ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

エコジン06・07月号

「悩みが頭から離れない」と自覚したら、自然の中に出かけて歩いてみると、一気に気持ちが楽になるかもしれない。また、緑をある一定量以上目にすると仕事の生産性を高めたり、学力の向上につながるとも言われている。実際に、デスク周りや部屋のいたるところに観葉植物を置き、さながら緑のオアシスのようなオフィスをつくっているIT企業もある。 最新の研究だからといって、全ての報告をそのまま鵜呑みにすることはしない。研究者であれば、発表されたことに対して反証できないかと批判的な目で見るのは当然のことだからだ。例えば「仕事の生産性を最も高める室温は、25℃」という研究結果が報告されていても、澤口さんは「夏であればエアコンは、28℃のドライに設定しています」と話す。 「この研究は海外のものだから、湿度が考慮に入れられていないんですよ。日本のように多湿だとかなり作業効率が悪くなりますからね。だから私は“28℃のドライ”。これが電気代の点でも健康の点でも一番良い組み合わせではないでしょうか。あともう一つ気をつけているのは、頻繁につけたり消したりしないことです。エアコンは運転を開始する時が一番エネルギーを使いますから、窓を開け閉めするなどして温度調節をしています」 仕事場では自分の周りにしか明かりをつけなかったり、外出の際にはマイ水筒を持ち歩き、ペットボトルの飲料は買わないなど、他人から見ればかなりの“エコ生活”を送っている澤口さんだが、実は“エコ”という自覚はないそう。 「私は無駄なことをしたくないだけ。しかし、やれば効果が明らかなことに関しては、やるかやらないかで悩んだりしません。だって脳を無駄使いするだけですから」うの澤口俊之 1959年東京都生まれ。脳科学者。高次脳機能、特に前頭前野(前頭連合野)を主に研究。北海道大学理学部生物学科卒業。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。北海道大学医学研究科高次脳機能学分野教授などを経て、現在、人間性脳科学研究所所長。武蔵野学院大学・大学院教授。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)に出演中。『発達障害の改善と予防』(小学館)など著書も多数。05