法令・告示・通達

水害廃棄物対策指針の補遺について

  • 公布日:平成17年9月1日
  • 事務連絡

(環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課から各都道府県一般廃棄物行政主管部(局)あて)

 一般廃棄物行政については、かねてより種々ご配慮いただき感謝致します。
 さて、先日「水害廃棄物処理に係る防災体制の整備について」(平成17年6月7日付け環廃対第050607001号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長通知)により水害廃棄物対策指針を送付し、貴管下市町村に対し、水害に対する備えが遺漏なきものとなるよう周知徹底をお願いしたところでありますが、今般、下記のとおり、水害に見舞われた自治体の対処事例が取りまとまりましたので、ご参考とされたく送付致します。また、併せて貴管下市町村にも送付して頂けるようお願い致します。

  1. 1.平成10年9月集中豪雨に伴う水害廃棄物処理について(高知市) 1頁
  2. 2.平成12年9月集中豪雨に伴う水害廃棄物処理について(愛知県) 4頁
  3. 3.平成16年7月新潟・福島豪雨に伴う水害廃棄物処理について(三条市) 7頁
  4. 4.平成16年8月30日台風第16号に伴う水害廃棄物処理について(高松市) 10頁
  5. 5.平成16年10月20日台風第23号に伴う水害廃棄物処理について(豊岡市) 13頁

平成10年9月集中豪雨に伴う水害廃棄物処理について(高知市)

1.高知豪雨による被災状況

  平成10年9月24日から25日にかけて、高知市を襲った集中豪雨によって、急速に水かさが増した国分川の水越堤や霞堤、舟入川から(上流部の南国市分からの流入も含め)大量の水があふれ、高知市内では大津、布師田、高須地区など市東部が全域に渡って浸水したのをはじめ、一宮、潮江中南部、初月地区などでも広範囲に浸水し、中心市街地や西部、南部でも一時的な冠水や局所的な浸水被害が多数発生し、約2万世帯の家屋の床上・床下浸水や道路冠水が生じた。

■家屋被害<被害額約161億3千万円>

全壊
  16世帯
  45人
(平成10年10月1日現在)
市内総世帯数 138,714世帯
市内総人口 324,259人
市域面積 144.95Km2
半壊
  17世帯
  43人
一部損壊
  32世帯
  80人
床上浸水
12,684世帯(うち住家7,493)
19,224人
床下浸水
7,065世帯(住家のみ)
17,221人

2.水害廃棄物への対応について

 (1)災害廃棄物の排出量

   平成10年9月24日と25日の2日間の集中豪雨により発生した災害廃棄物量は、25,308トンにも及んだ。これは、平成10年度における高知市のごみ収集量の約四分の一にあたる。また、総排出量25,308トンのうちの23,869トンは直接埋立処分を行ったが、これにより三里最終処分場の残余年数を1年半から2年分縮めることになった。

 (2)災害廃棄物の収集・処理

   9月25日から直ちに被害状況の調査・把握を行うとともに、浸水地域以外の地域における生ごみの定期収集を直営により行った。26日からは直営収集と建設土木関係団体等の協力により、本格的に災害廃棄物の収集を開始した。10月4日までの9日間で、自衛隊、高知県、県内外市町村、ボランティア団体の協力を得て、また3日・4日には市職員も集中的に動員するなどにより、災害廃棄物の収集作業はほぼ完了できた。

