法令・告示・通達

海洋施設廃棄の許可の申請に関し必要な事項

  • 公布日:平成18年12月21日
  • 環境省告示153号

 廃棄物海洋投入処分の許可等に関する省令(平成十七年環境省令第二十八号)第十六条の規定に基づき、海洋施設廃棄の許可の申請に関し必要な事項を次のように定め、平成十九年四月一日から適用する。

   海洋施設廃棄の許可の申請に関し必要な事項を定める件

第1.趣旨

  この告示は、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号。以下「法」という。)に基づく海洋施設廃棄の許可の申請手続が適正に行われるよう、必要な事項を定めるものである。
  この告示は、海洋環境に関する今後の科学的知見の充実又は海洋環境の保全に関する国際的な動向等を踏まえ、必要に応じて見直しを行うものとする。

第2.許可申請書の記載に当たっての留意事項

 1 申請者の記載に当たっての留意事項

   法第43条の2第1項の海洋施設を海洋に捨てようとする者(以下「海洋施設廃棄許可申請者」という。)は、当該海洋施設を廃棄する事業者(以下「廃棄事業者」という。)とする。
   また、代理人による許可申請の場合にあっては、許可申請書に、委任状その他の代理権の範囲を明らかにする書類の写しを添付するものとする。
   海洋施設廃棄許可申請者が事業者を構成員とする団体で法人格を有しないものその他の法人格を有しない社団又は財団である場合にあっては、許可申請書に、当該団体の構成員及び代表者又は管理人を記載した書類並びに規約、会則その他の当該団体の活動内容等を記載した書類を添付するものとする。

 2 海洋に捨てようとする海洋施設の概要の記載に当たっての留意事項

   法第43条の2第2項第2号に基づき許可申請書に記載する海洋に捨てようとする海洋施設の概要は、法第18条の3に基づいてした当該海洋施設の設置の届出の内容に従い、海洋施設の名称、用途、設置位置及び規模等を記載するものとする。

 3 海洋施設の廃棄に関する実施計画に係る事項の記載に当たっての留意事項

  (1) 海洋施設の廃棄の時期

    当該海洋施設を廃止する時期及び当該海洋施設の廃棄の時期を記載するものとする。この際、廃棄の時期は最長でも6月を超えない範囲内で記載するものとする。

  (2) 海洋施設の廃棄海域

    廃棄物海洋投入処分の許可等に関する省令(平成17年環境省令第28号。以下「許可省令」という。)第12条第2項第2号に基づき同省令第13条第1項の規定に従い定めた当該海洋施設の廃棄海域を、緯度及び経度により示すこと等により分かりやすく記載するものとする。なお、許可省令第12条第4項の規定に基づき、当該海洋施設の廃棄海域の位置及び範囲を示す図面を添付するものとする。

  (3) 海洋施設の廃棄方法

    許可省令第12条第2項第3号に基づき同省令第13条第2号の規定に従いに定める採用した海洋施設の廃棄方法について、次の1)から3)までに掲げる海洋施設の廃棄方法の区分に応じ、当該1)から3)に掲げる事項について、図面を用いるなど適宜の方法により分かりやすく記載するものとする。

  1.     1) 海洋施設のうち海面上に存する主要な設備部分等(以下「上載設備等」という。)の全部及び上載設備等を支持する構造物(以下「架台等」という。)の全部又は大部分を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等を残置する場合
          この際、廃棄される海洋施設中に残油等その他の浮上する可能性のあるものが残されていないこと、埋設等の適切な手段を講じていることから廃棄される海洋施設自体が浮上又は移動する可能性がないこと並びに廃棄される海洋施設が船舶航行の安全の支障とならないことを示すものとする。
  2.     2) 海洋施設のうち上載設備等の全部を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等の全部又は大部分を残置せずに海洋に捨てる場合
          この際、廃棄される海洋施設中に残油等その他の浮上する可能性のあるものが残されていないこと、廃棄される海洋施設の水中重量等から廃棄される海洋施設自体が浮上又は移動する可能性がないこと並びに廃棄される海洋施設が船舶航行の安全の支障とならないことを示すものとする。
  3.     3) 海洋施設のうち上載設備等の全部又は一部を海洋に捨てる場合
          この際、廃棄される海洋施設中に残油等その他の浮上する可能性のあるものが残されていないこと、廃棄される海洋施設の水中重量等から廃棄される海洋施設自体が浮上又は移動する可能性がないこと並びに廃棄される海洋施設が船舶航行の安全の支障とならないことを示すものとする。
          なお、上載設備等の全部又は一部を撤去することが困難である理由及び廃棄される海洋施設の内容物の漏洩等が生じないように講じた措置について示すものとする。

