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概要

エコジン04・05月号

を抑えているほか、車内の冷暖房効果を高めるために押しボタン式で開閉する「スマートドア」を採用。各車両に設置された液晶画面には、電力の流れを解説したエネルギーフローが表示される。畠田氏はこう続ける。「蓄電池には、寿命があります。その交換費用を抑えるためには、蓄電池の普及が欠かせません。JR九州の鉄道は約4割が非電化区間です。DENCHAへの転換を進めていくことで、経費を削減でき、鉄道維持につながります」 今年3月4日には、秋田県の男鹿線(秋田駅~男鹿駅間の39.6km。追分駅~男鹿駅は非電化区間)でもJR九州の技術を応用した新型交流蓄電池電車「ACCUM(アキュム)」の運行を開始。今後、全国の鉄道にこの技術を広めていきたいと考えている。二酸化炭素の排出量を抑え、騒音も少ない蓄電池電車 現在、全国の電化していない鉄道路線では、石油を燃料としたディーゼルエンジン搭載の気動車が走行している。そんな気動車に替わり、JR九州で運行を開始した新型車両が、蓄電池のみの電力で走行する「DENCHA(デンチャ)」。筑豊線の折尾駅と若松駅間(北九州市内。10.8km)を、2両7編成で1日4往復運行している。同社運輸部車両課の畠田憲司氏は、その開発経緯についてこう語る。「2012年、JR九州では老朽した気動車に替わる新しい車両として、DENCHAの開発に着手しました。石油を燃料に使う気動車に比べて、エネルギー消費量、二酸化炭素の排出量とも低減できるため環境負荷が少なく、お客さまからは『静かで乗り心地がよい』という声をいただいています。また、メンテナンス費用は気動車のおよそ半分で済みます」蓄電池を普及させ、交換費用を抑えることが課題 客室の照明にはLEDを採用して電力の消費量床下に大量の蓄電池を搭載DENCHAは、「Dual ENergy CHArge train(2 つのエネルギーを充電する列車)」の略。電化区間を走りながら充電するほか、ブレーキ時に発生する回生エネルギーを充電。床下に大容量の蓄電池を搭載し、最高時速120㎞で走行できる。1995 年度より使用済みのきっぷを回収し、製紙工場で裏面の磁気部分を分離し、トイレットペーパーとして再生するリサイクルに取り組んでいます。「2015 年度は約67t のきっぷをトイレットペーパーに再生。駅や列車内で利用しています」(JR 九州広報部・佐藤智昭氏)使用済みきっぷがトイレットペーパーにプチ23