■災害廃棄物の収集量及び収集作業に係る人員・車輌数

月日
災害廃棄物(トン)
作業人員(人)
作業車輌等(台)
9月26日
808
246
71
9月27日
1,119
373
90
9月28日
3,022
344
103
9月29日
3,532
501
232
9月30日
4,110
969
309
10月1日
3,860
893
340
10月2日
4,186
911
314
10月3日
2,223
1,158
273
10月4日
1,025
599
204
10月5日~
1,423
12月18日
仮置き場からの移送完了
合計
25,308
5,994
1,936
  • ※災害廃棄物の収集については10月4日にほぼ完了したので、人員、車輌等はその時点で捕捉した。
     集められた災害廃棄物の量は、10月4日現在23,885トンで、その後排出された分もあわせて10月18日の段階で25,308トンを収集し、最終的に宇賀清掃工場で2,300トン(市民が直接持ち込んだ分も含む)を焼却処理し、残りを三里最終処分場で埋立処分した。
     災害廃棄物の集積場所は、宇賀清掃工場、三里最終処分場、潮江下水処理場、下知下水処理場及び高須浄化センターの5カ所で、そのうち潮江及び下知の両下水処理場と高須浄化センターについては災害廃棄物の仮置き場として敷地の一部を使用した。
■10月18日段階における各集積所への総搬入量

集積所
搬入量(トン)
宇賀清掃工場
2,029
三里最終処分場
6,415
潮江下水処理場
3,084
下知下水処理場
5,434
高須浄化センター
8,346
合計
25,308
  • ※仮置き場の災害廃棄物については、平成10年12月18日までに、分別のうえ宇賀清掃工場、再生資源処理センター及び三里最終処分場ヘ再搬入した。
 (3)収集・処理体制

   清掃・廃棄物行政を所管していた環境下水道部が中心となって、環境下水道総務課、環境対策課、環境業務課、宇賀清掃工場、東部環境センター及び清掃施設建設課の計274名の人員体制を整えた。各部署の役割は、環境下水道総務課・環境対策課は主として情報収集・分析及び収集・処理対策の計画。環境業務課は通常業務と並行して災害廃棄物の収集・運搬、宇賀清掃工場は焼却処理、東部環境センターはし尿処理、清掃施設建設課は発生量の把握に基づき、仮置き場設置に関する技術面や廃棄物の飛散防止、消毒等の衛生管理及び廃棄物撤去後の復旧工事等を担当した。
   その他の収集体制としては、9月26日から10月4日までの9日間で、車輌1,819台・重機117台、人員について市職員1,892人、県職員1,558人、県内29の市町村から544人、神戸・芦屋・徳島・高松・松山の5市から273人、自衛隊60人、民間ボランティア1,667人の合計5,994人の応援体制により災害廃棄物の収集を行った。
   また、災害廃棄物のスムーズな収集・運搬を確保するため、県災害対策本部、高知県警察本部、高知署、高知南署、南国署等の交通規制への全面的な協力を得た。

 (4)災害し尿の収集<高知市環境事業公社>

   災害し尿の収集は、9月25日から収集を始め、10月2日でほぼ収集を完了した。

■し尿収集件数及び収集量

収集件数
収集量(kl)
8,743
3,407
  • ※収集件数には、公民館27件を含む。

平成12年9月集中豪雨に伴う水害廃棄物処理について(愛知県)

1.平成12年9月豪雨(東海豪雨)による被災状況

  気象庁アメダス観測所、愛知県所管雨量観測所、および一部の建設省雨量観測所の観測値によると、平成12年9月11~12日の2日間で、名古屋市周辺のほか、三重県南部、愛知県西部の3カ所に、いずれも総降水量500mm以上を観測した多雨域が生じていたことが確認される。1時間降水量は、名古屋市で最大93mm(11日19時)、東海市で114mm(同)などとなっており、統計開始以来最も多い値となった。
  今回の災害では、63,000人以上の避難者があり、愛知県内の広範囲で浸水被害が発生したため県内の浸水家屋は約62,000棟を超え、21市町で災害救助法が適用された。
 <災害救助法適用団体>
  名古屋市、師勝町、豊明市、西枇杷島町、新川町、豊山町、半田市、刈谷市、大府市、岩倉市、西春町、清洲町、大治町、甚目寺町、東浦町、美浜町、春日井市、一宮市、東海市、阿久比町、稲武町(合計21市町)

