法令・告示・通達

特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法の施行について

  • 公布日:平成6年7月14日
  • 環水管148号

(各都道府県知事あて水質保全局長通知)

 標記の件については、平成六年七月一四日付け環水管第一四七号をもって環境事務次官により通達したところであるが、同通達において別途通達するとされた事項のうち、指定水域及び指定地域の指定の申出、水質保全計画の策定等については、下記により運用することとされたい。

 一 指定水域及び指定地域の指定の申出等について

  1.   (一) 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号。以下「法」という。)において、内閣総理大臣が指定水域及び指定地域の指定等を行う場合、都道府県知事の申出が前置とされている(法第四条第一項)。この場合、申出を行う都道府県知事とは、指定水域となるべき公共用水域を管轄する都道府県知事を意味する。
  2.   (二) 都道府県知事が水道事業者から法第四条第二項に基づく要請を受けた場合においては、都道府県知事は、法第四条第一項の要件が満たされていることを確認した上で、内閣総理大臣に対して申出を行うこととされたい。
        また、水道事業者からの要請がない場合であっても、水道水源水域における特定項目に係る水の汚濁の状況からみて特定水道利水障害が生ずるおそれがあると判断される場合には、法第四条第五項に基づき、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法施行規則(平成六年総理府令第二五号)第三条に掲げる事項について水道事業者に対し意見の聴取を行い、法第四条第一項の要件が満たされていることを確認した上で、内閣総理大臣に対して申出を行うこととされたい。
  3.   (三) 法第四条第一項の要件が満たされていることの確認については、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する基本方針(平成六年総理府告示第一七号。以下「基本方針」という。)第一の一において法第四条第一項の要件を満たしているかどうかの判断に際し配慮すべき事項が示されているところ、これを踏まえることとされたい。
        なお、水道事業者の対策により特定水道利水障害を防止することが困難な場合の水道水源水域の対策としては、生活系排水の汚濁負荷量の割合が大きい場合については、極力、下水道のほか、コミュニティプラント、農業集落排水施設、合併処理浄化槽等の施設整備事業等の各種公共事業の実施により対応することとするものとし、産業系排水を含め総合的・計画的に汚濁負荷の削減を講じる必要がある場合には、法に基づき事業の実施等による生活系排水対策と排水規制等による産業系排水対策を講じることとし、その場合、均衡の取れた形で対策が総合的に講じられる必要があることに留意されたい。
  4.   (四) 法第四条第一項の規定に基づき、都道府県知事が内閣総理大臣に対し指定水域及び指定地域の指定について申出をするに当たっては、次の資料を添付することとされたい。
    1.    ① 申出に係る水域及び地域が、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する基本方針第一の一及び二の要件を満たすことを説明する資料
    2.    ② 法第四条第二項により水道事業者が要請をした場合(法第四条第三項により要請とみなされた場合を含む。)にあっては要請書の写し
    3.    ③ 法第四条第五項に基づく関係市町村長及び関係水道事業者の意見書の写し
    4.    ④ 当該指定水域及び指定地域の範囲等を示す地図
    5.    ⑤ その他参考となるべき事項
  5.   (五) 都道府県知事は、事情の変化により指定の変更又は解除の必要が生じたと認めるときは、指定の解除又は変更の申出をしなければならないこととされている(法第四条第八項)ことにかんがみ、このような指定の変更又は解除の申出についても、法第四条第一項に掲げる要件に照らして適切かつ速やかに行うよう留意されたい。
  6.   (六) 水道事業者から法第四条第二項に基づく要請があった場合、水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律(平成六年法律第八号。以下「事業促進法」という。)において事業促進法の要請があったものとみなすことが規定されていることから、異なる都府県の区域内に給水区域を有する水道事業者からの要請があった場合には、本法に基づく検討を開始するとともに、遅滞なく、要請があった旨を給水区域に係る都府県の知事に対し通知することとされたい。

 二 水質保全計画の策定について

   法第五条の水質保全計画の策定については、基本方針及び環境事務次官通達によるほか、指定水域・指定地域の実情を踏まえつつ、次に定めるところによることとされたい。
   なお、都道府県知事が水質保全計画を定めるに当たって留意すべき事項等については、別途通知する。

  (一) 指定水域の水質の保全に関する方針

    法第五条第二項第一号の指定水域の水質の保全に関する方針は、地域の自然的社会的条件を踏まえて、必要な施策について総合的な検討を行い、その結果を踏まえて、指定水域の水質の保全に関する施策の推進の方針を明らかにするものである。