 4 海洋施設の廃棄海域の汚染状況の監視に関する計画に係る事項の記載に当たっての留意事項

  (1) 監視項目及び監視の方法

    第4.1に定めるところにより、監視項目及び当該監視項目に係る監視の方法について記載するものとする。また、監視項目は、次の1)及び2)に掲げる事項とする。

  1.     1) 海洋施設廃棄の実施状況に関する事項
    1.      ① 廃棄される海洋施設の量の実績
    2.      ② 実際に廃棄を実施した時期(年月日又は期間)
  2.     2) 海域の汚染状況に関する事項
  (2) 監視の実施時期及び実施頻度

    第4.2に定めるところにより、監視項目ごとに監視の実施時期及び実施頻度について記載するものとする。

第3.許可申請書の添付書類の記載に当たっての留意事項

 1 海洋に捨てる以外に適切な処分の方法がないものであることを説明する書類の記載における留意事項

   当該書類には、海洋に捨てる以外に適切な処分の方法がないものであることを明らかにするため、次の(1)及び(2)に掲げる事項を記載するものとする。この際、廃棄される海洋施設の量の最小化(上載設備等の再利用及び陸上での処分等を含む。)を図っていることを記載するものとする。
   なお、海洋施設の全部又は一部を海洋に捨てる場合には、海洋に捨てる場合及び陸上に撤去する場合の海洋環境への影響を定性的に比較し、海洋に捨てる場合のほうが海洋環境保全の見地からより適切であることを記載するものとする。

  (1) 廃棄される海洋施設の量の最小化に関する取組

    廃棄される海洋施設の有効利用(再資源化等及び再活用を含む。)等、上載設備等、架台等及びパイプライン等の撤去される海洋施設全体に関し、廃棄される海洋施設の量を削減するための取組について記載するものとする。また、当該取組による廃棄される海洋施設の量の削減効果が分かるように記載するものとする。国内外で実用化されている既知の海洋施設の有効利用等に関する技術又は手法(以下「有効利用技術等」という。)又は申請している許可期間内に実用化が見込まれる有効利用技術等がある場合において、これらを採用することができないときは、その理由についても記載するものとする。

  (2) 廃棄される海洋施設の量の見通し等

    (1)の取組の結果を踏まえ、廃棄される海洋施設の有効利用等を最大限行っても海洋に捨てざるを得ない量を記載するものとする。

 2 海洋施設を海洋に捨てることが海洋環境に及ぼす影響についての調査の結果に基づく事前評価に関する事項を記載した書類(以下「事前評価書」という。)の記載に当たっての留意事項

   事前評価書には、海洋施設を海洋に捨てることが海洋環境に及ぼす影響についての調査の結果に基づく事前評価(以下「事前評価」という。)を実施し、その結果を踏まえ、次の(1)から(3)までに掲げる海洋施設の廃棄方法の区分に応じ、当該(1)から(3)までに掲げる事項について記載するものとする。

  (1) 海洋施設のうち上載設備等の全部及び架台等の全部又は大部分を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等を残置する場合
   1) 廃棄される海洋施設の特性
  1.     ① 海洋施設の特性に関し把握すべき情報
          海洋施設の特性に関し、次のアからオまでに掲げる情報を把握するものとする。
    1.      ア 当該海洋施設の主要な材質及び構造、塗装、防食陽極等
    2.      イ 当該海洋施設の大きさ(径、長さ、容積、重量等)
    3.      ウ 当該海洋施設を廃棄する際の状態(密閉方法、固定の状態、残置パイルの打ち込みの深さ等)
    4.      エ 当該海洋施設の廃棄後に浮遊又は移動を生じさせないための措置及び根拠等
    5.      オ 当該海洋施設の運用期間中に生じた事象
  2.     ② 把握の方法
          ①の情報については、海洋施設廃棄許可申請者が有する知見、最新の調査研究の成果その他の資料を収集することにより把握することを基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取し、又は当該海洋施設に係る試料の分析等を行うことにより把握するものとする。
  3.     ③ 廃棄される海洋施設の特性の総括
          事前評価書には、①のアからオまでに掲げる情報を把握した結果をそれぞれ記載するとともに、これらの情報に基づき、廃棄される海洋施設の特性を総括し、記載するものとする。
   2) 事前評価項目

