法令・告示・通達

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の運用について

  • 公布日:昭和46年6月30日
  • 46農政3342号

[改定]

昭和53年7月5日 53農蚕4867号

(各地方農政局長・各都道府県知事あて農林省農政局長通知)

 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和四五年法律第一三九号。以下「法」という。)の施行については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の施行について」(昭和四六年六月三〇日付け46農政第三三四一号農林事務次官通達。以下「次官通達」という。)により、その運用の大綱が定められたが、その実施に当たつては、なお左記事項に留意されたい。
 なお、法の施行に伴い、当該都道府県の区域内の農用地の土壌の特定有害物質による汚染状況のは握に努めるとともに、汚染された地域については、農用地土壌汚染対策地域の指定を早急に行ない、必要な対策事業を実施する等農用地の土壌の汚染の防止等に万全な措置を講ずるよう配慮されたい。

第一 農用地土壌汚染対策地域の指定について
  1.  一 都道府県知事は、農用地土壌汚染対策地域(以下「対策地域」という。)の指定または対策地域の区域の変更もしくはその指定の解除を行なうに当たつては、次の事項に留意するものとする。
    1.   (一) 都道府県知事は、対策地域を指定しようとするときは、都道府県公害対策審議会および関係市町村長の意見をきかなければならないこと(法第三条第三項)。
    2.   (二) 都道府県知事は、対策地域を指定したときは、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行規則(昭和四六年農林省令第四六号。以下「規則」という。)第一条の規定により、遅滞なく、その旨を公告するとともに、農林水産大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知すること(法第三条第四項)。
          この場合の報告書および通知書の様式は、別記様式第一号によること。
    3.   (三) 市町村長は、当該市町村の区域内の一定の地域で対策地域の指定要件に該当するものを対策地域として指定すべきことを都道府県知事に対し要請することができること(法第三条第五項)。
          この場合の申請書の様式は、別記様式第二号によること。
    4.   (四) 都道府県知事は、対策地域の指定の要件となつた事実の変更により必要が生じたときは、その指定に係る対策地域の区域を変更し、またはその指定を解除することができること(法第四条第一項)。
          対策地域の区域を変更し、またはその指定を解除しようとするときは、都道府県公害対策審議会および関係市町村長の意見をきかなければならず、また、当該変更または解除をしたときは、規則第一条の規定により、その旨を公告するとともに、農林水産大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知しなければならないこと(法第四条第二項において準用する法第三条第三項および第四項)。
          この場合の変更または解除の報告は別記様式第一号に準じた報告書に、変更または解除の理由を明らかにした書面を添附して行なうこと。
  2.  二 対策地域の指定に係るカドミウム量の検定の方法については、次官通達によるほか、次の事項に留意するものとする。
    1.   (一) 検定のための試料とするための米の採取に当たつては、稲の採取、乾燥、脱穀、もみすりおよび精選の過程において、土壌、農薬等の附着および金属メッキとの接触によつて起こる金属の混入を避けるよう十分に配慮すること。
    2.   (二) 採取した土壌の風乾は、採取した土壌を室内に広げ、時々混合しながらゆつくり風乾するものとし、非金属製の二ミリメートルの目のふるいを通過させた土壌から検定のための試料を採取するときは、四分法によつて縮分して約二〇〇グラムを採取すること。
    3.   (三) 検定の操作に用いる原子吸光分光光度計等器械器具は、その性能等を十分検定したうえ使用すること。また、ガラス器具についても、パイレックスまたは硬質製のものを使用し、検定の操作中に他の物質が混入することがないように配慮すること。
          試薬については、試薬中にカドミウム等が共存しないことを確めて試薬特級また精密分析用を使用すること。
    4.   (四) 検定操作における測定誤差を少なくするように努めるとともに必要な場合にはクロスチエツクをして検定結果の精度を確保すること。
  3.  三 対策地域の指定のために行なう調査の実施に当たつては、次に掲げる事項についてもあわせて調査検定し、土壌汚染対策事業の効率的実施に資するものとする。
    1.   (一) 土壌の採取は、地表から地表下一五センチメートルまでの土層のほか、地表下一五センチメートルから地表下三〇センチメートルまでの土層およびそれ以下の土層からも土壌を採取し、その土壌中のカドミウムを分析することによつて土壌中のカドミウムの垂直分布もあわせては握しておくこと。
    2.   (二) 対策地域の指定は、当面カドミウムおよびその化合物について行なうこととされているが、当該対策地域がカドミウムおよびその化合物以外の物質たとえば銅およびその化合物あるいは亜鉛およびその化合物等が含有されていると推定される場合には、これらの物質についても、同時に測定すること。
第二 農用地土壌汚染対策計画の策定について
  農用地土壌汚染対策計画(以下「対策計画」という。)の策定または変更を行なうに当たつては次の事項に留意するものとする。
  1.  (一) 対策計画は、対策地域に係る農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止もしくは除去またはその汚染に係る農用地の利用の合理化を図るための基本的な計画であり、対策計画の達成のために必要な事業は、対策計画に基づいてそれぞれの事業ごとに個別の計画が策定され事業が実施されるものであること。
