環境省政策評価基本計画

平成14年4月1日決定
平成18年4月1日改定
平成20年4月1日改定
平成23年4月1日改定
平成28年4月1日改定

1.環境省政策評価基本計画の位置づけ

  「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)(以下「法」という。)の第6条第1項の規定に基づき、「政策評価に関する基本方針の改定」(平成17年12月16日閣議決定)を踏まえて、環境省政策評価基本計画(以下「基本計画」という。)を以下のとおり定める。/p>

2.計画期間

 平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間とする。

3.政策評価の実施に関する方針

 政策評価は政策の企画立案・実施を的確に行うことに資する情報を整理し、その情報の政策への適切な反映と政策の不断の見直し・改善を行うことで行政庁がその使命をより効率的に達成し、また、その過程及び結果を公表することで国民に対する行政の説明責任(アカウンタビリティ)を徹底するものであると位置づけられる。
 環境省においては、以下の点に留意して政策評価を実施する。

 政策の企画立案・実施を的確に行うためには、施政方針演説等で示された内閣としての重要政策、現在の環境の状況、社会経済情勢、自治体・国民の要請・要望、及び政策の効果等を把握し、それらを基礎として、政策評価の重点化を行うとともに、必要性、有効性又は効率性の観点その他当該政策の特性に応じて必要な適切な観点から、効率的に自ら評価を行うことが必要である。
 政策評価の導入により、政策体系を明らかにするとともに「企画立案(Plan)→実施(Do)→評価(Check)→改善(Action)」という政策のマネジメントサイクルを行政に組み込み、評価の結果何らかの理由で期待通りの成果をあげていないものがあれば、その改善策を検討し、新たな政策の企画立案段階に反映させていくことによって、成果を重視した行政運営、政策の改善を不断に行うこととする。

 環境問題は国民一人ひとりの健康と生活に大きな影響を与えるため、環境政策に対する国民の関心は高い。そのため、政策評価の実施を通じて政策の意図とその結果を国民に対してわかりやすく説明し、行政の透明性を確保し、国民に対する行政の説明責任(アカウンタビリティ)を果たすこととする。

4.政策評価の観点に関する事項

 (1)政策評価の観点の基本的な適用の考え方

 環境行政は、規制、補助金、経済的手法等様々な施策を組み合わせて行われており、それぞれの評価手法は業務や施策等の特性によって自ずから異なってくる。
 そのため、評価においては評価方式、制度の細部に拘泥し、形式的に統一された均一的で整合性のとれた評価を目指すことよりも、評価の目的に合致した運用を行うことを重視することとする。評価は政策のマネジメントサイクルを確立し、目標を明確にした行政運営を行うことを目的に、行政活動が適切に行われているかどうか、そしてそれを国民に正しく伝えるにはどのように分析し、評価すればよいのかという視点からなされるべきだからである。
 以上の考え方から政策評価の実施にあたっては、評価の対象となる政策の特性、時点・目的に応じて法第3条第1項に規定された必要性、有効性及び効率性等の観点から適当なものを選択する。

