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概要

エコジン08・09月号

化の影響を目の当たりに。人々の暮らしを支えるチャド湖は、干ばつによって196 0年代と比較して9割の水が失われ、温暖化による砂漠化で町は砂に埋まり、人々から水と食糧を奪った。REI KIKUKAWA「環境問題は、食糧問題と直接結び付く、人間の生命に関わる問題なんだ、ということを強く感じました。遠い国の出来事だから日本とはあまり関係がないと思われがちですが、地球はつながっているし、宇宙規模で見たら本当に小さな星の話です。よく思うのですが、指の先を切ってしまって、傷が小さいからまあいいかと放っておいたら、そこが化膿して全身に影響が及ぶこともありますよね。いま世界で起きている環境問題も、それと同じことのような気がします。地球は一つの身体のようにつながっているから、決して他人ごとではなく、『自分ごと』なんです。世界の環境について考えることは、自分たちが安心・安全に暮らすためでもある。やはり、知らないというのは怖いことですよね。私自身、今も朝の情報番組をやらせてもらいながら、まだまだ知らないことがたくさんあるなと感じます。たとえば、日本のエネルギー政策はどうあるべきかという話になった時に、知らないで決めるのではなく、知ったうえで、これまでの自分の体験や考えに基づいて適切な判断をするためにも、知識は大きな判断材料になると思います。知らなければ、考えることすらできませんから」環境問題を解決するためには、思いや感情だけでなく、時として冷静な分析や判断も必要になる。理数系出身の菊川さんの目にその辺りはどのように映っているのだろうか。「必要なのは、熱い心とクールな頭、という感じでしょうか(笑)。環境問題も、技術面やシステムに注目するとクールな印象もありますが、根底にあるのは、誰かの『思い』のような気がします。たとえば、ノーベル賞に輝くような最先端の技術も、その根底には人の思いがあって、それが日々の研究を支え、やがては画期的な発見につながっていく。『必要は発明の母』ではないですが、環境問題を解決する技術も、必要だとする人々の思いから生み出されるのかもしれません。とはいえ、私たちのような素人には何もできないのですが、必要だという気運のようなものをつくることはできるかもしれない。一人ひとりの思いは小さくても、それがやがて大きな総意になっていくこともあるのではないでしょうか」05