2.災害廃棄物への対応について

 (1)災害廃棄物の発生量

   東海豪雨により県内で81,400トンの災害廃棄物が発生した。
   これは、記録的な豪雨による浸水被害のため短期間に大量の廃棄物が発生し、被災地域では仮設の集積場として指定した公園に、畳類、洗濯機や冷蔵庫等の家電製品、布団、ベッド、自転車などのあらゆるごみが持ち込まれ満杯状態となり、悪臭やはえの発生を伴うなどの環境衛生上の2次的な問題も発生した。
   さらに道路上に粗大ごみが出され、新たな交通渋滞の原因ともなった。
   大部分の仮設の集積場では、可燃物、洗濯機や冷蔵庫類の家電製品、粗大ごみの3分別程度のヤードを区分して一時保管されたが、一部の仮設集積場では全く分別の行われない集積場も見受けられた。

■県内の災害廃棄物発生量の内訳

市町村名
西枇杷島町
新川町
師勝町
大府市
東浦町
西春町
発生量(t)
23,014
6,464
3,877
2,616
1,200
642
 
豊明市
阿久比町
大治町
 
273
122
46
清洲町
春日町
知立市
刈谷市
一宮市
東海市
150
64
200
700
300
800
豊山町
甚目寺町
稲武町
名古屋市
合計
200
350
100
40,282
81,400
 (2)災害廃棄物の一時保管

   被災から5日後の9月16日から知多市新舞子沖の名古屋港南5区第Ⅱ工区が県内の災害廃棄物の一時保管場所に指定されたため、西枇杷島町はじめ2市7町から自衛隊はじめ多くのボランティアの協力の下、9月30日まで災害廃棄物が搬入された。
   被災地における多くの集積場は市街地の中の公園やグランドが当てられたため、悪臭の発生など衛生上の問題が懸念されたことから、市街地から離れた場所で大量の廃棄物が保管できる場所の選定が行われ、一部埋立が終了した廃棄物処分場である南5区が選定された。
   この一時保管場所では搬入された災害廃棄物は大きく「不燃物」と「その他」の2種類に分けて保管され、隣接する公園等からの景観への配慮や衛生的見地等から、積み上げ高さの制限等考慮して、3力所の災害廃棄物の山に分け保管し飛散防止のためネットにより覆いも施された。
   また、災害廃棄物は含水率が高く悪臭の発生、はえの発生等を防止するための消毒と脱臭剤の散布を行った。
   さらに、腐敗による発酵が進行し温度上昇が認められたため、自然発火による火災防止を目的に保管された災害廃棄物の温度管理を1日2回実施し、夜間パトロール等による監視も実施した。

■名古屋港南5区へ搬入された災害廃棄物

 
搬入車両数(台)
搬入量(kg)
搬入量構成比率
西枇杷島町
5,815
23,014,030
60.2%
新川町
1,036
6,463,990
16.9%
師勝町
909
3,877,180
10.2%
大府市
465
2,616,060
6.8%
東浦町
316
1,199,700
3.1%
西春町
161
641,410
1.7%
豊明市
66
272,740
0.7%
阿久比町
56
122,340
0.3%
大治町
17
45,460
0.1%
8,841
38,252,910
100%
 (3)災害廃棄物の処分方法

   一時保管された災害廃棄物の処理は、被災した関係2市7町で構成する協議会(名古屋港南5区災害廃棄物処理協議会)を設置し共同で処理を実施することとされた。
   さらに、具体的な処理業務については関係2市7町の担当者で構成するワーキンググループで災害廃棄物の分別・破砕処理の方策及び焼却施設・埋立処分場へ搬入する具体的な方策について協議され、南5区において分別・破砕処理後、県内市町村等の協力を得て焼却・埋立処分を行うこととした。一連の処理業務は民間業者と一括契約して11月20日から処理が開始された。災害廃棄物の分別処理は、重機を使用して金属類、畳類、処理困難物、可燃物等に粗分別した後、選別破砕処理を行い7種類程度に分別を行った。可燃物については、県内市町村等の協力を得て焼却処理し、焼却灰については(財)愛知臨海環境整備センターで埋立処分した。
   不燃物についても県内市町村等の協力を得て最終処分場で埋立処分した。
   また、処理困難物である冷蔵庫・エアコン類からは愛知県フロン回収処理推進協議会の協力を得てフロンを回収した後、破砕分別し不燃物については最終処分場で埋立処分した。
   その他畳類については堆肥化し、金属類とともに資源化された。
     (災害廃棄物の処理の記録(平成13年5月愛知県知多保健所)より抜粋・まとめ)