  (二) 水道事業者が講じ、及び講じようとする措置

    第二号の水道事業者が指定水域の水質の汚濁の状況に応じて講じ、及び講じようとする措置とは、水道事業者が法第四条第二項の規定による要請をし、又は同条第五項の意見を述べた際その要請又は意見に係る水道水源水域の水質の汚濁に応じて講じ、及び講じようとしているものであり、法第四条第一項の指定水域等の指定の前提となっているものであることに留意されたい。

  (三) 指定水域の水質の保全に関する目標

    第三号の指定水域の水質の保全に関する目標は、指定水域において特定水道利水障害を防止するために必要なトリハロメタン生成能の濃度として設定するものとする。
    また、水質保全対策を総合的・計画的に推進することによる効果を踏まえ、その達成期間を定めるものとする。
    なお、水質目標の設定方法については、別途通知する。

  (四) 指定水域の水質の保全に資する事業

    第四号の下水道、し尿処理施設及び浄化槽の整備、しゅんせつその他の指定水域の水質の保全に資する事業は、下水道のほか、コミュニティプラント、農業集落排水施設、合併処理浄化槽等各種生活排水処理施設の整備、家畜ふん尿処理施設の整備、河川浄化施設の整備や生活排水対策重点地域における生活排水汚濁水路浄化事業等の河川、水路等の直接浄化事業、浄化用水導入に関する事業等並びにしゅんせつ事業である。計画においては、指定水域・指定地域の実情を踏まえて必要な措置を検討の上、各事業の推進方針を記述するものとする。

  (五) 指定水域の水質の汚濁の防止のための規制その他の措置

    第五号の指定水域の水質の汚濁の防止のための規制その他の措置には、特定排水基準に係る排水の規制措置、構造等基準に係る施設に関する規制措置のほか、これらの規制措置の対象外である者に対する指導、助言の措置が含まれる。計画においては、各種発生源の別にこれらの規制その他の措置の具体的な推進方針を記述するものとする。なお、これらについては、その措置の技術的・経済的な実施可能性について十分な配慮を加えることが必要である。

  (六) その他指定水域の水質の保全のために必要な措置

    第六号の指定水域の水質の保全のために必要な措置としては、生活排水対策の推進、面源である農地・市街地等に対する対策、事業者に対する助成、その他の必要な措置について計画に記述するものとする。
    生活排水対策に関しては、生活雑排水の適正処理の促進その他各家庭に対する指導等の措置について推進方針を記述するものとする。
    その他の面源負荷のうち、農地からの流出負荷に関しては、その実態把握に努めつつ実施可能な営農上の措置について推進方針を記述するものとする。
    また、市街地等から降雨等に伴い流出する汚濁負荷に関しても、その実態把握に努めつつ対策を検討の上、実施可能な措置について推進方針を記述するものとする。

 三 指定水域の水質の汚濁の防止のための規制等

  1.   (一) 指定地域においては、法に基づき、特定施設等について新たに届出が必要となるため、届出事項、期限等について、対象事業者に対し周知徹底を図られたい。
  2.   (二) 法第一七条の規定に基づく指導、助言及び勧告については、畜産等中小規模の事業者が多い業種等に関しては、その事業活動の実態を考慮しつつ、技術的、経済的に実施可能なものとする必要があることに配慮されたい。なお、本条の指導等は、罰則等の強制力を伴うものではないことに留意されたい。
  3.   (三) 特定排水基準の設定及び構造等基準の設定については、別途通知する。

 四 水道水源水域における水質の測定について

   都道府県知事は、法第二四条の規定に基づき、水道水源水域における特定項目で示される水質の汚濁の状況が的確に把握されるよう水質汚濁防止法第一六条第一項の測定計画を作成し、必要な監視を行うこととされたことから、特定項目に係る測定を測定計画に位置づけるとともに、所要の体制を整備されたい。
   なお、測定の方法については、別途通知する。

 五 関係機関との調整等

   水域及び地域の指定の申出に当たっては、あらかじめ河川管理者の意見を聴取することとされたい。
   また、法第四条第一項による水域及び地域の指定の申出、法第四条第四項に基づく意見の陳述、法第四条第八項の規定の変更若しくは解除の申出又は法第五条第一項の水質保全計画の策定若しくは変更に当たっては、あらかじめ当該水域から直接農業用水を取水している土地改良区の意見を聴取するとともに、農業用用排水施設を管理している者と十分調整することとされたい。
   さらに、河川管理者(当該指定水域から流下する河川の河川管理者を含む。)及び法第二二条第三項の政令で定めるものから指定水域及び指定地域について必要な資料の提供その他の協力が求められた場合には、必要な協力を行うよう配慮されたい。
   さらに、法第五条第七項(同条第一二項において準用する場合を含む。)の規定に基づき事業実施者から意見を聴こうとする場合には、市町村の農林水産担当部局、下水道担当部局とあらかじめ協議を整えた上で行うこととされたい。

ページ先頭へ