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概要

エコジン02・03月号

の方には難しく感じられることが多いので、そこを分かりやすくかみ砕いて伝え自分の言葉で伝えることにこだわりたい。データだけでなく、人に会い、話を聞き、HIROKO IDAて橋渡しをするのが、私の役割だと考えています。そのために大事にしていることは、自分の感じたことを自分の言葉でいかに伝えられるか。日々の気象情報についても、気象庁から送られてくる膨大なデータや資料を読み解けば予報自体はできますが、なるべく現場に行き、人に会い、話を聞き、自分が感じた“肌感覚”を大事にしながら伝えていきたいですね。」毎日の気象情報のみならず、全国各地で年に40~50回もの講演活動を行う井田さん。出向いた先の地形や山の形状を調べながら、気象との関係を理解し、地元の人たちに話を聞くなど、情報収集にも余念がない。「たとえば、秋田にうかがった時、山形名産の果物、ラ・フランスの生産地が北上して、今では秋田でも質の高いものができるようになったという話を農家の方からお聞きしました。こうした私たちの生活に直接関わる身近な自然の変化を見逃さず、温暖化の問題と一緒に伝える工夫をしています。小学校で出前授業のようなことも行うのですが、実験なども取り入れながら温暖化の話をやさしく解説することを心がけています。ヨーロッパなどでは気候変動問題を学校の授業に取り入れて、ゲーム感覚で楽しく教えていますが、日本でもそうした意識が広まればいいですし、そのお手伝いができればと思っています。子どもたちが何か行動を起こすきっかけになったらうれしいです」井田寛子筑波大学自然学類化学科を卒業後、製薬会社勤務を経て、2002年NHK静岡局のキャスターに。気象予報士の資格を取得し、2008年より大阪局のキャスター兼気象予報士に。2011年よりNHK総合『ニュースウオッチ9』の気象情報を担当する一方、全国で気象や温暖化にまつわる講演も積極的に行う。著書に『井田寛子の気象キャスターになりたい人へ伝えたいこと』がある。05