     海洋施設の特性並びに許可省令第13条において規定する廃棄海域及び廃棄方法に関する基準にかんがみ、次の①及び②に掲げる項目を事前評価項目とし、事前評価書に記載するものとする。

  1.     ① 生態系
    •      ・ 藻場、干潟、サンゴ群落その他の脆弱な生態系の状態
    •      ・ 重要な生物種の産卵場又は生育場その他の海洋生物の生息又は生育にとって重要な海域の状態
    •      ・ 熱水生態系その他の特殊な生態系の状態
  2.     ② 海洋の利用
    •      ・ 海水浴場その他の海洋レクリエーションの場としての利用状況
    •      ・ 海中公園(自然公園法(昭和32年法律第161号)第24条第1項に基づき指定された海中公園地区をいう。以下同じ)その他の自然環境の保全を目的として設定された区域としての利用状況
    •      ・ 漁場としての利用状況
    •      ・ 主要な航路としての利用状況
    •      ・ 海底ケーブルの敷設、海底資源の探査又は掘削その他の海底の利用状況
   3) 事前評価の実施

     事前評価の実施に当たっては、次の①から⑤までの項目ごとに、当該①から⑤までに掲げる事項について記載するものとする。

  1.     ① 海洋環境影響調査項目の設定
          海洋環境影響調査項目は、2)に掲げる事前評価項目と同様とし、事前評価書に記載するものとする。
  2.     ② 自然的条件の現況の把握
    1.      ア 海洋施設の廃棄海域及びその周辺の海域において、海洋環境に及ぼす影響の事前評価をする上で必要な次に掲げる自然的条件の現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      •       ・ 水深
      •       ・ 気象及び海象
    2.      イ アの自然的条件の現況に関する情報については、事業者の有する資料、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価(法第43条の4において準用する同法第10条の6第3項に基づく環境影響評価を含む。以下同じ。)において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取することにより把握するものとする。
             なお、自然的条件の現況に関する情報に制約がある場合は、対象となる海域と類似性のある海域に関する情報に基づき対象となる海域における自然的条件の現況を推定することができるものとする。
  3.     ③ 海洋環境影響調査項目の現況の把握
    1.      ア 海洋環境影響調査項目に関し海洋施設廃棄の影響が及ぶと予測される海域(以下「影響想定海域」という。)は廃棄海域とし、その近傍の適切な範囲での環境の現況を把握する。
    2.      イ 各海洋環境影響調査項目について、次のaからcまでに掲げるところにより現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      1.       a 廃棄される海洋施設の現況調査の方法
                海洋施設のうち、残置する部分の現況について把握するものとする。この際、撤去工事時における記録等の事業者が既に有する情報によることを基本とし、必要に応じて現地調査等を実施して把握するものとする。
      2.       b 海洋環境の現況調査等の方法
                次に掲げる海域が影響想定海域及びその近傍に存在するか否かの観点から海洋環境の現況調査等を実施するものとする。
        •        ・ 藻場、干潟、サンゴ群落等脆弱な生態系及び熱水生態系その他の特殊な生態系が存在する海域
        •        ・ 重要な生物種の主要な産卵場、生育場若しくは回遊経路として知られた海域又は水産資源保護法(昭和26年法律第313号)第15条に基づき保護水面として指定された海域
        •        ・ 海水浴場、海中公園、主要な漁場、船舶航行路、海底ケーブル設置域、海底資源の存在する海域等海洋施設廃棄の影響を受けやすい海域
      3.       c a及びbの現況調査の方法により収集される海洋環境影響調査項目の現況に関する情報については、事業者の有する資料、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者からの聴取又は現地調査により把握するものとする。
                なお、影響想定海域における情報に制約がある場合は、影響想定海域と類似性のある海域に関する情報に基づき影響想定海域における海洋環境影響調査項目の現況を推定することができるものとする。
  4.     ④ 海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の方法
          事前評価項目の存在を明らかにするとともに、③において現況の把握を行った海洋環境影響調査項目のそれぞれについて、例えば、次のア及びイに掲げるところにより変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲を予測し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
    1.      ア 廃棄される海洋施設の設置以降の事象により、事前評価項目とした生態系又は海洋の利用に対して生じた影響の解析
    2.      イ 同種又は類似の既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は解析
  5.     ⑤ 海洋環境に及ぼす影響の程度の分析及び事前評価
          ④の海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の結果を踏まえ、海洋環境に及ぼす影響の程度について分析し、事前評価を行うものとする。
  (2) 海洋施設のうち上載設備等の全部を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等の全部又は大部分を残置せずに海洋に捨てる場合
   1) 廃棄される海洋施設の特性
  1.     ① 海洋施設の特性に関し把握すべき情報
          海洋施設の特性に関し、次のアからウまでに掲げる情報を把握するものとする。
    1.      ア 当該海洋施設の主要な材質及び構造、塗装、防食陽極等
    2.      イ 当該海洋施設の大きさ(径、長さ、容積、重量等)
    3.      ウ 当該海洋施設の廃棄後に浮遊又は移動を生じさせないための措置及び根拠等。特に、切断したパイプライン等のような小型のものを廃棄する場合には、当該海洋施設が浮遊又は移動を生じないための措置及び根拠等
  2.     ② 把握の方法
          ①の情報については、海洋施設廃棄許可申請者が有する知見、最新の調査研究の成果その他の資料を収集することにより把握することを基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取し、又は当該海洋施設に係る試料の分析等を行うことにより把握するものとする。
  3.     ③ 海洋施設の特性の総括
          事前評価書には、①のアからウまでに掲げる情報を把握した結果をそれぞれ記載するとともに、これらの情報に基づき、廃棄される海洋施設の特性を総括し、記載するものとする。
   2) 事前評価項目