平成16年7月新潟・福島豪雨に伴う水害廃棄物処理について(三条市)

1.新潟豪雨による被災状況

  平成16年7月12日夜から13日にかけて、日本海から東北南部に停滞する梅雨前線の活動が活発化し、新潟・福島の両県で豪雨となった。特に、13日朝から昼過ぎにかけて、新潟県の長岡地域、三条地域を中心に非常に激しい雨が降った。三条市の13日の日降水量は、三条地域の一帯でこれまでの最大日降水量の記録を上回り、三条市を流れる五十嵐川の堤防が決壊し、未曾有の大水害となった。

■家屋被害

全壊
1世帯
3人
(平成17年5月1日現在)
市内総世帯数 32,954世帯
市内総人口 107,815人
市域面積 432.01km2
半壊
5,517世帯
17,257人
一部損壊
0世帯
0人
床上浸水
487世帯
1,523人
床下浸水
1,431世帯
4,476人
  • *人数は平成16年8月1日現在の平均世帯人数から算出した。

2.水害廃棄物への対応について

 (1)災害廃棄物の排出量

   平成16年7月13日の豪雨により発生した災害廃棄物量は39,089トンにも及んだ。これは、平成15年度における三条市のごみ処理量(48,775トン)の約10か月分に当たる。

 (2)災害廃棄物の収集・処理

   災害廃棄物の収集に当たって、可燃ごみ・不燃ごみ・家具類・家電類に分別して排出するよう、広報チラシ・FMラジオ等で市民に周知を行ったが、汚水・泥水に浸かった災害廃棄物が多量であったこと、夏場で腐敗が早く進み異臭が発生してきたこともあり、分別の徹底が図られず路上等に一斉に排出された。そのため、収集車が通れない程の災害廃棄物が路上に搬出されたこともあり収集作業は困難を極めたが、17日から市内の一般廃棄物収集運搬業者を始め、県内の産業廃棄物収集運搬業者、近隣市町村の建設業者、ボランティア団体等の協力を得て、本格的に災害廃棄物の収集を開始し、市内4か所に設けた仮置場(信濃川河川敷(旧三条競馬場跡地)、金子新田工業団地広場、道心坂最終処分場、清掃センター)ヘ運搬した。
 (なお、17日からの1週間は、24時間フル回転で収集・運搬作業を行った。)
その後、7月末で、当初排出された災害廃棄物の収集を終えたが、回収済みの路上等に(住家の敷地内等に一時的に排出されてあった災害廃棄物が)再度排出されたため、8月上旬に再度収集を行い、最終的には、9月上旬に収集作業を完了した。
   なお、収集作業と併行して、道路上等に排出、堆積された災害廃棄物や仮置場に集積された災害廃棄物について消臭・害虫駆除作業を随時行った。
   集められた災害廃棄物の量は39,089トンにものぼり、また、分別収集が図られず混載状態での収集となったため、民間業者に委託し、仮置場内で可燃ごみ、不燃ごみ、金属ごみ、木くず、家電等に分別作業(主として機械分別)を行った。その後、可燃ごみは県で調整した市町村・一部事務組合のごみ焼却施設で3,371トンを焼却処理し、不燃残渣等は主に県環境保全事業団(エコパーク)や県外の民間処理場で26,078トンの埋立処理を行った。金属くず・廃プラスチックは原料として、木くずはチップ化し燃料としてそれぞれ再資源化し、テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・エアコン・洗濯機(合計:3,052台)は家電リサイクル法のルートで資源化した。

