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概要

エコジン10・11月号

 東日本大震災が起きた日、高橋みなみさんたちAKB48のメンバーは、グアムでミュージック・ビデオの撮影をしていた。 「ダンスシーン撮影の直前、スタッフさんたちがざわざわしだして、“ あれ?”と思っていたら、“日本で大きな地震があったから、家族に連絡して”って言われたんです。なかなか電話が通じなくて、これは大変なことが起きているのかも…と思いながら撮影を終え、夜テレビで日本のニュースを見たら、津波の映像が…。とても自分の国で起きていることとは思えず、愕然としました」 帰国後、仕事やイベントが急遽中止になり、メンバーは全員しばらく自宅待機することに。実家で報道を見ながら、まず「人として、何かしないといけない」と思ったという。 「でも私は当時まだ19 歳で、どうしていいかわからなかった。でもそんな時、秋元(康)先生はじめスタッフさんたちがすぐに動いてくれて、『誰かのためにプロジェクト』という支援の仕組みが立ち上がり、AKB48として、まずは被災地に届けるための募金を呼びかけることになりました」 そのプロジェクトの一環で、メンバーの被災地訪問が実現。高橋さんは第二陣の訪問に参加した。バスで7時間ほどかけて、東京から岩手県宮古市田老町を訪れた。 「避難場所に向かう道すがら、“ここに街があったんです”、“ここには商店街があって”と解説してくださるんですが、私の目に入ってくるのは、倒壊の危機があるという大きな×印がついた家屋と、瓦礫の山だけ。ほぼ、何もないんです。ニュースで知っていても、実際自分で見ると、本当になんとも言えない気持ちになりました。近づくほどに、そんな場所に自分たちが行って、いったい何ができるのかわからなくなってしまって。正直、歌を届けることで、 人04 エコジン