     海洋施設の特性並びに許可省令第13条において規定する廃棄海域及び廃棄方法に関する基準にかんがみ、次の①から⑤までに掲げる項目を事前評価項目とし、事前評価書に記載するものとする。

  1.     ① 水環境
    •      ・ 有害物質等による海水の汚れ(ただし、廃棄される海洋施設に殺生物性のある防汚塗装が用いられている場合に限る。)
  2.     ② 海底環境
    •      ・ 底質の粒径組成
    •      ・ 底質の有機物質の量
    •      ・ 有害物質等による底質の汚れ(ただし、廃棄される海洋施設に殺生物性のある防汚塗装が用いられている場合に限る。)
    •      ・ 海底地形
  3.     ③ 海洋生物
    •      ・ 付着生物を含む底生生物の生息状況(廃棄海域において付着生物の生息状況を把握することが困難な場合には、廃棄する海洋施設に付着している生物相)
    •      ・ 有害物質等による廃棄海域の代表的な魚類及び底生生物の汚染(ただし殺生物性及び生物蓄積性のある防汚塗装に限る。)
  4.     ④ 生態系
    •      ・ 藻場、干潟、サンゴ群落その他の脆弱な生態系の状態。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらが存在しないことが明らかな場合には、事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 重要な生物種の産卵場又は生育場その他の海洋生物の生息又は生育にとって重要な海域の状態
    •      ・ 熱水生態系その他の特殊な生態系の状態
  5.     ⑤ 海洋の利用
    •      ・ 海水浴場その他の海洋レクリエーションの場としての利用状況。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらが存在しないことが明らかな場合には、事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 海中公園その他の自然環境の保全を目的として設定された区域としての利用状況。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらが存在しないことが明らかな場合には事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 漁場としての利用状況
    •      ・ 主要な航路としての利用状況
    •      ・ 海底ケーブルの敷設、海底資源の探査又は掘削その他の海底の利用状況
   3) 事前評価の実施