■災害廃棄物の収集量及び収集作業に係る人員・車輌数

月日
災害廃棄物(トン)
作業人員(人)
作業車輌等(台)
7月16日
223
27
51
7月17日
724
132
83
7月18日
1,586
178
155
7月19日
2,168
158
340
7月20日
1,753
180
187
7月21日
2,005
262
274
7月22日
2,084
266
293
7月23日
2,305
362
333
7月24日
1,831
372
315
7月25日
1,564
264
293
7月26日
2,020
380
354
7月27日
2,016
428
361
7月28日
2,007
448
361
7月29日
1,906
362
359
7月30日
1,297
147
267
7月31日~
13,600
757
2126
3月31日
仮置き場への収集完了
合計
39,089
4,725
6,152
  • ※災害廃棄物の収集については 9月10日にほぼ完了したので、人員、車輌等はその時点で捕捉した。
■3月31日段階における各集積所への総搬入量

集積所
搬入量(トン)
旧三条競馬場跡地
28,173
金子新田工業団地広場
4,706
道心坂最終処分場
4,008
清掃センター
2,202
合計
39,089
 (3)収集・処理体制

   生活環境課が中心となって、県及び市関係課と連携し一般廃棄物収集業者、産業廃棄物収集業者をはじめ近隣市町村建設業者に災害廃棄物の収集・運搬を委託し、早期の生活環境の保全を図った。
   また、自衛隊や東京23区清掃協議会のボランティアによる収集・運搬の協力を得るとともに、近隣市町村からは、収集・運搬と併せて仮置き場の管理等の協力を得た。その他、一般の収集作業ボランティアは市災害ボランティアセンターで受付して、収集作業日程等を勘案し、重機が入りにくい小路等を中心にバスでの移送を行い収集作業に協力してもらった。(7月23日から8月1日まで)
   災害廃棄物の要処理量が大量であったため、自区内処理施設である三条地域広域清掃センター(現三条市清掃センター)の処理能力(清掃センターでは焼却処理と不燃物の破砕処理)を大幅に超えており、可燃ごみについては、県で調整した県内市町村・一部事務組合に、その他の災害廃棄物については、県内外の民間処理業者に処理委託を行った。
   また、災害廃棄物のスムースな収集・運搬を確保するため、新潟県警察本部の交通規制への全面的な協力を得た。

 (4)災害し尿の収集

   災害により必要となった便槽からの汲取りは、市(緊急臨時し尿収集車)・委託業者・許可業者で、7月14日から収集をはじめ、8月31日でほぼ収集を完了した。
   なお、水害緊急時のため、1件(便槽1箇所)当たり、1801を限度として収集を実施した。
   し尿処理は、自区内処理施設である中越衛生処理施設組合で行った。

■し尿収集件数及び収集量

収集件数
収集量(kl)
3,410
479.1

平成16年8月30日台風第16号に伴う水害廃棄物処理について(高松市)

1.台風第16号による高潮被災状況

  平成16年8月30日夜半から31日早朝にかけての台風16号により,大潮の満潮時期と台風通過時期が重なったため,高松港最高潮位が過去最高のTP246cm(警戒潮位182cm)に達し,高松市の沿岸部の広範囲にわたって大規模な海水の浸水による未曾有の高潮災害により多くの床上・床下浸水世帯が発生した。
  市内の一部地域では,大型排水ポンプによる連続排水を行ったにもかかわらず,9月1日まで海水が引かず,1昼夜以上冠水状態が続いた。

