法令・告示・通達

一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の一部改正について

  • 公布日:平成10年7月16日
  • 環水企300・生衛発1148

(各都道府県知事・政令市市長あて環境庁水質保全局長・厚生省生活衛生局水道環境部長通知)

 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の一部を改正する命令(平成一〇年総理府・厚生省令第二号。以下「平成一〇年改正命令」という。)が平成一〇年六月一六日に公布され、同月一七日から施行されているところである。

 ついては、下記の事項に留意の上、その運用に当たり遺漏なきを期されたい。

第一 改正の趣旨

  最終処分場については、例えば、管理型最終処分場(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号。以下「令」という。)第七条第一四号ハに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)の遮水シートから汚水が浸み出て周辺の生活環境を悪化させるのではないかとの不安が持たれていたり、埋立処分を終了した最終処分場からガスの排出等がみられる例もあるなど、最終処分場に対する国民の信頼が損なわれかねない状況にある。

  このため、最終処分場の構造及び維持管理の基準の強化により安全性をより高め、都道府県知事等が行う最終処分場の設置の許可の審査や指導監督がこれらの基準に即して厳格に行われることが重要である。また、埋立処分を終了した最終処分場について、その安全性が確認されることなく維持管理が打ち切られ、生活環境の保全上の支障を生じることがないよう、最終処分場の廃止についての監督の強化を図る必要がある。

  このような状況を踏まえ、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令(昭和五二年総理府・厚生省令第一号。以下「命令」という。)を改正したところであるが、その概要は次のとおりである。

  1.  一 一般廃棄物の最終処分場(令第五条第二項に規定する一般廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)、遮断型最終処分場(令第七条第一四号イに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)、安定型最終処分場(令第七条第一四号ロに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)及び管理型最終処分場のそれぞれについて、構造基準及び維持管理基準を強化・明確化したこと。
  2.  二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成九年法律第八五号)による改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)第九条第五項(第九条の三第一〇項及び第一五条の二の四第三項において準用する場合を含む。)の規定により、廃棄物の最終処分場の設置者は、あらかじめ当該最終処分場の状況が総理府令、厚生省令で定める技術上の基準に適合していることについて都道府県知事等の確認を受けた場合に限り、当該最終処分場を廃止することができることとされたことから、新たに廃止の技術上の基準を定めたこと。

