所へ運搬し製造業者等に引き渡すことは可能であるが、不法投棄等により破損・腐食の程度が著しく、有用な資源の回収が見込めないと判断されるものについては、市町村等が従前の処理を行うことも可能である。この場合、市町村等は、法の趣旨を踏まえて個々の事案について実態に即して判断するものとし、排出者等による故意の汚損等を助長することのないよう十分留意する必要がある。

2 小売業者等に対する監督

 (1) 小売業者に対する監督の徹底

   特定家庭用機器廃棄物の相当部分は、買換え時に小売業者によって引き取られているという実態を踏まえ、法は、小売業者に対し排出者からの引取義務及び製造業者等への引渡義務を課すことにより、効率的な運搬を確保するとともに、小売業者は、排出者からの引取りに際し、製造業者等に代わり再商品化等料金を請求できることとしたところである。このように、小売業者は、法において重要な役割を果たすこととされており、その適正な履行の確保が求められる。
   このため、法は、小売業者に対し収集運搬業に係る廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「廃棄物処理法」という。)の許可を一部不要とする特例措置を講じたところであるが、小売業者が引取りを行う特定家庭用機器廃棄物は、廃棄物処理法に規定する「廃棄物」であることに変わりはなく、法第四九条第四項の規定により廃棄物処理基準が適用されることから、不法投棄等不適正な処理が行われ、地域の生活環境保全に支障が生じるおそれがある場合は、市町村等の措置命令の対象となり得るものである。
   国においても、小売業者による引取り及び引渡しの状況の把握及びその履行の徹底に努めていくこととするが、市町村等においても、かかる趣旨を踏まえ、小売業者に対する適切な指導をお願いしたい。特に、以下のような事例は、法の義務違反や不法投棄等不適正な処理につながるおそれがあることから、小売業者に対し未然防止のための措置や事前の注意を促す等適切な対応を図られたい。

  1.   ① 小売業者が引き取った特定家庭用機器廃棄物の適切な管理(積替え・保管に係る基準の遵守)を怠ったため、家電リサイクル券の貼付された特定家庭用機器廃棄物が盗難にあう事例又は家電リサイクル券の貼付されていない特定家庭用機器廃棄物が保管場所に放置される事例
  2.   ② 排出者から引取要請があったにもかかわらず、小売業者が収集運搬業者・処分業者を紹介するなどして小売業者があたかも引取要請のなかったように装う事例
  3.   ③ 小売業者がリユース目的と称して無償引取を行うものの、実際にはその相当部分が産業廃棄物処理業者等による処理に回されている事例

 (2) 無許可業者の取扱い

   法の施行後においては、廃棄物処理法上の処理業許可を有しない者が、製造業者等の再商品化等料金に比べ低廉な料金で特定家庭用機器廃棄物を引き取る事態も想定されるため、このようなことの生じないよう十分留意し、不法投棄等不適正な処理が行われないようにする必要がある。
   また、引き取った特定家庭用機器廃棄物を中古品として販売する場合、販売を行った者は法の「小売業者」に該当し、販売した特定家庭用機器については引取義務など法に定める措置の実施が求められることとなる。

 (3) 特定家庭用機器廃棄物管理票(マニフェスト)の活用

   小売業者の義務履行の確認に当たっては、法に基づき保存が義務づけられている特定家庭用機器廃棄物管理票(マニフェスト)の写しの閲覧を求めることが有効と考えられる。この場合、販売管理における電子情報化を推進している一部の小売業者においては、管理票制度の運営コストを抑制するとともに、排出者からの電話照会等に迅速に対応する観点から、規則に定める管理票の記載事項について電磁的記録による保存を行っている者も存在すると考えられることから、その旨あらかじめ了知されたい。

3 市町村等による収集運搬及び処分について

 (1) 収集運搬に係る留意事項

   法は廃棄後の製品の処理についてその製造業者等が一定の責任を負うべきとする「拡大生産者責任」の考え方に基づき制定されたこと及び小売業者に全ての特定家庭用機器廃棄物の引取義務及び引渡義務を課すことは困難なため市町村がその補完的な役割を果たすことが期待されていることにかんがみ、市町村は、小売業者に引取義務のない特定家庭用機器廃棄物については、基本的には小売業者に対し任意の引取りを求め、それが困難な場合には、廃棄物収集運搬業者又は市町村自ら若しくはその委託業者が指定引取場所へ運搬し製造業者等に引き取りを求めることが求められている。この場合の留意事項等は、以下のとおりである。