 (2)政策評価の観点

 政策評価の実施は、評価の対象とする政策の特性に応じて、主として必要性、有効性及び効率性の観点から行う。

必要性:対象とする政策に係る行政目的を国民や社会のニーズ又はより上位の行政目的に照らしたときの妥当性。

有効性:当該政策に基づく活動により期待される効果と、実際に得られた又は得られると見込まれる政策効果の関係。

効率性:当該政策に基づく投入資源とそれによって得られる政策効果との関係。

 上記の観点のほか、政策の特性に応じて、公平性、優先性などの観点を加味して適切に評価を行う。

5.政策効果の把握に関する事項

 政策効果の把握にあたっては、対象とする政策の特性に応じて適用可能であり、かつ、政策効果の把握に要するコスト、得られる結果の分析精度等を考慮した適切な手法を用いるものとする。評価の客観性を担保するためには一般にできる限り定量的な評価を行うことが望ましいが、これが困難である場合は政策効果を定性的に把握する手法を用いるものとする。
 また、政策の特性に応じ、より包括的な政府活動の目的に照らした効果・影響についてもできる限り把握するよう努める。
 なお、環境政策の効果は政策の実施による環境の改善の程度により把握されるが、環境政策は関係府省はもとより地方公共団体、事業者、国民等様々な主体の参画の下で実施されている。このため環境政策の改善効果の把握は場合によっては専門的な分析や長時間のデータの集積等を必要とし、把握された改善効果も専門的で一般にわかりにくい場合が多いことから、評価書の作成にあたっては把握された効果がわかりやすいものとなるよう配慮する。
 また、政策効果の把握に関しては、当該政策に基づく活動の実施過程を通じて政策効果の把握に必要な情報・データや事実が効果的・効率的に入手できるよう、その収集・報告の方法等についてあらかじめ配慮するよう努めるものとする。その際、関係者に協力を求める必要がある場合にあっては、その理解が得られる範囲内で適切な効果の把握に努めるものとする。

 なお、政策に基づく具体的活動の実施体制が行政機関以外であり、政策効果の把握のために必要となる場合にあっては、当該実施主体に対し、把握しようとする政策効果やその把握のための方法等について示すなどにより、できる限りその理解と協力を得るように努め、適切に政策効果の把握を行うものとする。

6.法第9条の規定に基づく事前評価の実施に関する事項

 (1)評価の目的

 法第9条の規定に基づき評価が求められる政策については、当該政策により見込まれる効果等を把握することにより、的確・適切な政策の採否、選択に資する情報を提供する見地から評価を実施する。

 (2)評価の対象

 法施行令第3条第1項各号に規定する、個々の研究開発、個々の公共的な建設の事業、個々の政府開発援助の実施又は補助を目的とする政策、規制の新設又は改廃を目的とする政策及び法人税、法人住民税及び法人事業税関係の租税特別措置等に係る政策を対象とする。
 なお、法人税、法人住民税及び法人事業税関係の租税特別措置等以外の措置に係る政策についても対象とするよう努めるものとする。

 (3) 評価の実施

 (2)に規定する各政策を主管する課又は室は、当該政策の決定に先立ち、評価を行い、評価書を作成する。その際、得ようとする効果や事後的な評価方法等を明らかにするとともに、複数の政策代替案の中からの適切な政策の選択、政策の改善・見直しの過程を可能な限り明らかにするよう努めるものとする。

 評価の実施時期、観点・方法、手順その他事前評価の実施方法については、別途各政策分野ごとに定める実施要領等による。研究開発に関する事前評価の実施方法については、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づく「環境省研究開発評価指針」による。規制の新設又は改廃を目的とする政策に関する事前評価の実施方法については、「規制に係る事前評価実施要領」による。

7.事後評価の実施に関する事項

 (1)評価の目的

 省の政策全体の進捗状況を把握・評価し、新たな政策の企画立案及び既存政策の見直しに活用することを目的とする。

 (2)評価の対象

 事後評価は、環境省の政策のすべてを対象に行う。
 評価は、共通の目的を有する事業のまとまりである「施策」を単位として行う。施策の区分については、別に定める環境省の政策全体を目的−手段関係を基礎に整理した「環境省施策体系」の中で規定する。
 なお、法人税、法人住民税及び法人事業税関係の租税特別措置等係る政策については、税制改正要望を行う単位を対象とする。また、その他の税目関係の租税特別措置等(特定の行政目的の実現のために税負担の軽減・繰延べを行うものに限る)に係る政策についても、評価の対象とするよう努めるものとする。

 (3)評価の観点・方法

 評価は、4(2)をもとに、主として有効性及び効率性の観点から行う。
 その際、当該施策の下に位置づけられる事務事業の効果を明らかにするよう努めるとともに、施策全体の目標達成との関係、事務事業相互の関係に留意しつつ、評価を行うものとする。

 (4)評価の時期

 各年度開始後速やかに、前年度までの施策の進捗状況について評価を行う。

 (5)評価の実施主体

 評価は、各施策の主管課・室が実施する。

 (6)評価の手順

 評価対象施策の主管課・室は、当該施策について事後評価を行い、その結果を政策評価室に提出する。政策評価室は、評価結果をとりまとめ、政策評価委員会及び国民の意見を聴いた上で評価書を作成し、公表する。
 評価において使用した資料その他の情報がある場合にはその旨を評価書に記載する。
 既に公表した評価書の修正等の処理については、適宜対応するものとする。