     事前評価の実施に当たっては、次の①から⑤までの項目ごとに、当該①から⑤までに掲げる事項について記載するものとする。

  1.     ① 海洋環境影響調査項目の設定
    海洋環境影響調査項目は、2)に掲げる事前評価項目と同様とし、事前評価書に記載するものとする。
  2.     ② 自然的条件の現況の把握
    1.      ア 海洋施設の廃棄海域及びその周辺の海域において、海洋環境に及ぼす影響の事前評価をする上で必要な次に掲げる自然的条件の現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      •       ・ 水深
      •       ・ 流況
      •       ・ 気象及び海象
    2.      イ アの自然的条件の現況に関する情報については、事業者の有する資料、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取することにより把握するものとする。
             なお、自然的条件の現況に関する情報に制約がある場合は、対象となる海域と類似性のある海域に関する情報に基づき対象となる海域における自然的条件の現況を推定することができるものとする。
  3.     ③ 海洋環境影響調査項目の現況の把握
    1.      ア ②において把握した自然的条件に基づき、影響想定海域を設定する。
    2.      イ 各海洋環境影響調査項目のそれぞれについて、次のaからcまでに掲げるところにより現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      1.       a 水環境に関する項目及び海底環境に関する項目
                それぞれの項目につき、影響想定海域の内外において、海洋環境に及ぼす影響の事前評価をする上で適切かつ効果的な複数の測点を設定し、適当な指標を用いて現況を記載するものとする。
      2.       b 海洋生物に関する項目、生態系に関する項目及び海洋の利用に関する項目
                それぞれの項目につき、海洋生物の種類及び数量、海洋生物の生息又は生育にとって重要な海域の存在範囲その他の影響想定海域内の現況を把握する。
      3.       c a及びbの海洋環境影響調査項目の現況に関する情報については、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者からの聴取又は現地調査により把握するものとする。
                また、季節による変動を把握する必要がある場合には、適切に把握できるよう調査の時期を設定するものとする。
                なお、影響想定海域における情報に制約がある場合は、影響想定海域と類似性のある海域に関する情報に基づき影響想定海域における海洋環境影響調査項目の現況を推定することができるものとする。
  4.     ④ 海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の方法
          影響想定海域の設定の方法及びその範囲を明らかにするとともに、③において現況の把握を行った海洋環境影響調査項目のそれぞれについて、例えば、次のアからエまでに掲げるところにより変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲を予測し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
    1.      ア 同種又は類似の既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は解析
    2.      イ 海洋施設の撤去前における設置場所の海洋環境の解析
    3.      ウ 国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の引用又は解析
    4.      エ 予測モデルによる数理計算又は水理模型を用いた実験
      なお、それぞれの海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲については、可能な限り定量的に予測するものとする。
           また、予測の時期は、影響の持続する期間等を踏まえ、影響が最大となる時期その他の適切な時期を選ぶものとする。
  5.     ⑤ 海洋環境に及ぼす影響の程度の分析及び事前評価
          ④の海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の結果を踏まえ、海洋環境に及ぼす影響の程度について分析し、事前評価を行うものとする。
  (3) 海洋施設のうち上載設備等の全部又は一部を海洋に捨てる場合
   1) 廃棄される海洋施設の特性
  1.     ① 海洋施設の特性に関し把握すべき情報
          海洋施設の特性に関し、次のアからオまでに掲げる情報を把握するものとする。
    1.      ア 当該海洋施設の主要な材質と構造、塗装、防食陽極等
    2.      イ 当該海洋施設の特徴を適切に表現する大きさ(径、長さ、容積、重量等)
    3.      ウ 上載設備等のうち、海洋に廃棄される施設及び機材等の詳細。それらの中に油や化学物質等が残される場合には、それぞれの品目、量(容積又は重量)及びその有害性。ただし、廃棄後長時間が経過して自然劣化に伴う漏洩が生じた時点でも有害性が大きいと判断される物質を含むものは、許可省令第13条第2号の規定により、海洋に廃棄することはできないことに留意する必要がある。
    4.      エ 当該海洋施設が廃棄後に浮遊又は移動を生じないための措置及び根拠等。特に、同時に廃棄される海洋施設や機材等から内容物が漏洩しないように講ずる措置及び切断したパイプライン等のような小型のものを廃棄する場合には、浮遊又は移動を生じないための措置及びその根拠等
    5.      オ 当該海洋施設の運用期間中に生じた事象
  2.     ② 把握の方法
          ①の情報については、海洋施設廃棄許可申請者が有する知見、最新の調査研究の成果その他の資料を収集することにより把握することを基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取し、又は当該海洋施設に係る試料の分析等を行うことにより把握するものとする。
  3.     ③ 海洋施設の特性の総括
          事前評価書には、①のアからオまでに掲げる情報を把握した結果をそれぞれ記載するとともに、これらの情報に基づき、廃棄される海洋施設の特性を総括し、記載するものとする。
   2) 事前評価項目の選定

