法令・告示・通達

窒素酸化物に係る測定法について

  • 公布日:昭和57年7月16日
  • 環大規238号

環境庁大気保全局大気規制課長から各都道府県・各政令市担当部(局)長あて

 大気汚染防止法施行規則(以下「規則」という。)第7条の5第2項に規定する環境庁長官が定める窒素酸化物の量の測定法、規則第15条第5号本文に規定する環境庁長官が定める窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定法及び同号ただし書に規定する環境庁長官が定める事項については昭和57年3月29日、それぞれ環境庁告示第48号、第49号及び第50号をもつて公布された。
 これらの告示は、窒素酸化物に係る総量規制制度の導入に伴い、窒素酸化物に係る総量規制基準を適用する場合における窒素酸化物の量の測定法の整備を図り、特定工場等に設置されている排出ガス量が4万Nm3/h以上の窒素酸化物に係るばい煙発生施設の常時測定義務に係る測定等特定工場等における窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定法の整備を図ることを目的としたものである。
 貴職におかれては、窒素酸化物に係る総量規制の円滑かつ確実な実施のため、下記の事項に十分留意の上、窒素酸化物に係る適確な測定に遺憾なきを期されたい。

第1 窒素酸化物に係る総量規制基準を適用する場合における窒素酸化物の量の測定方法について

 窒素酸化物に係る総量規制基準を適用する場合における窒素酸化物の量の測定方法は、日本工業規格(以下「JIS」という。)K0104に定める方法により窒素酸化物濃度を、JISZ8808に定める方法により排出ガス量をそれぞれ測定して算定する方法又は環境庁長官が定める方法とされている(規則第7条の5第2項)。この環境庁長官が定める方法については、昭和57年3月29日、環境庁告示第48号「窒素酸化物の量の測定法」(以下「48号告示」という。)をもつて告示したところである。48号告示においては、JISK0104に定める方法により窒素酸化物濃度を、燃焼計算から算定する方法又は出力の大きさとJISZ8808に定める方法により測定された排出ガス量との間に認められる相関関係を用いて算定する方法(発電の用のみに供するボイラーの場合に限る。)により排出ガス量をそれぞれ測定して算定する方法が定められた。
 これらの方法による測定の実施に当たつては以下の点に留意されたい。

1 一般的事項

  窒素酸化物に係る総量規制基準は、1時間当たりに排出される窒素酸化物の量についての許容限度であることを基本とするものであるため、この1時間値を適切に把握し得るよう測定を行うこと。
  なお、総量規制基準が、昭和56年11月12日付け環大規第298号本職通知(以下「56年通知」という。)第2の2の趣旨に基づき、ばい煙発生施設の1工程の中での平均的な窒素酸化物の排出の状況に着目した上で設定された場合には、それに対応する適切な窒素酸化物の量を把握すること。なお、この場合、非常に長期間の試料採取を必要とする施設に係る測定に当たつては、昭和46年8月25日付け環境庁大気保全局長通達(以下「46年通達」という。)第4の2の(1)の趣旨にのつとり、1工程を適切に代表するような期間を選定して試料採取を行つても差し支えないのでこの点留意されたいこと。

2 窒素酸化物濃度の測定方法

  窒素酸化物濃度の測定については、昭和48年8月9日付け環大規第133号環境庁大気保全局長通達(以下「48年通達」という。第3の2の(3)のウによることとし、また、測定値の取扱い、試料の採取方法等については、46年通達第4の1、2及び3の趣旨に留意されたいこと。
  JISK0104に定める方法のうち連続分析法による場合は、JISB7982に定める自動計測器を用いること。

3 排出ガス量の測定方法

  排出ガス量の測定方法は、排出ガスの平均流速に煙道断面積を乗じる方法、燃焼計算による方法及び発電出力の大きさとJISZ8808に定める方法により測定された排出ガス量との間に認められる相関関係を用いて算定する方法に大別することができるが、それぞれの方法についての留意点は次のとおりである。