■家屋被害

全壊
― 世帯
― 人
(平成17年4月1日現在)
市内総世帯数 141,969世帯
市内総人口 338,238人
市域面積 194.34km2
半壊
― 世帯
― 人
一部損壊
― 世帯
― 人
床上浸水
3,538世帯
8,591人
床下浸水
12,023世帯
25,830人

2.水害廃棄物への対応について

 (1)災害廃棄物の排出量

   平成16年8月30日の台風第16号により発生した災害廃棄物量は約23,123トンに達した。これは、平成15年度における高松市のごみ処理量(153,964トン)の約2か月分に当たる。また,海水による被災のため,海水を洗浄・乾燥しても残留する塩分により使用できなくなる家財等が多く発生し,このため長期間にわたって廃棄物の排出が続いた。

 (2)災害廃棄物の収集・処理

   8月31日朝から被災状況の把握に努め,当初は次々に海水が引いた地区から混合状態で排出された廃棄物が無秩序に路上にあふれる状態であったが,分別と集積について自治会・広報車等による周知を行った。
   収集業務については,直営車輌のほか,委託業者,一般廃棄物収集運搬業者,建設業協会等の関係団体,自衛隊等の協力をはじめ,県内市町,高知市からの応援により,土日を含めた連日の収集作業を行い,被災地域から早期に災害廃棄物を収集することができた。
   また,市内臨海部3箇所(高松市東部下水処理場,香川県西部浄化センター,香西地区埋立地)に仮集積所を設置し,被災地からの効率的な収集・運搬を行うとともに,仮集積所内での分別および大型車輌への積替えにより,効率的な処分場への搬出を行った。
   なお,被災後最初の休日にあたる9月4日,5日には,被災地区全域に各種団体のボランティア,市職員を集中的に動員し,被災家屋からの災害廃棄物の搬出,収集等を行った。

■災害廃棄物の収集量及び収集作業に係る人員・車輌数

月日
災害廃棄物(トン)
作業人員(人)
作業車輌等(台)
8月31日
80
148
61
9月1日
788
537
201
9月2日
3,149
1,470
571
9月3日
7,891
1,407
563
9月4日
5,181
2,159
663
9月5日
1,664
822
216
9月6日
927
545
218
9月7日
280
274
117
9月8日
683
265
107
9月9日
153
429
189
9月10日
109
435
193
9月11日
138
305
140
9月12日
116
317
146
9月13日
54
281
134
9月14日
47
277
132
9月15日~
1,863
2,359
1,117
9月18日
仮置き場への収集完了
合計
23,123
12,030
4,768
  • ※災害廃棄物の収集については9月18日にほぼ完了したので、人員、車輌等はその時点で捕捉した。
■9月18日段階における各集積所への総搬入量

集積所
搬入量(トン)
東部下水処理場
13,678
西部浄化センター
2,642
香西地区埋立地
6,803
合計
23,123
 (3)収集・処理体制

   廃棄物行政を所管する環境部が中心となり,特に収集部門を担当する環境業務センター環境業務課が主体となって,直営,委託,許可業者および建設業協会等関係団体との連絡調整,排出状況の把握,収集作業計画等を担当し,効率的で迅速な収集に努めた。
   災害ごみの収集については,直営車輌,委託業者のほか,一般廃棄物収集運搬業者,建設業協会等関係団体に委託して業務を行った。
   また,自衛隊,県内各市町,高知市からの応援のほか,各種団体からも人員,車輌等の応援をいただいた。
   災害廃棄物の多くの部分を占める家具類,畳,家電製品,布団などは,小型のバックフォーによりトラックへの積込みを行い,作業の効率化を図った。このため,運搬車輌,建設作業機械,作業員によるチーム編成により,機動的な配置,多量排出地区への集中投入による迅速な回収に努めた。なお,道路上での建設作業機械の稼動については,ガードマンを配置し,作業の安全確保にも努めた。
   災害廃棄物の処理については,中間処理施設での焼却処理のほか,その大部分は最終処分場において埋立処分を行った。各施設においては,災害ごみの搬入,被災者からの直接持ち込みに対応するため,受付時間の延長,休日受付等の体制をとって対応した。
   被災地区から収集した災害廃棄物については,被災地域からの回収効率および処分場への輸送効率を上げるため,3箇所に設置した仮集積所に搬入し,大型車輌に積み替えて処分場に搬送した。また,仮集積所内で家電4品目,その他金属類,処理困難物等の分別を行い,指定法人ルートには約3,500台の家電類を引き渡した。
   また,仮集積所設置期間中に,台風18号,21号が接近したため,台風の強風による災害廃棄物の飛散等2次被害を防止するための飛散防止対策および病害虫・悪臭等の発生を防止するための防疫作業を行った。

