法令・告示・通達

一般廃棄物最終処分場の適正化について

  • 公布日:平成10年3月5日
  • 生衛発355号

(各都道府県知事・政令市市長あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
 一般廃棄物の最終処分場の適正化については、かねてより市町村に対する指導の徹底をお願いしているところであるが、昨年、一部の市町村において焼却灰の不適正な処分や保管の事例がみられたところである。今般、市町村の設置する一般廃棄物の最終処分場について、その実態を調査したところ、多くの一般廃棄物最終処分場において、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令(昭和五二年総理府・厚生省令第一号)」(以下「共同命令」という。)に定める遮水工又は浸出液処理設備が設置されていないこと等が明らかになった(別添参照)。
 このため、今般の調査結果等を踏まえ、下記により、市町村において速やかに必要な改善が図られるよう指導されたい。特に、共同命令が適用されている処分場については、法第九条の三第五項に基づく改善命令の発動等厳格な対応を図られたい。
 また、市町村において広域的に最終処分場を確保しようとする場合には、貴職においても、必要に応じ、市町村間の調整に努められたい。

 遮水工又は浸出液処理設備を有していない最終処分場(公共の水域及び地下水を汚染するおそれのない廃棄物のみが埋め立てられているものを除く。)及び遮水構造のない場所での焼却灰の保管については、以下の措置を講ずること。

一 最終処分場への搬入停止又は搬入する廃棄物の限定

  公共の水域及び地下水を汚染するおそれのある廃棄物の最終処分場への搬入を可及的速やかに停止し、新たな最終処分場が確保されるまでの間は、他市町村等の、共同命令に適合した処分場において処分を行うこと。  処分を継続する場合にあっては、受け入れている廃棄物の内容を点検し、公共の水域及び地下水を汚染するおそれのない廃棄物のみの最終処分に限定すること。

二 適正な最終処分場の確保

  新たに共同命令に適合した最終処分場を整備する等、適正な最終処分場を確保すること。
  なお、必要に応じ、複数市町村による広域的な確保についても検討されたいこと。

三 保管している焼却灰の速やかな処理

  底面を不透水性の材料で被覆していない場所等に焼却灰を保管している場合にあっては、可及的速やかに焼却灰を搬出し、適正な処理を行うこと。

四 周辺の生活環境保全のための調査等

  別添の別表一~三に掲載された最終処分場について、当該処分場を所有する市町村は、環境部局、水道担当部局等とも連絡を密にして、周辺の地下水の水質調査を行うこと。また、最終処分場からの排水が処理されることなく公共用水域に放流されている場合は、当該排水の水質調査も行うこと。
  これらの調査の結果、万が一、汚染が見られた場合には、環境部局、水道担当部局とも連携して公共用水域又は地下水の利用者に対して警告、注意喚起等の適切な対応を図るとともに、汚染の状況等を踏まえ、排水の処理、周辺地下水への汚染拡散防止等の対策を検討・実施すること。

別表

   一般廃棄物最終処分場における処理の適正化について

 【概要】

   昨年、一部の市町村において焼却灰の不適正な処分や保管の事例がみられたところであり、市町村の設置する一般廃棄物の最終処分場について、その実態を調査したところ、多くの一般廃棄物最終処分場において、遮水工又は浸出液処理設備が設置されていないこと等が明らかになった。
   このため、市町村において速やかに必要な改善を図るとともに、周辺の地下水等の水質調査を行い、万が一汚染が見られた場合には必要な対策を検討・実施するよう都道府県を通じて指導した。

 一 市町村の設置する一般廃棄物最終処分場における処理の状況

   市町村の設置する一般廃棄物の最終処分場の施設の構造(遮水工、浸出液処理設備の有無)及び廃棄物の種類等について、都道府県を通じて調査したところ、その結果は以下のとおり。

  (一) 全国の一九〇一施設の最終処分場のうち、ガラスくず等浸出液の処理が必要ない廃棄物のみを処理しているものを除き、遮水工又は浸出液処理設備を有しない施設が、五三八施設(二八%)があった。これらの処分場を参考一の規制の適用関係別に整理すると、表一のとおりである(別表一~三参照)。

