法令・告示・通達

海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律等の施行に係る留意事項について

  • 公布日:昭和55年11月10日
  • 環水企289号

(各都道府県・各政令市廃棄物担当部(局)長あて環境庁水質保全局企画課長通達)
 「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(昭和五五年条約第三五号。以下「条約」という。)の実施に伴う海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律等の施行については、別途環境庁水質保全局長及び運輸省大臣官房総務審議官からの通知(環水企第二八八号、官環第一三四号)により指示されたところであるが、なお、左記の事項に留意して運用されたく通知する。

第一 廃駆除剤の規制について

 一 廃駆除剤の範囲

  1.   (一) 廃駆除剤は、

    1.    ① 農業取締法(昭和二三年法律第八二号)に規定する農薬のうち農作物(樹木及び農林産物を含む。)を害する動植物又はウイルスの防除に用いられるもの
    2.    ② 薬事法(昭和三五年法律第一四五号)に規定する医薬品又は医薬部外品のうち、人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止が目的とされているもの
    3.    ③ 白ありの防除に用いられる薬剤
    4.    ④ ①~③に掲げる薬剤の有効成分である化学物質

        として製造され又は輸入されたものであつて、人が不要としたものとされたこと。

  2.   (二) ④の「薬剤の有効成分である化学物質」とは、いわゆる薬剤の原体をさすが、当該原体である化学物質は用途にかかわらずすべて廃駆除剤の範囲に含まれるものであること。ただし、当該化学物質を含む汚でい等の廃棄物及び当該化学物質を原料として使用した製品のうち前記①~③に該当しないものについては廃駆除剤の範囲に含まれないものであること。
  3.   (三) 前記①~④の薬剤又は化学物質のうち、そのまま海洋に投棄されても海洋環境の保全上支障のないものについては、廃駆除剤の範囲から除外したこと。

 二 廃駆除剤を処理したものの取扱い

  1.   (一) 廃駆除剤を

    1.    ① 薬剤の有効成分又は薬剤の有効成分である化学物質を化学的処理により海洋環境の保全上支障のないものとするか、又は
    2.    ② 薬剤の有効成分又は薬剤の有効成分である化学物質を十分分解することのできる焼却炉において焼却した
          ものについては、廃駆除剤の範囲から除外されること。
  2.   (二) 「化学的処理により海洋環境の保全上支障のないものとする」とは、基本的には、薬剤又は化学物質の有効性をなくすことをさすものであるが、分解等による生成物が海洋の水産動植物及びその生育環境に特段の影響を与える場合は含まれないものであること。

 三 その他

   廃駆除剤のうち、でい状のものは産業廃棄物の汚でいに、液状のものは産業廃棄物の廃酸又は廃アルカリに、また、その他のもの(例えば粉状のもの)は一般廃棄物に該当し、日常生活に伴つて生じたもの以外が規制されること。いずれの場合においても、海洋投入処分が禁止されていること。

第二 人の健康に重大な被害を生じさせるおそれがあるもので環境庁長官が指定するものについて

  当該規定に該当するものとしては、硫化ジクロルジエチル(旧軍の製造した毒ガス弾に使用された物質)が考えられるが、これについては条約上の手続を経た後、指定するものであること。今後も硫化ジクロルジエチルについては従前どおり自衛隊が処理することとなるので当該物が発見された場合には、早急に自衛隊に連絡することとされたい。

第三 銅・亜鉛若しくはこれらの化合物又はふつ化物の規制について

  銅・亜鉛若しくはこれらの化合物又はふつ化物(以下「銅等」という。)の規制対象となる工場又は事業場のうち、酸又はアルカリによる表面処理施設及び電気めつき施設並びにこれらの施設を有する工場若しくは事業場から排出される水又はこれらの施設を有する工場若しくは事業場において生じた汚でい、廃酸若しくは廃アルカリの処理施設を有する工場若しくは事業場において生じた汚でいに含まれる銅等に係る基準については、昭和五六年一一月一三日までの暫定基準が設けられているので留意されたい。

第四 焼却方法に関する基準について

 一 黒煙の基準

  1.   (一) 黒煙の基準は、日本工業規格(以下「規格」という)。D八〇〇四に規定する反射式スモークメータにより測定した汚染度が五〇%以下とすること。これは、リンゲルマン方式におけるスモークナンバーがおおむね二以下に相当するものであること。したがつて、視認によりリンゲルマンスモークナンバーが二以下であることが明らかである場合には、黒煙の基準を満たしているものと判断して差し支えないこと。
  2.   (二) 黒煙の測定は、規格D八〇〇四に則して測定するのが原則であるが、これにより難い場合には、排ガス導管の使用、排ガス冷却器の設置等の変型を行つても差し支えないものであること。

 二 燃焼効率等の基準

  1.   (一) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令別表第四第一号から第三号までの上欄に掲げる油又は廃棄物については、焼却方法に関する基準を①燃焼効率九九・九%以上、②火炎温度一、二五〇℃以上、③主要な燃焼室における燃焼ガスの平均滞留時間(以下「平均滞留時間」という。)一秒以上としたこと(廃PCB等については、②及び③は適用されない。)。
  2.   (二) 廃PCB等又は熱分解性について疑義がある化学物質として環境庁長官が指定したもの(指定化学物質)若しくは指定化学物質を含む油又は廃棄物のうち環境庁長官が指定するものを焼却する場合にあつては、火炎温度及び平均滞留時間は、焼却設備ごとに、当該焼却設備について運輸大臣の行う検査又は外国船に設置された焼却設備であつて、わが国以外の条約の締約国から焼却設備に関する当該締約国の法令に適合していることを証する有効な書面の交付を受けている場合にはその書面(以下「検査等」という。)によりPCB又は指定化学物質の分解効率が九九・九%を超えることが確認されたときの当該焼却設備における火炎温度及び平均滞留時間以上の温度及び時間とすることとしたこと。
  3.   (三) (二)に規定する油又は廃棄物以外の油又は廃棄物を焼却する場合にあつても、火炎温度及び平均滞留時間は、焼却設備ごとに、当該焼却設備について検査等により当該油又は廃棄物に含まれる有機塩素化合物、有機ふつ素化合物又は廃駆除剤の有効成分である化学物質の分解効率が九九・九%を超えることが確認されれば、そのときの火炎温度及び平均滞留時間以上の温度及び時間とすることができることとしたこと。
  4.   (四) シアン化合物を含む油又は廃棄物については、シアン化合物の十分な分解を担保するために、焼却方法の基準を①火炎温度一、一〇〇℃以上、②平均滞留時間一秒以上としたこと。これらの基準は、(三)と同様の扱いを受けること。この場合において「有機塩素化合物、有機ふつ素化合物又は廃駆除剤の有効成分である化学物質」を「シアン化合物」と読み替えるものとする。

第五 焼却海域に関する基準について

  1.   (一) G海域で焼却することのできる油又は廃棄物として、①紙くず、②木くず、③繊維くず、④ゴムくず、⑤海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第三条第一号に規定する油であつて人が不要としたものを定めたこと。
  2.   (二) これらの廃棄物は、基本的にはすべての海域において焼却することができることとなつたが、F海域の内側の海域には漁船等の輻湊している場所も多いので、焼却場所の選定にあたつては、漁船の操業場所を避け、港内又はその周辺等で最も他に影響を及ぼさない場所とするよう事業者を指導されたい。
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