第二 改正の内容

  1.  一 一般廃棄物の最終処分場及び管理型最終処分場に係る構造基準及び維持管理基準の強化・明確化
    1.   (一) 遮水工に係る基準の強化・明確化
          埋立地からの廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。)の浸出を防止するために設置される遮水工は、基礎地盤、遮水層及び遮水層上部の保護層を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を備えた遮水工としなければならないこととし、地下の全面に十分な遮水の効力を有する不透水性地層がある埋立地については、連続した遮水壁等を当該不透水性地層に達するまで設けた遮水工、基礎地盤、遮水工及び保護層を備えた遮水工又はこれらと同等以上の遮水の効力を備えた遮水工としなければならないこととしたこと。また、遮水層の構造を二重化する等の基準の強化・明確化を図るとともに、遮水層について遮水の効力の定量的な基準を定めるなど基礎地盤、遮水層及び保護層の基準を明確に定めたこと。
          さらに、埋め立てる廃棄物の荷重や埋立処分に用いる車両の走行等の負荷により遮水工が損傷するおそれがないようにするための措置として、遮水層に遮水シート等を敷設した遮水工にあっては、廃棄物を埋め立てる前にその表面を砂等により覆い保護しなければならないこととしたこと。
          また、地下水により遮水工が損傷するおそれがある場合には地下水集排水設備を設置することとしたこと。
    2.   (二) 浸出液の処理等に係る基準の強化・明確化
          浸出液処理設備からの放流水に係る水質基準のうち、生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量及び浮遊物質量に係るものについては、浸出液処理技術の向上の実態を踏まえ、排水基準を定める総理府令(昭和四六年総理府令第三五号)第一条に規定する排水基準よりも厳しくしたこと。ただし、法第八条第二項第七号又は第一五条第二項第七号に規定する廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(以下「維持管理計画」という。)に、放流水の水質について達成することとした数値が定められている場合には、当該数値に適合させることとしたこと。また、放流水の水質検査の頻度について規定したこと。
          このほか、浸出液処理設備に流入する保有水等の水量及び水質を調整することができる調整池の設置について規定したこと。
    3.   (三) 地下水等の水質検査の実施
          最終処分場の周縁の地下水(水面埋立処分を行う最終処分場の場合は周辺の水域の水又は周縁の地下水)に係る水質検査について、地下水の採取場所、検査の項目並びに実施時期及び頻度を規定したほか、水質検査の結果水質の悪化が認められた場合の措置等を規定したこと。
    4.   (四) 維持管理に関する記録の作成及び保存
          埋め立てられた廃棄物の種類及び数量並びに維持管理に当たって行った点検、検査等の措置について記録を作成し、最終処分場の廃止までの間保存することとしたこと。
  2.  二 遮断型最終処分場に係る構造基準及び維持管理基準の強化
    1.   (一) 外周仕切設備等の構造等の強化
          外周仕切設備及び内部仕切設備について、構造及び材質の強化を図るとともに、埋め立てた廃棄物と接する面を遮水性及び耐食性を有する材料で十分に被覆すること等としたこと。
    2.   (二) 地下水等の水質検査の実施
          前記一(三)に準じて行うこととしたこと。
    3.   (三) 維持管理に関する記録の作成及び保存
          前記一(四)に準じて行うこととしたこと。
  3.  三 安定型最終処分場に係る構造基準及び維持管理基準の強化
    1.   (一) 搬入管理に係る基準の強化
          安定型最終処分場には他の類型の最終処分場と異なり遮水機能がないため、搬入された廃棄物の展開検査及び埋め立てられた廃棄物の層を通過した雨水等の浸透水の水質検査を実施することにより、安定型最終処分場に搬入される廃棄物に安定型産業廃棄物(令第六条第一項第三号イに規定する安定型産業廃棄物をいう。)以外の廃棄物の付着又は混入がないようにするための管理の徹底を図ることとしたこと。
    2.   (二) 地下水の水質検査の実施
          安定型最終処分場については、これまで地下水の水質検査の実施を規定していなかったが、新たに前記一(三)に準じてこれを行うこととしたこと。
    3.   (三) 維持管理に関する記録の作成及び保存
          前記一(四)に準じて行うこととしたこと。
  4.  四 最終処分場の廃止に関する技術上の基準の制定
       最終処分場の廃止に関する技術上の基準は、廃棄物処理施設として維持管理を行わなくとも、掘削等による遮水工の破損や埋め立てられた廃棄物の撹乱等の行為がなくそのままであれば、生活環境の保全上の問題が生じるおそれがない状態になっているか否かを判断するための基準として規定したものであること。
       具体的には、最終処分場の類型に応じ、構造基準及び維持管理基準への適合状況、地下水、保有水又は浸透水の水質の状況、ガスの発生の状況等につき満たすべき要件を規定したこと。
       なお、命令第二条第三項第一号ハの規定により、遮断型最終処分場に埋め立てられた産業廃棄物又は遮断型最終処分場の外周仕切設備について講じることとされた環境庁長官及び厚生大臣が定める措置は、追って告示するものであること。