     海洋施設の特性並びに許可省令第13条において規定する廃棄海域及び廃棄方法に関する基準にかんがみ、次の①から⑤までに掲げるものを事前評価項目とし、事前評価書に記載するものとする。

  1.     ① 水環境
    •      ・ 有害物質等による海水の汚れ(ただし、廃棄される海洋施設又は機材の内容物に係る有害物質及び殺生物性のある防汚塗装が用いられている場合に限る。)
  2.     ② 海底環境
    •      ・ 底質の粒径組成
    •      ・ 底質の有機物質の量
    •      ・ 有害物質等による底質の汚れ(ただし、廃棄される海洋施設又は機材の内容物に係る有害物質及び殺生物性のある防汚塗装が用いられている場合に限る。)
    •      ・ 海底地形
  3.     ③ 海洋生物
    •      ・ 付着生物を含む底生生物の生息状況(廃棄海域において付着生物の生息状況を把握することが困難な場合には、廃棄する海洋施設に付着している生物相)
    •      ・ 有害物質等による廃棄海域の代表的な魚類及び底生生物の汚染(ただし、廃棄される海洋施設、機材等の内容物に係る有害物質及び防汚塗装が用いられている場合の殺生物成分で、いずれも生物蓄積性を有するものに限る。)
  4.     ④ 生態系
    •      ・ 藻場、干潟、サンゴ群落その他脆弱な生態系の状態。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらが存在しないことが明らかな場合には事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 重要な生物種の産卵場又は生育場その他の海洋生物の生息又は生育にとって重要な海域の状態
    •      ・ 熱水生態系その他の特殊な生態系の状態
  5.     ⑤ 海洋の利用に関する項目
    •      ・ 海水浴場その他の海洋レクリエーションの場としての利用状況。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらの場が存在しないことが明らかな場合には事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 海中公園その他の自然環境の保全を目的として設定された区域としての利用状況。ただし、廃棄海域の水深等にかんがみ、これらの場が存在しないことが明らかな場合には事前評価項目から外すことができる。
    •      ・ 漁場としての利用状況
    •      ・ 主要な航路としての利用状況
    •      ・ 海底ケーブルの敷設、海底資源の探査又は掘削その他の海底の利用状況
   3) 事前評価の実施