 (1) 排出ガスの流速を測定することにより求める方法について
  1.   ア 排出ガスの流速の測定に当たり、JIST8202に定める風速計(携帯用熱式風速計)等の気体流速計を使用する場合には、測定対象排出ガスの特性に応じた適切なものを採用すること。なお、当該流速計の指示値が排出ガスの性状(温度、圧力及び組成)及びダストの性質により影響を受ける場合には、ピトー管による測定値と比較して計測器の指示値の補正を行うこと。
  2.   イ 排出ガスの流速の測定位置は、窒素酸化物濃度を測定するための試料採取口と同一位置又はこれに極めて近い位置とすること。
  3.   ウ 排出ガスの流速を長時間連続して測定する場合には、測定位置における煙道内の平均的な流速を示す1点を測定点とすることができること。なお、この場合、計測器指示値とJISZ8808の3規定に基づく測定点による排出ガス量測定値との関係を必要に応じ確認しておくこと。
 (2) 燃焼計算により求める方法について

   JISZ8808に定める方法は、燃焼計算によりいつたん湿り排出ガス量を求め、それから排出ガス中の水分量を差し引くことによつて乾き排出ガス量を求めるというものである。これに加えて、48号告示においては、いつたん湿り排出ガス量を求めるのではなく、燃焼計算により直接乾き排出ガス量を求める方法が定められ、その一般的な算定式が示されたものであること。
   本方法についての留意点は次のとおりである。

  1.   ア 理論乾き排出ガス量及び理論空気量は、適切に分析された燃料の組織又は排出ガスの成分を用いて、JISB8222又はJISZ8808に定める算定式により求めること。
  2.   イ 燃料使用量の測定法としては、JISZ8762又はJISZ8763に定める方法のほか、計量法第12条第5号に規定する積算体積計等があるが、測定対象燃料の特性に応じた適切なものにより測定すること。
  3.   ウ 空気比は、適切に分析された燃料の組成、排出ガスの成分を用いて求めるものとするが、液体燃料又は固体燃料を燃料とするばい煙発生施設であつて、燃料の完全燃焼が行われると認められるものについては、排出ガス中の残存酸素濃度の値から求めることができるものであること。
        なお、排出ガスの成分の測定位置は、窒素酸化物濃度を測定するための試料採取口と同一位置又はこれに極めて近い位置とすること。
        また、排出ガス中の残存酸素濃度を自動計測器により測定する場合は、JISB7983に定める自動計測器のうちから、測定対象排出ガスの特性に応じたものを採用すること。この場合、必要に応じオルザットガス分析法と同時測定を行い、自動計測器の指示値の確認を行うこと。
 (3) 発電出力の大きさとJISZ8808に定める方法により測定された排出ガス量との間に認められる相関関係から求める方法

   この方法は、あらかじめJISZ8808に定める方法により測定された排出ガス量と出力の大きさとの間に相関関係が認められ、かつ、当該相関関係が成立するための前提となる条件が明らかにされている発電の用のみに供するボイラーにおいて、当該前提となる条件が満たされている場合に利用し得るものであること。

第2 特定工場等における窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定について

特定工場等に設置されているばい煙発生施設のうち、ばい煙発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される排出ガス量が4万Nm3/h以上のものに係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定は、規則別表第3の2の備考に掲げる測定法又は環境庁長官が定める測定法により、常時行うこととされている(規則第15条第5号本文)。この環境庁長官が定める測定法については、昭和57年3月29日、環境庁告示第49号「窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定法」(以下「49号告示」という。)をもつて告示したところである。
 また、特定工場等に設置されているばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定については、原則として規則第15条第5号本文に規定するところによるが、例外として、環境庁長官が定める場合にあつては、環境庁長官が定めるところにより行うことができることとされている(規則第15条第5号ただし書)。この環境庁長官が定める事項については、昭和57年3月29日環境庁告示第50号「大気汚染防止法施行規則第15条第5号ただし書の規定に基づき定める件」(以下「50号告示」という。)をもつて告示したところである。
 これらの方法等による測定の実施に当たつての留意点は次のとおりである。