第三 既存の最終処分場についての経過措置

  平成一〇年改正命令による改正後の基準のうち、平成一〇年改正命令により改正されたものについては、次のとおりとする。

  1.  一 既存一般廃棄物最終処分場(平成一〇年改正命令の施行の際現に廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律第二条の規定による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「旧法」という。)第八条第一項の許可を受けている者又は許可を申請している者の当該許可又は当該申請に係る一般廃棄物の最終処分場及び旧法第九条の三第一項の規定による届出をしている市町村の当該届出に係る一般廃棄物の最終処分場をいう。)についての経過措置
    1.   (一) 平成一〇年六月一七日から平成一一年六月一六日までの間
      1.    ① 構造基準
             原則として適用しないこと。ただし、第一条第一項第一号(埋立地の上部を利用する場合の囲い等の設置)は適用すること。また、設置者が法第九条第一項の許可を受けた場合、又は市町村が法第九条の三第七項の規定による届出をした場合にあっては、第一条第一項第五号へ(浸出液処理設備の強化)も適用すること。
      2.    ② 維持管理基準
             原則としてすべて適用すること。ただし、第一条第二項第一〇号の規定による地下水等の水質検査の箇所数については一箇所で可とし、既に埋立処分が開始されている最終処分場については同号イ(埋立処分開始前検査)は適用しないこと。また、同項第一四号イ(放流水に係る排水基準への適合)については、設置者が法第九条第一項の許可を受けた場合、又は市町村が法第九条の三第七項の規定による届出をした場合を除き、従前のとおりとすること。
      3.    ③ 廃止基準
             原則としてすべて適用すること。ただし、第一条第三項第六号(保有水等の水質の二年以上の水質検査結果の基準への適合)については、平成一〇年一二月一六日までの間は保有水等の浸出が公共の水域及び地下水に及ぼす影響の有無を判断することができる二回以上の水質検査結果、平成一〇年一二月一七日から平成一一年六月一六日までの間は六月以上にわたり行われた水質検査結果の基準への適合で可とすること。
    2.   (二) 平成一一年六月一七日以降
      1.    ① 構造基準
             原則として適用しないこと。ただし、第一条第一項第一号(埋立地の上部を利用する場合の囲い等の設置)及び同項第五号イ(三)(遮水層への不織布等の布設)は適用すること。また、同号へ(浸出液処理設備の強化)のうち、維持管理計画に放流水の水質について達成することとした数値が定められている場合における当該数値への適合に係る部分については、設置者が法第九条第一項の許可を受けた場合、又は市町村が法第九条の三第七項の規定による届出をした場合を除き、従前のとおりとすること。
      2.    ② 維持管理基準
             原則としてすべて適用すること。ただし、第一条第二項第一〇号(地下水等の水質検査)については、既に埋立処分が開始されている最終処分場については同号イ(埋立処分開始前検査)は適用しないこと。
      3.    ③ 廃止基準
             原則としてすべて適用すること。ただし、第一条第三項第六号(保有水等の二年以上の水質検査結果の基準への適合)については、平成一一年六月一七日から同年一二月一六日までの間は一年以上にわたり行われた水質検査結果、平成一一年一二月一七日から平成一二年六月一六日までの間は一年六月以上にわたり行われた水質検査結果の基準への適合で可とすること。
  2.  二 既存遮断型最終処分場(平成一〇年改正命令の施行の際現に旧法第一五条第一項の許可を受けている者又は許可を申請している者の当該許可又は当該申請に係る産業廃棄物の最終処分場(以下「既存産業廃棄物最終処分場」という。)のうち、遮断型最終処分場をいう。)についての経過措置
    1.   (一) 構造基準
          原則として適用しないこと。ただし、第二条第一項第一号(立札の表示事項)については適用すること。
    2.   (二) 維持管理基準
          第二条第二項第一号ニ(覆いによる閉鎖)を除き、適用すること。ただし、同号によりその例によるものとされた第一条第二項第一〇号の規定による地下水等の水質検査の箇所数については、平成一一年六月一七日までは一箇所で可とし、既に埋立処分が開始されている最終処分場については同号イ(埋立処分開始前検査)は適用しないこと。
    3.   (三) 廃止基準
          すべて適用すること。
  3.  三 既存安定型最終処分場(既存産業廃棄物最終処分場のうち、安定型最終処分場をいう。)についての経過措置
    1.   (一) 平成一〇年六月一七日から平成一一年六月一六日までの間
      1.    ① 構造基準
             原則として適用しないこと。ただし、第二条第一項第三号イ(埋立地の上部を利用する場合の囲い等の設置)は適用すること。
      2.    ② 維持管理基準
             第二条第二項第二号イ(囲い)、ロ(展開検査)、ト(覆いによる閉鎖)及びチ(覆いの損壊防止)並びに同号によりその例によるものとされた第一条第二項第一九号(記録の作成及び保存)を適用し、その他の基準は適用しないこと。
      3.    ③ 廃止基準
             第二条第三項第二号ロ(地下水の水質検査結果の基準への適合)及びハ(浸透水の水質検査結果の基準への適合)を除き、すべて適用すること。
    2.   (二) 平成一一年六月一七日以降
      1.    ① 構造基準
             (一)①ただし書に加え、第二条第一項第三号ハ(浸透水の採取設備の設置)を適用すること。
      2.    ② 維持管理基準
             原則としてすべて適用すること。ただし、既に埋立処分が開始されている最終処分場については第二条第二項第二号ハ(一)(地下水の埋立処分開始前検査)は適用しないこと。
      3.    ③ 廃止基準
             すべて適用すること。
  4.  四 既存管理型最終処分場(既存産業廃棄物最終処分場のうち、管理型最終処分場をいう。)についての経過措置
       前記一の既存一般廃棄物最終処分場に準じて取り扱うこと。
  5.  五 改正命令による改正後の構造基準のうち既存の最終処分場に適用されるものについては、原則としてその適用が一年間猶予されているところであるが、基準強化の趣旨を踏まえ、できる限り速やかにこれに適合させるよう施設の改善の指導に努められたいこと。
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