 (4)災害し尿の収集

   被災地区の大部分が下水道地区内であったため,災害による臨時のし尿収集は比較的少なかった。

■し尿収集件数及び収集量

収集件数
収集量(kl)
439件
245.9

平成16年10月20日台風第23号に伴う水害廃棄物処理について(豊岡市) 

1.台風第23号による被災状況

  平成16年10月20日13時頃に高知県土佐清水市に上陸した台風第23号は、広い暴風圏を維持したまま、近畿、中部、関東地方を通過し、全国的に暴風雨をもたらした。特に、20日午後には、兵庫県の但馬地域を中心に非常に激しい雨が降った。豊岡市の降り始めからの24時間最大雨量は、256mmにのぼり、市内中心部を流れる円山川が決壊し、人的・住家被害のほか土砂崩れなど甚大な被害が発生した。

■家屋被害

全壊
396世帯
1,137人
(平成17年3月31日現在)
市内総世帯数 16,492世帯
市内総人口 47,279人
市域面積 162.35km2
半壊
3,224世帯
9,253人
一部損壊
200世帯
574人
床上浸水
309世帯
887人
床下浸水
2,394世帯
6,871人
  • *人数は平成17年3月31日現在の平均世帯人数から算出した。

2.水害廃棄物への対応について

 (1)災害廃棄物の排出量

   平成16年10月20日の台風第23号により発生した災害廃棄物量は25,518トンにも及んだ。これは、平成14年度における豊岡市のごみ処理量(21,980トン)の約1年2ヶ月分に当たる。

 (2)災害廃棄物の収集・処理

   災害廃棄物の排出にあたり、市民に対しては、防災行政無線により災害ごみは可燃ごみ(炉に直投できるごみ)と不燃ごみ(金属類及び粗大ごみ等)の2分別で、各地区区長の指定する場所(広場等)ヘ排出するよう周知した。あわせて区長に対しては、地区ごとに災害ごみの排出場所を定め区民に周知するよう要請した。しかし、区長自身が被災され、連絡の取れなかった地区や防災行政無線未整備の地区については、十分に情報伝達がなされず一部混乱が生じた。
   各地区の集積場に排出された災害廃棄物は地元業者等への委託によるほか、自治体応援、民間ボランティア等によって市内2箇所に設置した災害ごみ仮置場へ運搬した。仮置場については、発生した災害廃棄物の量が地元処理施設の処理能力をはるかに上回っていたため、10月23日に豊岡中核工業団地未分譲地、10月27日に但馬空港イベント駐車場を仮置場として設置し、効率的運搬に努めた。
   2分別で被災家庭から排出され、仮置場へ収集運搬された災害廃棄物については、仮置場において、さらに可燃ごみ、不燃ごみ、木質ごみ、家電製品、畳、タイヤの6種類に分別集積した。
   この際、不燃ごみとして排出された粗大ごみの内、家具・建具等の可燃系の粗大ごみは、可燃ごみとして集積したが、後処理を考え、炉に直投できる可燃ごみとは別に集積した。また、仮置場においては、できるだけ分別を促進すべく、市職員とシルバー人材センターの派遣職員を配置し、6分別ごとに車両の誘導を行い集積場所の指示を行った。
   仮置場への災害ごみの搬入終了後は、搬入した災害ごみを受入施設の処理基準に適合させるための再分別(重機及び人力)・破砕等の中間処理を民間業者委託により行った。
   災害廃棄物の処理施設への運搬については、受入施設が遠方の阪神間に多く、施設への搬入が1日1車1回となることから運搬効率等を勘案し、可能な限り10トン級の深ダンプなど大型車両での搬出を行った。
   具体的処理方法としては、可燃ごみ20,925.57トンは県の調整による協力自治体及び地元処理施設での焼却、不燃ごみ3,305.36トンは地元処理施設及び民間処理施設での処理・埋立、金属類1,027.74トン、廃タイヤ68.2トンは民間業者によるリサイクル、廃家電類は基本的には家電リサイクルルートによる処理(1,339台 約53.56トン)を行い、破損のひどいもの138.16トンについては専門業者によりフロン回収などを行ったうえで適正に処理した。