1 窒素酸化物に係るばい煙濃度の常時測定について

 (1) 一般的事項

   常時測定は、連続測定によることを原則とし、常時測定の結果の記録は、1時間単位の窒素酸化物に係るばい煙濃度として整理すること。なお、この場合、総量規制基準の設定に当たつて、56年通知第2の2の趣旨に基づき1工程の中での平均的な窒素酸化物の排出の状況に着目されたばい煙発生施設については、当該1工程の中での平均的な窒素酸化物に係るばい煙濃度についても整理すること。

 (2) 規則別表第3の2の備考に掲げる測定法について
  1.   ア 一般的事項
    1.    (ア) 測定器は、測定対象排出ガスの特性に応じたものを採用すること。
    2.    (イ) 測定器は、直射日光、振動、高温等、計測値に影響を及ぼす要因が少なく、かつ保守管理が容易な場所を選んで設置すること。
    3.    (ウ) 排出ガスの採取系統については、導管はできる限り短かくし、加熱保温して、水分等の凝縮を防止すること。
    4.    (エ) 測定器の校正等、保守管理は十分に行い、測定値の精度の管理に努めること。
  2.   イ 排出ガス中の窒素酸化物濃度の測定
        JISB7982に定める自動計測器を使用して、JISK0104に定める方法のうち連続分析法により行うこと。
        また、46年通達第4の3の(1)及び48年通達第3の2の(3)のウの(ウ)に留意すること。
  3.   ウ 排出ガス中の残存酸素濃度の測定
        JISB7983に定める自動計測器を使用して測定することとし、必要に応じオルザットガス分析法と同時測定を行い、自動計測器の指示値の確認を行うこと。
        測定位置は、窒素酸化物濃度を測定するための試料採取口と同一位置又はこれに極めて近い位置とすること。
 (3) 環境庁長官が定める測定法について

   49号告示においては、規則第15条第5号本文に規定する環境庁長官が定める窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定法として、ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標と窒素酸化物に係るばい煙濃度(規則別表第3の2の備考に掲げる方法により測定されたものに限る。)との間に認められる相関関係を用いて、当該指標から窒素酸化物に係るばい煙濃度を算定する方法が定められたこと。
   窒素酸化物の生成機構は非常に複雑であり、その生成に影響を有する各種の因子を変数とした理論式を用いて窒素酸化物に係るばい煙濃度を演繹的に求めることは、一般的には困難である。
   しかしながら、個々のばい煙発生施設に着目すれば、当該施設の使用の状況等に係る指標のうち特定のものと窒素酸化物に係るばい煙濃度との関係を、相当程度の相関関係をもつて経験的に明らかにすることが可能であるものが存在することが知られている。すなわち、実際のばい煙発生施設は、一定の条件の下に計画的に運転、稼働されることが一般的であるため、窒素酸化物の生成に関連する多数の因子は、それぞれ独立して変化するものではなく、通常は、1又は少数の主要因子に従属する関係となる場合が多く、当該主要因子を発見してそれを指標とし、当該指標と窒素酸化物に係るばい煙濃度との関係を個々の施設ごとに調査し、検討することによつて、両者の関係に相当程度の相関性を見出すことができることがあるものである。

