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概要

エコジン12・01月号

いと考えられていた。しかしSpiber代表の関山和秀氏は、出身である慶應義塾大学先端生命科学研究所で培ったITを駆使したバイオテクノロジーの知識と技術で、DNAを徹底的に分析。製造工程を繰り返し見直すことで生産性と機能性を両立することに成功した。「クモの糸として本質的に大切な部分には手を加えず、変えても良さそうなところに手を加え、微生物がタンパク質を量産できるように遺伝子をデザインしました」。QMONOS?を使ったアウタージャケット「MOON PARKA」を生産したゴールドウィンでは、2016年内の一般販売をもくろむ。「アウトドアブランドでは自然を楽しめ、かつ自然の中で生き延びるための製品を提供しています。ですから常々自然環境に貢献できる製品を供給したいと考えてきました。QMONOS?はサスティナブルで機能性も高い素材。従来の繊維とうまくハイブリッドさせながら、より良い製品を作っていきたい」とコーポレートコミュニケーション室長の梶野富宏氏。MOON PARKAに使用している人工合成クモ糸素材「QMONOS TM」の撚り糸(上:表地糸、下:刺繍糸)Spiberにはさまざまな用途に合わせて設計したクモの糸の新規分子の蓄積がすでに670種類もあると言う。現在、軽量化と安全性が求められる自動車の部品供給に向け、研究設備も稼働させている。QMONOS?製品が数々世に現れる日が、そう遠くない未来にやってくる。左:微生物培養装置/右:微生物が生産したタンパク質を精製した「QMONOS?」の原料となる粉末09