法令・告示・通達

浄化槽法の施行について

  • 公布日:昭和60年9月27日
  • 生衛517号

(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生事務次官通知)

 浄化槽法(昭和五八年法律第四三号)は、昭和五八年五月一八日に公布され、同年一一月一七日からその一部が施行されるとともに、本年一〇月一日から全面施行されることとされている。
 浄化槽によるし尿処理人口が三〇〇〇万人近くに及ぶに至つた今日、浄化槽の適正な設置及び維持管理が確保され、浄化槽によるし尿等の処理が適正に行われることは、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る上で極めて重要である。
 ついては、浄化槽法の運用に当たつては、左記事項に十分留意の上、関係部局相互の連絡調整に十分留意するとともに、関係法令との関係をも考慮し、管下市町村等の指導を含めその施行に万全を期せられたく、命により通知する。

第一 法律制定の趣旨及び背景

  近年、生活水準の向上に伴い、便所の水洗化に対する国民の要請が高まりつつあるが、下水道の整備に財政的及び時間的な制約がみられることから、水洗化人口の半数以上が浄化槽に依存しており、今後とも浄化槽が生活環境の保全に果たす役割は重要であると考えられる。
  浄化槽は、従来、その構造については建築基準法により規制され、また、保守点検、清掃等の維持管理については廃棄物の処理及び清掃に関する法律により規制されてきたところであるが、浄化槽の設置、保守点検、清掃等の適正を欠くため、浄化槽からの放流水が公共用水域の汚濁源となる場合が少なくない状態にある。このため、浄化槽に関する包括的な制度を整備し、浄化槽の製造、設置、保守点検及び清掃にわたる一連の過程において所要の規制を強化するほか、浄化槽の設置及び管理に関係する者の義務を明確にするとともに、その資格制限を創設することにより、浄化槽によるし尿等の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るために本法が制定されたものである。

第二 総則的事項

 1 目的

   本法は、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制するとともに、浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度を整備し、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により、浄化槽によるし尿等の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とするものであること。

 2 浄化槽の定義

   本法の適用対象となる浄化槽の範囲を明らかにするため、浄化槽の定義を行つたこと。

第三 浄化槽の設置等に関する事項

  1.  1 浄化槽の設置等を行う場合は、建築確認を申請すべき場合を除き、都道府県知事(保健所設置市にあつては市長とする。第四の2を除き、以下同じ。)及び特定行政庁に届け出なければならないこと。なお、特定行政庁に届け出る場合には、都道府県知事を経由しなければならないこと。
  2.  2 浄化槽の設置等の届出を受理した都道府県知事又は特定行政庁は、必要があると認めるときは、当該届出を受理した日から二一日(建設大臣の型式認定を受けた浄化槽にあつては一〇日)以内に、必要な勧告又は設置等の計画の変更若しくは廃止命令を行うことができること。
  3.  3 浄化槽工事は、厚生省令・建設省令で定める技術上の基準に従つて行わなければならないこと。
  4.  4 浄化槽の設置等を行つた場合、浄化槽管理者は、使用開始後六月を経過した日から二カ月以内に指定検査機関による水質検査を受けなければならないこと。

第四 浄化槽の保守点検及び清掃等に関する事項

 1 浄化槽管理者の義務

  1.   (1) 浄化槽管理者は、厚生省令で定める技術上の基準に従い、年一回(厚生省令で定める浄化槽については、厚生省令で定める回数)浄化槽の保守点検及び清掃を行うとともに、第三の4の設置後等の水質検査及び年一回の定期検査を受けなければならないこと。
        なお、保守点検及び清掃に係る技術上の基準及び回数については、昭和五九年三月三〇日に公布された厚生省関係浄化槽法施行規則(昭和五九年厚生省令第一七号)において規定したこと。
  2.   (2) 浄化槽管理者は、条例で保守点検業者の登録制度が設けられている場合は当該登録を受けた者に、また、設けられていない場合は浄化槽管理士に、浄化槽の保守点検を委託することができること。
  3.   (3) 浄化槽管理者は、浄化槽の清掃を浄化槽清掃業者に委託することができること。
  4.   (4) 政令で定める規模の浄化槽の浄化槽管理者にあつては、保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当する技術管理者を置かなければならないこと。
        なお、当該規模については、本年八月二日に公布された浄化槽法第一〇条第二項の技術管理者を置くべき浄化槽の規模を定める政令(昭和六〇年政令第二四五号)において規定したこと。

 2 指定検査機関

   浄化槽の設置後等の水質検査及び定期検査は、厚生大臣又は都道府県知事が指定する指定検査機関が行うこと。

 3 浄化槽管理士、浄化槽の保守点検業者の登録及び浄化槽清掃業

  1.   (1) 浄化槽の適正な保守点検を確保するため、厚生大臣が免状を交付する浄化槽管理士制度を創設したこと。
  2.   (2) 都道府県(保健所設置市にあつては市とする。)は、条例で、都道府県知事の登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業としてはならないとする制度を設けることができること。
  3.   (3) 浄化槽清掃業の許可は、従来どおり市町村長の許可によること。

 4 都道府県知事による指導、監督等

   都道府県知事は、第三の2の勧告権限を有するほか、設置後の浄化槽の保守点検又は清掃が適正を欠く等の場合は、必要な助言、指導又は勧告及び改善措置又は使用停止命令並びに関係業者等に対する報告徴収、立入検査等を行うことができること。

第五 その他

  浄化槽の型式の認定、浄化槽工事業に係る登録制度、浄化槽設備士制度等については、昭和六〇年七月一九日付け建設事務次官通達等によられたいこと。

ページ先頭へ