エコジン10・11月号

エコジン10・11月号 page 25/36

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概要:
東京では、これだけ多種多様な野菜が栽培されている。粘土層の下にまで根を伸ばし養分を蓄えるため、旨味が非常に強いかぶなど、土壌の良さを物語る野菜も多い。3年前にオープンした「ミクニマルノウチ」は、“東京....

東京では、これだけ多種多様な野菜が栽培されている。粘土層の下にまで根を伸ばし養分を蓄えるため、旨味が非常に強いかぶなど、土壌の良さを物語る野菜も多い。3年前にオープンした「ミクニマルノウチ」は、“東京の地産地消”をコンセプトにしたナチュラルフレンチレストランだ。東京の伝統野菜である江戸東京野菜を中心とした野菜のほか、東京ブランドの豚や鶏、奥多摩の牛乳や天然水、八丈島のバター…といった東京産の食材や調味料を使っている。そのコンセプトの基となっているのは、オーナーシェフの三國清三さんが提唱する、食材の“ゼロkm運動”にある。「地元の食材を用いて輸送を減らすことで、使用するエネルギ―の軽減やCO?の削減に繋がり、環境に優しい。また移動距離が短いため、素材を瑞々しく香りの高いままで、お客さんに提供できる。まさにいいこと尽くめなんです。食の先進国であるフランスで、古くから当然のように行われてきた地産地消を東京で実践しようというのが、ゼロkm運動の趣旨です」と三國さん。東京の素材を集めるため、1年がかりで東京中の生産者を巡って交渉。生産者との交流の過程で、水はけがよく、養分の高い東京の土壌の素晴しさにも気づいたという。「それに都内の農地は、周りの住宅や学校と近いですから、農薬使用のハードルが高い。そのため有機肥料を使う農家も多く、東京の野菜は日本中で最も安全安心な環境にある、とも言えるんですよ」。地域に根ざした三國さんの運動は、市場の変化をもたらしている。東京の野菜の認知度が高まったことで、築地市場で「寺島なす」などの地域名を冠した野菜が流通するようになった。一時は姿を消していたとも言われる江戸東京野菜は、今では約30種類が復活している。「環境問題は、食文化と切り離せません。都民すべてが毎日東京湾でとれるイワシを1尾食べ、東京産のブロッコリーを1房食べると、東京の海や陸地の環境が保たれると言われていて、現在1%しかない東京の食料自給率(カロリーベース)の向上にもつながるんです。料理を通じて、環境に優しく、豊かな食生活を伝えるのは、私たち料理人の使命であると考えています」Click!!mikuni MARUNOUCHIhttp://www.mikuni-marunouchi.jp/25