法令・告示・通達

建築基準法施行令第一三〇条の二第一項の改正について

公布日:平成5年06月25日
衛産46号

(各都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長通知)

 都市計画法施行令及び建築基準施行令の一部を改正する政令(平成五年政令第一七〇号)が、去る五月一二日に公布され、六月二五日から施行された。今回の政令改正には、建築基準法施行令(昭和二五年政令第三三八号)第一三〇条の二第一項の改正が含まれているが、同項は建築基準法(昭和二五年法律第二〇一号)第五一条本文の規定の適用が除外される小規模の処理施設の用に供する建築物の範囲を定めるものであり、また、この処理施設には廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号)による産業廃棄物処理施設が含まれることから、今回の政令改正により産業廃棄物の処理施設のうち建築基準法第五一条本文の規定の適用が除外されるものの範囲が拡大されたものである。同政令第一三〇条の二第一項の改正の考え方、内容等は左記のとおりであるので、産業廃棄物処理施設の設置の許可業務を遂行するに当たっての参考とされたい。

第一 改正の趣旨

  これまで建築基準法においては、産業廃棄物処理施設について小規模のものまで都市計画における敷地位置の決定等を求めていたが、工業地域及び工業専用地域については、地域の特性に鑑み、周辺地域への影響について適切に配慮しつつ、当該施設の設置の円滑化を図るため、規制の合理化を行うものである。

第二 改正の考え方

  現行の建築基準法第五一条の規定が適用される「処理施設」には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第一五条第一項に規定する産業廃棄物処理施設(産業廃棄物の最終処分場を除く。左記第四―一を参照)に該当しない産業廃棄物の処理施設が含まれないこととされていたが、今回の政令改正においては、工業地域又は工業専用地域において設置される産業廃棄物処理施設のうち、産業廃棄物に係る特定施設の整備の促進に関する法律(平成四年法律第六二号)による特定債務保証対象施設以外の特定施設の規模(具体的には、産業廃棄物に係る特定施設の整備の促進に関する法律第二条第二項に規定する特定施設の整備に関する基本指針(平成四年厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、建設省、自治省告示第一号)二―2―(二)に規定)以下の処理施設については、建築基準法施行令第一三〇条の二第一項により、建築基準法第五一条本文の規定の適用を除外するようにしたものであり、実質的に裾きり基準の引き上げを行ったものである。

第三 改正の内容

  1.  (一) 工業地域又は工業専用地域内における産業廃棄物の処理施設の用途に供する建築物に係る新築、増築又は用途変更については、左記(二)に該当する場合を除き、処理能力(増築又は用途変更の場合にあっては、増築又用途変更後の処理能力)が(別表)に定める数値以下であるものを建築基準法第五一条本文の規定の適用除外とすること。(施行令第一三〇条の二第一項第三号関係)
  2.  (二) 建築基準法第五一条ただし書の規定による許可(特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て産業廃棄物の処理施設の敷地の位置が都市計画上支障がないと認めた場合における許可)を受けた産業廃棄物の処理施設の用途に供する建築物に係る増築又は用途変更については、当該増築又は用途変更後の処理能力が当該許可に係る建築又は用途変更後の処理能力の一・五倍以下又は(別表)に掲げる処理能力の一・五倍以下であるものを建築基準法第五一条本文の規定の適用除外とすること。
       また、同法第三条第二項の規定により既存の建築物として同法第五一条の規定の適用を受けない産業廃棄物の処理施設の用途に供する建築物に係る増築又は用途変更については、当該増築又は用途変更後の処理能力が初めて同条の規定の適用を受けるに至った際の処理能力の一・五倍以下又は(別表)に掲げる処理能力の一・五倍以下であるものを建築基準法第五一条本文の規定の適用除外とすること。(施行令第一三〇条の二第一項第六号関係)

第四 その他の留意事項

  1.  一 産業廃棄物の最終処分場については、そこに設けられる建築物等の規模・機能等の実態にかんがみ、従来通り建築基準法第五一条の適用対象とならないこと。
  2.  二 一般廃棄物の処理施設に係る同条の適用については、従来通りの取扱いとすること。


    別表
産業廃棄物処理施設の区分
現行
改正後
(1) 汚泥の脱水施設
10m3/日
30m3/日
(2) 汚泥の乾燥施設
 ((3)に掲げるものを除く。)
10m3/日
20m3/日
(3) 汚泥の天日乾燥施設
100m3/日
120m3/日
(4) 汚泥(PCB処理物であるものを除く。)の焼却施設
5m3/日
10m3/日
(5) 廃油の油水分離施設
10m3/日
30m3/日
(6) 廃油(廃PCB等を除く。)の焼却施設
1m3/日
4m3/日
(7) 廃酸又は廃アルカリの中和施設
50m3/日
60m3/日
(8) 廃プラスチック類の破砕施設
5トン/日
6トン/日
(9) 廃プラスチック類(PCB汚染物であるものを除く。)の焼却施設
0.1トン/日
1トン/日
(10) 水銀等を含む汚泥のコンクリート固型化施設
(全施設適用対象)
4m3/日
(11) 水銀又はその化合物を含む汚泥のばい焼施設
(全施設適用対象)
6m3/日
(12) 汚泥、廃酸又は廃アルカリに含まれるシアン化合物の分解施設
(全施設適用対象)
8m3/日
(13) 廃PCB等、PCB汚染物又はPCB処理物の焼却施設
(全施設適用対象)
0.2トン/日
(14) PCB汚染物の洗浄施設
(全施設適用対象)
0.2トン/日
(15) 産業廃棄物の焼却施設((4)、(6)、(9)及び(13)に掲げるもの除く。)
5トン/日
6トン/日