  1.   ア 概要
    1.    (ア) 相関性の検討
           本方法により窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定を行おうとするばい煙排出者は、まず対象とする施設について、特定の指標(ばい煙発生施設の使用の状況等に係るものに限る。)と窒素酸化物に係るばい煙濃度との間に一定の相関関係が成立し、その関係を用いて窒素酸化物に係るばい煙濃度を相当程度の精度で算定し得るかどうかについて検討し、当該施設における本方法の適用の可否について結論を得なければならないこと。この場合、相関性についての検討は、次のように行うこと。
      1.     (ⅰ) 関連データの収集
              対象とする施設について、本方法の適用の可否についての検討を行うために必要なデータを実測により把握すること。データは次に掲げるものを同時に把握するとともに、当該施設の実態を十分把握することができるよう複数のデータを把握すること。
        1.      [ア] ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標
        2.      [イ] 窒素酸化物に係るばい煙濃度
                 なお、[ア]についてのデータの収集は、当該施設の運転条件、稼働条件等の変動の状況等を十分に踏まえた上で、当該指標の通常変動する範囲全般にわたつて行うこと。
      2.     (ⅱ) 相関性の検討の実施
              対象とする施設の使用の状況等に係る指標のデータと窒素酸化物に係るばい煙濃度のデータの相関関係を解析し、相関性の有無についての検討を行うこと。この場合、留意点は次のとおりである。
        1.      [ア] ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標のデータと窒素酸化物に係るばい煙濃度のデータとの相関性の有無については、両者の回帰式を求め、その統計的解析を行うことにより検討すること。この場合、ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標は、複数の種類であつても差し支えないが、1種類であることが実際的であると思料されること。
        2.      [イ] ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標から回帰式を用いて算定された窒素酸化物に係るばい煙濃度の値の大半について、その実測値に対する比が0.9~1.1の範囲内にあたる場合に、相関関係が認められるものであること。
        3.      [ウ] 相関関係は、通常、当該施設の使用の状況等のうち一定のものが一定の条件下にあること等を前提として成立することが多い。例えば、使用する燃料の種類、性状、施設の負荷率等に関する事項が考えられる。そこで、相関関係が成立するためのこれらの前提となる条件を把握した上で、本方法を適用していく際の制約条件として明らかにしておくことが必要であること。
    2.    (イ) 本方法の実施
           本方法を使用するに当たつては、(ア)の(ⅱ)で明らかにされた前提となる条件が満たされていることをあらかじめ確認すること。
           本方法により窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定を実施していく際には、2月を超えない作業期間ごとに1回以上、本方法により算定された窒素酸化物に係るばい煙濃度を規則別表第3の2の備考に掲げる測定法により測定された窒素酸化物に係るばい煙濃度の実測結果と照合して、両者が相当程度適合していることを確認することとされたが、この場合の確認は、実測値に対する本方法による算定値の誤差が±10%以内であることを目途とすること。
  2.   イ 都道府県知事の関与、指導
        個別のばい煙発生施設における本方法の適用の可否に関する検討、判断は、本方法を用いようとするばい煙排出者が行うものであるが、当該検討、判断が当該施設について適切なものであるか否かについて、あらかじめ客観的な評価が行われることが必要であると考えられる。このため、貴職におかれても、この点を踏まえ、本方法を使用して、窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定を行おうとするばい煙排出者に対しては、あらかじめ報告を求めるとともに、当該施設について、その使用の状況等に係る指標と窒素酸化物に係るばい煙濃度との相関性についての検討が適切なものであるか否か、相関性が十分に確保され得るものであるか否か、相関関係が成立するための前提となる条件が適切に把握され得るものであるか否か等について評価の上、所要の指導を行われたいこと。
        この場合、相関性が十分に確保され得るものであるか否かの評価に当たつては、必要に応じ立入検査を行うこと等により確認されたいこと。
        なお、都道府県知事が定める事項としては、本方法を使用しようとするばい煙排出者に対して、あらかじめ、その適否について都道府県知事が評価するために必要な事項の報告を求めるための事項等を定められたいこと。当該事項の例としては、次のようなものが考えられるので参考とされたいこと。
    1.    1 報告を求める事項
      1.     ① 本方法を使用しようとするばい煙排出者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
      2.     ② 対象とするばい煙発生施設が設置されている工場又は事業場の名称及び所在地
      3.     ③ 対象とするばい煙発生施設の
        1.      (a) 種類
        2.      (b) 構造の概要(規模を含む。)
        3.      (c) 使用の方法(使用する原料又は燃料の種類及び性状、運転条件及び稼働条件の変動の実績等)
      4.     ④ 相関関係の検討のための調査の方法
        1.      (a) 採用する指標の名称及びその選択理由
        2.      (b) 実測調査の方法及びその結果
                〇窒素酸化物に係るばい煙濃度について
          •        測定年月日及び時刻(開始時刻~終了時刻)
          •        測定者
          •        測定箇所
          •        測定結果
                〇採用する指標について
          •        ばい煙発生施設の運転条件及び稼働条件
          •        測定の方法及び結果
      5.     ⑤ 採用する指標と窒素酸化物に係るばい煙濃度との間に認められる相関関係(なお、次に掲げる書類を提出すること。)
        1.      (a) 相関関係の検討の方法を明らかにする書類(図を添付)
        2.      (b) 相関関係が認められることを明らかにする書類(図を添付)
      6.     ⑥ 対象とするばい煙発生施設に係る本方法の実施の概要
        1.      (a) 相関関係が成立するための前提となる条件
        2.      (b) (a)が満たされていることを確認する方法
    2.    2 報告の方法に関する事項
      1.     ① 報告の時期
      2.     ② 報告の方法