     事前評価の実施に当たっては、次の①から⑤までの項目ごとに、当該①から⑤までに掲げる事項について記載するものとする。

  1.     ① 海洋環境影響調査項目の設定
          海洋環境影響調査項目は、2)に掲げる事前評価項目と同様とし、事前評価書に記載するものとする。
  2.     ② 自然的条件の現況の把握
    1.      ア 海洋施設の廃棄海域及びその周辺の海域において、海洋環境に及ぼす影響の事前評価をする上で必要な次に掲げる自然的条件の現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      •       ・ 水深
      •       ・ 流況
      •       ・ 気象及び海象
    2.      イ アの自然的条件の現況に関する情報については、事業者の有する資料、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者から聴取することにより把握するものとする。
             なお、自然的条件の現況に関する情報に制約がある場合は、対象となる海域と類似性のある海域に関する情報に基づき対象となる海域における自然的条件の現況を推定することができるものとする。
  3.     ③ 海洋環境影響調査項目の現況の把握
    1.      ア ②において把握した自然的条件に基づき、影響想定海域を設定する。
    2.      イ 海洋環境影響調査項目のそれぞれについて、次のaからcまでに掲げるところにより現況を把握し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
      1.       a 水環境に関する項目及び海底環境に関する項目
                それぞれの項目につき、影響想定海域の内外において、海洋環境に及ぼす影響の事前評価をする上で適切かつ効果的な複数の測点を設定し、適当な指標を用いて現況を明らかにするものとする。
      2.       b 海洋生物に関する項目、生態系に関する項目及び海洋の利用に関する項目
                それぞれの項目につき、海洋生物の種類及び数量、海洋生物の生息又は生育にとって重要な海域の存在範囲その他の影響想定海域内の状況を把握する。
      3.       c a及びbの海洋環境影響調査項目の現況に関する情報については、国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の収集、既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は近傍の海域で行われた他の環境影響評価において用いられた資料の引用を基本とし、必要に応じ、専門家その他の当該情報に関する知見を有する者からの聴取又は現地調査により把握するものとする。
                また、季節による変動を把握する必要がある場合には、適切に把握できるよう調査の時期を設定するものとする。
                なお、影響想定海域における情報に制約がある場合は、影響想定海域と類似性のある海域に関する情報に基づき影響想定海域における海洋環境影響調査項目の現況を推定することができるものとする。
  4.     ④ 海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の方法
          影響想定海域の設定の方法及びその範囲を明らかにするとともに、③において現況の把握を行った海洋環境影響調査項目のそれぞれについて、例えば、次のアからエまでに掲げるところにより変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲を予測し、その結果を事前評価書に記載するものとする。
          なお、それぞれの海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲については、可能な限り定量的に予測するものとする。
          また、予測の時期は、影響の持続する期間等を踏まえ、影響が最大となる時期その他の適切な時期を選ぶものとする。
    1.      ア 同種又は類似の既往の海洋施設廃棄の事例の引用又は解析
    2.      イ 海洋施設の撤去前における設置場所の海洋環境の解析
    3.      ウ 国、地方公共団体その他の機関が有する調査研究の成果その他の資料の引用又は解析
    4.      エ 予測モデルによる数理計算又は水理模型を用いた実験
  5.     ⑤ 海洋環境に及ぼす影響の程度の分析及び事前評価
          ④の海洋環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにそれらの予測の結果を踏まえ、海洋環境に及ぼす影響の程度について分析し、事前評価を行うものとする。

第4.廃棄海域の汚染状況の監視に関する留意事項

 1 監視項目に係る監視の方法について

   監視項目に係る監視の方法は、次の(1)から(3)までに掲げる海洋施設の廃棄方法の区分に応じ、当該(1)から(3)までに掲げるとおりとする。

  (1) 海洋施設のうち上載設備等の全部及び架台等の全部又は大部分を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等を残置する場合
   1) 廃棄の実施状況に関する事項の確認に係る監視方法について

     当該海洋施設の廃棄に係る作業の記録等に基づき、次に掲げる点について記載することとする。

  •     ・ 廃棄される海洋施設の量の実績
  •     ・ 実際に廃棄を実施した時期(年月日又は期間)
   2) 海域の状況に係る監視方法について

     事前評価を実施する際に設定し現況の把握を行った海洋環境影響調査項目に関し、当該把握した現況からの変化が生じているか否かについて、例えば、次に掲げるところにより変化の程度を確認するものとする。

  •     ・ 廃棄海域に係る状況の目視、カメラによる撮影その他の方法による確認
  •     ・ 海洋環境影響調査項目の現況を把握する際に用いた資料の継続的な収集
  •     ・ 専門家その他の知見を有する者からの聴取
  (2) 海洋施設のうち上載設備等の全部を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等の全部又は大部分を残置せずに海洋に捨てる場合
   1) 廃棄の実施状況に関する事項の確認に係る監視方法について

     当該海洋施設の廃棄に係る作業の記録等に基づき、次に掲げる点について記載することとする。

  •     ・ 廃棄される海洋施設の量の実績
  •     ・ 実際に廃棄を実施した時期(年月日又は期間)
   2) 海域の状況に係る監視方法について

     事前評価を実施する際に設定し現況の把握を行った海洋環境影響調査項目に関し、当該把握した現況からの変化が生じているか否かについて、例えば、次に掲げるところにより変化の程度を確認するものとする。

  •     ・ 海底の変化、底生生物や付着生物の存在状況等の目視、カメラによる撮影その他の方法による確認
  •     ・ 海洋環境影響調査項目の現況を把握する際に用いた資料の継続的な収集
  •     ・ 海水、堆積物、底生生物その他の試料の採取による確認
  •     ・ 専門家その他の知見を有する者からの聴取
  (3) 海洋施設のうち上載設備等の全部又は一部を海洋に捨てる場合
   1) 廃棄の実施状況に関する事項の確認に係る監視方法について

