法令・告示・通達

自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針

  • 公布日:平成5年2月2日
  • 総理府告示1号

第1 特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標

  特定地域においては、自動車交通の集中、増大等に伴って、二酸化窒素に係る大気汚染が厳しい状況にあることに鑑み、特定地域における自動車排出窒素酸化物の削減に係る各種の対策を、国、地方公共団体、事業者、国民の緊密な協力の下で本基本方針等にのっとり総合的かつ強力に推進していくこと等により、特定地域において、二酸化窒素に係る大気環境基準(昭和53年環境庁告示第38号)を平成12年度までに概ね達成することを目標とする。

第2 総量削減計画の策定その他特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減のための施策に関する基本的事項

 1 総量削減計画の策定に関する基本的事項

   自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成4年法律第70号。以下「特別法」という。)第7条に基づく総量削減計画は、特定地域の実情を踏まえ、「2 特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減のための施策に関する基本的事項」に掲げる各種施策等の推進により、平成12年度までに二酸化窒素の大気環境基準を概ね達成するように自動車排出窒素酸化物の総量を削減することを目途に策定するものとする。この場合、当該地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の状況並びにこれらの見通しについて評価分析を行い、自動車以外の窒素酸化物発生源に係る大気汚染防止法に基づく対策にも考慮を払いつつ、併せて特別法に基づく車種規制等の措置を前提としながら、今後講ずべき施策を総合的に検討し、実効ある計画を策定するものとする。
   なお、総量削減計画と特定地域の開発に係る諸計画との整合が図られるよう配慮し、全体として調和のとれたものとすること。

 2 特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減のための施策に関する基本的事項

  (1) 自動車単体対策の強化等

    平成元年12月の中央公害対策審議会答申に基づく自動車排出ガス低減長期目標をできるだけ早期に達成するとともに、点検・整備の確実な実施等を図るため、指導・監視の徹底、効果的な取締りの実施を図るものとする。
    さらに、窒素酸化物低減触媒の開発等新技術の研究開発を推進するものとする。

  (2) 車種規制の実施等

    特別法に基づく車種規制の適正かつ確実な実施を図るとともに、特定自動車排出基準適合車への早期の転換の促進のための所要の支援措置を講ずるものとする。
    また、国及び地方公共団体にあっては、率先して特定地域内における特定自動車排出基準適合車への代替を行うよう努めるものとする。
    さらに、特定地域内への流入車についても、できるだけ特定自動車排出基準適合車とするよう自動車の使用者に対する啓発活動を行うものとする。また、ディーゼル乗用車についても、窒素酸化物排出量のより少ない乗用車が選択されるよう啓発活動を行うものとする。

  (3) 低公害車の普及促進

    低公害車の普及を促進するためには、需要の創出、供給の拡大及び燃料供給施設の整備拡充を計画的かつ総合的に行う必要がある。このため、低公害車の開発及び利用の促進並びに燃料供給施設の整備拡充のための所要の支援措置を講ずるものとする。
    また、走行性能の向上や新型電池の開発等に向けて技術開発を推進し、量産化を通じた低価格化を推進するための所要の措置を講ずるものとする。
    さらに、国及び地方公共団体等においては、率先して低公害車の導入に努めるものとする。また、事業者の低公害車の導入を誘導するための所要の措置を講ずるものとする。

  (4) 物流対策の推進

    効率的な物流システムを構築し、輸送効率の向上を図るため、営業用トラックの積極的活用、共同輸配送の推進、帰り荷の確保等について理解と協力を促すものとする。なお、発注方法の改善等についても事業者に対し理解と協力を促すものとする。
    また、特定地域内の自動車交通量の軽減を図るため、中長距離の物流拠点間の幹線輸送を中心として、輸送力を増強するための鉄道、船舶、港湾等の整備、物流拠点への連携を強化するためのアクセス道路等の整備による鉄道・海運の積極的活用を通じて適切な輸送機関の選択を促進するものとする。
    さらに、トラックターミナル等の物流施設の複合化、高度化を推進するとともに、機能、立地等を考慮したより効率の良い物流システムの構築のため、再配置及び集約立地を含めた物流拠点の計画的な整備を行うものとする。

  (5) 人流対策の推進

    公共交通機関の積極的な活用を図り、自家用乗用車利用の抑制に資するため、鉄道、バス、新交通システム等の整備、公共交通機関の結節点等の整備を推進するとともに、地域の実情を踏まえつつ、バス専用レーン等の交通規制の拡充、都市新バスシステムの導入等により、公共交通機関の利便性の向上を推進するものとする。
    また、徒歩や自転車の利用促進のための施設整備を進めるとともに、不要不急の自家用乗用車使用の自粛を呼びかけるものとする。

  (6) 交通流対策の推進

    交通の分散や道路機能の分化を図るため、環状道路、バイパス等の整備を進めるとともに、交差点や踏切での交通渋滞の解消を図るため、立体交差化、右折専用レーンの設置等交差点の改良及び道路と鉄道との連続立体交差化を進めるものとする。
    また、道路整備の状況をも踏まえつつ、中央線変移等の交通規制の効果的な実施を図るとともに、駐車場の整備、違法駐車の効果的な排除等の総合的な駐車対策を推進するものとする。さらに、交通管制システム及び信号機の高度化並びに交通渋滞や駐車場に係る情報の的確な提供等を行う路側通信設備等の情報提供システムの整備拡充等を通じて、自動車交通流の円滑化を図るものとする。

  (7) 局地汚染対策の推進

    二酸化窒素濃度の高い交差点周辺部等の汚染メカニズムについて解析調査等を行うとともに、交差点の改良等地域の実情に応じた効果的な施策を進めるものとする。

  (8) 普及啓発活動の推進

    自動車排出窒素酸化物の問題は、事業者及び国民の活動と非常に深く係わっていることから、事業者及び国民が、特別法第4条及び第5条に規定された責務について十分理解を深め、自動車排出窒素酸化物による大気汚染の防止について努力するように、事業者に対しては自動車使用合理化に関する情報提供等を行い、国民に対しては窒素酸化物排出量の低減に効果のある自動車使用方法等についての理解を求め、協力を促すなどの普及啓発活動を積極的に展開するものとする。
    また、国、地方公共団体は、低公害車の普及拡大や二酸化窒素の高濃度期における対策の推進のため、各種の普及啓発活動を実施するものとする。

第3 その他特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する重要事項

 1 地方公共団体間の連携

   自動車起因の窒素酸化物汚染の広域性に鑑み、特定地域間における連携を確保し、相互に十分な調整を図るものとする。

 2 総量削減計画の進行管理

   自動車排出窒素酸化物削減施策は広範囲な分野に及ぶため、関係機関の協力の下に総合的に推進していく必要があることに鑑み、総量削減計画策定後においても関係機関と密接に連携を図りつつ、総量削減計画の実施状況の把握等進行管理を行うものとする。

 3 調査研究

   特定地域において自動車排出窒素酸化物による大気の汚染状況の的確な監視・測定を行うため、監視測定体制の整備充実等を図るとともに、自動車排出窒素酸化物の全体の動向の継続的な把握に努めるものとする。
   また、特定地域における自動車排出窒素酸化物の総量の一層の削減を図るための諸施策に関する調査検討を進めるものとする。

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