2 窒素酸化物に係るばい煙濃度の常時測定の例外について

 (1) 一般的事項

   50号告示は、特定工場等に設置されている排出ガス量が4万Nm3/h以上のばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定について定めたものであり、排出ガス量が4万m3/h未満のものについては何ら定めるところではないので、排出ガス量が4万m3/h未満のものに係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定は、規則第15条第5号本文に定めるところによるものであること。

 (2) 第1号について

   排出ガス量が4万m3/h以上のばい煙発生施設が複数であり、そのうちの1のばい煙発生施設の窒素酸化物に係るばい煙濃度を常時測定することによつて、その他のばい煙発生施設の窒素酸化物に係るばい煙濃度を把握し得る場合には、当該代表とし得るばい煙発生施設の窒素酸化物に係るばい煙濃度を常時測定している限りにおいて、その他のばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定は、2月を超えない作業期間ごとに1回以上で足りることとされたこと。
   なお、本号が適用されるための条件としては、1の特定工場等において排出ガス量が4万m3/h以上のばい煙発生施設が複数あり、それらについて種類、構造、操業の系統、使用の方法及び窒素酸化物の排出特性に同一性がなければならないこととされたこと。この同一性の確認に当たつての留意事項等は次のとおりである。

  1.   ア 種類
        種類の同一性を判断するに当たつては、大気汚染防止法施行規則の規定に基づき施設係数の値を定める方法を定める件(昭和56年9月環境庁告示第83号)の別表の第2欄に掲げるばい煙発生施設の種類の区分(都道府県知事が更に区分した場合にはその区分)を異にするばい煙発生施設は同一性を有しないものとすること。
  2.   イ 構造
        構造の同一性を判断するに当たつては、ばい煙発生施設の設置の届出書のうち規則様式第1の別紙1(添付図を含む。)が参考となるものであること。
  3.   ウ 操業の系統(ばい煙の発生に係るもの)
        ばい煙の発生に係る操業の系統の同一性を判断するに当たつては、ばい煙発生施設の設置の届出書の添付書類のうち、規則第8条第2項第3号に基づくものが参考になるものであり、複数のばい煙発生施設が同一の製造等の工程の中に位置づけられていること等が必要であること。
  4.   エ 使用の方法
        使用の方法の同一性を判断するに当たつては、ばい煙発生施設の設置の届出書のうち規則様式第1の別紙2が参考になるものであり、燃料又は原料の種類、性状が共通のものであること、燃焼温度、空気比等の燃焼条件に差異が認められないこと等の条件を満たしていることが必要であること。
  5.   オ 窒素酸化物の排出特性
        ア~エに掲げるものが同一の場合は、窒素酸化物の排出特性もまた同一であることが一般的には推定されるが、窒素酸化物の生成機構は複雑であることから、窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定結果からみて、施設の運転、稼働パターンが同一の時には、各施設の窒素酸化物に係るばい煙濃度にはほとんど差異が認められないことが確認されていることが必要であること。
        なお、本号の趣旨は上記のとおりであり、したがつて本号にいう同一性を有するか否かの判断に当たつては、形式上の同一性を求めるというよりも、代表施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の常時測定によつてその他のばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度を把握するという目的に照らして判断されるべきものであること。
        したがつて、ア~オに掲げた要件の中には、上記の目的に照らした場合比重の大小があり、例えば、使用される原料又は燃料の種類の同一性等施設の使用の方法についての同一性にはかなりの厳密さが要求されるのに対して、構造の一要素である規模の同一性等にはそこまでの厳密性は要求されない、といつたことに注意する必要があること。
        本号に規定する場合に該当するか否かについての確認は、ばい煙排出者が行うべきものであるが、あらかじめその確認に対する客観的な評価を加えておくことが必要であると考えられる。
        したがつて、貴職におかれては、本号に基づき測定を実施しようとするばい煙排出者に対しては、あらかじめ同一性の判断のために必要な事項等の報告を求め、所要の評価と指導を行われたいこと。
        また、本号に基づく測定の実施に当たつては、常時測定を行う1のばい煙発生施設以外のばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定は、2月を超えない作業期間ごとに1回以上で足りることとされたが、常時測定を行う施設とその他の施設の運転条件、稼働条件等の関連を常に把握することにより、常時測定を行う施設以外の施設の窒素酸化物の排出状況の把握にも努めるよう指導されたいこと。
 (3) 第2号について

