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概要

エコジン02・03月号

そのストーリーを紐解きます。海外へ羽ばたいていったのか、どのように開発が進められ、世界を変える日本発の技術は、第4回大きな功績を残す例が増えてきています。技術が、海外でも活用され、森林から生まれる画期的な先端素材T E M P O酸化セルロースナノファイバー技術のポイント日本で生まれたエコのノウハウやセルロースナノファイバーは、植物を形づくる基本物質セルロースをナノ(1ミリの1 0 0万分の1)レベルにまで細かく解きほぐした軽量で丈夫な繊維素材。これまでその繊維の分解には多大なエネルギーが必要とされていたが、TEMPO酸化という特殊な酸化反応と軽微な機械処理により、効率よく均一な繊維を取り出すことが可能になった。■アジア初「森林のノーベル賞」を受賞2015年9月、「森林のノーベル賞」と呼ばれるマルクス・ヴァーレンベリ賞をアジアで初めて受賞した日本人がいる。東京大学大学院農学生命科学研究科の磯貝明教授と斎藤継之准教授、フランス国立科学研究所植物高分子研究所の西山義春研究員の3名である。森林・木材科学の分野で画期的な研究開発に対して贈られるこの賞は、ノーベル賞と同様に、スウェーデン・ストックホルムで国王を迎えて授賞式が開催された。今回、磯貝らが受賞にあたり評価されたのは、植物や樹木の主要な成分「セルロース」を、ナノレベルの繊維に微細化した素材「セルロースナノファイバー」をつくり出す新しい技術だ。「セルロースは、植物が何億年もかけて自らの身を守るためにつくり上げた強固な物質のため、そもそも分解されにくい性質を持ちます。ところが、触媒を用いた特殊な酸化反応を使うと、水中で極細に28エコジン