     当該海洋施設の廃棄に係る作業の記録等に基づき、次に掲げる点について記載することとする。

  •     ・ 廃棄される海洋施設の量の実績
  •     ・ 実際に廃棄を実施した時期(年月日又は期間)
   2) 海域の状況に係る監視方法について

     事前評価を実施する際に設定し現況の把握を行った海洋環境影響調査項目に関し、当該把握した現況から変化が生じているか否かについて、例えば、次に掲げるところにより変化の程度を確認するものとする。

  •     ・ 海底の変化、底生生物や付着生物の存在状況等の目視、カメラによる撮影その他の方法による確認
  •     ・ 海洋環境影響調査項目の現況を把握する際に用いた資料の継続的な収集
  •     ・ 海水、堆積物、底生生物その他の試料の採取による確認
  •     ・ 専門家その他の知見を有する者からの聴取

 2 監視の実施時期について

   監視項目に係る監視の実施時期は、次の(1)から(3)までに掲げる海洋施設の廃棄方法の区分に応じ、当該(1)から(3)までに掲げるとおりとする。

  (1) 海洋施設のうち上載設備等の全部及び架台等の全部又は大部分を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等を残置する場合
   1) 廃棄の実施に関する事項の確認に係る監視の実施時期について

     当該海洋施設の廃棄の完了後、遅滞なく確認するものとする。

   2) 海域の状況に係る監視の実施時期について
  1.     ① 当該海洋施設の設置後20年以上経過してから廃棄される場合にあっては、廃棄後3年目(又は4年目以降の適切な時期)に監視を実施することを原則とする。
  2.     ② 当該海洋施設の設置後20年以上を経過せずに廃棄されるものにあっては、設置時の設計条件(耐久性等)を明らかにした上で、環境上の問題を生じていないとするに適切な廃棄後の時期に監視を実施することを原則とする。
  3.     ③ 当該海洋施設の設置以降、経時的に当該海洋施設の状態及び海洋環境の状況について情報が得られている場合にあっては、それらを活用して適切な監視時期を定めることができるものとする。
   3) 監視結果の報告の時期について

     監視を実施した後、その結果を遅滞なく報告するものとする。

  (2) 海洋施設のうち上載設備等の全部を陸上に撤去し、架台等の残部及びパイプライン等の全部又は大部分を残置せずに海洋に捨てる場合
   1) 廃棄の実施に関する事項の確認に係る監視の実施時期について

     当該海洋施設の廃棄の完了後、遅滞なく確認するものとする。

   2) 海域の状況に係る監視の実施時期について
  1.     ① 事前評価において環境への影響が最大となると想定される時期あるいは物理的な変化が安定すると想定される時期に監視を実施することを原則とする。
  2.     ② 影響の程度が極めて小さく、廃棄後速やかに変化が安定すると想定される場合には、原則として廃棄後3年目(又は4年目以降の適切な時期)に監視を実施するものとする。
   3) 監視結果の報告の時期について

     監視を実施した後、その結果を遅滞なく報告するものとする。

  (3) 海洋施設のうち上載設備等の全部又は一部を海洋に捨てる場合
   1) 廃棄の実施に関する事項の確認に係る監視の実施時期について

     当該海洋施設の廃棄の完了後、遅滞なく確認するものとする。

   2) 海域の状況に係る監視の実施時期について
  1.     ① 事前評価において環境への影響が最大となると想定される時期あるいは物理的な変化が安定すると想定される時期に監視を実施することを原則とする。
  2.     ② 影響の程度が極めて小さく、廃棄後速やかに変化が安定すると想定される場合には、廃棄後3年目(又は4年目以降の適切な時期)に監視を実施することを原則とする。
  3.     ③ 上載設備等の施設又は機材の内容物の性状(特に分解速度及び半減期など)に基づき、有害性が疑われる期間中は経年的に監視を実施することを基本とする。
   3) 監視結果の報告の時期について

     監視を実施した後、その結果を遅滞なく報告するものとする。

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