法令・告示・通達

大気汚染防止法第一五条の規定に基づく燃料使用規制地域の追加および燃料使用に関する基準の改定について

公布日:昭和47年11月30日
環大規126号

(各都道府県知事・政令市市長あて環境庁大気保全局長通達)
 昭和四七年一一月三〇日付けをもつて、標記事項を内容とする大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(昭和四七年政令第四〇九号)および燃料使用に関する基準を定める告示の一部を改正する告示(昭和四七年環境庁告示第一一四号)が制定公布され、同日から施行された。
 今回の改正は、大都市地域におけるいおう酸化物による大気汚染防止対策を強化する観点から行なわれたものであるが、標記の燃料使用に関する規制措置は、排出基準による規制措置とあいまつて、いおう酸化物による大気汚染の防止を図るうえで重要であるので、次の事項にご留意のうえ、法令の施行に遺憾のないようにされたい。

第一 改正の内容

 一 燃料使用規制地域の追加拡大

   大気汚染防止法(以下「法」という。)第一五条第一項の規定により、燃料使用に関する規制措置を講ずる地域として千葉市および福岡市の中心地域を新たに指定するとともに、仙台市、東京都、京都市および大阪市についてその範囲を拡大したこと(大気汚染防止法施行令別表第四の改正)。

 二 燃料使用に関する基準の強化

   燃料使用に関する基準(法第一五条第三項に規定する環境庁長官が定める基準)を改正し、燃料中のいおう含有料一・〇%以上一・五%以下であつたものをいおう含有率〇・五%以上一・二%以下に強化したこと(昭和四六年六月二二日厚生省、通商産業省告示第一号の改正)

第二 改正に伴う留意事項

 一 追加拡大地域における燃料使用基準の設定

   法第一五条の燃料使用に関する規制を実施するには、まず、都道府県知事が燃料使用基準を設定することが必要であるので、今回追加拡大された地域を管轄する都道府県知事にあつては、改正後の燃料使用に関する基準に従つてすみやかに当該地域の燃料使用基準を設定されたい。

 二 燃料使用に関する基準強化に伴う措置

   今回燃料使用規制を強化する観点から燃料使用に関する基準が燃料中のいおう含有率〇・五%以上一・二%以下の範囲に改められたので、現在、燃料使用基準として燃料中のいおう含有率一・二%をこえる基準を定めている地域については、すみやかに改正後の燃料使用に関する基準に従い当該地域の燃料使用基準の強化を図られたい。また、その他の地域にあつても、今回の燃料使用に関する基準の改正の趣旨にもとづき、それぞれの地域における汚染の状況、発生源の状況等を勘案のうえ、所要の燃料使用基準に改定されたい。
   なお、燃料中のいおう含有率の範囲の引き下げは、現実に燃料として使用可能な良質重油のいおう含有率の範囲を勘案して行なわれたものであるが、燃料使用基準値の強化の程度いかんによつては、使用燃料を重油から灯油等に転換する施設も出てくることが考えられるので、燃料使用基準強化にあたつては、燃料転換に伴う燃焼装置の改造、燃料貯蔵施設の設置等に期間を要すること等を考慮するとともに、対象事業場等に対し必要な指導を行ない、燃料使用規制の円滑な実施を期されたい。

第三 今後の燃料使用規制地域の追加等について

  法第一五条に基づく燃料使用規制は、都市地域等におけるいおう酸化物による大気汚染対策として有効であるので、今後とも季節により燃料使用量に著しい変動があるばい煙発生施設が密集して設置されている地域については、燃料使用規制地域として指定していく方針である。
  また、現在、当局においてはいおう酸化物に係る環境基準の見直し作業をすすめているが、いおう酸化物の排出基準についても、改定後の環境基準の達成を目標に、四八年には全国的に大幅な強化を図る方針である。