第4回大会の結果
2019年2月9~10日、国連大学ウ・タント国際会議場で第4回全国大会が開催されました。選抜チームだけあって、どの発表も甲乙つけがたいハイレベルな内容でしたが、その中から環境大臣賞をはじめとする、6つの賞を受賞したチームの活動をご紹介します。
1長崎県立五島高等学校(五島環境部)
環境大臣賞
ゴミで制作したアートで、海ゴミ問題を発信
海流に乗って五島列島の海岸にはさまざまなゴミが漂着する。学生たちが7時間かけて海岸線一周調査を実施したところ、ほぼ全域に海ゴミの漂着が見られた。そんな現状を学校外の人々にも知ってもらうために海ゴミでアートを制作している。持続可能な活動をするためには、人を巻き込むことが重要ポイントと考え、活動を続けていく。
2岐阜県立恵那 農業高等学校(花咲かみつばち倶楽部)
環境再生保全機構 理事長賞
蜜源植物を増やすことでミツバチを守る
里山の植物にとって必要不可欠なミツバチを守りたいという思いから、耕作放棄地を再生利用して蜜源植物(レンゲ、エゴマ)を育てるとともに、蜂蜜、エゴマ油、エゴマみそ等の商品開発を行い、収穫物の販路を創出。さらに売り上げの一部でレンゲの種を購入し、地域の農家さんたちに蜜源増殖への協力を呼びかけた。
3東筑紫学園高等学校(広谷 湿原保全プロジェクト)
国連大学サスティナビリティ高等研究所 所長賞
広谷湿原のラムサール条約登録を目指す
日本で唯一の、カルスト台地に存在する貴重な湿原である「広谷湿原」をラムサール条約に登録すべく活動中。「人間がずらしてしまった湿原の時間軸を元に戻すのは、人間の責務である」と捉え、湿原境界の数値化、水質の分析等の研究を続けながら、福岡県と地元の苅田市へ「里山的手法」を使った湿原再生への提案を行っている。
4名古屋市立名古屋商業高等学校(商品開発研究班)
読売新聞社賞
環境保全活動をビジネスに結びつける
川辺や干潟に群生する「
5愛媛県立上浮穴 高等学校(カホン※プロジェクトチーム)
高校生が選ぶ特別賞
環境教育の一環として地元のスギで楽器を製作
森林面積が9割以上を占める
※ペルーの民族楽器
6青森県立名久井農業高等学校
(TEAM FLORA PHOTONICS&BUBBLE BOYS)
先生が選ぶ特別賞
発展途上国に安全な水と食糧を届けたい
発展途上国の多くは食料不足、富栄養化によって大量発生した藻類や、農薬散布による水源汚染に苦しんでいる。そこでトウモロコシとインゲンマメを池沼で栽培し、水質浄化と食糧生産を同時に実現できないか、農薬を霧状散布ではなく、泡状にしたら飛散しにくいのではないかと考えた。今後も本活動を定着させるため、後輩たちへと受け継いでいく。
環境活動を、継続へ。
願いのこもった「ホップ和紙賞状」
今回賞を受賞したうちの3チームに、昨年度「環境大臣賞」を受賞した岩手県立遠野緑峰高等学校によるホップ藁から作られた和紙を使った賞状が贈られました。この取り組みは現在も継続し、地元の農業や観光の活性化に貢献しています。