  表1 基準の適用別の最終処分場の状況
(平成9年12月末現在)

区分
施設数
市町村の設置する一般廃棄物最終処分場
1,901
遮水工又は浸出液処理設備を有しない最終処分場
(浸出液の処理が必要ない廃棄物のみを処理するものを除く)
538
     
 
うち 共同命令違反と認められ、かつ、処分基準違反のおそれが強い最終処分場(別表1)
80
うち 共同命令の適用はないが、処分基準違反のおそれが強い最終処分場(別表2)
343
うち 共同命令、処分基準ともに適用はないが、不適切と考えられる最終処分場(別表3)
115
  1.  (注)1 「共同命令」とは、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場の技術上の基準を定める命令」(昭和52年3月14日総・厚令1号)をいい、施設の構造基準、維持管理基準が定められている。
  2.    2 「処分基準」とは、廃棄物処理法施行令第3条第3号ロをいい、「埋立処分の場所からの浸出液によって公共の水域及び地下水を汚染するおそれがある場合には、そのおそれがないように必要な措置を講ずること」とされている。

  (二) また、焼却灰を遮水構造のない場所で保管するといった保管基準違反のおそれが強い焼却灰の保管事例が一九例あった(別表四参照)。

 二 市町村における対応の状況

 

 (一) あわせて、市町村における最終処分場の適正化に係る対応予定を調査したところ、その結果は表二のとおりとなった。
    対応としては、搬入を停止して、市町村自ら共同命令に適合した最終処分場を確保するか、他市町村・民間等の共同命令に適合した最終処分場に搬入する予定としているものが多くなっている。

  表2 市町村における最終処分場の適正化に係る対応予定
(平成9年12月末現在)

区分
共同命令違反と認められ、かつ、処分基準違反のおそれが強いもの
(別表1)
共同命令の適用はないが、処分基準違反のおそれが強いもの
(別表2)
共同命令、処分基準ともに適用はないが、不適正と考えられるもの
(別表3)
合計
31
159
43
229
10
69
24
102
10
24
7
40
18
57
22
97
1
2
0
3
0
1
0
1
6
25
8
40
検討中
9
28
17
57
合計
85
366
122
573
  1.  (注)1 重複対応があるため、合計数は表1と一致しない。
  2.    2 記号の凡例
    1.     ① 搬入停止
      1.      ア 自ら共同命令に適合した最終処分場を新たに確保
      2.      イ 他市町村、民間等の共同命令に適合した最終処分場に搬入
    2.     ② 水処理が不要な廃棄物のみ搬入
      1.      ア 水処理が必要な廃棄物は、自ら共同命令に適合した最終処分場を新たに確保
      2.      イ 水処理が必要な廃棄物は、他市町村、民間等の共同命令に適合した最終処分場に搬入
    3.     ③ 最終処分場の改造(遮水工又はそれと同等以上の不透水性地盤がある場合)
      1.      ア 浸出液処理設備を設置
      2.      イ 鉛直遮水を設け、地下水を汲み上げて処理
    4.     ④ その他(溶融固化、RDF化、適正保管等)

  (二) 市町村における焼却灰の保管の適正化に係る対応予定を調査したところ、その結果は表三のとおりとなった。
  表3 市町村における焼却灰の保管の適正化に係る対応予定
(平成9年12月末現在)

区分
保管の適正化に係る対応予定
4
14
4
1
検討中
2
合計
25
  1.  (注)1 重複対応があるため、合計数は19件にならない。
  2.    2 記号の凡例
    1.     ① 共同命令に適合した最終処分場に処分
      1.      ア 自ら共同命令に適合した最終処分場を新たに確保
      2.      イ 他市町村、民間等の共同命令に適合した最終処分場に搬入
    2.     ② 保管場所の改善
    3.     ③ 溶融

 三 今後の指導方針

   今般の調査結果を踏まえ、市町村における対応を徹底させるため、市町村の設置する一般廃棄物の最終処分場における処理の適正化について、都道府県を通じ、以下の方針で市町村を指導する旨通知した。

