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概要

エコジン02・03月号

KEY WORD 6COP21の成果とは?人類にとって歴史的な第一歩となる合意パリ協定3つのポイント2015年12月12日、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議( COP21)において温暖化へ向けた対策の国際的な枠組みである「パリ協定」が採択された。2週間に及ぶ協議を経て196カ国・地域が合意に至ったパリ協定は、先進国と途上国がともに協力し、人類の目前に差し迫った危機に高い目標を持って取り組むことを定めた法的合意として、歴史的転換点といえるものである。POINT 1気温変動= 2℃よりも十分低くすることをめざす世界の平均気温上昇を、産業革命前から比べて2℃よりも十分低く保つことを共通の目標とした。さらに、島しょ国など気候変動の影響を大きく受ける国の意見を取り入れ、1.5℃以内に抑える努力を追求するとした。この目標を達成するため、今世紀後半に、世界全体の温室効果ガスの人為的な排出と吸収のバランスがとれるよう、世界の排出ピークをできるだけ早い段階で迎え、その後急激に削減することを目指す。POINT 2削減目標= 5年ごとの見直し全ての国が排出削減に関する目標を示すこと、それを達成するための対策をとることを義務づけ、各国の目標は、5年ごとに見直すことが求められる。さらに見直した目標は、過去のものより前進させることとされている。また、全ての国が今世紀半ばまでの低排出開発のための戦略を策定するよう求められている。POINT 3世界の目標の進捗点検= 5年ごと2℃目標など、協定の目的についての世界全体の進捗を5年ごとに評価、確認する。その結果は各国の取り組みを強化する際の情報として活用される予定だ。加えて、各国の取組状況を共通かつ柔軟な方法で定期的に報告、レビューする仕組みを導入する。こうした「世界全体の進捗確認」「各国の目標見直し」「各国の取り組みの実施状況の報告・レビュー」が密接に関係したPDCAサイクルを回していくことで、対策を向上させていく仕組みになっている。日本の今後の取り組みは?2015年7月17日に決定した「日本の約束草案」では、国内の排出削減の実施や吸収量の確保を通じ、「2030年までに2013年比で温室効果ガスを26%削減すること」を目標として掲げている。COP21後の12月22日に政府の地球温暖化対策推進本部が開催され、「パリ協定を踏まえた地球温暖化対策の取組方針」が決定された。2016年春をめどに、約束草案とパリ協定を受けた地球温暖化対策計画を策定し、世界規模での排出削減に向け計画を進めていく方針だ。また、パリ協定で目指すこととされた今世紀後半での温室効果ガスの実質ゼロを達成するには、早期に大幅な温室効果ガスの削減が必要だ。そのためには、各国において再生可能エネルギーやCCS(二酸化炭素回収・貯留)などの革新的な低炭素技術の大規模導入を行うことや、新しい技術の開発が必要であり、社会や私たちの暮らしにも大きな変革が求められる。10エコジン