  2.  (二) 都道府県知事は、対策計画の承認の申請をしようとするときは、都道府県公害対策審議会および関係市町村長の意見をきかなければならず(法第五条第五項)、また、承認の申請に当たつては、聴取した意見書を添付すること。
  3.  (三) 都道府県知事は、対策計画を定めようとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならないこと(法第五条第四項)。
       この場合の承認申請書は、別記様式第三号によること。
  4.  (四) 都道府県知事は、対策計画を定めたときは、遅滞なく、その概要を公告するとともに、関係市町村長に通知しなければならないこと(法第五条第六項)。
       この場合の公告の方法は、都道府県の公報に掲載して行なうものとし、また、通知書の様式は、別記様式第四号によること。
  5.  (五) 都道府県知事は、対策地域の区域の変更または対策地域の区域内にある農用地の土壌の汚染の状況の変動等により必要が生じたときは、対策計画を変更することができること(法第六条第一項)。
       対策計画を変更しようとするときは、規則第三条に規定する軽微な変更を除き、都道府県公害対策審議会および関係市町村長の意見をきくとともに、農林水産大臣の承認を受けなければならず、また、対策計画を変更したときは、遅滞なく、その概要を公告するとともに関係市町村長に通知しなければならないこと(法第六条第二項において準用する法第五条第三項から第六項まで)。
       この場合の変更承認申請書の様式は、別記様式第五号によること。
第三 特別地区の指定等について
  都道府県知事は、特別地区を指定するに当たつては、次の事項に留意するものとする。
  1.  (一) 都道府県知事は、特別地区を指定したときは、遅滞なく、規則第四条の規定により、その旨を公告するとともに農林水産大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知しなればならないこと(法第八条第二項)。
       この場合の報告書および通知書の様式は、別記様式第六号によること。
  2.  (二) 市町村長は、当該市町村の区域内の一定の地域で特別地区の指定要件に該当するものを特別地区として指定すべきことを都道府県知事に対し要請することができること(法第八条第三項)。
       この場合の申請書の様式は、別記様式第七号によること。
  3.  (三) 都道府県知事は、特別地区の指定要件となつた事実の変更により必要が生じたときは、その指定に係る特別地区の区域もしくはその区域に係る指定農作物等の範囲を変更し、またはその指定を解除することができること(法第九条第一項)。
       特別地区の区域もしくは指定農作物等の範囲の変更またはその指定の解除をしたときは、遅滞なく、規則第四条の規定により、その旨を公告するとともに、農林水産大臣に報告し、かつ、関係市町村長に通知しなければならないこと(法第九条第二項において準用する法第八条第二項)。
       この場合の変更または解除の報告は、別記様式第六号に準じた報告書に、変更または解除の理由を明らかにした書面を添付して行なうこと。
第四 農用地の土壌の汚染に関する調査測定等について
  農用地の土壌の汚染に関する調査測定に関しては、次の事項に留意するものとする。
  1.  (一) 土壌の汚染の調査測定に従事する職員の確保に努めるとともに、当該職員の資質向上を図り、効率的に調査測定を推進するための措置についても配慮すること。
  2.  (二) 農用地の土壌の汚染に関する調査測定結果の公表は、調査結果がまとまつた段階において、都道府県の公報にその概要を掲載して行なうこと。
第五 調査職員の証明書について
  法第一三条第二項の職員の身分を示す証明書の様式は、別記様式第八号のとおりとする。
第六 環境庁の設置に伴う所管の変更等について
  本年七月一日付け環境庁の発足に伴い、今後農林省と環境庁が相互に協力しつつ農用地の土壌の汚染防止対策を実施することとなり、それぞれの所管する事項については次官通達第七のとおりであるが、その細部は七月一日から次のとおりとなる見込みである。
  1.  (一) 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律は、環境庁設置法(昭和四六年法律第八八号)附則第三五条等の規定により、別添のとおり改正されること。
  2.  (二) 土壌汚染対策審議会令(昭和四六年政令第一七六号)は、環境庁組織令(昭和四六年政令第二一九号)附則第二条の規定により、廃止されるとともに、同組織令第三四条の規定により、中央公害対策審議会に部会が置かれること。
  3.  (三) 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行令(昭和四六年政令第二〇四号)第二条第二項中「農林省令」とあるのが、環境庁組織令附則第二七条の規定により、「総理府令」と改められること。
  4.  (四) 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行規則(昭和四六年農林省令第四六号)が廃止されるとともに、同施行規則第一条および第四条と実質的に同一の内容である農用地土壌汚染対策地域の指定等に関する手続を定める総理府令(昭和四六年総理府令第四三号)ならびに同施行規則第二条および第三条と実質的に同一の内容である農用地土壌汚染対策計画の内容等を定める命令(昭和四六年総理府、農林省令第一号)が制定されること。
  5.  (五) 農用地土壌汚染対策地域の指定要件に係るカドミウムの量の検定の方法を定める省令(昭和四六年農林省令第四七号)は、改正されることなく効力を有するが、今後の改正は、総理府令で行なわれること。
  6.  (六) 次官通達およびこの通達は、将来改正または廃止されるまでは、有効であること。
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