  1.   (一) 遮水工又は浸出液処理設備を有しない最終処分場においては、受け入れている廃棄物の内容を点検し、焼却灰等の浸出液の処理が必要な廃棄物を受入れている場合には、これを可及的速やかに停止すること。
  2.   (二) 当該最終処分場における処分を継続する場合には、地下水及び公共用水域を汚染するおそれのない廃棄物のみに限定すること。
  3.   (三) 新たに共同命令に適合した最終処分場を整備する等、適正な最終処分場を確保すること。
        なお、必要に応じ、複数市町村による広域的な確保についても検討すること。この際、都道府県は、必要に応じ、市町村間の調整を図るよう努めること。
  4.   (四) 別表一~三に掲載された最終処分場について、当該処分場を所有する市町村は、環境部局、水道担当部局等とも連絡を密にして、周辺の地下水の水質調査を行うこと。また、最終処分場からの排水が処理されることなく公共用水域に放流されている場合は当該排水の水質調査も行うこと。
        これらの調査の結果、万が一、汚染がみられた場合には、環境部局、水道担当部局とも連携して公共用水域又は地下水の利用者に対して警告、注意喚起等の適切な対応を図るとともに、汚染の状況等を踏まえ、排水の処理、周辺地下水への汚染拡散防止等の対策を検討・実施すること。
  5.   (五) 底面を不透水性の材料で被覆していない場所等に焼却灰を保管している場合にあっては、当該場所から可及的速やかに搬出し、適切な処理をすること。

   最終処分場に係る廃棄物処理法に基づく規制の適用関係

   最終処分場に係る規制の適用関係は以下の通り。

設置時期
~昭46.9.23
昭46.9.24(廃掃法施行)~昭52.3.14
昭52.3.15(共同命令施行)~平9.11.30
平9.12.1(政令改正による規模要件の撤廃)~
埋立面積1,000m2以上
規制なし
(注)
別表3
処分基準
別表2
処分基準
共同命令
別表1
 
埋立面積1,000m2未満
       

 (注) ただし、平成11年6月17日より、処分基準が適用される。
■処分基準(廃棄物処理法施行令第三条第三号ロ)
   埋立処分の場所からの浸出液によって公共の水域及び地下水を汚染するおそれがある場合には、そのおそれがないように必要な措置を講ずること。
■共同命令(一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令)
   埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること。
  (ただし、公共の水域及び地下水の汚染を防止するために必要な措置を講じた一般廃棄物のみを埋め立てる埋立地についてはこの限りではない。)
○遮水工
   一般廃棄物の保有水及び雨水等の埋立地からの浸出を防止することができる遮水工を設けること。
  (ただし、埋立地と公共の水域及び地下水との間に十分な厚さの不透水性の地層、その他遮水工と同等以上の効力を有するものがある部分についてはこの限りではない。)
○浸出液処理設備
   集水設備により集められた保有水等に係る放流水の水質を排水基準を定める総理府令第一条に規定する排水基準に適合させることができる浸出液処理設備。
  (ただし、最終処分場以外の場所に設けられた浸出液処理設備と同等以上の性能を有する水処理設備で処理される場合はこの限りではない。)

  市町村の設置する一般廃棄物の最終処分場の状況
(平成9年12月末現在)

共同命令及び処分基準が適用される最終処分場の総数 1,125
左のうち、共同命令違反と認められ、かつ、処分基準違反のおそれが強いもの (別表1) 80
共同命令の適用はないが、処分基準が適用される最終処分場の総数 600
左のうち、処分基準違反のおそれが強いもの (別表2) 343
共同命令、処分基準ともに適用されない最終処分場の総数 176
左のうち、不適正と考えられるもの (別表3) 115
合計 1,901
合計 538

 (注)

  1.  1 廃棄物処理法の施行(昭和46年9月24日)より前に設置された最終処分場については、処分基準が適用されておらず、法的には違反ではない。(ただし、平成9年12月の政令改正により、平成11年6月17日より処分基準が適用される。)
  2.  2 「共同命令」とは、「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場の技術上の基準を定める命令」(昭和52年3月14日総・厚令1号)をいう。

 〔略〕

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