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概要

エコジン10・11月号

 海岸に流れ着く漂着ごみの実態を調査するため、環境省では2007年からモデル調査を実施し、2010年から全国7カ所(茨城県神栖市、石川県羽咋市、兵庫県淡路市、山口県下関市、長崎県対馬市、鹿児島県南さつま市、沖縄県石垣市)の海岸で漂着ごみのモニタリングを実施しています。5年間にわたり、漂着ごみの個数、種類、量を調べたところ、最も多かった種類はプラスチック類で、全体の60~90%を占めていることがわかりました。そのうち、ペットボトルのラベルの言語表記などから製造国別の割合を調べたところ、ペットボトルの漂着数が最も多かった沖縄県石垣市では、約80%が中国のものと判明しました。ある国によって出されたごみが、海を漂い他の国に漂着してしまうのも海洋ごみの大きな問題点といえます。 海洋ごみの多くを占める廃プラスチックのうち、海岸での紫外線や寒暖差による劣化、摩擦などの刺激を受けて5mm以下にまで微細片化したものを「マイクロプラスチック」と呼びます。1mm前後の大きさになれば動物プランクトンと同程度となり、誤食によって魚類などの体内に取り込まれ、さらにマイクロプラスチックの表面に付着した汚染物質が生物を媒介として生態系に影響を与える可能性も考えられます。こうしたことから環境省は2014年より、プランクトンなどの採取に用いるネットで海表面に浮遊するマイクロプラスチックを採取・計測したり、海岸に漂着・堆積しているマイクロプラスチックを回収し分析するなど、実態の把握に乗り出しています。(上)プランクトンネットを使って、海表面に浮遊するマイクロプラスチックを採取する(下)採取されたマイクロプラスチック(写真提供/九州大学・磯辺篤彦教授)漂着ごみについての全国7カ所実態調査地域茨城県神栖市地域沖縄県石垣市地域鹿児島県南さつま市地域兵庫県淡路市地域石川県羽咋市地域長崎県対馬市地域山口県下関市地域時間目時間目17