■災害廃棄物の収集量及び収集作業に係る人員・車輌数

月日
災害廃棄物(トン)
作業人員(人)
作業車輌等(延台数)
10月24日
1,346
10月25日
1,697
10月26日
1,771
10月27日
2,013
10月28日
2,071
10月29日
1,994
10月30日
1,929
10月31日
1,825
11月1日
1,271
11月2日
962
11月3日
715
11月4日
494
11月5日~
3,921
11月22日
仮置き場への収集完了
合計
25,518
22,009
  • ※自治体・民間業者応援は11月4日に終了し、委託業者による災害廃棄物の収集については11月22日にほぼ完了したので、車輌等(搬入車両延べ台数)はその時点で捕捉した。
  • ※災害廃物量・作業人員については把握できていない。災害廃棄物の合計欄に最終的な処理ごみ量を記載している。
■11月22日段階における各集積所への総搬入量

集積所
搬入量(トン)
中核工業団地仮置場
22,972
但馬空港仮置場
2,546
合計
25,518
 (3)収集・処理体制

   発生した災害廃棄物処理については生活環境課が中心となって行った。
   収集運搬については、兵庫県建設業協会豊岡支部、神戸市安全協力会への委託のほか、県内外の自治体、民間業者等の応援を得て行った。遠方からの応援団体で地理的に不慣れな場合は職員等の案内役をつけ、効率的な収集運搬に努めた。また、応援団体の効率的かつ安全な収集運搬のため作業時には交通整理等作業員を設置した。
   災害ごみ搬入時の仮置場における現場管理については市職員及びシルバー人材センター派遣職員が中心となり行った。仮置場においては、火災防止のための林縁部の木の伐採や、飛散防止・不法投棄防止のための仮囲いの設置など安全対策を講じた。膨大な量の災害ごみの中間処理の方法・最終的な処理先など具体的な処理計画の検討については財団法人兵庫県環境クリエイトセンターに委託し行った。
   約23,000トンもの災害廃棄物を集積した豊岡中核工業団地における中間処理は指名競争入札(結果的には不落随契)により民間業者に委託した。また、中間処理においては2軸式破砕機(柔軟系要破砕物を対象)1台、回転式破砕機(木質系要破砕物を対象)1台を市が借上げ設置し、処理の効率化に努めた。
   災害廃棄物のうち、可燃ごみについては、県の調整により協力自治体において処理を行った。また、廃タイヤ・金属類などについては可能な限り専門業者により再資源化を図った。廃家電についても可能な限り家電リサイクルルートによる再資源化処理に努めた。

 (4)災害し尿の収集

   被災家屋の便槽汲取りは、委託業者、自治体応援等により、10月22日から収集をはじめ、10月28日でほぼ収集を完了した。
   なお、水害により同時多発的に便層が浸水したため、便槽1箇所当たり、360lを限度として収集を実施した。

■し尿収集件数及び収集量

収集件数
収集量(kl)
1326
533.21
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