ブックタイトルエコジン１２・０１月号

概要

エコジン１２・０１月号

ブレード(羽)に風が当抗力回転力ブレード回転軸風たって生じる抗力と、ブレードの外側へ向かう揚力が生じることで、風の方向に関係なく風車を回転させることができる。回転力ブレード揚力文部科学省庁舎である霞が関コモンゲート東館屋上の風力発電機。地上15 0 mへの設置は、世界的にも例がない。ミクロネシアで、携帯電話システムの中継塔電源として稼働する風車。島に吹く海風を生かし発電を行う。都市の微風でも発電が行えるようにした。これにより、安全性、強度、性能とも今までにない品質の風力発電機が完成した。同機は取り扱いが簡易なこともあり、取引会社の多大なる協力も得て、携帯基地局の電源確保のためにミクロネシア連邦にも設置された。島しょ間の移動時に連絡が取りやすくなり、今も現地で人々の暮らしを支えている。「ただ、国内ではなかなか普及しませんでした。小型風力発電機が、ハイスペックすぎ、高価すぎたためです。以前の会社は閉鎖せざるを得ませんでした」■太陽光やバイオマス発電にも事業拡大しかし、投資家らの間ではその技術力の高さを評価する声が多く、福留はWIND-SMILEを設立、再出発を果たした。現在は風力発電事業をはじめ、太陽光、バイオマスとクリーンエネルギー全般を扱う会社として急成長を遂げている。「風がなければ発電しない風力発電機は、設置ポジションが肝心。さらに場所によっては太陽光のほうが断然効率のよい地域もあります。太陽光がいい、風力がいいといった単純なことではなく、クリーンエネルギーの特性と条件をうまく組み合わせて最適設計をし、効率的にエネルギーを生むこと。私たちはそこを目指しています」いまなお途上国では、医師もワクチンも抗生物質も不足している。診療所の設置に必要なのが、電源だ。太陽光発電を組み合わせたハイブリッド型の小型風力発電機は、そういった地域の独立電源としての可能性も注目される。明日への展望風力は、発電システムの製造過程のCO2排出量を含めて一番クリーンなエネルギー源。さらにコストも安く抑えられるため、売電事業において非常に有望と考えています。今後は大型の風力発電に取り組み、太陽光発電、バイオマス発電を含めたクリーンなエネルギーを低コストで生み出すことを目指しています。代表取締役福留修蔵さん29