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概要

エコジン04・05月号

エコジンデータは材料。何を発見するかは研究者次第須藤 「いぶき」は、ほかの衛星に比べて扱いが難しい。「右を向け」「左を向け」というような信号を地上からプログラムを組んで送らなければいけないのですが、その作業が通常の衛星より複雑です。衛星に信号を送る前に予行演習をするのですが、「複雑すぎてもう無理」という反応が返ってくることがあると、「今日は機嫌が悪いねえ」なんて言いながらプログラムを直しています。“手のかかるやんちゃ坊主”ですね。齊藤 「いぶき」にはたくさん魅力がありますが、今までの地上観測では得られなかった場所のデータが手に入るようになったことは大きいです。特に熱帯雨林地帯は、今まで地上観測点がほとんどありませんでした。さまざまな現象に対して、実際の観測データを使ってアプローチすることが可能になり、研究者として面白みを感じています。須藤 JAXAが提供するのは、観測したデータという“材料”です。パンに例えると、小麦粉、卵、水といったものでしょうか。そのデータを処理してプロダクト※を作るのが、齊藤さんをはじめとした国立環境研究所の皆さんや、世界中の研究者たち。コッペパンができるのか、クロワッサンができるのかは、パン屋さんである研究者次第なんです。齊藤 そうですね。「いぶき」のデータは基本的には全世界に公開しているので、使いたければ誰でも使えます。その材料を使って何を発見するかによって、研究者のオリジナリティが出ます。応 用 編開発者と研究者が語る「いぶき」の力国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構写真左:須藤 洋志博士(工学) GOSAT-2プロジェクト 主任研究開発員す  とうひろ し国立研究開発法人 国立環境研究所写真右:齊藤 誠博士(理学) 地球環境研究センター(物質循環モデリング・解析研究室) 主任研究員さい  とうまこと18