法令・告示・通達

卸・小売業に係る特定地域における自動車排出窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針

公布日:平成5年02月09日
厚生省・農林水産省・通商産業省告示1号

一 輸送の効率化

 (一) 最大積載量による輸送

    車両当たりの物流単位を当該車両の最大積載量に見合うように設定することにより、積載効率の向上を図ることが可能となる。
    したがって、卸・小売業者は、自動車運行者として輸配送を行うに当たっては、最大積載量に見合った物流単位を設定するよう努めるものとする。

 (二) 卸・小売業者は、貨物自動車運送事業者等の利用に関し、以下の事項を通じて積載効率の向上を図り、自動車運行量の低減を図るものとする。

   ① 共同輸配送の推進

     共同で輸配送を行うことにより、積合せが促進され、また、方面別・行先別・時間別等で輸配送をまとめることにより、交錯輸送の合理化を図ることが可能となる。
     したがって、卸・小売業者は、他の事業者と協力して、共同輸配送の推進に努めるものとする。

   ② 帰り荷の確保

     事業者間でお互いに帰り便を融通し、帰り荷を確保することにより、空車の削減を図ることが可能となる。
     したがって、卸・小売業者は、他の事業者と協力して、貨物自動車運送事業者等の帰り荷の確保を図り、空車の削減に努めるものとする。

二 輸送手段の改善

  卸・小売業者は、輸送手段について、窒素酸化物の排出の少ない輸送手段への転換その他の措置を講ずることによって、窒素酸化物の排出の抑制に努めるものとする。

 (一) 自ら保有する自動車のより窒素酸化物の排出量の少ない車種への転換

    卸・小売業者は、自ら貨物自動車を保有している場合には、窒素酸化物の排出量の少ない車種(最新規制適合車、低公害車)への転換に努めるものとする。

 (二) モーダルシフトの推進

    卸・小売業者は、配送先の施設の利用可能性、輸送距離、輸送量等を勘案しつつ、鉄道、海運の積極的な活用を図るよう努めるものとする。

三 その他配慮すべき事項

  1.  (一) 卸・小売業者は、発注者として、納入業者又は貨物自動車運送事業者等が自動車排出窒素酸化物の抑制に向けて行う努力に対し、以下の事項を通じて協力することが重要である。これにより、卸・小売業者はその店舗等への入庫車両数の削減に努めるものとする。
    1.    ① 発注の計画化

           計画的な発注が行われることにより、納入業者等は納入に使用する自動車の積載効率の向上を図ることが可能となり、その結果、自動車運行量が低減され、自動車排出窒素酸化物が削減されることとなる。
           したがって、卸・小売業者は、週単位あるいは月単位で予め発注計画を策定する等発注の計画化を図ることが重要である。

    2.    ② 発注量の平準化

           発注量が平準化されることにより、納入業者等は納入に使用する自動車の積載効率の向上を図ることが可能となり、その結果、自動車運行量が低減され、自動車排出窒素酸化物が削減されることとなる。
           したがって、卸・小売業者は、極力発注量の平準化を図ることが重要である。

  2.  (二) 卸・小売業は、荷主として貨物自動車運送事業者等への輸配送を委託する場合にあっては、取引先との協力の下、貨物自動車運送事業者等が自動車排出窒素酸化物の抑制に向けて行う努力に対し協力するものとする。
  3.  (三) 卸・小売業者は、交通渋滞の原因、ひいては窒素酸化物排出量増大の原因となる路上での荷さばきを防止するため、荷さばき場の充実に努めることとし、特に店舗等の新設・増床に当たっては十分な荷さばき場の確保に努めるものとする。
  4.  (四) 卸・小売業者は、自動車運行者として輸配送を行う場合にあっては、駐停車中のエンジンの停止、不必要な空ぶかしの排除等窒素酸化物の排出の抑制のための運転者への教育を徹底するよう努めるものとする。
  5.  (五) 食品、医療品等については、適切な品質管理、鮮度管理等が必要なものがあることからこれらの卸・小売業者は、その事業活動に係る自動車の使用の合理化に当たり、これらの特性を十分配慮するものとする。