法令・告示・通達

騒音に係る環境基準の類型を当てはめる地域の指定に係る法定受託事務の処理基準について

公布日:平成13年01月05日
環大企3号

[改定]

平成30年2月19日 環水大大発1802193号

環境庁大気保全局長から各都道府県知事あて

 騒音に係る環境基準等の類型を当てはめる地域の指定に係る法定受託事務の処理基準が下記のとおり定められたので、通知する。

 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87号)の制定により、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第2項の規定により、環境基本法第16条第1項の基準についての同条第2項の規定による地域の指定に関する事務は、その地域が属する都道府県知事が処理するものとされた。このうち、同法第40条の2及び同条の規定に基づく「環境基準に係る地域又は水域の指定の事務に関する政令」(平成5年政令第371号)第2条の規定により、交通に起因して生ずる騒音に係る地域の指定に関する事務は、都道府県知事が地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務として行うこととされた。都道府県知事が事務を行う際には、「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月環境庁告示第64号)に定めるほか、別添により地域の類型を当てはめて、その指定を行われたい。

別添

   騒音に係る環境基準の類型を当てはめる地域の指定について

  1.  1 地域の類型A、B及びCの当てはめは、原則として、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に定める用途地域の準拠して行うものとし、住宅の立地状況その他土地利用の実情を勘案して行うものとする。
    1.   (1) 地域の類型と用途地域の対応関係を述べると、おおむね次のとおりである。
          地域の類型Aは、同法第9条第1項から第4項までに定める第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域及び第2種中高住居専用地域及び第8項に定める田園住居地域とする。
          地域の類型Bは、同条第5項から第7項までに規定する第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域とする。
          地域の類型Cは、同条第9項から第12項までに規定する近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域とする。
          用途地域のうち、同条第13項に定める工業専用地域については、地域の類型の当てはめを行わないものとする。
    2.   (2) 地域の類型Cについては、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とされているので、現状で住居の立地状況や土地利用動向について特に留意されたい。なお、現状で相当数の住居の土地利用が見られず、今後も相当数の住居の土地利用が見込まれない場合には、地域の類型の当てはめを行わなくても差し支えない。
    3.   (3) 同条第5項から第7項までに規定する第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域と同条第11項及び第12項に規定する準工業地域及び工業地域が隣接している一部の地域であって、用途地域の区分にしたがっては騒音防止が著しく困難な場合には、用途地域の区分にとらわれることなく、騒音防止の見地から地域の類型の当てはめを行うこととする。
    4.   (4) 地域の類型の当てはめは、原則として、用途地域に準拠して行われるものであるが、用途地域の定めのない地域についても、地域の類型の当てはめを行うことを妨げるものではない。当該地域の自然的条件、住宅等の立地状況、土地利用の動向等を勘案し、用地地域の定められている地域の状況を参考にしつつ、相当数の住居が所在する地域等に対し適切な地域の類型の当てはめを行うこととする。
    5.   (5) なお、地域の類型AAは、単に病院等が集合して設置されている地域ではなく、地域の土地利用の実態からみて住宅地以上に特に静穏を必要とする療養施設、社会福祉施設、文教施設等の施設が集合して設置されている地域のことである。
  2. 2 地域の指定の見直しは、おおむね10年ごとに土地利用等の状況の変化に応じて行うとともに、土地利用計画の大幅な変更があった場合にも速やかに行うこととする。
  3. 3 「騒音に係る環境基準について」の第1の1中「道路に面する地域」とあるのは、道路交通騒音が支配的な音源である地域のことをいう。
      なお、道路交通騒音の影響が及ぶ範囲は、道路構造、沿道の立地状況等によって大きく異なるため、道路端からの距離によって一律に道路に面する地域の範囲を確定することは適当ではない。
  4. 4 「騒音に係る環境基準について」の第1の1中「幹線交通を担う道路」とあるのは、次に掲げる道路をいうものとする
    1.  (1) 道路法(昭和27年法律第180号)第3条に規定する高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道(市町村道にあっては4車線以上の区間に限る。)。
    2.  (2) 前項に掲げる道路を除くほか、一般自動車道であって都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第7条第1項第1号に定める自動車専用道路。
  5. 5 「騒音に係る環境基準について」の第1の1中「幹線交通を担う道路に近接する空間」とあるのは、次の車線数の区分に応じ道路端からの距離によりその範囲を特定するものとする。
    1.  (1) 2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路 15メートル
    2.  (2) 2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路 20メートル
  6. 6 地域類型の当てはめを行うにあたっては、以下に掲げる達成期間についての考え方を考慮して行うものとする。
      道路に面する地域以外の地域が環境基準が施行された日以降計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合には、当該地域について、道路に面する地域の基準値が適用され、かつ、当該基準値は道路の供用時から直ちに達成又は維持されるよう努めなければならない。なお、既設の道路に拡幅事業等が行われ、もともと既設の道路に面する地域である地域が事業後も道路に面する地域である場合には、既設の道路に係る達成期間(環境基準が施行された日より前に当該拡幅事業等が計画された道路にあっては事業後の道路を既設の道路とみなした場合の達成期間)によるものとする。
      また、環境基準が施行された日より前に計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合には、道路に面する地域の基準値が適用され、かつ、当該基準値は、既設の道路に面する地域における達成期間の原則が準用されるため、環境基準の施行の日からは起算して10年以内又は10年を超える期間で可及的速やかに達成されるよう努めなければならない。
      なお、ここでいう計画された道路とは、環境影響評価及び都市計画に係る手続等において既に公告縦覧、地元説明等が行われた道路を指す。