   排出ガス量が4万Nm3/h以上のばい煙発生施設又はこれを含む2以上のばい煙発生施設から排出される窒素酸化物の量が常時測定されている場合には、当該排出ガス量が4万Nm3/h以上のばい煙発生施設に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定については、規則別表第3の2の備考に掲げる測定法により、2月を超えない作業期間ごとに1回以上行うことで足りることとされたこと。
   本号に基づく測定に当たつての留意事項は次のとおりである。

  1.   ア 規則第7条の5第2項に掲げる測定法により窒素酸化物の量を測定するに当たつては、第1で述べた事項(連続測定法に関するものに限る。)及び第2の1の(2)のアに留意すること。
  2.   イ 窒素酸化物の量とばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標との間に認められる相関関係を用いて窒素酸化物の量を求める方法については、第2の1の(3)で述べた事項に準ずること。
 (4) 第3号について

   排出ガスの大部分が過剰空気であると認められるばい煙発生施設(排出ガス量が4万m3/h以上20万Nm3/h未満のものに限る。)に係る窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定は、規則別表第3の2の備考に掲げる測定法により、2月を超えない作業期間ごとに1回以上行うことで足りることとされたこと。
   なお、この場合「排出ガスの大部分が過剰空気である」ばい煙発生施設としては、電気炉等排出ガス中の残存酸素濃度が通常19%を超えた状態にあると認められるものがこれに該当するものとして取り扱われたいこと。

 (5) その他

   特定工場等における測定は、総量規制基準の確実な遵守のための基本であることから、特定工場等における測定体制の整備には、格別の御指導を賜りたい。このため、特定工場等に設置されているばい煙発生施設において発生する窒素酸化物に係るばい煙排出者に対して、早期に、当該ばい煙発生施設に係る測定計画を提出させること等により、適切な測定体制の整備を円滑に実施することができるよう十分に指導されたい。
   特に、ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標から窒素酸化物に係るばい煙濃度又は窒素酸化物の量を算定する方法の採用及び50号告示の規定の運用については、あらかじめ十分に確認を行い、適切なものとなるよう十分に指導されたい。
   また、測定の結果については、常時の測定の結果は規則第15条第7号に定めるところにより、また、それ以外の測定の結果は同条第6号に定めるところにより規則様式第7により、それぞれ記録し、保存することとされているが、特定工場等における測定の結果の記録に当たつては、次の点に留意するよう関係ばい煙排出者を指導されたいこと。

  1.   ア ばい煙発生施設の使用の状況等に係る指標から窒素酸化物に係るばい煙濃度を常時測定する場合には、相関関係が成立するための前提となる条件の確認の状況、規則別表第3の2の備考に掲げる測定法により2月を超えない作業期間ごとに1回以上実施した窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定の結果及び相関の程度の確認の状況を併せて記録しなければならないこと。
  2.   イ 50号告示の第2号に基づく測定の結果は、規則様式第7により記録することとなるが、排出ガス量が4万Nm3/h以上のばい煙発生施設又はこれを含む2以上のばい煙発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される窒素酸化物の量の常時の測定の結果を、同様式の備考欄に記載しなければならないこと。

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