  1.   ① 小売業者が市町村からの協力要請に応じて引取義務のない特定家庭用機器廃棄物を引き取る場合における法に規定する収集運搬業に係る廃棄物処理法の許可の特例措置の適用については、引取義務のある特定家庭用機器廃棄物を引き取る場合と同様であること。
  2.   ② 市町村は、指定引取場所への運搬について廃棄物収集運搬業者の活用を行う場合、排出者からの不当な額の料金の徴収や第三者への譲渡、不法投棄等といった問題の生じることのないよう、廃棄物処理法に基づく適切な指導監督を行うこと。
        また、こうした問題を回避するための方法の一つとして、住民及び廃棄物収集運搬業者に対し家電リサイクル券の趣旨、仕組み及びその活用方法について周知徹底を図ること。
  3.   ③ 市町村は、自ら又は委託により指定引取場所への運搬を行う場合の手数料条例の制定・改正に当たっては、手数料の水準が排出者の適正な排出を妨げ又は本来小売業者に引取りを求めるべき特定家庭用機器廃棄物が市町村に排出されることのないよう十分留意すること。

 (2) 処分に係る留意事項

   製造業者等(その委託先を含む。)以外の者がリサイクルを行う場合についても、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理基準に従い、製造業者等と同程度のリサイクル率の達成が求められている。市町村は、小売業者に引取義務のない特定家庭用機器廃棄物について廃棄物処理業者等に処分を委託する場合、この点に関し事前に施設の能力等を十分調査した上で委託を行うことが必要である。また、当該委託により本来小売業者に引き取られるべき特定家庭用機器廃棄物についてまで市町村に排出され、法の趣旨・目的を損なうことのないよう留意されたい。

 (3) その他

   指定引取場所までの運搬に要する費用は排出者に請求できることとされており、排出者負担を抑制するためには、市町村等において効率的な運搬体制を構築していく必要がある。国においては、法施行以後の市町村の様々な取組状況を調査し、優良事例をとりまとめ、市町村等に対し適宜情報提供を行っていく予定であるので、その積極的活用を図られたい。

4 廃棄物処理法に基づく許可手続の円滑化について

  特定家庭用機器廃棄物の再商品化等施設は、一般廃棄物処理施設及び産業廃棄物処理施設として、廃棄物処理法の規定により都道府県知事(保健所設置市にあっては、市長)の許可を要するものがある。再商品化等施設は、製造業者等が法に定める義務を履行する上で不可欠の施設であることにかんがみ、再商品化等施設の設置に係る許可(変更を含む。)の手続を適正かつ円滑に進めるようお願いしたい。
  廃棄物処理法に基づく収集運搬業の許可を取得している事業者が当該許可を得た市町村等と異なる市町村等の区域にある指定引取場所まで特定家庭用機器廃棄物を運搬する場合、当該指定引取場所のある市町村等の収集運搬業の許可も必要となる。指定引取場所のある市町村等においては、既に近隣の市町村等において収集運搬業の許可を取得している事業者から当該指定引取場所への特定家庭用機器廃棄物の運搬につき申請があった場合には、許可の手続を適正かつ円滑に進めるか、又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四六年厚生省令第三五号)第二条第二号の規定による指定制度の活用をお願いしたい。

5 住民に対する普及啓発

  法は、小売業者に対し特定家庭用機器廃棄物を引き取り製造業者等に適切に引き渡す義務を課し、製造業者等に対しては、特定家庭用機器廃棄物を引き取り一定水準以上の再商品化等を行う義務を課すとともに、小売業者の収集運搬に係る料金及び製造業者等の再商品化等に係る料金は排出者に請求できることとしたところである。このため、排出者が小売業者に特定家庭用機器廃棄物を適正に引き渡し、適切な料金の支払いが行われることが極めて重要であり、法の趣旨・仕組みについて消費者の理解を得ることが必要不可欠である。
  法は、特定家庭用機器廃棄物の処理に係る費用を透明化し、新たに排出者に負担を求めることにより、a一般消費者については、処理に係るコスト意識を持たせ長期使用を促すことによる廃棄物の排出抑制、b製造業者等については、製品設計の見直しや技術開発などを通じたコストの削減、などの効果を期待している。住民に対する普及啓発の際には、特にこうした点についての説明や従来の税負担の下で処理していた場合のコストの開示を行う等により、排出者が負担する趣旨や仕組みについて住民の理解が促進されるよう努められたい。
  国においては、ポスターやパンフレットの作成・配布、事業者・市町村等に対する説明会の開催、市民参加型のシンポジウム等あらゆる機会を捉えて制度の周知に努めているところであるが、自治体におかれても引き続き住民に対する普及啓発に努められたい。

6 不法投棄に係る監視及び連絡体制の構築

  自治体においては、巡回パトロールなど特定家庭用機器廃棄物の不法投棄の未然防止のための活動を計画しているところもある。こうした事例を参考としつつ、特定家庭用機器廃棄物の不法投棄を防止するための方策について積極的に検討されたい。
  また、法の施行後は、不法投棄の実態等についても十分把握し、必要に応じて原因の究明や対応策の検討を行うとともに、環境省への情報提供を行うなどの適切な対応をお願いしたい。

ページ先頭へ