8.学識経験を有する者の知見の活用等に関する事項

 環境政策は、専門的な内容を多く含むと同時に、その影響はしばしば広く国民生活全体に及ぶ。環境政策のこうした性格に鑑み、環境省においては、政策評価に多様な意見を反映するとともにその客観性及び厳格な実施を担保するため、評価の対象及び目的等特性に応じ、学識経験を有する第三者の知見の評価への適切な活用を図ることとする。
 特に、事後評価の実施に当たっては、環境政策に関し幅広い知見を有する学識経験者からなる政策評価委員会の助言を得るものとする。

9.政策評価の結果の政策への反映に関する事項

 評価結果は、環境省の翌年度重点施策の策定、当該年度の事業決定、予算・機構定員の要求、法令等による制度の新設・改廃、各種長期計画の策定、税制改正要望といった企画立案作業において、重要な情報として活用し、反映させる。
 政策評価室は、評価結果の翌年度の政策への反映について、必要に応じて関係課室に意見を述べる。
 政策所管部局はその所管する政策に関し、政策評価室の示す意見等を参考にしつつ、政策の見直し、検討を行う。
 会計課、秘書課及び環境経済課等の取りまとめ部局(以下「取りまとめ部局等」という。)は、予算要求、機構定員要求、税制改正要望等の審査等において、政策評価室の意見を参考にしつつ、政策評価の結果を的確に活用する。
 なお、政策評価と予算・決算の連携を強化するため、関連する閣議決定等の趣旨を踏まえ、必要な取組を推進する。

10.政策評価に係る情報の公表に関する事項

 (1)政策評価の評価結果等の公表

 政策評価の評価結果等の公表は、政策評価室が次の事項を環境省ホームページに掲載するとともに、政策評価室に備え付けることにより行うものとする。
 [1] 評価書
 [2] 評価書要旨(事前評価を除く)
 [3] 政策評価の結果の政策への反映状況(事前評価を除く)

 (2)公表時期

 それぞれの政策評価結果等については、まとまり次第適時に公表するものとする。

11.その他政策評価の実施に関する重要事項

 (1)政策評価の実施体制・組織

1) 政策評価推進会議

 政策評価推進会議は、省幹部により構成し、政策評価の適切な実施と結果の活用に関する各局部間の連絡・連携を図るとともに、政策評価の主要事項について決定する。

2) 政策評価室

 政策評価室は、環境省の政策評価を担当する組織として次の役割を担うものとする。
 [1] 基本計画及び実施計画の策定など政策評価に関する基本的事項の企画及び立案
 [2] 政策所管部局の行う評価に対する助言
 [3] 政策評価の取りまとめ及び公表等、政策評価の総括
 [4] 政策評価を担う人材の養成・確保の推進
 [5] 政策評価に係る調査、研究及び開発の推進
 [6] 政策評価委員会の運営
 [7] 政策評価推進会議の運営

3) 政策評価委員会

 政策評価委員会は、環境政策に関し幅広い知見を有する省外部の学識経験者等から構成する。
 政策評価委員会は次の事務を担う。
 [1] 政策評価に対する助言
 [2] 政策評価手法の検討

4) 省内各部局の連携

 省として政策評価の適切な実施と結果の活用を図るため、政策評価室、政策担当課・室及び取りまとめ部局等は緊密な連絡・連携を図り、必要に応じてヒアリング等を実施する。

 (2)政策評価に対する外部からの意見・要望等の受け付け

 政策評価結果等に関する外部からの意見・要望等の受け付け窓口は、環境省大臣官房政策評価室とする。
 政策評価に関する外部からの意見・要望等については、今後の政策の企画立案等に活用することとする。

 (3)地方公共団体等との連携・協力

 実施事務を地方公共団体等が担う場合が多いことに鑑み、評価に必要な資料の収集等にあたっては、当該地方公共団体等にあらかじめ政策効果の把握のための方法等について示すなどにより、できる限りその理解と協力を得るように努め、適切な連携を図るものとする。

 (4)評価制度等の継続的改善

 政策評価はまだ完成されたものはなく、試行錯誤を重ねている状況である。したがって、環境省においても、環境行政に最も適した政策評価システムの確立を究極的な目標として、常に制度の見直しを行い、改善を図る努力を継続し、本基本計画についても必要に応じて見直しを行うこととする。


環境省大臣官房総務課政策評価室