本公園の一番の魅力は、標高2,000m超級の山々と、その麓に点在する高原や湖沼、湿原といったバラエティに富んだ自然景観と、そこに生息する多様な生き物たちです。特にチョウやトンボの種類が多いのが本公園の特徴で、冷涼な山岳エリアには氷河期から生存するベニヒカゲやカオジロトンボ、草原が広がる笹ヶ峰高原（写真）にはアサギマダラをはじめとする90種類以上のチョウ、湿原や池のある妙高ビジターセンター周辺にはエゾイトトンボ、カラカネトンボなどが生息しています。

　また、昆虫が多い場所にはそれを目当てに野鳥も多く集まってくるため、笹ヶ峰高原はバードウォッチングの聖地ともなっています。さらに笹ヶ峰高原にはドイツのシュバルツバルト（黒い森）で有名なドイツトウヒの林や、白い樹皮が美しいシラカバ林も広がっていて、まるでヨーロッパの森の中を歩いているかのような気分で散策を楽しめます。夜は満天の星も眺められるのでキャンプにもおすすめです。

　2022年４月には、妙高高原ビジターセンターが開館しました。公園内の見所を詳しく紹介しているほか、妙高山を眺めながらくつろぐことができるラウンジは旅の計画を立てるのにぴったり。ぜひ足を運んでみてください。

※国⽴公園へは、新型コロナウイルス感染防⽌対策を徹底の上お越しください。

THIS WEEK'S GUIDE

帖地千尋さん 妙高高原自然保護官事務所　アクティブ･レンジャー