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概要

エコジン12・01月号

ECO & BUSINESS 3 WOMEN女性の力「山菜ガール」がつなぐ地元の食文化代表の栗山奈津子氏(中央)と、山の名人たち”“人口減少社会を迎える中で、「女性の力」の発揮が、企業活動や行政、地域社会などの現場に多様な視点をもたらすと考えられています。ここでは、女性起業家がスタートした、地元のお母さんたちと協力しながら天然の山菜のおいしさを広める、新・環境ビジネスを紹介します。株式会社あきた森の宅配便(秋田県鹿角郡)雪が融けはじめると、秋田の山は一斉に春を迎える。たらのめ、こごみ、こしあぶら、みず、あいこ……天然の山菜が山肌から顔を出す。「あきた森の宅配便」が1年で一番忙しい時期の到来だ。“山の名人”が山に分け入って採ってきた山菜を下処理などをしたうえで、簡単なレシピを添えて全国に出荷している。「このあたりの人にとって山菜は天然ものが当たり前。そのおいしさをもっと多くの人に知ってもらいたいと、この事業を立ち上げました」と代表の栗山奈津子氏は話す。“山の名人”の多くは女性だ。農作業の合間などに山菜を摘み、食卓を豊かにしてきた。だがそんな食文化も少しずつ変化してきている。山に入って山菜を採る人が減り、地元のスーパーには海外産の山菜が置かれることもある。「若い人が地元を離れ、山を知る人も減り、山菜がある場所もわからなくなってきています。この食文化を大切にして未来につないでいく仕組みづくりができればと思っています」上:採れた山菜を加工したもの/左:山菜を加工する“山の名人”たち写真/坂本政十賜11