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概要

エコジン08・09月号

菊川さんが世界のさまざまな問題と向き合うきっかけになったのは、2005年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のスペシャルサポーターに任命されたことだった。「当時、27万人のソマリア難民が暮らすケニアのダダーブ難民キャンプを訪れたのですが、それまで紛争や難民の問題はニュースなどを通じてなんとなく知っていたつもりでいたものの、情報として知っていることと、実際に自分の目で見て実感として知るのとでは、まるで違うということが分かりました。『知る』にも、いろいろな段階があるんだなと思いましたね」それまでは、「どちらかと言えば自分のいる環境のことだけを考えて暮らしていた」という菊川さんだが、2 0 0 7年には自然エネルギーの先進国・アイスランドを取材で訪れ、自然の恵みをエネルギーに換えて暮らす人々の「環境との付き合い方」に感銘を受けた。「自然が美しいアイスランドは、どことなく景色が日本と似ている気がしました。私がお邪魔したお宅では地熱を利用してお肉を焼いていたのですが、豊かな自然の力を上手に生活に活用している姿が印象的でしたね。アイスランドでは、『2 0 5 0年までに石油に頼らない水素社会をつくる』という目標を掲げています。技術的にも、予算的にもさまざまな困難があるとは思いますが、何がいちばん大事なのかを考えて、そこに向けて一歩踏み出す決断力はすごいなと思いました。国によってそれぞれ事情が異なるので、日本で同じことがそのままできるのかは分かりませんが、テクノロジーが進んだりイノベーションが起きることで、なるべく自熱い心とクールな頭で。誰かの「思い」が環境問題を解くカギになる。然の力を活用しながら、エコで循環していくエネルギーのしくみが日本でも構築できたらいいなと思います。たとえば、資産運用もリスクを分散させてリターンを最大にする訳ですから、自然エネルギーも風力・太陽光・地熱などを組み合わせて、最適なリスク分散の組み合わせをつくればいいのでは、などと素人ながらに考えています」2 0 1 2年に訪れたアフリカ・チャド共和国では、地球温暖菊川怜1978年埼玉県出身。東京大学工学部建築学科在学中にモデルデビュー、その後、女優として活躍。2002年から7年間、『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)のキャスターを務め、2012年より、初の帯番組レギュラーとなる朝の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)のキャスターを務める。04エコジン